業務統括室/今野 萌々夏さん(右から2番目)
管理部管理課/髙野 愛巳さん(右)
ひと昔前までは“男の仕事”とされてきた卸売市場の仕事ですが、近年では女性が活躍する場も増えてきています。仙台市中央卸売市場内で国内外から水産物を仕入れ、販売する「仙都魚類」もまた、男女不問で働ける勤務環境の整備を進めています。今回は卸売市場で働く女性たちの声を伺いました。
(髙野さん)当社は仙台市中央卸売市場の水産物元卸売業者として、生鮮水産物や冷凍水産物、そのほか加工食料品の販売を行う会社です。クライアントは量販店や加工品メーカーなど。このほか、他市場へも販売します。「仙都グループ」にはほかにも仲卸業や物流、倉庫などの関連企業があり“仕入れから販売までワンストップで担う”点を強みとしています。
(今野さん)私は現在、量販店のバイヤーから要望をいただき、商品を集めて手配をする業務を担当しています。例えば「カツオのシーズンなのでカツオの鮮魚をこのぐらい欲しい」という要望に従って、入荷をして送る手配をする、ということですね。基本的には全国のネットワークを駆使してリクエストを叶えているのですが、ときに海が時化(しけ)て思うように漁ができず「全国的に品薄」ということもあり得ます。そうしたときは事情をお話した上で代替商品をご提案させていただくこともあります。
(髙野さん)私は現在総務部に所属し、人事採用のほか売場でのイベント企画提案などを担当しています。卸売市場内にはいまだ男性社会特有の気風が残っていて、事務で活躍する女性は昔からおりましたが、営業女子という概念はあまり無く「社外に出さず守る」というムードがあったんですよね。しかし5年程前に女性の営業職が誕生して、この頃を境に「男女の性差なく働ける部門において、女性を積極的に登用する」という機運が高まったように感じています。
(髙野さん)事務部門に関して言えば、毎年コンスタントに採用を続けています。営業部門に関して言えばどうしても「男性社会特有の気風」が残る業界ですので、そうしたことを受け流すことができる芯の強さを見て採用する、という部分がありますね。もちろん社内的に「守る」体制がありますから、問題があれば逐一相談いただければと思います。
(今野さん)あとは市場ですからどうしても「朝が早い」んです。結婚、出産を経て「独身時代と同様に働くことが難しい」という場面も出てくるでしょうから、そのときは時短勤務などの制度を活用してもらえたらと思いますね。
(髙野さん)実は私、「産・育休取得第一号」でもあるんです。私の場合は「すぐに復帰をしたい」という意向を伝え、育休取得は6カ月のみにとどめました。復帰後は市場内の保育園を活用しつつ、すみやかに業務に戻ることができました。ちなみに市場内の保育園では6カ月から3歳までの子を預かってもらうことができます。
また時短制度も活用しています。通常は7:00~16:30の勤務ですが、出産後2年間は1時間時短し、8:00出社にしてもらっていました。現在8:00出社は据え置き、退勤を17:30にしてもらっています。
(髙野さん)「卸売市場の仕事」はBtoB(企業間取引)で、一般の目に付きにくい仕事です。そのため「こんな仕事がある、女性が活躍できる場がある」ということをなかなか知ってもらえない実情があります。もっと広い層にPRする機会を増やしていく必要があると感じています。
(今野さん)入社当初は「自分にできるのだろうか」と不安を感じたこともありましたが、お手本となる先輩方が周囲にたくさんいますし、経験を積む中で少しずつ自信を持てるようになってきました。「入社前は魚の種類なんてわからなかった」という人もめずらしくありません。ぜひ安心して飛び込んできてほしいですね。
営業の場合は「売り上げ」という明快な指標がありますが、事務系の部門に関する評価指標はクローズドです。ただ一人ひとりの裁量が大きく「やりたいことをやれる」環境ですので、自分が納得できる仕事を着実に積み重ねている人は、大きく飛躍しているといえます。
前提として当社の場合、営業は「総合職」、事務は「一般職」となり、役職が付くのは総合職のみです。ただし一般職にも評価による昇給がありますので「将来的にマネジメント業務がしたい」「キャリアアップしたい」という意向のある方は「総合職」を、「評価があればポジションは問わない」という方は「一般職」を希望していただくのがいいかと思います。
Interviewer
吉川 史織さん 仙台白百合女子大学
CORP.INFORMATION企業情報
卸売業
仙台市若林区卸町4-3-1
002-237-8300
70人
26%
※記載内容は取材・申請当時のものです。