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宮城県知事記者会見(令和元年12月16日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年12月17日更新

知事定例記者会見

宮城県上工下水一体官民連携運営事業「みやぎ型管理運営方式」について

◆Q
 明日(12月17日)の本会議で条例改正案が可決成立の見通しとなった。まず、ご所感を伺う。この水道の関係については住民に理解が深まっていないのが現状だと思う。今後、周知をどうしていくかを伺う。

■村井知事
 議会の委員会において条例の改正案が可決されました。ここまで職員と一緒になって頑張ってきまして、議会でお認めいただけたということ、大変喜んでいます。まだ本会議が残っていますので、本会議で可決されるかどうか、注意深く見守っていきたいと思います。まだ周知不足であるという声があるのは事実だと思っています。今回、可決されたからといって、これでみやぎ型管理運営方式がすぐにスタートするわけではなく、これで民間事業者を公募できるということです。そういったプロセスを経ながら、より丁寧に県民の皆さんに説明していくように努力したいと思います。

◆Q
 水道事業の官民一体の関係で、議会で議論をしてきたが、今回の定例会で議論がしっかり深まったと感じているか。

■村井知事
 議論が深まったかどうかは、議会の皆さんが判断することです。議論がまだ深まっていないということで、議会からより丁寧な説明をしろということであれば、議員の皆さんに対してわれわれは丁寧な説明の努力をします。その必要はないということであれば、それ以上説明する必要はないということです。これは私どもが決めることではなくて、議員の皆さんが、議論が深まったかどうかをご判断いただきたいと思います。

◆Q
 水道事業に関して。先日の建設企業委員会では、可決か否決かだけではなく、継続審議を求める委員の声も結構強くあったが、継続審議というのは選択肢にはなかったのか。

■村井知事
 これは議会が決めることです。そういう請願が出ていることも承知していますが、議会の判断に委ねるというものです。そのことに関し、議員の皆さんに対し、県のほうからアクションを起こしたことは一切ありません。全て議会に委ねています。

◆Q
 議員の一般質問の中で、コスト削減であったりとか、職員の技術継承であったりとか、これまでの質問でも出たような質問が多かったという印象だった。質問の内容について知事はどういう印象を受けたか。

■村井知事
 議員の皆さんもわれわれのやろうとしていることをかなり勉強されて、しっかりと理解された上で質問されているという気がしました。昔のように、民間に任せたら危ないとか、あるいは後継者がいなくなるとか、それだけの話ではなく、かなりしっかりわれわれの仕組みを理解された上で、問題点と思うところを指摘されたイメージは受けました。

◆Q
 今回、民間委託する部分の議論というのはあったと思うが、将来的に市町村の水道事業を含めたものをどうするかという議論は少なかったなという印象があるが、そのあたりはどうか。

■村井知事
 今回は県が運営いる上工下水道事業にコンセッションという形でみやぎ型管理運営方式の導入を図るという内容ですので、市町村の上水事業、下水事業についての質問はあまりなかったかと思います。ただし当然関係するものですので、われわれは市町村に対してこれからもしっかりと説明していきますし、議員の皆さんにも必要であれば説明させていただきたいと思います。
 また、前もお話ししましたが、われわれが導入を進めているみやぎ型管理運営方式は、市町村の水道事業、下水道事業を受託できるような制度設計を行っており、これは垂直的なつながりと言っています。それと市町村がそれぞれ規模を大きくしていく広域連携、これは水平連携と言えばよろしいでしょうか、これらをどう組み合わせていくのかは、市町村の判断によるものです。ただ、どうぞご自由にといってもなかなかできないと思いますので、県にも広域化に向けて専門監というポストをつけて、市町村にあたって相談しています。広域化に向けて、県と一緒になって垂直連携でやっていきたいところがあれば、一緒に中に入ってやっていただきたいということです。
 従って、議会での議論がないから、市町村は置き去りにしているということでは決してありません。おざなりには決してしていません。当然市町村にも丁寧に説明はさせていただいています。

◆Q
 今回委託する期間として、まず20年というものが出ていると思うが、これに対して県が責任を持てるのかとか、そういった議論もあると思うが、一方で今回この条例改正案について、それを採決する議員の責任も非常に重いと思うが、そのあたりは知事はどう考えるか。

■村井知事
 これは当然、この事業に限らず、県の事業に対して議員の皆さんは賛成するか反対するかという意思を表すわけであり、どの事業に関しても、議会としての責任は当然あると思います。

