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女性のチカラを活かす企業認証
ゴールド認証

実施制度 ▼
  • 女性役職者
    30%以上
  • 女性管理職
    10%以上
  • 資格取得を応援
  • 育児休暇取得
    実績あり
  • 法以上の育児・
    介護休業あり
  • 育児・介護用
    勤務制度あり
  • 法以上の看護・
    介護休暇あり
  • 育児・介護の
    費用支援あり
  • 所定外労働制限
    3歳以上

株式会社コンフォート(ケアプランコンシェルジュ/ケアコンシェルジュ)

代表取締役 / 渡辺 由美さん

石垣を積み上げるように、それぞれの形に合わせた職場づくりを

大崎市で2014年に介護保険事業所として創業した株式会社コンフォート。代表の渡辺さんは、仕事と家庭が両立しやすい環境をつくりたいとの想いで起業し、試行錯誤を繰り返しながら女性活躍推進に取り組んできました。

貴社の業務概要を教えてください。

介護保険事業所として、訪問介護を主体とした「ケアコンシェルジュ」、居宅介護支援の「ケアプランコンシェルジュ」の2つのサービスを展開しています。主任介護支援専門員、介護福祉士、社会福祉士、認知症ケア専門士など、多様な資格保持と経験豊かな職員がそろっていることも弊社の特徴です。その特徴を生かし、介護場面におけるコンシェルジュとして、お客さま一人ひとりの生活歴を尊重したオーダーメードの介護にこだわって事業を展開しています。お客様の心身はもちろん、家庭状況に合わせて随時介護プランを見直して、地域の多様な医療関係機関と連携し、生活を支えます。マニュアルにはない臨機応変な対応、広い視野と価値観、センスを磨くことを大切に、在宅ケアチームとして実践を重ねています。

「女性のチカラを活かす企業認証制度」に申請した背景を教えてください。

以前の私は病院で看護師をしていました。当時、先輩看護師のみなさんは、子供の学校行事があっても仕事を休まず我慢したり、それを分かっているから退職したり復職できなかったり、という姿を見てきました。せっかく資格や経験があるのだから、それを生かして仕事と家庭の両立しやすい職場を作れないかと思い、起業しました。その想いは「女性のチカラを活かす企業認証制度」の取組と同じと知り、当社の取組を見える化しようと申請しました。それから試行錯誤をしながら夢中で走り続け、2022年に起業からやっと10年の節目を迎えられました。

女性の能力を十分に発揮でき、働きやすい環境にするための取組について、特に力を入れている貴社の具体的な取組を教えてください。また、その理由も教えてください。

勤務時間の柔軟性です。保育園の送迎などの時間を配慮し、出勤時間を自分で基本軸から決めていただくことが可能となっています。社員のお子さんの託児所が見つからない時は、当社でご縁のある託児所を活用してもらうことも。また、資格取得を積極的に推進しており、業務に必要な資格は会社で費用を負担しています。直接仕事に影響しない資格でも、スキルアップに生かせるものであれば、合格した時点で報奨金を出し、モチベーションアップにつなげています。あとはスタッフが現場で感じたことを形にすることですね。例えば、お客さまが困っていることをスタッフから聞き、新しく事業ケア内容に取り入れるなど、スタッフの役に立ちたいという気持ちを大切にしています。スタッフは全員女性だったのですが、最近は男性1人を採用し、男性ならではの視点も取り入れて、より当社の強みにしていけたらと考えています。

女性の登用について、または仕事と家庭の両立支援について、独自の取組がありましたら教えてください。

独自の取組は先ほど話した通りです。当社は会社づくりの考え方として、「煉瓦を積み上げる」のではなく、「石垣を積み上げる」ことを目指しています。煉瓦は同じ形をどんどん積み重ね、一部が壊れたら同じ大きさを補完しますし、出っ張りがあれば削りますよね。その壊れたり出っ張ったりしている部分は、実は個性や強みかもしれません。石垣は2つとして同じ形はなく、どう組み合わせたらいいかを考えるのは大変ですが、うまく積み上げることで強固なものになり、すごい力を発揮します。スタッフ一人ひとりに合った働き方ができる組織づくりを推進して、全員が力を発揮してもらいたいと考えています。

