掲載日:2025年9月25日

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宮城県知事記者会見(令和7年9月24日)

知事定例記者会見

【知事発表項目】について、手話通訳を導入しています(原則、会見日の翌々日公開)

宮城県知事選挙における争点について

Q

知事選について、水道事業のコンセッション方式導入について、他の候補から見直すべきではないかという話が出ているが、あらためてその辺の意義と、今後もしそういった主張が対立候補からされた場合、正当性の主張、継続の是非は争点になると考えているか、争点にしていくべきと考えているのか、伺う。

村井知事

どの選挙もそうなんですが、何が争点になるかというのはマスコミの皆さんが作るものだと思います。県民の皆さんのいろいろな意見を皆さん真っすぐ受け止めておられますので、マスコミの皆さんがどう判断されるかだと思います。ですから、この問題を一つの争点化にするということであれば、なると思いますし、3年たって非常に順調にうまくいっていると、あえて争点化する必要はないのではないかということであれば争点にはならないだろうと思います。

私は聞かれたらしっかり答えるようにしたいと思っておりますけれども、今いろいろ選挙の準備をしておりまして、その中でどのような位置づけでどういうふうに話すかということをもう少し考えてみたいと思っています。

Q

選挙のマニフェストの中で事前に掲げたり、告示日の演説の中で自らこの辺をおっしゃっていくことはあまりまだ考えていないのか。

村井知事

今それをどうするかということを考えているということです。ただ、先ほども言ったように、(みやぎ型が)始まって3年経過して非常にうまくいっています。そして、何よりも県議会議員の皆さん方が非常に評価をされておられますので、4年前の病院問題のような形にはならないのではないかと思っています。

Q

知事が18日の一般質問で、水道事業に関する再公営化を訴えている候補者に対して、理解に苦しむという発言があったが、それに対して和田氏も会見を開いて、知事の発言のほうが理解に苦しむと発言しているが、それについてどう受け止めているか。

村井知事

マスコミ報道でしか聞いていませんけれども、党議拘束があったから仕方なく賛成したんだというのは国会議員としては極めて無責任なご発言ではないかなと思います。つまり、私は信念がない男だと言っているようなものだと思います。郵政問題のときは、党議拘束があっても反対する国会議員がおられたわけで、党を離れて選挙に出られました。それが私は本当の政治家のあるべき姿だと思います。ですから、賛成をされたということは、この議案に対して、法案に対して自分は賛成であったという意思表示を国民に対してされたわけです。それを今になって、党議拘束があるから仕方なしに僕は賛成したんだと言うのは、私は信念がない男であるということを自ら言ったことになるのではないかと思います。

Q

今回の知事選では、和田氏もそうであるが、知事を除いて新人の候補5人中4人が水道事業見直し、再公営化ということをおっしゃっている。そういう形で議論が深まることについてはどう受け止めているか。

村井知事

これは、いいことだと思います。なかなか県民の皆さんに、理解をしていただけていない部分がありますから、なぜ必要なのかということを聞かれればしっかり答えたいと思いますし、その点は今後選挙のときにどう訴えていくのかということを考えていきたいと思います。

先日、この場で説明したので、ここにおられる方はよく理解されていると思いますけどね。

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大郷町のスマートスポーツパーク構想について

Q

大郷町のSSP構想であるが、今回、事業者が撤退するという報道があった。知事が聞いている情報と、実際もし撤退するとすれば、そういった土地をどのように活用されるべきだとお考えか。

村井知事

これは大郷町が計画をされていた事業で、県は特に何も関わっておりません。従って、今回、町長選挙があって、慎重派の石川さんが当選をされて、そして事業者と話し合って中止が決定したということであれば、これは民意が反映されたものであり、事業者の皆さんのご判断だと私は受け止めております。土地をどうするのかということについては、これは町が考えるべき問題だと思います。県に相談があれば、相談には乗りたいと思います。

