女性のチカラを活かす企業認証
ゴールド認証
鈴木 隆 頭取(中央)
「信を万事の本と為す」を経営方針とし、2021(令和3)年に創業70周年を迎えた株式会社仙台銀行。女性活躍の場の拡充にも力を入れています。鈴木頭取にこれまでの取り組みや今後の展望についてお聞きします。
宮城県において、中小企業の経営支援を中心に地域活性化に取り組み、銀行業務全般を行っています。1951(昭和26)年7月に宮城県が資本金の4割を出資し、宮城県の中小企業を支援・育成することを目的として誕生した経緯から、当行は生まれながらにして宮城県の経済と地域の皆さまに貢献することを使命としています。8年ほど前から「人で勝負する銀行」というスローガンを掲げているように、当行の最大の財産は「人材」です。当行には学閥も派閥も全くありません。学歴、性別等に関係なく、やる気と能力のある人にはどんどん活躍の場を与えるというのが仙台銀行の企業風土です。
銀行業務を行う上で、女性のもつ細やかな気配りや多面的な考え方は不可欠であると考えています。当行では10数年ほど前から女性活躍を推進しており、2010(平成22)年に預かり資産業務に女性が進出したのを皮切りに、2018(平成30)年には初の女性部長が、2019(令和元)年には初の女性取締役が誕生しました。また、営業店では現在数名の女性支店長が活躍中です。「男性は営業、女性は内勤事務」といった固定観念を取り払うこと、結婚・出産・育児などのライフステージに合わせた取り組みを推進することが、女性活躍の鍵になると思います。
定時退行日の設定、半日有給休暇制度やライフイベント休暇の導入、育児休業や育児短時間勤務および介護休業や介護短時間勤務の利用期間拡大などを実施し、職員一人ひとりが働きやすい職場環境の整備に取り組んできました。また、育休者に対しては職場復帰に向けたフォローアップセミナーを実施するほか、結婚や出産による退職者のキャリアリターンも行うなど、女性の多様な働き方を支援しています。2018(平成30)年4月には、職員の福利厚生の充実や地域の待機児童解決に向けた地域貢献を目的に、企業主導型保育施設「ちゃいるどらんど南小泉じもと保育園」を開設しました。これは宮城県内の金融機関としては初の取り組みとなります。
預かり資産業務において、女性職員が中心となって取り組むことで、2012(平成24)年から2018年(平成30)年まで、12期連続で目標を達成してくれました。その記録が途切れるとき、中心となっている女性職員数名が私のもとにやって来て、「申し訳ありません」と言った時の姿が強く印象に残っています。女性の責任感の強さを実感する出来事でした。彼女たちの頑張りをきっかけに、会社全体の目標達成意欲が高まり、現在に至っています。
女性管理職育成を目的とした研修の充実、および職員が新しい業務に取り組む際の研修やフォローアップを充実させ、さらなるキャリアアップを目指す意識醸成に取り組んでいきます。当行では、2026(令和8)年3月末までに管理職に占める女性割合15%以上、役席以上に占める女性割合30%以上という目標を掲げています。また、これは女性だけに限ったことではありませんが、「人で勝負する銀行」として、「職員が楽しみながら仕事に取り組んで、仕事を通して自己実現と成長して行くのを後押しする企業」を目指し、今後とも「地域から最も信頼され、最も貢献する銀行」を実現していきたいと思っております。
取り組みを始めた当初、女性職員の中には新しい仕事に適応できずに離職してしまった人もおりました。その原因は、新しい業務であるため前例がなく、指導する体制も整っていなかったことにありました。しかし、このような反省があったからこそ、研修制度やフォローアップの充実に努め、現在の女性職員が活躍できる環境を実現することができたのだと思います。
「どんな困難に直面しても、逃げずに正面から向き合える学生」を望んでいます。社会に出て働くようになれば、難しい課題にぶつかることがあるでしょう。しかしそんなとき、逃げずに取り組むことが、人として成長するためには必要なことです。もし困難を乗り越えられなくても、何が悪かったのか、どこを改善するべきだったのかを考え、次につながる学びに変えることができる人に来てもらいたいですね。
Interviewer
輕部 知紘さん 東北学院大学
CORP.INFORMATION企業情報
金融・保険業
仙台市青葉区一番町二丁目1番1号
022-225-8250
907人
55%
プラチナくるみんプラス認定
えるぼし認定2段階目
みやぎ働き方改革実践企業
※記載内容は取材・申請当時のものです。