ポジティブ・アクション(女性の能力を活かすために企業が行う自主的かつ積極的な取組)を推進する中で、苦労したこと・やってよかったことなど、印象深い出来事を教えてください。

小さな会社ですので、人手不足という切っても切れない問題があります。採用募集をかけた時、「ここは子育て中の女性が働きやすい職場だと聞いて」と来てくださる方がいるのはうれしく感じていますが、みなさん受け身の立場の方が多いです。配慮してもらう立場だけではなく、場面を変えれば配慮する側でもあるので、そういった「気づき」を得られる雰囲気づくりや、意識改革には苦労しています。出勤時間を自分で決める制度もそうですが、どうすれば両立していけるのかを自身で考え、自分で選び、選択すると覚悟が生まれます。それができるように、多くの選択肢を用意して、時には「気づき」に導いています。印象深かったのは、さまざまな制度を使って仕事と子育てを両立してきたスタッフが、新しく入った方に「ここだったら続けていけるよ」とか、自分の経験を踏まえて「こうするといいんじゃないかな」というやり取りを見た時、当社の考えが浸透してきたなと感じ、頑張ってよかったなと思いましたね。

貴社のポジティブ・アクションにおける今後の展望を教えてください。

これからも、働く仲間としてお互いの言葉を聞き、頑張っている人を素直に尊敬し、一緒に成長できるような会社づくりを意識していきます。当社スタッフは、20代から60代後半まで幅広い年代の方がいます。子育てや介護、自分の体調管理など、さまざまな事情がみなさんありますが、お互いさまの精神で仕事と両立する方々を応援したいという想いは変わらず持ち続けたいです。仕事の成果は変えずに、働く時間と家庭の時間を自分で工夫し、働くママのマイルールをモットーに、スタッフを支援していきたいと思っています。また、小さい事業所だからこそできる強みがあると思っております。一人ひとりに寄り添ったケアができるよう心がけ、地域のみなさんの人生の1ページに寄り添い、自己研鑽に手間を惜しまないオーダーメードの介護をこの先も提供していけたらと考えています。

学生インタビュー

女性の従業員が多いからこその強みと、逆に大変さはどのような点がありますか?

女性を取り巻くその時々の事情に合わせて工夫し、柔軟に対応できることです。また、お互いの困りごとに気づける感性を持っていることや、似たような境遇にあるからこそ何気なく相談し合えることも女性ならではだと思います。一方で大変さは、子育てをしている従業員たちの休みたいタイミングが重なってしまった時の調整です。また、子育てが一段落した従業員に負担が偏ってしまわないように配慮する必要もあります。

どのような学生に来て欲しいですか?また、学生へのメッセージをお願いします。

目標を持ってチャレンジする人を魅力的に思います。できない理由を探すのではなく、やりたいことに向けて行動する力があり、一緒に成長できる方にぜひ来て欲しいです。学生の皆さんへ、多様性が叫ばれ、複雑な問題が溢れている現代だからこそ、関心のアンテナを張り続けてください。スマホで自分が興味のあることだけを見ていると、それに特化した情報に偏ってしまいます。関心のアンテナをぜひ色々なところへ張り巡らせてください。

Interviewer

峯村 遥香さん 東北大学大学院

「煉瓦ではなく石垣を積んでいく」「積極的に待つ」など起業家でありリーダーであり、また大の大河ドラマ好きであるという渡辺さんの言葉は美しく、心に留めておきたいものばかりでした。将来、自分が働く時に、働く女性が活躍する機会を作ってきた渡辺さんの言葉を思い出して励みにしたいです。

CORP.INFORMATION

※記載内容は取材・申請当時のものです。