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宮城県知事選挙の構図についての受け止め

Q

現時点で、知事選に6名の方が立候補を表明したことでだいぶ構図は固まったと思う。構図についての受け止めを伺う。

村井知事

私は非常にいいことだと思います。有権者の皆さまにとって選択肢がたくさんあるということは、皆さんの民意をより反映できるということだと思いますので、私は私の主張をいたしますので、他の皆さんも一生懸命、自分の主張をされるべきだと思います。

Q

その構図が固まったことを受けて、知事が主張したいところ、最も力を入れたいところは現時点ではどのようにお考えか。

村井知事

今まとめている最中で、一度、選挙の告示前に、私の事務所で皆さんにそのことについてお話をさせていただければと思っております。

Q

参政党が候補者の和田さんと政策の覚書を締結することについてはどのように受け止めているか。

村井知事

これは各党の考え方、候補者の考え方ですので、私はそれに対しては申し上げるべき立場にはないと思います。今までもそうですし、いろいろな党がそれぞれの候補を一番いいと思って応援されたり、公認推薦、あるいは支援をするということはよくあることなので、その中の一つだという位置づけであります。

Q

6名というと、多分過去の知事選では最多の候補者かと思う。知事ご自身も選挙でこれだけの方と選挙戦を争うのは初めてだと思うが、その辺はどう見ているか。

村井知事

厳しい選挙になるだろうと思っております。出馬する以上は、気を引き締めて頑張りたいと思います。

Q

これまで対抗馬が1人という選挙が多かったかと思うが、今回これだけ候補者が立った要因をどのようにご覧になっているか。

村井知事

それは分からないです。そのときによって違うと思います。1回目の選挙のときは3人だったと思いますが、そのときによって変わるのではないかと思います。

Q

村井県政が続いた中での不満なども出てきているのではないかという見方もできるが、その点はいかがか。

村井知事

そういう見方もあるかもしれません。私は当事者ですので、分からないです。

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自民党総裁選について

Q

総裁選に関して伺う。総裁選のほうも告示されて候補者が出ているが、知事が個人的にプッシュしている候補者、応援されている候補者がいるか。また、今回フルスペックという形で行うことになっているが、そのやり方についてのご所感を伺う。

村井知事

今回、出馬なさっている方々は皆さん非常に素晴らしい方で、私も面識のある方ばかりであります。どなたが総裁になり、その後、総理になるかどうか分かりませんけれども、どなたが総裁になってもしっかりと自民党を取りまとめることができる能力のある方ばかりだと思っております。

フルスペックで選挙をやるということは、それだけ自民党の危機感が強いということの表れだと思っております。党員の皆さん全員でしっかりとみんなで決めたという形にしたいんだと思います。

Q

逆にフルスペックということでちょっと時間やお金がかかり、適切さを欠くことがデメリットと捉える意見もあるかと思うが、いかがか。

村井知事

国の一番大きな政党のトップを選ぶ選挙でありますので、組織内選挙でありますので、これは多少時間がかかっても私はやむを得ないのではないかと思っております。

Q

今、自民党は少数与党の中で難しいかじ取りを迫られているが、新総裁にはどういう素質が必要だと思うか。

村井知事

やはり今の段階では野党とうまく連携を取れる、野党の中でも考え方の近い野党ということになると思いますけれども、連携を取っていかないと法案が通らない、予算が通らないということになってしまいますので、そこはしっかりと野党と調整ができる、そういう資質がまずは求められるのではないかと思います。

Q

総裁選の中でどういった論戦を期待されるか。

村井知事

私はいつも話しておりますけれども、目の前の課題も大切なんですが、この国を、日本丸をどの方向に持っていくのか、どの港のほうに持っていこうとしているのかということをしっかりと指し示していただきたいと思います。30年後、50年後、自分はこういう日本を作りたいから今これを行って50年後にこういう日本にしたいんだということをぜひ日本丸船長として言っていただきたいと思います。