◆Q
 現状、宮城県の水道事業をすぐさま始めるということはないと思うが、これまでも実施方針案で示しているとおり2022年4月の運営開始を見込んでいると思うが、その時期を決めて審議を進めてきているのは、どんな理由があるのか。

■村井知事
 料金を頂いていますので、料金を高くすればするほど経営は楽になり、赤字になることもないわけですが、宮城県の水道料金は非常に高いです。従って、われわれとしては黒字だから良いということではなく、少しでも料金を下げなければならない。このままいくと、人口減少に加え、節水型社会がますます進展しますので、水道料金をどんどん上げざるを得ない。上げるのを少しでも抑えたいということから、検討をはじめました。県民の負担を軽くするための方策として、考えをスタートさせたということです。当然相手もあることですので、事業者の皆さんが手を挙げて議論していただいて、そして審査するのにこれくらいの期間を要する、と考えていきますと、令和4年の4月スタートが最も適切だと考えたということです。

◆Q
 生命の維持にかかわる水なので、多少料金を値上げしても公が管理するべきではないかという意見もあると思う。やはり料金を下げなければいけないという議論もある中で、料金を上げるのではなくて料金を下げるという意味で、この民営化を進めていく理由みたいなものを伺いたい。

■村井知事
 県民の皆さんがいくら上がっても良いと言ってくだされば、こんな楽なことはないです。やはり生活に直結する飲み水であり、洗濯する、お風呂に入る、全て水を使います。下水道も使います。また、企業も工業用水を使います。1カ月の金額自体は数百円かもしれませんが、それが積み重なっていくと大変な金額になっていきますので、長い目で見ると、県民の負担を軽くするためにはどうすれば良いのかを、私は県の責任者として常々考えていました。そのためにをいろいろな海外の事例なども勉強して、この運営方式が良い方法だと考え、国に働きかけて水道法の改正までお願いしたということです。相当な覚悟を持って臨みました。
 また、前回の知事選挙で、私はこれを1丁目1番地だとずっと言い続けていました。当選したら必ずやりますと県民にお約束して知事に就任しましたので、これは私の県民に対する約束事でもあります。従って、一日でも早く実現するために、今懸命に努力しているということです。

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台風第19号に伴う災害廃棄物について

◆Q
 台風19号に関して伺う。災害ごみの量の把握が進んでいることと思う。全量の処理に向けて、どういった方策をとるのか。そして、スケジュールについて伺う。

■村井知事
 まず、今後の対応ですが、県内の焼却施設だけでは処理が難しいということで、今県外への広域処理をお願いしています。環境省にも間に入っていただき、処理に向けて今進めています。また、公の焼却炉だけではなく、民間の施設も使わせていただきたいというお願いを今しています。少しずつ話がまとまっているところです。スケジュールは来年度いっぱいということですが、これは厳密に明確な積み上げがあったわけではなくて、県内の市町村にヒアリングして、来年度中には何とか処理ができそうだという声を集約して、来年度いっぱいということを話しています。当然、スピード的に早いところ、遅いところが出てくると思いますので、特にうまく進まないところに県は力を入れて、処理を進めるようにしていきたいと思っています。できるだけ早く処理したいと思います。

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宿泊税について

◆Q
 観光振興の宿泊税や、県民会館の話題など、だいぶ今回の議会はいろいろなものが出てきて、水道という非常に大きなテーマの議論が欠けてしまっているような感を抱いているが、その状況も踏まえて再度伺う。

■村井知事
 新しい観光財源については、正直なところまだ答申を頂いていないです。従って、この議会でこんなに質問が出るのは、正直想定していませんでした。答申を頂いて、県としての方針を正式に決めて、それからいろいろな関係者に説明に上がり、どのようにするか、まだ最終的に組織として機関決定していませんが、何らかの意思決定をして、それを関係者に説明して議会にお諮りすることで考えていました。今議会は新たな観光財源についてこれほど質問が出ることはあまり考えていませんでした。どちらかというとやはりみやぎ型管理運営方式に軸足を置いた議論になるのではないかと思っていました。
 従って、私どもがそれを誘導したというよりも、想定外の形になったというのが正直なところです。それだけ関心が高いという感じはしました。

◆Q
 期せずしてこういったいろいろな新しい事業が議会の開会直前になってから出たが、これはたまたま期せずしてこういう形になったということか。

■村井知事
 そうです。

◆Q
 仙台市でも議会で宿泊税導入を求めるような決議をするような動きがあるようだが、仮に仙台市が宿泊税導入を決めた場合、先行する福岡県のように、例えば仙台市内では税収を幾らか分け合うだとか、そういった可能性はあるのか。

