総務部長/阿部 淳一さん
石巻でトマトやパプリカの生産を手がける農業法人「デ・リーフデ北上」。オランダ式の先進的な栽培技術を導入し、通年での安定生産を実現しています。さらに週休2日制の導入など、新しい農業の形にも挑戦。社員の7割以上が女性という同社の取組や今後の展望を総務部長の阿部淳一さんに伺いました。
当社はトマトとパプリカの生産を行う農業生産法人です。スーパーや外食産業向けに出荷するだけでなく、規格外品を活用するためにカフェ「リーフデ・テラス」も運営。食品ロス削減を目的に、農業の6次産業化にも取り組んでいます。
はい。次世代につながる農業を目指し、オランダ型の施設園芸を採用しました。一般的なビニールハウスではなく、透過率の高いガラスハウスを導入し、植物が育つのに最適な環境を整えています。農業にはいわゆる「旬」がありますが、この技術により、季節に左右されず安定した生産が可能になりました。また、台風や雪などの自然災害の影響を受けにくく、年間を通して栽培できるのも特徴です。
そうですね。この地域は震災で大きな被害を受け、雇用の流出が深刻化しました。当社は震災後に立ち上げた企業で、地元の雇用創出も目的の一つとしています。現在、グループ全体で約100名を雇用しており、多くが地元出身の方です。また、農業は「休みが取りにくい」と思われがちで、それが人手不足の要因にもなっています。そこで、次世代型のスマート農業を導入し、業界では珍しい週休2日制を実現しました。水やりや温度調整はコンピュータ制御で自動化されており、スマートフォンから遠隔操作も可能。トラブルがあれば通知が届く仕組みになっているため、社員もパートスタッフも基本的には土日休みを確保できる体制を整えています。
社員の約70%が女性です。育児中のスタッフも多く、それぞれのライフスタイルに合わせて就業時間を調整できる柔軟な雇用体系を整えています。また、農業の現場では、トイレや休憩スペースが十分に整っていないことが課題でした。そこで、女性が快適に働ける環境を意識し、広い休憩室や更衣室を完備。トイレも明るく清潔な空間にし、リラックスできる環境を整えました。さらに週に一度、カフェの社食を社割で利用できる制度を導入し、従業員にも好評です。
農業は黙々と作業するイメージが強いかもしれませんが、私たちは「明るく楽しく働く」ことを大切にしています。積極的にコミュニケーションをとり、誰もが意見を言いやすい環境を作ることで、自然と笑顔が生まれる職場を目指しています。
性別は意識していませんが、農業は細やかな作業が多く、女性に向いている仕事だと感じます。一人ひとりの特性を見極め、適材適所で活躍できるよう工夫しており、指導係には気配りができる人を抜擢するなど、強みを生かす体制を整えています。
Interviewer
尾上 南那さん 東北大学
CORP.INFORMATION企業情報
農業
石巻市北上町橋浦字北釜谷崎226
0225-67-2046
45人
70%
※記載内容は取材・申請当時のものです。