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カムバック採用について

Q

今日、常任委員会で出ていた宮城カムバック採用について、あらためて趣旨や目的について伺う。

村井知事

今までは、一旦辞めたら、もう一回全部試験を受け直さないと入れなかったわけでありますけれども、今、人材がなかなか足りないということ、そして、県庁を辞めたんだけれども、また戻りたい、県庁の仕事をやりたいという思いを持っている方がおられるということが分かりましたので、そういった方にチャンスを与えたいと思いました。

処遇としては、管理職でも応募は可能なんですけれども、管理職では戻れないです。若くて辞めた方はそのポジションに戻ることができるということになると思います。そして、昇進は今までと同じように、職員と同じように昇進できますので、また戻ってしっかり頑張っていただければ普通どおり昇進はするということになるということであります。

一回辞めたんだけれども、また戻ってやってみたいなと思う方がいたら、ぜひ積極的に手を挙げていただきたいと思います。

Q

カムバック採用することで、県にとってはどういった効果を期待しているのか。

村井知事

やはり県庁にいた方ですから、宮城県庁のことを多少、期間の長短はありますけれども、ご存じであり、県庁の風土、考え方、仕事の取り組み方、時代が変わっていますから、やり方がだいぶ変わってはきているんですけれども、こういった、なくならないベースにあるもの、これをよくご存じの方でありますから、そういった意味では、全く何も知らずに初めて入った新採職員とは慣れるまでの時間が短くて済むということで、まさに即戦力として活躍をしていただくことができるのではないかと思います。

Q

何人ぐらい採用したいというのはあるか。

村井知事

できるだけたくさん採用したいです。

Q

アルムナイネットワークの運用を開始されるということだが、これはこれでいいものかなと思うが、やはり退職する方であってもできるだけこれに登録してもらって、何かつながりを保ちたいという、この辺の狙いについてあらためて聞かせてほしい。

村井知事

辞めてしまって、はい終わりではなくて、やっぱり人間関係をずっとつないでいって、情報をお伝えする。それが次につながる。やっぱり宮城県のファンをできるだけつくりたいんですよね。辞めたから、宮城県のこと、県庁のこと嫌いだ、県庁と付き合いたくない、県庁職員とは顔も合わせたくないとなってほしくないんですよね。やっぱり辞めた方も、少しでも在籍をされた方は、われわれの仲間としてずっとこれからも仲間意識を持って応援をしていただきたいなと。そして、もし戻ってきたいなという思いがあれば戻ってきていただきたい。そういう情報をですね、残念ながら切れてしまうとなかなかわれわれの情報が伝わりませんので、なるべく県の情報をお伝えしていきたいなということで、このようなネットワークを構築することにしました。

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土葬墓地設置検討の白紙撤回について

Q

土葬墓地の白紙撤回の件で、1週間ぐらいたったが、その後、どういったご意見が県に寄せられているのか。

村井知事

もうないですね。多少、発言した後に電話もあったみたいですけれども、今現在もうないですね。

Q

やってほしかったなどの声はどうか。

村井知事

やっぱり歩いていると、実は私やってほしかったんだとか賛成だったんだという声も入ってきますね、私のところに。実は村井さん、応援していたんだよという声はありますね。ですから、やっぱりそういうニーズはあるんだろうなというのは分かりましたけれども、もう白紙撤回したことでありますので、もう検討はしません。

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工業用地の今後の利用等について

Q

台湾の半導体メーカーPSMCの工場進出が白紙になってからおよそ1年であるが、進出予定であった工業用地に関して、現在使いたいと言っている企業があるのか、あるいは問合せがあるのか。また、この土地に関しては、半導体分野に絞ってセールスされていくのか、ほかのジャンルも含めてセールスをされていくのか。あるいは、まとまった形でだけ販売されるのか、分割も含めて考えていくのかなどについて、知事のお考えをお聞かせ願う。

村井知事

問合せはないわけではありません。いろいろ来ています。半導体に限らず、いろいろな企業からの問合せが来ています。私どももそれこそ素晴らしい土地があるということを世界中に知らしめることができましたので、いろいろな会社にアプローチをしているのも事実です。特定の企業ではありません。いろいろな企業にアプローチをしている。