■村井知事
 これはまだ仙台市から何も申し出いただいていませんし、その前に、県としてまだ最終的に答申を頂いていないです。いかにも、もう宿泊税はやるという感じで報道されていますが、私、まだ一言もやると言ったわけではありません。答申を頂いて、それから県の中でその答申をベースにいろいろ議論し、最終的に県の組織の中で機関決定をして、それから皆さんに出して、当然いろいろなご意見を頂いてということになります。そこで仙台市がもしやるということになり、仙台市からそのような話があれば、そのときは仙台市は当然大切なパートナーですし、大変お世話にもなっていますので、当然話し合いには応じながら、どうすれば良いのかを検討してきたいと思います。仲よくやっていますのでご安心ください。

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神奈川県でのハードディスク情報流出について

◆Q
 神奈川県で大規模な情報流出があったが、先週仙台市でも調査を行って結果を発表したが、宮城県での調査状況と現時点で分かっていること。あと情報管理の点について、知事から指示したことなどがあれば教えてほしい。

■村井知事
 私は、まずこの事案を新聞で拝見しまして、すぐに、ハードディスクを流出したブロードリンクという会社にどれだけ宮城県のハードディスクが行き渡っているか、また、それがちゃんと処理されたのかどうかと、問題はないのかを調べるように指示しました。現時点では、まだ調べている途上です。大体県が持っていますパソコン、それからサーバーのハードディスク、これが処理をしたときどうなったのか、全体で大体6割ぐらい調査が終わっているようです。そのうち契約件数6件、台数でいいますと179台のパソコンとサーバーが、直接株式会社ブロードリンクであったり、あるいはリース元である富士通リースからブロードリンクに渡っているということが確認できました。
 この179台がどのような状態なのかをすぐ報告を求めたところ、現時点においては、転売あるいはインターネット上に流出したという事実はない、問題がないという報告を受けています。さらに残り4割程度のコンピューター等について、処分した物がちゃんと適正に処理されているかどうかを今確認中です。ほぼ調べ終わったということです。いろいろな支所でいろいろなコンピューターを購入していますので、それをどうするのかを今確認しているところです。今のところ問題ないということです。

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県有施設再編基本方針について

◆Q
 県美術館の移転新築の中間案について、県議会の常任委員会から反対の意見が多く寄せられているが、これに関する知事の考えを伺う。

■村井知事
 ここに至った経緯とか、よく分かっていない面もあると思います。職員にはどういう議論があってこうなったのかを、しっかりと議会の求めに応じて説明するようにと話をしました。今後、最終案を取りまとめ、より丁寧に説明していきたいと思っています。私は職員からこの案を聞いたときに、非常に良い案だと思いました。私の考え方なども入れながら、これは恐らく2月議会以降になると思いますが、よく最終案を取りまとめて議員の皆さんに説明していきたいと思います。これも現在、まだ中間案を取りまとめている段階なので、最終案が取りまとまりましたら議会にしっかりと説明します。

◆Q
 もともとのリニューアル案が比較的長い時間をかけて作られた案であることは知事もご存じかと思うが、このことに関してはどのようにお考えか。

■村井知事
 皆さんに長い時間をかけて議論いただいたということに感謝しています。今回新しく造ろうというものの中には、リニューアルの中に取り入れるべきだと言われていたものを、できる限り入れれば良いのではないかと思っています。従って、今までの議論が全く無駄になるわけではなく、新しい形で生まれ変わると理解していただきたいと思います。例えば収納品を展示して見える化をする、お越しになったお客さんに見てもらえるようにするべきだというのがありました。そのために今の美術館を改修するとなると大変なお金がかかりますが、新しい美術館であれば設計の段階でそれを取り入れれば良いということになりますので、逆に非常に良い形にできるのではないかと私は思います。ですから、新しい美術館を造る際には、そういった議論いただいた内容をしっかりと踏まえた上で行いますので、決して今までの議論が無駄になることはないです。

◆Q
 もともとの方針案は、今の美術館用に作られた案であるということ、また新しいものを作るときには、新しいものを作るための議論が必要になると思うが、全く作業がもう一つ、やらなければいけないことが増えるのかなと思うのだが。

