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宮城県議会情報公開審査会答申第2号

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年9月10日更新

 

 答申第2号

答申

 
第1審査会の結論
  宮城県議会議長が行った公文書の不存在決定は妥当である。
第2異議申立てに至る経過
1 異議申立人は,宮城県議会の保有する情報の公開に関する条例(平成11年宮城県条例第27号。以下「条例」という。)第4条の規定により,宮城県議会議長(以下「処分庁」という。)に対し,平成17年9月18日付けで「平成15年3月28日の県教委懲戒免職が裁判結果,証拠ねつ造変造,最高裁判決違背であった場合,県教委処分に加わった議員がいた場合,その議員の受ける民事・刑事・行政処分事例・法令  近日に,仙台地裁に提訴するので請求する。」について,開示の請求(以下「本件開示請求」という。)を行った。
2 処分庁は,異議申立人に請求趣旨を確認し,請求内容にある「平成15年3月28日の県教委懲戒免職が裁判結果,証拠ねつ造変造,最高裁判決違背であった場合,県教委処分に加わった議員がいた場合,その議員の受ける民事・刑事・行政処分事例・法令」とは,「県教委が行った不正行政処分等に関わった議員がいた場合,その議員を処分した事例があればその関連文書」という趣旨であることを確認した上で,本件開示請求に係る公文書を保有していないとして,条例第6条第1項の規定により,公文書の不存在決定(以下「本件処分」という。)を行い,平成17年10月4日付けで異議申立人に通知した。
3 異議申立人は,平成17年10月13日,行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により,本件処分を不服として,処分庁に対し異議申立てを行った。
第3異議申立人の主張要旨
1異議申立ての趣旨
 異議申立ての趣旨は,本件処分の取消しを求めるというものである。
2異議申立ての理由
 異議申立人は,異議申立書及び平成18年1月25日付けの意見書において,次のように主張している。
 異議申立人は,県議会議員が不正行政行為に関与した場合に,どういう処罰の先行事例があるかという請求をしたものであり,宮城県教育委員会の不正に関与した議員の処罰事例に限って請求したわけではない。県議会議員に対し,不正,あるいは不正疑惑の案件において,議会が処罰を行ったか否かの文書を請求したものであり,処分庁の請求内容の解釈は,異議申立人の請求意図に反して狭めており,的確に請求に応えているとはいえない。
第4処分庁の説明要旨
 処分庁は,理由説明書において,次のように主張している。
1本件開示請求に係る経緯
 平成17年9月21日に郵送により,平成17年9月18日付けの公文書開示請求書が到着したが,請求内容が具体的に記入されていなかったため,公文書の特定が困難であった。このため,異議申立人に連絡し,「県教委が行った不正行政処分等に関わった議員がいた場合,その議員を処分した事例があればその関連文書」という請求趣旨であることを確認した上で,当該請求書を受理した。
2本件処分を行ったことについて
 普通地方公共団体の議会が議員に対して行う処分は,地方自治法(昭和22年法律第67号)第134条第1項の規定に基づく懲罰である。よって,請求趣旨にある「議員を処分した事例」,すなわち,議員の懲罰の例について確認作業を行ったが,県教委が行った行政処分等に関わるものではないため,請求に係る事例がないとし,本件処分を行ったものである。
第5審査会の判断理由
1条例の基本的な考え方について
 条例は,「地方自治の本旨にのっとり,県民の知る権利を尊重し,宮城県議会の保有する公文書の開示を請求する権利」(条例第1条)を明らかにすることにより,「議会の有するその諸活動を説明する責務が全うされるようにするとともに,県民の議会への理解と県政参加を促進し,もって広く開かれた議会の実現に寄与することを目的」(同条)として制定されたものであり,原則公開の理念の下に解釈・運用されなければならない。
 当審査会は,この原則公開の理念に立って,条例を解釈し,以下判断するものである。
2本件処分の妥当性について
 処分庁の説明及び本件に係る公文書開示請求書など関係資料によれば,次の事実が認められる。