これからはあの広大な土地を半導体に絞るのかということですけれども、できればそういう半導体が望ましいと思っておりますが、それだけにこだわるわけではなくて、ほかにもいろいろな優良企業、大きな土地が必要な企業がありますから、たくさんの雇用が生まれて、そして地元にとってもプラスになるということであれば、それはそちらのほうを優先することも今後あり得るだろうと思います。

まとまって売るのか、分割にするのか、それも今後の状況次第だということで、今の段階では何もそういう方針は決まっていないということです。

しかしながら、あれだけの面積があって、特別高圧、電力が取れて、そしてまとまった工業用水が取れて、まとまった人材が取れる場所というのは、日本中探してもそんなにあるわけではないということですので、そこは、例えばあれだけ広いところに真ん中に小さな工場を1個ぽんと建てたいと言われましても、そういうことをしてしまうと、もう全部使えなくなりますから、そこはもしそういう会社が来れば端のほうに寄っていただくようなお願いをするとか、いろいろそういう工夫をさせていただきたいなと思います。

Q

第二の北部の工業用地だが、もともとPSMCが入るところは中央平のところで計画されていたかと思うが、既に今年、松の平のほうも造成されており、こちらのほうが大きい区画ではあるが、今後、PSMCの跡地というか、ほかの部分でも造成されているところについて、県として戦略を持った、先ほど知事は、半導体が望ましいが、それにこだわる必要はないとおっしゃったが、そこの土地の区画をどういう戦略で打っていくのか。

村井知事

戦略という大仰なものはありません。そんなに思ったようにわれわれが戦略を描いて企業の皆さんが来てくれるわけではなくて、企業のほうに寄り添って、企業の考えている形にできるだけわれわれが持っていくというのが企業誘致の大方針ですよね。思ったとおりには企業は来てくれません。本当に来てくれないんです。もう皆さんそれぞれ思いがありますので、企業のニーズに合わせてわれわれがいろいろオーダーメードでやっていくということです。ですから、当然、大きな面積の大きな工場が1個ぽーんと来ればこんないいことはないんですけれども、なかなかそう簡単にはいかないだろうなと思っております。

ただ、あれだけの面積があって、先ほども言ったように大きな電力があって、水があって、そしてインフラも整備されている。例えば熊本の菊陽町は、工場が来たんですけれども、道路の整備がなかなかうまくいかない。そして工業用水もないと。地下水でやっているんですけれども、それによって水が大丈夫なのかという心配も地元の人から出てきている。こういったような問題が今宮城にはありませんので、そういった意味では虎の子の工業団地ですから、何でもいいですよと、どこでも工場建てていいですよというわけにはなかなかいかないということです。

Q

その点、松の平ができたが、より、何というか、立地しやすい形にはなった。

村井知事

そうですね。よりインターチェンジにも近いですしね。あれだけの土地はもう日本中にないのではないですかね。私は日本一の工業用地だと思います。

Q

松の平のほうがよりよい、ベターな……

村井知事

中央平もいい土地ですよ、いい土地ですけれどもね。どちらも素晴らしい土地だと思います。地盤も非常に強いところですからね。

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伊勢海老の豊漁について

Q

宮城県沿岸で伊勢海老が取れている話があったが、かなり取れているらしく、さんさん商店街などでも伊勢海老がすごく並んでいる状態になっている。一方で、漁獲のルールが定まっておらず、どれぐらい取っていいか決まっていないそうであるが、ルールなどを決める方針などがあれば、そのあたりのお考えをお聞きしたい。

村井知事

現時点でまだそこまでいっていないんですけれども、フグが取れたり、アコヤガイが取れたり、伊勢海老が取れたり、三重県のあの辺りの昔の水温が今のこの辺の水温になってきているということなんですね。これが一時的なものなのか、これからもさらにそういう状況が続くのか、そこをやっぱり見極めないと、今すぐ拙速に漁獲量を決めてどうのこうのとやるまでまだ至っていないのではないかと思います。

