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会場周縁の緑地を観察しながら空想の生きもの(妖精)を作成し、それを環境と関わらせながら撮影した動画を発表することに取り組んでもらいました。当初は、周縁の森を探検する予定でしたが、外気温が高すぎたため中止し、比較的涼をとれる藤棚周辺を活動エリアとして、妖精を作る活動と動画撮影、美術館の展示室内での動画発表という流れで実施しました。
初めに、オノマトペ(擬音・擬態語)のカードを引いて、その言葉(「がたがた」「つるつる」「ひらひら」「とろーり」等)からイメージするものを藤棚周辺で見つけてもらいました。言葉で自然を観察する体験をしてもらったあと、オノマトペカードの言葉から連想する形をカードに描き切り抜いて竹ひごを貼り付けて妖精人形を作成しました。
妖精人形を周縁の環境の中に溶け込ませながら動かし各自のスマートフォンで撮影してもらいました。美術館の展示室に移動し、拡大鏡の前にスマートフォンをかざして、撮影した動画を参加者全員で鑑賞しました。オノマトペを形にすることに多少の苦戦は見られましたが、妖精がいそうな場所を探して撮影している姿は実に楽しそうでした。
大衡村ふるさと美術館に常設展示されている菅野廉の風景画を題材にワークショップを行いました。特に、その風景の捉え方や描き方を参考にして、いつもと異なる風景の姿を発見することを目的としました。
はじめに菅野廉の風景画を鑑賞し、その印象について互いに意見を交わしました。その中から、菅野廉の描く風景を捉えるキーワードとして「塊」や「色」、「厚み」や「ボリューム」などの言葉が得られたことを踏まえ、美術館のまわりの風景を空間の塊の組み合わせとして捉えて分節する活動を試みました。参加者それぞれが目の前の風景を5つの塊に分けることを試すと、同じ風景を見ていても参加者によって着眼点が異なり、塊の組み合わせとして風景を捉える際のバリエーションの多さが確認されました。
休憩後は、実際に風景を描く活動を行いました。描く際は、その風景を自分なりに5つの空間の塊に分節し、ランダムに色を選んだ極太のマーカー5本のみでそれを塗り分けることにしました。また、このようなスケッチを45分間に少なくとも2枚以上描くこととしました。描いたスケッチは美術館の展示室に簡易に展示し、それを前に意見を交換し合いました。塊を捉えて描かれたスケッチは、少ない色数ながら空間が立ち現れているように見えました。菅野廉の風景画を起点に、普段とは異なる風景の捉え方について考える機会となったようでした。
大衡村ふるさと美術館の入口前に様々な素材や道具を並べ、当日訪れた人が自由に創作することができるブースを設置しました。関心を示した家族に声を掛けてみると、多くの家族が端材を使って木工作業を始めました。大人に助けてもらいながら釘を打ち、ペンや絵具で色を付けて作品を作ったり、小動物の家や蝉の抜け殻の飾り物を作ったりする子どもも見られました。そのほかに、黒板にチョークで絵を描いたり、木の板にクレヨンで絵を描いたりする子どもがいました。
木工作業が人気で、試行錯誤しながら端材を組み合わせ、自然物をコラージュして造形する楽しさを参加者の皆さんが味わっていました。
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