■村井知事
 今の美術館に、新しいコンセプトを入れて付加価値をつけて作ろうというわけですから、基本的にその考え方を持ってくれば私は大丈夫だと思います。あとは場所の問題だけだと思います。今後県としてどう考えるかを、よく職員と議論しながら詰めていきたいと思います。今の段階では、まだ最終案が取りまとまっていませんので、一つのたたき台として皆さんにお示しした、その緒についた段階だと捉えていただきたいと思います。

◆Q
 今たたき台というお話だったが、あくまでパブリックコメント、修正の段階ということで、意見の内容によっては建設計画というものを考え直す可能性もあるのか。

■村井知事
 それは今の段階では何とも申し上げられないですが、基本的にはここに来るまでいろいろ慎重な議論を積み重ねてきたわけですので、これをまたひっくり返すのは、また同じ議論をしていかなければいけません。議会でも、前ここでもお話ししましたが、あの美術館は38年たっています。今度移転しようとする移転先は、まだ病院の跡地です。跡が残ったままで、あれを壊して土壌調査して、それから設計してとなると、早くても6年、7年という期間がかかります。ということは、美術館が新しく建って、今の美術館をどうしようかという議論をするときは大体45年たっているということです。ほぼ45年たっている建物ですから、それから15年すると60年ですので、いずれ建てかえなければいけないということになると思います。しかも、今回の建物は旧建築基準法のもとで造られたものですので、地震等でかなり軀体が傷んでいる可能性もあります。そのときに、すぐ近くにといっても土地がありません。隣の駐車場の下は仙台西道路が走っていますから、建物を建てられません。そうすると、あそこの場所では建て替えられません。では、仙台市内でどこか県の土地で建てられる場所がないかというと、宮城野原しかなくなってしまいます。ですから、いずれにせよこの議論は、今やるか、あと20年ぐらい先にやるかという議論です。従って、今回ので50億、60億かけなさいということですが、今の宮城県の財政を考えると、10年、20年先に県の財政が好転していることはあまり考えられないので、ここでしっかりと原点に返って議論したとしても、県民の皆さんにお叱りを受けることはないのではないかと、私は考えます。
 遅いか早いか、私は10年20年先知事をやっていないと思いますけれども、そのときに、あのときやっておけば良かったとならないように、考えておくべきではないかと思います。
 移転問題は出てくると思います。今の場所では造れないです。あるいは高校をつぶしてとか、それこそ大変なことです。だから、どのみちそうなります。かなり古くなってきているところに新たに50~60億お金をかける方が良いのかどうか。あとお金がないので国の有利な起債を打ちたいと思いますが、より有利な起債を打つにはどうすれば良いのか。やはり総合的に考えないと、今あるのがきれいで素晴らしい建物だから、ただ残せと言っても、それから20年たったら、また同じ議論をしなければいけません。そのときに、あのときやっておけば良かったとなるような気がします。

◆Q
 どういう経緯でこうなったのかという話だが、もともとリニューアル方針というのは県教委で検討して作られたものだと思う。だが、今回検討されたのは知事部局のあり方検討会だと思うが、そもそも県教委が検討して作った方針があるにもかかわらず、知事部局でそういったことが検討されているというのは、そもそもこれがどういうことなのか、お伺いしたい。

■村井知事
 美術館を所管している教育委員会が、美術館が古くなってきたので、今後美術館をどうするのかということを、当然独自でお考えになる、当たり前のことです。そこで、そのような結果が出てきたわけです。そのタイミング、時期が前後どうだったか、はっきり覚えていないですが、県民会館(東京エレクトロンホール)をどうにかしなければいけないという議論が出てきました。そこで私は、とにかくこの機会に、もう全ての一定の年限がたっている施設、老朽化している施設を今までのように場当たり的にパズルのように考えるのではなく、一体的に考えましょうと思いました。これは教育委員会が持っている施設も県警が持っている施設も合わせて、1回考えてみたらどうだろうかという話をしたということです。
 県警は計画どおり整備していますので、大丈夫ということで県の持っている施設と教育委員会の持っている老朽化している施設を一緒になって考えようということで検討した中で、美術館を中に入れたらどうだろうかというのが、職員の中からアイデアとして出てきて、いろいろ議論しました。これからの財政状況を考えて、また美術館としての機能をより発揮するには、その方が良いだろうという形になったと報告を受けました。
 従って、教育委員会で議論しているときには、私の指示が出る前でしたので、美術館単独で新たに移転ということを全然前提にしないで、現在地でということで考えたということです。その時点では私の方針も出てませんでしたので、それはそれで一つのやり方だろうと私は思います。その後に私の方針が出て、全体を見直したということです。

