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同世代トーク

宮城県で働く3人の同世代女性。
地元中小企業で人材の仕事に就く土田まなみさん、
“2.5足のわらじ“なパラレルキャリアを実現している小松崎彩子さん、
そしてフリーランスでファシリテーターやブランドデザインを生業とする奥口文結さん。
働くことを楽しむ3人の女性の「ずうっと宮城トーク」をどうぞ。

  • 土田 まなみさん

    SKホールディングス/一般社団法人 ONE TOHOKU HUB

  • 小松崎 彩子さん

    ネッツトヨタ仙台/NPO法人STORIA/一般社団法人 ONE TOHOKU HUB

  • 奥口 文結さん

    FOLK GLOCALWORKS 主宰/ファシリテーター/ブランドデザイナー

いろんなキャリアがあっていい

奥口はじめまして、奥口文結です。まずは、私の自己紹介から。生まれは母の実家がある石川県で、3歳から仙台に住んでいます。今はフリーランスでファシリテーター、ブランドデザイナーとして仕事をしています。ファシリテーターは、まさにこうしたトークイベントなどの企画や進行ですね。ブランドデザイナーは、主にコンセプト作りやグラフィックデザインを行っています。もともとは新卒でエフエム仙台に入社し、ラジオパーソナリティの仕事をしていました。ラジオの仕事は大好きだったのですが、人やモノを紹介することだけでなく、いろいろなニーズを汲んで伴走したいとの思いから、4年前に独立しました。今日は、よろしくお願いします。

小松崎小松崎彩子です。私は名刺を3つ持つ働き方をしていて、ひとつは地元のネッツトヨタ仙台で事務のフルタイムの仕事をしています。そのほかは、NPO法人STORIAでボランティアを始めたのをきっかけに、団体からお声がけ頂き2020年から複業として働き始めています。あとは、一般社団法人 ONE TOHOKU HUBで広報系のお仕事もしていて、“2.5足のわらじ”という感じで働いています。仙台市出身で、仙台が大好きです。

土田土田まなみです。出身は秋田県の由利本荘市で、大学が山形、就職で仙台に来ました。仕事をして今年で10年目です。現在、SKホールディングスの人事部で新卒採用を担当しています。私がこの会社に就職したのは、社員の家族向けのイベントがあるなど、人とのかかわりを大事にしている会社だからです。実は私は4年前に一度転職したのですが、現在再びSKホールディングスの社員として迎え入れていただきました。また、小松崎さんと一緒に、一般社団法人 ONE TOHOKU HUBでのお仕事もさせていただいています。

奥口小松崎さんがボランティアを始めたきっかけは何だったのですか?

小松崎昔から“働きたい“という思いが強くあったのですが、高校を卒業して、とくにやりたいこともないまま希望通り就職して経理の仕事をしていたのですが、ある時、家と会社の往復だけで変化のない毎日にこのままで良いのかと不安になり会社の外の世界を持ってみたいと思いました。それで、子どもたちに居場所を提供しているNPO法人STORIAでボランティアを始めました。1年半ほどの活動を経て「働いてほしい」と言われたときに、会社(ネッツトヨタ)は副業禁止でしたが、諦めきれず約1年間複業したい思いを伝え続けた結果、パラレルキャリアがスタートしました。今は仕事が趣味のようになっています。また、外の世界を持つようになったら、これまではあまり話せていなかった会社の先輩方ともいろいろな話ができるようになって。今では恋愛相談するほどの仲良しになれたんです!

奥口土田さんも一般社団法人 ONE TOHOKU HUBでお仕事をされているんですね。

土田ONE TOHOKU HUBには、「ONE IWATE」など東北各県の出身者で交流できるコミュニティがあるのですが、私は「ONE AKITA」の立ち上げに携わり、イベントなどを企画しました。今は、ONE TOHOKU HUBのほうでの活動が中心ではありますが、私も社内だけの関係だけではなく、社外での場を持ちたいと思い、活動に参加しています。

それぞれが描く、キャリアデザイン

奥口おふたりは、今後どのようなキャリアデザインを思い描いていますか?

