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株式会社髙政

営業部 課長代理/大和田 麻里さん(左)
加工食品部発送室 課長代理/熊坂 智恵さん(中央)
代表取締役社長/高橋 正樹さん(右)

若手が生み出す商品で新たなニーズを探り続ける

肉厚で魚の風味を生かした笹かまぼこに定評のある「髙政」。本社工場では、製造工程のオール電化を導入し、生産設備からの二酸化炭素排出ゼロを実現するなど、環境保全の推進にも力を注ぎます。今回は伝統を守りつつ、新しい視点を取り入れ続ける同社で商品開発を担う女性たちにお話を伺いました。

大和田さんと熊坂さんは商品開発を担当されているそうですね。

(高橋さん)実は当社の商品開発はちょっと特殊で、各部門からの“選抜メンバー”で構成されており、例えば「手間がかかるのでNG」「部内の仕組み的に難しい」など、部門間の対立で商品の可能性が狭まってしまうことがないように、営業、製造、販売からバランスよく選抜しています。

(大和田さん)私は普段、営業企画としてポスターやカタログの制作、ECサイトの構築、各店舗の“店づくり”などを担当しています。

(熊坂さん)私が所属するのは商品パッケージの最終工程を担う部門。箱詰めやシュリンク包装などを経て、発送担当へ引き継ぐ部分を担当しています。

(高橋さん)もともと商品開発は役員だけで行っていたんです。しかし50~60代男性の感性だけで商品開発を続けていると、従来の“贈答用蒲鉾”から抜け出せず、いつしか若年層にリーチできなくなってしまう。そこに危機感を覚えて「今後の商品開発は若手だけで行う」と舵を切り、今の体制を作りました。

“選抜メンバー”の方たちは、商品開発をどのように行っていますか。

(高橋さん)例えば「話題のカフェでアフタヌーンティーを楽しんでから会議を行う」ということを定期的に行っていますね。話題のカフェは提供メニューだけでなく、店内装飾や接客サービス、メニュー構成、BGMなど多くの要素が複合してこそ「店」の魅力となります。これは私たちが製造する「商品」も同様で、品物そのもののクオリティに加え、パッケージや商品背景、プロモーションなどさまざまな付加価値を必要とする。それらを体感で理解する、という目的も含んでいます。

(熊坂さん)「こんな蒲鉾があったらいいな」というジャストアイデアを、気負わずぶつけられる雰囲気がありますね。例えば「こんな風合いの蒲鉾はどう?」と問えば、製造部門が「すり身の性質で、こういう食感は難しいから、逆にこうしたらどうだろう」と応えてくれる。物理的に難しい部分をアイデアで乗り越える姿勢がメンバー間に浸透しています。

(大和田さん)新規性のある商品を考えるだけでなく、ネームバリューのある方とのコラボやブランディングの手法など、付加価値の付け方なども話し合っていますね。私はパッケージデザインを担当することも多いのですが、日頃からコンビニの棚を見て「今はこういうデザインがウケている」「こんな素材が注目されている」など、トレンドをチェックするようにしています。

商品開発で記憶に残るエピソードはありますか?

(熊坂さん)私が商品開発チームに参加した当時、先輩の提案で実現間近だった「デザートかまぼこ」が印象的です。そのときは石巻市で試食会を行うところまで進んだのですが、最終的に商品化は叶いませんでした。その思いを引き継ぎ、いつかデザートかまぼこを実現してみたい。それ以外にも「かつてないかまぼこ」を自分の手で生み出したい、という思いがあります。

(大和田さん)私は3カ月かけて開発した「夜かま」でしょうか。「子どもに内緒で、お酒のおつまみとして食べる」をコンセプトに、スモークしたチーズやベーコンを組み合わせた商品です。売れ行きは好調で、今後もメーカーとして育てていく商品となればいいなと思っています。

(高橋さん)「若手だけで商品開発を」と改革を断行したときは、メンバーの男女比を等しくすることも意識していました。現在のバラエティに富んだ視点を活かしつつ、今後はニーズの多様化を見据えたニッチな層に届く商品も作っていきたいと考えています。

女性社員としての働きやすさについて教えてください。

(大和田さん)私は結婚、出産を経験していることもあり、時短勤務や休暇の融通などでたくさんの恩恵を受けていますね。特に私が所属する部門には子育て中の親世代が多いので、制度を活用しているメンバーが多いです。
また当社は出産後の復職率が100%で、「本人が希望すれば、復職後も元のポジションに戻れる」という点も心強いです。

(熊坂さん)会社全体からライフワークバランスを重視する風土を感じますね。時短勤務など育児向けの制度の活用者が多いことで「制度活用に後ろめたさを感じない空気」が醸成され、後に続く人が増えていく、という好循環が生まれている気がします。社内結婚している先輩も多く「夫婦でこの仕事にかける」という姿に、憧れを覚えますね。

今後の目標について教えてください。

(大和田さん)商品開発としても、企画担当としても「買う側の視点」を大事にしたいと常々感じています。また働く中で「こんな制度があればいいのに」と感じる機会もあります。そうした気づきや意見を踏まえ、上層部に「こうやってみませんか?」と提言をしたときに「あなたがいうなら検討しましょう」という、説得力を持った人材となることが目標です。そのために、まずは日々の仕事で結果を出していくことが大事だと感じています。

(熊坂さん)私は、先ほどお話した「デザートかまぼこ」のリベンジをいつか果たしたいですね。あのときのチームの熱意に、どこかのタイミングで報いたい。それと、最近は若手社員が増えてきていますから、声を上げにくい人の声に耳を傾け、悩みの解決を手助けができる存在になることを目指しています。

学生インタビュー

就職希望者に「地元企業」の魅力をどう伝えますか?

今は働き方の自由度が増し、選択肢の多い時代になりました。以前なら首都圏でしかできなかった仕事も、今は地元で経験できるケースも多い。まずは立地よりも、制度や仕事内容を見て「どんな風に働きたいか」を重視し、その上で選んでもらえるとありがたいですね。

学生時代にやっておくべきことはなんですか?

学生時代って「社会」を知る機会がないですよね。例えば「ひとつの商品が世に出るために、どんな部門がどのように関わっているか」を知り得ることなんて、ほぼないはず。その意味でインターンへの参加は、学生が社会勉強するのに絶好の機会だと思います。

Interviewer

平見 春陽さん 東北学院大学

広く若い人達にも求められるように20代〜40代の女性社員の意見も取り入れながら、今までになかった視点でヒット商品を生み出したというお話が心に残りました。産休育休取得後の復職率が100%で、休暇前と同じポジションで働けるということも印象的でした。このような仕組みがあれば女性も安心して働けると思いました。

CORP.INFORMATION

※記載内容は取材・申請当時のものです。