
気仙沼市
産業部観光課 観光係 主事
気仙沼市出身。中学2年生から産地直送気仙沼少女隊 SCK GIRLSとして活動。高校を卒業後、民間企業で勤務。その後会計年度任用職員として2020年度から気仙沼市産業部観光課観光係で勤務。アイドルの活動も継続し、現在は3代目リーダー。
中学生の時から「SCK GIRLS」というご当地アイドルの活動をしていて、地元の方たちと話をする機会が多くありました。愛情を込めてつくり上げてきたまちが東日本大震災の津波で一瞬にしてなくなってしまい、そこから負けまいと力強く奮闘している大人たちの姿を見て、地域の方々の力になれる仕事をしたいと思うようになりました。高校卒業後、民間企業で仕事をしましたが、より多くの方と接する機会がある行政職で働きたいと思い、市役所に入職しました。
観光プロモーションの業務全般、例えば公式サイトやSNSの更新、メディア対応関係など、気仙沼のPRに関わることを幅広く担当しています。業務をする上でのモットーは“自分のワクワクを信じること“。私が旅行などでここに行きたい!と思うのは、ワクワクしたりときめきを感じたりした時です。そんな心が動く瞬間を仕事でも大事にしたいと思っています。入職してから、自分の知らなかった気仙沼の魅力を知る機会も多く、それを活き活きと話す地元の方を見て、やっぱりいいまちだなと改めて思います。人の「好き」を聞いて自分も好きになることも多いです。
学生時代から休日はどこかのイベントに出演していて、イベントがない日は趣味に没頭したり、歌やダンスの練習の時間。仕事もアイドルとしての活動も気仙沼の魅力を知ってもらうことが目的なので、オンとオフがどちらも一緒になりつつありますね。アイドルの活動はボランティアなので、報酬は達成感。ステージで沢山の刺激をもらっています。なかなかできない経験をさせていただいているので、私にとって「今日はいい汗かいたな、また1週間頑張ろう」という活力が生まれる大切な場です。
震災当時は中学一年生。体育館は避難所、校庭は自衛隊の活動拠点地としてそれぞれ使用されていたため部活動などができず、休日にまちで遊べる場所もあまりありませんでした。そこで地元の大人たちが、子供の居場所づくりとして始めたのがアイドルグループの立ち上げでした。私個人としては、アイドルに憧れて加入したというよりも、学生時代の居場所として歌やダンスを楽しく学んでいました。今思えば本当に貴重な時間だったなと思います。活動を続ける中で他の地域やテレビでよく見るアイドルさんにお会いする機会が増え、どんどんアイドルが好きになりました。「こういう人になりたい!」というビジョンもでき、推しつつ学びつつ、いつか限りなく大きなステージでライブをしてみたいという目標もできました。
これまではイベントに出演する側でしたが、入職してからはイベント自体をつくる側にもなり、出演と仕事が重なることもあります。そんな時も職場の方々は「頑張って」「行っておいで」と温かい声をかけて後押ししてくださいます。そういった皆さんの協力があって両立できている部分が大きいです。自分らしく働くという面では、上司も含めて周りのみなさんが「気兼ねなく聞いてね」といってくださるので、分からないことやちょっと苦手なことを相談したりすることは恥ずかしいことじゃないんだなって思えるようになりました。得意なことは活かして、苦手なことはみんなで補い合える、そんな風通しのいい職場は私にとってすごくプラスだと感じながら日々仕事をしています。
業務でほかの地域の自治体職員や、気仙沼以外の地域の方とも接する機会があるのですが、みなさん自分のまち自慢の話になるんですよね。心から自分のまちに誇りを持って、エネルギッシュに過ごしている人々の姿が宮城の魅力だなと思います。私もそういう姿に影響を受けて育ってきたので、かっこいい大人たちがつくってきたまちに愛着を持って接していきたいです。
これからも気仙沼の観光PRを続けていきたいので、まだまだ知らない魅力や新しい情報をキャッチするために、常にアンテナを張って生活することが大事だなと思っています。伝える力として技術的な面では、デザインやマーケティングの知識などをもっと身につけて、先輩方がつくってきたものを大事にしながら、みなさんとワクワクできるものを生み出していきたいです。期待していることとしては、専門的な知識や資格が必要な時に、後押ししてくれるような制度があると、多くの方がいろいろなことにチャレンジしやすくなると思います。
学生時代と社会人になってからでは、疲れ方が圧倒的に変わりました。学生時代では、きついスケジュールでも元気に乗り越えられたのですが、社会人になってからはそれが難しくなりましたね。なので、大人になってからは息抜きも大切にしつつ、疲れすぎないように意識しています。
これまでの経験を活かすことができたときと、新しいことに挑戦して達成できたときにやりがいを感じます。これまでの例でいうと、気仙沼市観光キャラクターの「海の子 ホヤぼーや」がコロナ禍でなかなかみなさんのところに会いに行けなかったので、おうち時間に少しでも触れ合えるようにと、おうちで楽しめるダンス動画を作成・配信したことでしょうか。今まで公式でホヤぼーやの動画を配信したことは無かったのですが、アイドル活動で動画作成していた経験が活かせる良い機会になりました。今の職場に配属されて初めての仕事だったので、特にやりがいを感じたのを覚えています。
Interviewer
輕部 知紘さん 東北学院大学
起床
出勤・朝礼
1日のスケジュールを確認。電話対応や打ち合わせ、HPを更新しています。
昼食
午前の業務の続きを行います。
退勤
退勤後、週に一度、ダンスや歌の練習に行っています。
帰宅・夕食
趣味の時間
SNSを更新したり、動画を見たりしています。
就寝
休日の過ごし方
活力の場であるライブ出演。東京など遠方のイベントに出演して気仙沼の魅力を話すと「気仙沼に行ってみたい」とおっしゃる方がとても多く、とても嬉しいです。
※記載内容は取材当時のものです。