 本件開示請求に係る公文書開示請求書は,郵便で宮城県議会事務局情報公開窓口(宮城県議会公文書開示事務取扱要綱により公文書の開示等の事務を行うため設置)に送付された。その「請求する公文書の内容」欄には,「平成15年3月28日の県教委懲戒免職が裁判結果,証拠ねつ造変造,最高裁判決違背であった場合,県教委処分に加わった議員がいた場合,その議員の受ける民事・刑事・行政処分事例・法令  近日に,仙台地裁に提訴するので請求する。」との記載があった。情報公開窓口の担当職員は,同記載では,具体性に欠け文書を特定するには足りないと判断して,電話で異議申立人に連絡をとり,異議申立人から開示を請求する公文書の趣旨,内容についての説明を聴取し,異議申立人の了解を得たうえで,異議申立人が開示を請求する公文書の内容につき,「県教委が行った不正行政処分等に関わった議員がいた場合,その議員を処分した事例があればその関連文書」と補正があったものとした。
 処分庁は,処分庁が管理する公文書で議員の処分に関するものは,地方自治法第134条第1項の規定によって議会が議員に科する懲罰に関するもの以外にはないため,議員に対する懲罰の例のうち宮城県教育委員会の行政処分に関わるものを検索することとして,宮城県議会事務局作成に係る宮城県議会先例集(平成17年版)により宮城県議会における懲罰の例について検索した。その結果,懲罰の例は過去に4件あるものの,そのいずれも宮城県教育委員会が行った行政処分に関わって行われたものではないことを確認した。そこで,本件処分を行った。
 ところで,文書の開示請求において,請求する者がその請求に係る文書の特定を行うことは,開示事務の実施者が開示請求に係る文書を遺漏無くかつ過誤無く検索し,開示請求に迅速に応えるために不可欠な要請であるが,条例は,開示請求書に記載を要する事項の一つとして「公文書の件名その他の開示請求に係る公文書を特定するに足りる事項」を掲げ(条例第5条第1項第2号),処分庁において,これに不備があると認めるときは,開示請求者に対し,補正を求めることができると規定し(条例第5条第2項),上記の事理を明文で確認するとともに,開示請求に供する開示請求書の「請求する公文書の内容」欄には,「(公文書の件名又は知りたい事項について具体的に記入してください。)」と記載して,開示請求者に注意を促している(宮城県議会の保有する情報の公開に関する条例施行規程(平成11年宮城県議会訓令甲第4号)第3条,様式第1号)。本件開示請求に係る開示請求書の「請求する公文書の内容」欄の記載(前記)では,漠然かつ広範に過ぎ,情報公開窓口の担当職員が,これについて,具体性に欠けると判断して,異議申立人に対して補正を促したのは,上記条例の規定に則った妥当な措置というべきである。
 そして,処分庁は,その結果得られた補正後の請求する公文書の内容に係る文言(「県教委が行った不正行政処分等に関わった議員がいた場合,その議員を処分した事例があればその関連文書」)によって,宮城県教育委員会が行った行政処分に関し議員に対して懲罰が行われた事例に係る文書について開示を求めているものと判断した。処分庁は,そのような懲罰の例を関係資料に基づいて検索した結果,これに該当する例はなく,したがってこれに係る文書も存在しないとして本件処分を行った。処分庁が行った請求文書に関する上記解釈及び判断は,補正後の請求する公文書の内容に係る文言や,請求に係る公文書が議会事務局の職員が職務上作成し,又は取得した文書で処分庁が管理するものであるという文書の性格に照らして(条例第2条第1項参照),合理的なものと判断できる。
 異議申立人は,処分庁の請求内容の解釈は,異議申立人の請求意図に反して狭めており,的確に請求に応えているとはいえない旨主張するが,異議申立人が提出した公文書開示請求書の「請求する公文書の内容」欄記載の文言や補正後に特定された公文書の内容についての文言に照らせば,異議申立人の上記主張は当たらないというべきである。
3結論
 以上のことから,処分庁が行った本件処分は妥当であると判断した。
第6審査会の経過
 当審査会の処理経過は,別紙のとおりである。 

別紙

審査会の処理経過

 
年月日処理内容
平成17年11月15日○ 諮問を受けた。(諮問第2号)
平成18年 1月31日
(H17年度 第2回審査会)
○ 事案の審議を行った。
○ 異議申立人から意見書を受理した。
平成18年 3月30日
(H17年度 第3回審査会)
○ 事案の審議を行った。 

参考

宮城県議会情報公開審査会委員名簿(五十音順)

 
氏名現職備考
井上 義比古東北学院大学法学部 教授 
佐々木 洋一弁護士会長職務代理者
渋谷 雅弘東北大学大学院法学研究科 教授 
鈴木 ハツヨ東北学院大学 名誉教授会長
手島 典男仙台経済同友会 顧問 

 (平成18年 4月 7日現在)