
農業者
兵庫県神戸市出身。東北大学農学部への進学を機に宮城に移住。卒業と同時に加美町の地域おこし協力隊へ入隊。隊員として3年間、加美町の営農組合で農業研修を積み、2019年に加美町で就農。
大学に進学したのは東日本大震災の翌年の2012年で、農地へのボランティア活動や、研究の方でも農家の人たちに接する機会があり、その中でプレイヤーとして農業をしてみたいなと思ったのがきっかけです。就職活動の際、農業法人への就職も考えたのですが、なかなかここだと決められずにいました。その時、先輩の友だちが、加美町で新規就農をしていることを知り、地域おこし協力隊に挑戦してみることにしました。大学では有機栽培に興味があり、土について研究していたのですが、加美町は有機農業を推進していたことも決め手でした。
お米と野菜の栽培をしています。有機栽培でお米をつくりたいという想いがあり、合鴨農法で栽培しています。鴨のヒナを仕入れて2週間ほど育ててから、田植えをした田んぼに放し、害虫や雑草を駆除してもらっています。野菜はカボチャ、ネギ、カリフラワーなどで、「やくらい土産センター・山の幸センター」の直売所や市場に出荷しています。心がけていることは、農業を嫌いにならないでおこうという気持ちでいることです。荒天や野生動物の被害に遭うなど、思うようにいかないことがありますが、好きで始めた仕事なので、嫌いになってしまったら元も子もないですよね。
やっぱり「おいしい」と言われることが一番うれしいですね。たまにお客さまからお電話をいただくこともあります。「また買います」って言ってもらえると、頑張ろうと思いますし、やりがいを感じます。
好きなことを仕事にしているので、ワーク・ライフ・バランスを考えたことがないですね。仕事と休日の境界線が難しいのですが、登山が好きなので、登りたい時はなんとか休みを創出しています。加美町に来てからペットとしてウサギを飼い始めたので、登山は日帰りが多いです。
加美町の魅力になりますが、すごく移住に対して前向きなところですね。田舎なので排他的なのかなと思っていたのですが、「農業をやりたい!」と移住してきたところ、みなさん親切に受け入れてくださって、家や農地を紹介してくださり、みなさんの助けがあるから今の自分があると思っています。観光の面ですと、やくらいガーデンが有名ですが、グラベルバイクのイベントやロードバイク・マウンテンバイクも楽しめますし、ドラゴンカヌー体験などもあるので、アウトドア好きにはいい場所だと思っています。
私が加美町のみなさんにしていただいたことなのですが、いつか地域おこし協力隊員や研修生を受け入れてみたいですね。加美町は農林業を活かしたグリーンツーリズムを行っていて、活動に携わっています。学生さんや海外の方が自宅に宿泊しながら、田植えなどの農業体験をしてもらっています。その中で、参加した中学生が「農家になる!」と農業高校に進学した子がいました。グリーンツーリズムを通して、加美町の後継者不足や耕作放棄地の問題の解決に少しでもつなげられたらと思っています。
特になかったですね。自分の好きなことを仕事にしたので。大学3年生の時に研究室を選択するタイミングで農業の道に進むことも決め、私が農業研修に行っている間に大学の友人たちは気づいたら就活を始めていた、という感覚でした。家族にも事後報告でしたね。「かくかくしかじかで加美町に行くことになった」と言っても、「へー」くらいで驚きはされたけど、特に反対はされませんでした。
好きなことを仕事にしてほしいです。どんな道でも良いので、選んだ道を正解にする努力が大事だと思います。これまで農業をやってきて「やめたいくらい辛い」と思う時は何度もありました。大雨で畑が水没したり、猪に荒らされたりして作物が全滅した時は本当に辛かったです。でも好きなことをやっているので、やめたいと思ったことはないですね。辛かった時も、目の前のことにひたすら取り組んでここまで続けてきました。
Interviewer
峯村 遥香さん 東北大学大学院
起床
カリフラワー収穫
畑から収穫してきて作業場に運びます。
朝食
カリフラワー収穫
もう1回戦!
調整・梱包
段ボールに詰めたり、直売所用に袋に詰めたりします。
昼食
麺類多め、余裕があれば朝ドラを見ます。
調整・梱包
出荷場、直売所へ出荷
片付け
作業終了、買い出しなど
資材、食品や日用品の買い出し。
夕食
家事・動画鑑賞・読書など
ネットショッピングをしたり本をよんだり家でくつろぎます。
就寝
夜遅くまで起きていられないタイプなのですごく早く寝ます。
休日の過ごし方
東北の山を1年に1回は登る目標があります。写真は軽登山で八幡平に出かけた時のものです。これまで八甲田山や栗駒山にも行きました。
※記載内容は取材当時のものです。