Q

福島などでは常磐もの伊勢海老みたいに売り出しているが、宮城県で今後名産になったらいいなとか、そういうお考えはどうか。

村井知事

そうですね。伊達の伊勢海老、いいですね。やってみたいですね。本当にすごいですよ。だってエビですよ。ここまで来るわけですからね。すごいことだなと思いますよね。潮の流れに乗ってというのもあるんでしょうけれどもね。伊勢海老に負けないように、一歩一歩前に進みます。頑張ります。

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みやぎ心のケアセンターの事業終了について

Q

みやぎ心のケアセンターについて、今月で主な事業を終了することになっている。これまでの活動を振り返って、まずご所感を伺う。

村井知事

東日本大震災以降、国のお金を使わせていただいて、心のケアセンターを立ち上げ、いろいろ心の悩みを持っている方たちの受皿になりました。非常に大きな成果があったと思います。今月で終わりますけれども、これで全て終わりということではなくて、今後、市町村がその業務を引き継いでいただいて、県はそれをサポートするという形であります。そういったセンターがあって、そのセンターに皆さん来なければいけないということではなくて、市町村の中にしっかりそういった窓口を作って対応していただくということであります。

心のケアセンターの職員の方々も、いつまでもというわけにはいきませんと。自分たちも生活があるので、どこかでしっかりと区切りをつけていただきたいと。そうしないと、次に働く場所を探すこともできないのでというお話もあったということも聞いております。そういったことでこのような形にさせていただいたということであります。

引き続き、心のケアというものは時間がかかるものでありますから、時間をかけてゆっくりと今後も15年20年と対応していかなければいけないと思っております。

Q

業務を市町村のほうに移管していくということで、ケアというのは終わりがないということであるが、県としては、今後、心のケアといったものにどのように取り組んでいかれるお考えか。

村井知事

先ほども言ったように、このような問題というのは基本的に市町村の所管です。ですから、市町村がまずは一元的に対応する。そして、県は広域的にサポートをしていくという立ち位置でいたいと思っております。県が出ていってああせいこうせいではなくて、市町村が主体的に考え、そして県に対してこういう調整をしてほしい、こういうふうにやってほしい、あるいは、広域的にこう対応したい、市町村をまたいでこういうことをやりたいということであれば、県が間に入っていろいろ調整をしていきますけれども、私のほうから出ていって、市町村に対してああしなければならない、こうしなければならないと言ってはいけないと思っております。

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宮城の農業農村の在り方について

Q

農業農村の在り方について、知事の昔の公約とかをいろいろ調べてみると、知事のお考えとしては、農業農村の在り方としては大規模化による生産性向上というのが知事のお考えなのかなと思うが、そういった今後の国内の農業の在り方としては、大規模農家・農業法人の育成というのがこれから進むべき在り方のようにお考えか。

村井知事

決してそうでなければならないということではないんですが、これから担い手がやはりどんどん少なくなってくる。今、平均年齢がもう60歳を超えているんですよね。ですから、それが10年たてば70歳を超えてしまうということになります。従って、今までのように小さな面積で一人一人が独立してやっていくということは恐らく近い将来もうできなくなってしまう。それを見越して、やはり大規模化、そして面積を集約化して、みんなで力を合わせて農業を継続してやっていけるようにしていくということは、これはもう避けて通れないと思います。

東日本大震災のときに、まず沿岸部をそうしようと思ってやりました。稲作だけではなくて園芸もということで、イチゴも、今まで露地栽培が中心だったんですけれども、これを露地からハウス栽培に切り替えて、しゃがまなくても立ったままイチゴを収穫できるようにいたしまして、収穫量としては震災前を超えるぐらいまでなりました。このような形で沿岸部がまず非常に先行例としてできましたので、今後、だんだん内陸部も広げていきたいなと思っております。

