女性のためのポータルサイト「ずうっと宮城」 > 宮城で輝く女性発見! > ハリウコミュニケーションズ株式会社 取締役 総務部長 越路 明美さん

ハリウコミュニケーションズ株式会社

取締役 総務部長

越路 明美さん

気仙沼市出身。仙台市等の小・中学校の養護教諭、仙台市教育局の指導主事を経て、仙台市の小学校3校で教頭を務める。54歳で退職し、ハリウコミュニケーションズ株式会社に総務部長として入社。2019年、取締役に就任。宮城学院女子大学の非常勤講師も兼職する。

前職の経験を活かし、誰もが楽しく働ける職場環境づくりに取り組む

現在の団体を選んだ理由を教えてください。

教職を離れた後、旧知の間柄だった当社の社長と専務に誘われたことがきっかけです。そもそも私が教職を辞したのは、将来、キャリアカウンセラーの資格を取り、進路に悩んだ人をサポートしたいという思いがあったからでした。というのも養護教諭時代、不登校児童やその親御さんの支援に力を入れており、その流れで卒業生が進路や職場での悩みを相談しに訪れることがしばしばあったのですが、そうした卒業生たちの話を聞いているうちに、「その人にとって望ましいキャリアの選択や開発を支援する専門家を目指したい」と思うようになったのです。その夢の実現のために、民間企業に触れてみることも良い経験になると考え、入社を決めました。

現在の業務内容を具体的に教えてください。

当社は創業86年になる老舗の印刷会社です。市内では珍しく、製本まで取り扱いが可能で、短納期によるワンストップサービスを提供できる点が強みです。その中で私は経理や決裁などの業務はもちろんのこと、企画生産から工場までの全部門に携わり、全体を把握しながらスケジュールや人員の管理を行っています。制作物にも関わっており、編集・ライター業務を行うことや、カメラマンの撮影に同行することもあります。

入社してから特に力を入れて取り組んだことを教えてください。

まず子育て支援として、お子さんが急な病気などになった時に休みやすいよう、「多能工化」を推進しました。一つの仕事を全員でシェアできるようにするために、グラフィックデザインのツールも全員が使えるよう講習会を実施しました。新しい知識や技能を習得することにより、一人一人のスキルが向上しました。そのことにより、短納期での仕事が可能になっただけでなく、部門を超えたコミュニケーションが生まれ、相手の立場を理解して仕事ができるようになりました。また、女性活躍推進の取り組みとして、お子さんが小学1年生まで子供の看護休暇を取れるように就業規則を変更。カムバック制度も導入し、辞めた時と同じ立ち位置で復職できるようにしました。さらに、前職の経験を活かし、社員の健康づくりの一環として、月1回社食を取り入れる「ご飯社食」「みそ汁社食」を実施して、食生活の大切さなどを伝えています。

仕事をする上で心がけていることを教えてください。

私が目指すのは、誰もが働きやすい職場環境を作っていくことです。そのために、先ほどお話したような社内改革を進めていますが、社長や専務も健康経営、女性活躍推進、働き方改革、職場環境整備といった点には関心が高く、「元教員ならではの視点でどんどんやってほしい」と言ってくださっているので、非常に行動しやすいですね。一個人としては、相手の役に立つ仕事、職場が楽しくなる仕事をすること。そのうえで自分も楽しく、やりがいを持って仕事をすることを心がけています。

あなたが思う宮城の魅力は何ですか。
宮城で暮らす理由も教えてください。

自然豊かで食べ物が美味しいところですね。特に大崎市の鳴子で作られている「ゆきむすび」というお米が大好きです。仕事に関しても「調べたい」「学びたい」という思いに応えてくれる環境が整っていますし、とても生活しやすいと思います。

今後、思い描いているキャリアデザインはありますか?
そのために努力していることや、宮城県や企業に期待していることも教えてください。

キャリアカウンセラーを目指して勉強中です。資格取得のためには、人事労務管理・労働法規などの知識から、カウンセリングを実施していく上での専門的なスキルも必要になるため、今の職場の環境改善や社員のキャリア支援にも大いに役立てることができると思っています。また、学校保健に長年関わってきた経験から、社員が安心して働くためには心と体の健康こそが第一だと考え、当社では社員の心と体の健康づくりを柱とした取り組みを行っています。県にはより率先して企業の健康経営推進をサポートしてもらえるとうれしいですね。

学生インタビュー

女性社員が活躍できる環境をつくる過程でどんな苦労がありましたか?

女性社員たちに、外部の研修で学んできたことを社内で実際に生かしてもらうことが難しかったです。製造業の特徴として、当社もかつては男性社会でした。だからこそ、研修で知識を身につけてきた女性社員たちがその経験を活かせるよう、「場」を作ることでサポートをしてきました。今では男女関係なく意見が言いやすい環境になりました。また女性社員が中心となって進めてきた取り組みも多数あります。

学生や若い人へのメッセージをお願いします。

ぜひ頑張り抜く力と想像力を育んでください。環境のせいにしていては、人は成長しません。環境は自分の力で変えていくもの。失敗から立ち上がっていく経験の積み重ねこそが、頑張り抜く力を育てると思います。また想像力が足りない人は、狭い枠の中で安全な答えを探し求めてしまっているように感じます。広い視野で物事を眺め、自分で解決することのできる人、相手が何に困っているのかに気づき、相手にとって最適な対応ができる人になるには、さまざまな対象に興味を持ち、その背景に思いを巡らせることができる想像力が不可欠です。

Interviewer

峯村 遥香さん 東北大学大学院

越路さんの力強くも温かいお話の中で、「整理整頓が私の仕事だった」という言葉がありました。はじめは元教師の自分に民間企業で何ができるだろうかと手探り状態だったそうです。しかし、たとえ小さくてもできることから取り組み、目の前のことを整理整頓していく中で、気づくと全ての部署を統括する立場になっていたとのこと。小さな目標達成を重ねることの大切さを学びました。

MY SCHEDULE

  • 6:00

    起床

    家事をこなし、朝食、着替えを済ませ、7:45ごろに家を出ます。

  • 8:15

    出勤

  • 8:30

    朝礼

  • 8:45

    午前の業務

    役員打ち合わせ、その日のスケジュール確認、決裁関係の処理、メールチェックや返信、提出書類の作成、お客様対応など。

  • 12:00

    お昼休憩

  • 13:00

    午後の業務

    工場を見回り、作業状況や機械をチェック。営業・制作も交えて制作の打ち合わせ。撮影同行や編集作業、入稿作業など。

  • 17:30

    退勤

  • 17:50

    買い物・ジム

  • 19:00

    帰宅

    夕食、入浴、読書など。本はエッセイや旅もの、トレッキング情報本、料理本など肩の凝らないものを読むことが多いです。

  • 22:00

    就寝

休日の過ごし方

私は自然豊かな気仙沼の唐桑で育ったこともあり、自然と親しむのが大好きなアウトドア派。趣味はトレッキング、陶器集め、温泉巡りなどです。トレッキングは頂上を目指すのではなく、体力と相談しながら道中を楽しむのが好きです。泉ヶ岳や蔵王、磐梯山といった本格的な山から、近場の水の森公園、青葉城跡、大崎八幡宮などいろいろなところを歩きますね。実は社内でも福利厚生の一環として登山部をつくり、みんなで山登りを楽しんでいるんですよ。昨年は尾瀬と奥日光に行き、尾瀬ヶ原の自然を満喫してきました。

※記載内容は取材当時のものです。