小松崎私は2022年の12月に部署が経理から「働き方変革グループしあわせ推進チーム」に異動になりました。実は昨年から部署を兼任しながら組織改革の仕事に携わっていて、12月に正式異動となったんですね。この組織改革の仕事に携わることができたのは、私が「社外での繋がりを通して変化してきた」というのが理由のひとつです。当初は経理との兼任だったのですが、やるのであればがっちり入りたいと思ったので、異動させてほしいと会社に頼みました。今は、この場所で自分の力を試したいし、メンバーの期待に応えたいと考えています。

土田私は、新卒採用の仕事をしていて、目の前の学生さんが困っていることの相談に乗っていますが、感覚や経験で接しているところがあるので、しっかり知識を身に着けるためにもキャリアコンサルタントの資格を取ろうと考え、勉強を始めています。あとは、去年結婚して、いずれは出産もしたいけれど、この会社を辞めるつもりはありません。なので、資格があれば離脱している間も不安にならないし、本業以外のONE TOHOKU HUBの仕事でも使えるのかな、と思っています。

奥口おふたりともいろいろ考えていますね。ちなみに私は、フリーランスになってからまだ4年しか経っていませんが、いろいろな分野でその道の先輩方から吸収しつつ、日々新しいお仕事に挑戦させていただけたらと考えています。昨年、青葉通駅仙台前エリアでの社会実験の運営準備事務局のメンバーに選んでいただいて、街づくりのブランディングデザインに関わることができました。今後も挑戦したい分野が見えてくるかな、と思います。

みんなが好きな、宮城

奥口話は変わりますが、私、先日取材で三陸道開通後、初めて気仙沼に行ったんですね。ドライブするのにすごく気持ちのいい道路で、沿道にはいくつか道の駅があって、それぞれ特徴的な産直品がおいてあって、お買い物するだけで幸せな気持ちになれたんです。産地が近いってすごく大きな宮城の魅力だなぁと思ったのですが、おふたりはどのようなところに宮城の魅力を感じますか?

小松崎宮城自体が好きなので「一番のお気に入り!」を決めるのが難しいですね…。でも奥口さんの「運転しやすい」っていうのはすごく分かります!私も道の駅も好きなので、まだ行ったことがない気仙沼に行ってみたいなと思いました。

土田私はアウトドアが好きで、夏はキャンプ、冬はスノーボードを楽しんでいます。なので、オニコウベの吹上高原キャンプ場はお気に入りの場所です。温泉もありますし、ちょっと探索すると温泉卵を自分で作れる場所もあって楽しいんですよ。でも、私も奥口さんおすすめの気仙沼が行ってみたい場所になりました。実は、登米とか南三陸とか、まだ宮城でも行ったところがない場所もあるんですよね。

奥口宮城は暮らしやすいですし、気候もいいですよね。県外から移住された方や転勤族の方も多い。でも就職という観点でいうと、国立大の東北大学には県外から入学してきた学生が多く、卒業と同時に東京や県外で就職してしまうのが現状だという話はよく聞くので、なんか寂しいなって気持ちがします。

土田奥口さんは東京で就職しようと思わなかったのですか?

奥口クリエイティブな仕事をしたかったので、東京で就活して、広告会社からの内定もいただいたのですが、満員電車が無理だなと思ったんです。就活の時点で満員電車にすし詰めにされて心が折れました……(笑)。そういう意味でも、比較的のんびりしていて、一生懸命働くことはできるけれども、暮らしが守られる空気感みたいなところで働きたいなって最終的に思いました。

小松崎私も宮城から出たことないんですけど、なんか漠然と「ここが一番私には合っている」という感覚があります。あとは、ライフとキャリアの両立を考えたときに、奥口さんもおっしゃったように、自分の生活も大事にしつつ、キャリアを追い求めたければ追い求めることもできるっていうのがいいなと思います。

土田ライフの部分でいうと、買い物できる場所もたくさんあって、でも車で30分走れば温泉があったり、キャンプができたり、スノーボードもできたりという、私にとってはすごく恵まれた環境だと思います。あと、キャリアの部分でいうと、当社の社長も周りの経営者の方も「チャレンジしてみなよ」って言ってくれる方がたくさんいる気がしています。なので、チャレンジしたい人はしやすいのではないのかな、と思いますね。

奥口みなさんは、宮城で会ってみたい人はいますか?