農地中間管理機構、こういったようなものも県としてしっかりサポートをしていきたい。この間、JAの皆さんから推薦状を頂いたときに、中間管理機構への支援、もう少し財政的な支援も含めてやってほしいと言われました。まさにこういったようなことのお手伝い、お金を使ってもですね、まさに食の問題、命の産業ですから、こういったようなことはしっかりやっていこうかなと思っております。必ずしも大規模化・集約化がいいというわけではないんですが、その方向で進めながら、今、一生懸命やっておられる方のサポートもしていくということをやっていかないと、今のやり方をずっと永続してやっていくことを目指していくと、必ずどこかで行き詰ってしまいますので、それは私の農業政策としてはぶれずにやっていきたい考え方だということであります。

Q

今のお話で、これから担い手がどんどん少なくなる見通しだということがあった。今、県のほうでは、みやぎ食と農の県民条例基本計画の中間見直しをされているが、この計画見直しの中で、農業の担い手の数、目標を、当初県が提示した目標から有識者会議にお諮りする中で大幅に引き下げたが、現実的には中山間地の中核的な農家がいなくなっていくという将来像を今後描いていくことになりそうだが、これについて知事は、農村の在り方、農業の在り方としてどうお考えか。

村井知事

やはり中山間は大規模化・集約化といいましても簡単にできません。まずそんなに広いまとまった面積があるわけでありませんので、難しいと思います。ですから、先ほど言ったのは、まず、宮城県域全体の大きな大方針だと思っていただきたいと思います。その上で、中山間の農業をどう支えていくのかということを考えていく、これが重要なことだと思っております。

計画を立てて、大きな目標を立てて担い手をこれぐらい増やすんだ、計画を書くのは簡単なんですが、やはり現実的にできない数字を掲げても私は意味がないと考えておりますので、農政部のほうには、現実的な数字、できる数字、その中で、その数字でいかに農業を永続的にやっていけるのかということを考えましょうと。そして、大規模化・集約化だけではなくて、例えば中山間地においてはDX化ですよね。ITの技術を使って、少ない人数で担い手が少なくなっても農業ができるようにしていく、こういった方向で検討してはどうだろう。そういったようなものを複合的に絡ませることによって食を守っていく。今回、くしくも米不足で、いかに、食料不足になるとこれだけ困窮するんだと、皆さん生活困るんだということが明らかになりましたので、農業、水産業、林業、一次産業については宮城県は基幹産業としてさらに力を入れていくということを今度の選挙でもしっかりと訴えていきたいと思っております。

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東北電力女川原発の再稼働について

Q

女川原発の関係で、いわゆる原発再稼働から10月末で1年がたつところで、1年たって、致命的なものではないが事故もあって、それ以外には、再稼働によって交付金が増えたりとか、あとは地元の消費経済というビジネスの面もありつつ、一方で、周辺の一般住民は電気料金とかでなかなか恩恵を感じにくいのではないかとかという指摘もあったりとか、当然ながら事故のリスクとかという、そういう中で、この1年の動きではないのかもしれないが、どういうふうに見ていらっしゃるか、そしてこれからの在り方についてどう考えていらっしゃるか。

村井知事

一言で言いますと、非常に順調にいっているのではないかなと思います。もちろん小さなトラブルはありますけれども、物すごい大きなプラントなんです。私も行きましたけれども、もうどこがどうなっているか分からないです。中に入ったら、あまりにも巨大でですね。非常に大きなプラントですから、詳しいことは分かりませんけれども、順調にいっていると思いますし、それによって安定的に電気が供給できるということになっているのは間違いないだろうと思います。

先ほどの企業誘致にもつながりますけれども、意外と原発というのは企業誘致にも大きなメリットになっているんですよね。PRポイントになります。二酸化炭素を排出しませんので、そういう意味で原発が果たしている役割というのは見えないところで大きいなと感じているところであります。

メリットということなんですけれども、女川は不交付団体になっておりますし、そういった観点からは、間接的に住民の皆さんにはかなりいろいろなメリットがあるのではないかなと私は思っております。とにかく、ただ、事故があると大変なことですので、事故が起こらないようにしっかりチェックをしますし、もし何かあったときの対応、これは行政としてもしっかり考えていかなければいけないと思います。

