女性のチカラを活かす企業認証
ゴールド認証
ビジネスサポート本部 人財部長 / 荻野 隆司さん
1951年の創業以来、「東北の繁栄なくして当社の発展なし」という考え方のもと、経営理念「地域社会との共栄」を掲げ、東北6県と新潟県を中心に豊かな暮らしに必要不可欠な電気をお客さまに届け、地域と共に発展してきた東北電力株式会社。スローガンとして掲げている「より、そう、ちから。」は、お客さまや地域だけではなく、社員の多様な働き方にも寄り添っています。
電気の供給に関わる事業が当社の基盤となっています。一方で、東北6県と新潟県においては、他の地域と比較して人口減少、あるいは少子高齢化が加速していますので、これに起因して今後交通・教育・福祉など、さまざまな分野において社会課題が顕在化していくことが予想されます。このような社会課題を次世代のデジタル技術やイノベーションの活用などを通じて解決し、地域に住む方々が、一つひとつのサービスを意識することなく、快適・安全・安心に暮らすことができる「スマート社会実現事業」に挑戦しています。将来的には電気の供給事業に続く大きな柱に成長させていきたいと考えています。
当社では経営理念である「地域社会との共栄」のもと、お客さまや地域のみなさま一人ひとりに向き合い、さまざまなライフスタイルや多様なニーズにお応えしていきたいと考えております。そのためには、社員一人ひとりが多様なバックボーンや個性、考え、経験を最大限に活かし、健康でイキイキと活躍することが重要であり、まさに、「DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)はイノベーションを創出する」と考えております。そのような考え方のもと、女性の活躍推進について、当社がさらに会社を挙げて取り組む姿勢を社内外に示したいと考え「女性のチカラを活かす企業認証制度」に申請しました。
これは女性に限る話ではないのですが、当社では特に勤務制度の整備に力を入れております。具体的には、勤務時間に関しては、フレックスタイム制度を、勤務場所に関しては、在宅勤務制度などを導入しております。こうすることで、メリハリのある働き方を実践し、ワーク・ライフ・バランスの実現を図り、仕事に対する意欲・活力を生み出して、多様な人材が活躍できる環境を整備しています。その他にも、育児と介護に関する休職や短時間勤務制度、仕事と配偶者などとの家庭生活の両立支援を目的とする配偶者同行休職制度、さらには、社会参加活動の環境づくりとして、社員の自主的なボランティア活動のバックアップを目的とするボランティア休職や、休暇制度などを設けています。
女性の登用に関しては昨年、グループ企業の東北電力ネットワークとともに、「2035年度末までに、5.0%」とする女性管理職比率に関する目標を新たに設定しました。それに合わせ、女性活躍推進法に基づく「一般事業主行動計画」の中に掲げていた「2025年3月末までに、2019年度期首比で1.5倍以上」とする女性管理職数に関する目標を、「2.0倍以上」に上方修正をしました。仕事と家庭の両立支援という観点では、育児期の社員に対し、それぞれが抱えている悩みや要望などを共有していただいたうえで、ライフイベントを踏まえながら、今後のキャリア形成を考える研修を行っています。また、育児期の社員だけではなく、その上司に対しても研修を実施しており、DE&Iの推進について理解を深めるとともに、育児期の社員が抱える悩みや要望などを把握したうえで、職場全体で支えていくためのアクションプランを策定し、研修終了後に実践しています。その他にも、当社グループ企業の女性管理職を対象に情報交換会を開催しており、その中で、女性役員からの講演や今後の経営のあり方、キャリア形成に関する意見交換などを行うことで、イキイキと活躍していただくためのモチベーションや、キャリアアップに向けた動機づけ、グループ企業が一体となって事業をすすめていくためのネットワーク形成に繋げています。
先程のご質問でお話しいたしました育児期の社員を対象とした研修の中で、「子どもが小さいうちは仕事をセーブしたい」、「新たな業務へチャレンジしたい」、「限られた時間内で成果を出せるよう努力している」など、参加された方々がそれぞれの状況や考えに応じて働き方を模索していたことが強く印象に残っています。また、参加された方々からは、「仕事と育児の両立で余裕のない日々を送っていたけれど、悩んでいるのは自分だけではないことが分かって安心した」、「普段自分のキャリアについて改めて考えることがなかったため、ライフイベントを踏まえたうえでキャリアを考える良い機会となった」などの声があり、研修を実施して本当に良かったとうれしく思っています。この研修は毎年ブラッシュアップを重ねながら実施していますが、次回はさらに良い研修にしていかなければならないと感じています。
これまでも女性が能力を十分に発揮できるよう、働きやすい環境の整備やキャリア形成に向けた支援などに取り組んできましたが、さらに女性の活躍を推進させるためには、女性社員一人ひとりが真に何を求めているのかという点にも注目する必要があると考えています。これまで展開してきた施策の中から得られたさまざまな声などを参考に、必要な取組を着実に実施していきたいと考えています。
経営層と女性社員との座談会で、育児と仕事の両立に悩む社員たちから「半日もいらないけれど1、2時間だけ休みが欲しい時がある」という声が上がったことがきっかけでした。休暇制度は、1日単位から半日単位、1時間単位と段階的に見直しを行ってきました。実際に休暇を取得するにあたっては、上司や同僚など周囲の理解が不可欠です。「困った時はお互いさま」の気持ちで支え合う意識が大事であると考えています。
地域への愛着を持ち、公共事業を担う責任感と変革し続けることにやりがいを感じながら働きたい学生を男女問わず歓迎します。当社では真の公平性を実現するために女性ならではのライフイベントを考慮した制度を整え、また今まで女性社員がいなかった技術部門においてはハード・ソフト両面の整備を行い、女性社員を受け入れるよう取り組んでいます。現場の声を真摯に受け止め、働きやすい環境を目指していますので興味を持ってもらえたらうれしいです。
Interviewer
峯村 遥香さん 東北大学大学院
CORP.INFORMATION企業情報
電気事業
仙台市青葉区本町一丁目7番1号
022-225-2111
5,536人
14%
※記載内容は取材・申請当時のものです。