小松崎高校の先輩のサンドウィッチマンさんです。一度高校の文化祭に来てくれたことがあったのですが、体育館の遠くからちょっと見えるぐらいの距離感で見たことがありまして。実は、会社の先輩とコミュニケーションをとるときにサンドさんのネタを使って話をしていたり、生活に溶け込んでいる存在なので直接会えたらパワーをもらえるだろうなと思います!

土田私は会いたい方じゃなくて、もうすでに会っているけれど憧れの人がいて。採用の仕事の中で、学生に地元中小企業の魅力を発信するための「JIMOTOコラボインターンシップ」というものを行っているのですが、そこで密に組ませていただいている他社の経営者の女性の方が憧れの存在なんです。私のような一般社員の目線に合わせて議論してくれるとても物腰柔らかで優しい方でありながら、やることはやり切る強さも併せ持っていて。自分もそんな素敵でかっこいい社会人になりたいと感じますね。奥口さんは、取材などのお仕事でいろんな方に会われていますよね?

奥口そうですね。ただ、お会いしたことがない方でいうと、小説家の伊坂幸太郎さんや最近芥川賞を受賞された佐藤厚志さんでしょうか。私も取材をして文章を書く仕事をしているので、違ったアプローチである小説を書かれている方にお会いしてみたいですね。

最後の質問です。みなさんは、今後宮城をどのようにしていきたいと考えていますか。それを実現するために取り組んでいることや、取り組もうとしていることがあれば教えてください。

小松崎私は「複業」をしていることが自分の中の一番のキーワードとなるので、自分が今繋がっているもの同士を、今後は自分の力で繋げていきたいなっていう思いがあります。手を伸ばしたら、なんかひとつ先じゃなくて5つぐらい先まで繋がれるというか。今そういう環境に少しずつなりつつある気がするので、自分起点で繋げるということをしていきたいです。

土田私は今の仕事の中で、宮城に来てくれる学生さんの可能性を広げるようなことを仕事を通してやっていけたらいいな、と考えています。

奥口今日話してみて本当に感じたのは、宮城って、場所も素材も人材もたくさんある県。アンテナを張れば自ら見つけることもできるし、知り合った人からどんどん人との繋がりが拡がっていくことも多い。もし繋がれる相手であれば、「一緒に何かしませんか?」と、新しい取り組みをつくっていくこともできる。そんな働き方をこれからもしていきたいなと思いました。今日は初めましてでしたが、おふたりともお若いのに、キャリアデザインをちゃんと考えているのが素敵だと思いました。きっと、こんなに優しくてかわいらしいおふたりが宮城県で元気に頑張っているってことで、学生さんにとってもすごく頼もしいと思います。今後ともぜひ仲良くしてください!

小松崎先輩という表現がいいのか分かりませんが、素敵だなって思える人がこんなに近くにいてお話できるっていう状況がすごいし、なんかありがたいというか、嬉しい気持ちになりました。私、奥口さんを写真では何回も見かけたし、名前も何回も聞いていて、「どういう方なんだろう」って今日ドキドキして来たのですが、実際にお話を聞いてみたらとても素敵な方だなって思いました。土田さんとはいつもいろいろな場面で関わっているのですが、今日初めて知ったことがたくさんありました。改めて、宮城にはこんな素敵な人たちがいるんだと実感できて、とてもいい時間になりました!ありがとうございました。

土田社外の方たちがどんなことを考えて仕事をしているのかに触れる貴重な機会でした。こういう時間があることが、私の癒しになるというのを今日改めて感じました。正直、採用の時期でちょっと仕事が忙しくて、張り詰めていた感じがあったのですが、お話をうかがって、自分を振り返る時間になりました。ありがとうございました。