株式会社ウジエデリカ衛生・開発室担当/土屋 麻衣さん(中央)
宮城県内に全31店舗を展開する「ウジエスーパー」。その地域密着型の運営と商品のクオリティが評判を呼び、近年では全国放送のテレビ番組に取り上げられる機会も増えています。今回は食を通して社会に貢献する「価値訴求型スーパー」を掲げる同社で活躍する女性社員に、その働き甲斐について聞いてみました。
私はウジエスーパーの関連企業である「ウジエデリカ」で、商品開発を担当しています。当社はウジエスーパーの店舗および工場でデリカテッセン(惣菜)の製造・販売を手がける企業です。例えば作り立てがおいしい揚げ物などは店舗内で調理しますが、お弁当やポテトサラダなど、冷めてもおいしく食べられる総菜は当社が開発・製造を行っています。当社のデリカは全国スーパーマーケット協会主催の「お弁当・お惣菜大賞」で10年連続入賞を果たすなど、各方面から高い評価をいただいております。その特徴は、原料調達から商品企画・開発、製造、販売まで一貫して手がける「製造小売」であること。仙台中央卸売市場の隣という物流にも恵まれた地に工場を抱えている強みを活かし、当社にしか出せない味を作り出し、店舗を通してお客様の食卓にお届けしています。
例えば「カキ弁当」などのように、シーズンメニューは当初から大筋が決まっているのですが、それを具体的に「どんな調理法にするか」「仕入れ先はどこにするか」などを、工程を具体化することが私たちの役目となります。当然「よりおいしく」「よりコスパ良く」という部分は商品開発の大前提ですが、同様に重要となるのが関係部門との打ち合わせです。実際に製造する工場、仕入れを行うバイヤー、仕入れ先となるメーカーなど、それぞれのオペレーションなども踏まえたすり合わせも大切な工程のひとつです。
直近では「お弁当・お惣菜大賞2024」で入賞を果たした「石巻漁港とれたて!ホヤ飯」でしょうか。「鮮度のいい宮城県産ホヤを使用する」というのが大きなこだわりでしたが、ご存じの通りホヤは独特の匂いと風味があり、味付けや調理の調整に苦心しました。最初は匂いや風味をカバーする濃い味付けにしていたのですが、そうするとホヤ自体の味わいが楽しめない。「臭みをカバー」できて、なおかつ「素材の味を楽しむ」ことのできる、ちょうどいい塩梅を何度も試作しました。
メディアで話題にしていただく機会の多い、大きなおにぎり「YOSHIだま」や、店舗併設カフェ「Ucafe(ユーカフェ)」でふるまう、ビジュアルインパクトの大きいパフェなどは、女性の意見を活かし、ヒットした商品です。そもそも店舗内カフェを立ち上げたのも、女性を中心としたメンバーでした。当社のメイン顧客は主婦層が中心ですから、新規事業の立ち上げにあたっては「主婦が何を求めているか」というマーケティングの視点が大切。社長もそれを十分に理解していて、現場であがる女性社員の声に耳を傾けてくれるという点が大きいのかもしれません。
店舗の全体責任者である「店長」や、商品ラインナップの決定権を持つ「バイヤー」など、責任の大きい職務に、多くの女性社員が就いています。もちろん「働きやすい環境づくり」にも注力していて、例えば育児休暇取得率は100%を誇り、時短勤務なども状況に応じてフレキシブルに対応しています。育児休暇は女性に限らず、男性社員の取得実績もあります。また採用スタッフの年齢層も幅広く、最高齢はバリバリ現場で活躍している76歳の女性パートの方であるなど、「女性」としてというよりも、誰もが働きやすい環境づくりに注力しているという姿勢です。
商品開発としては、やはり「大ヒット商品を出したい」という一言につきます。今は開発室長のアドバイスをいただきながら進める部分も多いのですが、経験をもっと積み、より大きな領域を任せてもらえるよう頑張っていきたい。そしていつかは「ウジエといえばコレ」という商品を世に送り出してみたいと思っています。
ニーズを分析し、参考とするのはもちろんですが、いただいた意見を反映させるスピード感も重視しています。気になる意見はメールで全社共有し、改善が必要であればすぐに対応策を話し合い、具体化することを大切にしています。
先ほどのお買い物アンケートなどもそうですが、店舗に立つスタッフは、お客さまから直接お声がけをいただく機会も多いんです。そこで「ウジエがうちの近所にあって本当によかった」と、感謝を伝えられると「進んでいる方向は間違っていないんだ」と心強い気持ちになりますね。
Interviewer
髙橋 実結さん 宮城大学
CORP.INFORMATION企業情報
卸売業・小売業
登米市迫町佐沼字中江1-7-1
0220-22-7117
517人
80%
申請時点における過去3年間の女性採用数35人
※人数は企業全体の採用数です
※記載内容は取材・申請当時のものです。