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宮城県の基準地価について

Q

先日、基準地価が公表されて、仙台市内とそのほかの地域、仙台圏とその他の地域、二分しているという状況がある。これは地価の話だったが、地価以外にも様々なところで仙台圏中心になっているのではないかという指摘もあり、いろいろお話を聞いていると、それが村井さんへの批判につながることもあるようだが、このような格差をどういうふうに捉えていらっしゃるか。解消というよりは、どういうふうな地域づくりをもし知事に今後なられたら続けていきたいか、教えていただきたい。

村井知事

日本全体で見ると東京の地価だけがどんどん上がっているように見えますし、東京の中で見ると23区だけが上がっているように見えますし、東京の23区の中で見ると、これまた中央区だとか千代田区とかあの辺の地価だけが上がっているような形になりまして、港区とかですね。ですから、これはどうしても起こり得る問題だと思います。ただ、私としては、仙台市だけが大きくなればいいということは決してなくて、まずは仙台市を、マグネット効果で、中心に周りをどんどん広げていって、そして全県にそういった富が行き渡るようにしていくということが大切ではないかなと考えているところであります。

今回の病院問題、いろいろありましたけれども、決して仙台市だけに何でも集中すればいいということではなくて、分散も必要だということで、今回、病院については分散を考えたということですよね。そこはやっぱりバランスを取りながらやっていくということが重要だと私は思っております。

Q

全体的に格差、最初に仙台圏の中で大きくなっていくというのはしようがないけれども……、どのようにほかの地域もその恩恵を生かせるか、どういうふうにお考えか。

村井知事

仙台市にないものを外に持っていくというのが重要だと思いますよね。例えば大きな工業用地を、工業団地を仙台市内に造る。地価が高いですから、買う企業ないですよね。仙台の外に皆さん大きな工場を建てていただいております。こういうやっぱり企業誘致なんかは、工業誘致なんかは仙台市の外にどんどん持っていくということが重要だと思いますし、逆に、事務系のお仕事、アクセンチュアさんが来ましたけれども、こういったオフィスでお仕事をなさるような仕事は仙台のほうに持ってくる。こういうすみ分けをやっぱりしていくことが重要なんじゃないかなと思うんですけれどもね。

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東北人の気質について

Q

今、SNSで何か東北の人の気質みたいなことが話題になっている。私は、青森の出身だが、大阪府出身の知事にとっては、ずっと政治家を県で続けられたこの二十何年間、時に強みにもなり、時に、知事への攻撃材料にもなってきたと思うが、東北の方の気質とか宮城県のキャラクターだとか、振り返るとどのように考えていらっしゃるか教えてほしい。

村井知事

皆さん、初めて接する人に対して、ようこそ来たねという感じではなくて、この人どんな人だろうなとちょっと身構えるところがあります。ですから、ちょっと門が閉まった状態を感じると思います。ところが、門が開いて中に入ったら、本当にお付き合いするのが楽です。

最初こちらに来て政治活動を始めたときは、一番びっくりしたのは、「今住んでいるところ田子です」と言ったら「地元の人じゃないね」と言われて、「何でですか」と言ったら「いや、田子に村井っていう人はいない」と言われました。田子という地域に村井という姓はいなかったということを皆さん知っていて、大都会であってもやっぱりそういうふうな感じなんだなと思いました。それで、最初はなかなか顔を合わせても本音を言ってくださらなかったんですが、そのうち、家に上がってお茶っこ飲んで、お漬物食べながらお話しするようになったら、もう本当に私のことを一生懸命応援してくださるようになりました。東北ってこうなんだなと思ったことを今でもよく覚えています。

Q

何というか、その辺の相性というか、あるいは東京の人と仙台の相性、東北の相性、東北と関西の相性、もし思うことがあれば伺いたい。

村井知事

それはもう、やっぱり地域の特性というのはあると思います。でも、今はこれだけ交通網が発達して、メディアでもういろいろな地域の言葉、地域の文化が毎日のように出ていますから、もう昔のような形ではないのではないかと思います。

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宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号

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