◆Q
 その段階で、美術館に関しては相当の期間がたっているので、建て直しをしなくてはならない時期がやってくるというお話があったが、今、美術館の関係者の方を中心に、あの建築の価値の高さから残す方法があってもいいのではないかと意見があるが、その辺との整合性は、今お考えがあれば伺う。

■村井知事
 さっき言ったように、職員から報告を受けたときに、これは良い案だなと私が思った最大の理由は、お金の問題ではなくて、このように文化施設を一つにすることによって、今まで美術館に足を運んだことのない県民の方に足を運んでいただけるようになると思いました。今の美術館の場所は非常に静かな場所で、文教地区で素晴らしいたたずまいだと思います。ただ、残念ながら美術にあまり関心のない方は、ほとんど足を運ばない施設になっています。美術をこよなく愛し、美術館にたびたび足を運ぶ方たちも大切な県民ですが、あまり美術館に足を運ぶことがなかった、圧倒的に多いその他大勢の県民の方、特に被災者の皆さんに足を運んでもらえる美術館を目指すべきではないかと思っていました。
 8年半たって、これからまさに心の復興に進まなければなりません。ハード事業はほぼ終わりましたので、これから心の復興です。そのときに一つ大きな視点というのが、やはり芸術文化だと私は思います。被災者の皆さん、県民は多かれ少なかれあの東日本大震災、今回の台風19号で傷ついているわけですから、そうした皆さんが復興するためには、老若男女、美術館にぜひ足を運んでもらいたいと思っています。いろいろな企画展をやっていますが、どうしても来られる方が限られてしまいます。それは美術館に行く目的以外にあそこの近くに行くことがないのです。
 ところが、県民会館と一つにする、またあの場所は野球観戦で、野球をやっているときは2万人以上の方が常にお越しになる場所です。そういったときに、あの野球場で県民会館やあるいは美術館のビラを配る、あるいは置かせてもらうことにより、野球に来た人たちが文化にも触れることができます。スポーツ観戦もできるが、文化にも触れることができる。仙台駅から歩いて10分ほどで来られますので、仙台駅におりた方がちょっと新幹線の時間があるからといって、美術館やあるいは県民会館に足を運んでいただける。そうやって今まで美術にあまり関心のなかった方たちに足を運んでもらえる。私はそういう施設を目指すことは、多くの県民の皆さんに支持されることではないかと思いました。当然、今までそういった積み上げをして、今の施設をより有効に活用していくのも素晴らしいことだと思いました。そういう県の案が出たら、批判が出るだろうというのは当然私も予測はできました。しかし、それ以上に、その他大勢の方に宮城県の持っている財産である美術品、県民の美術品ですから、それに触れていただきたい。その機会を作る、私は大きなチャンスだと今回は捉えたということです。そういった話を、反対されている皆さんにはお伝えし、理解いただけるようにしていきたいと思います。

◆Q
 仮に宮城野原に行ったとして、あの建物を再活用する方法の模索というのは今の段階であるか。

■村井知事
 ないです。既に45年、50年たっていますので、大変だと思います。まずは新しいところに移すかどうか、これから考えます。

◆Q
 壊した建物をまた何かの形で、また別の用途に使うという可能性は。

■村井知事
 まだ分からないです。そこまで考えていないです。ただ、あそこは文教地区ですので、何かの商業施設がボーンと建つような場所ではありません。

◆Q
 美術館の建物について、耐震化はしているのか。

■村井知事
 1982年なので、新しい耐震基準になる前だと思いますが、調べたところ軀体は大丈夫だということです。
 専門家に耐震補強をする必要があるか聞いたら大丈夫だということだったので、していないということです。ただ、そういう基準前の1981年に建てられた建物です。

◆Q
 そうすると、耐震基準というか耐震に問題があるというところで、年限だけで決めてしまっていいのかというそもそもの問題があると思うが、せっかくだったら残してほしいという声もある中、築30数年、老朽化というところで区切っていいのかというそもそもの声についてはどのように考えるか。

■村井知事
 今の美術館をどうするかということではなくて、移転新築するかどうかですので、今の施設をどうするかはまたちゃんと調べないと分からないです。移転新築するには、先ほど言ったように、より多くの県民の皆さんの目に触れるような形にしたいということ、それから、老朽化対策ということ、あとリニューアルに50億、60億、もしかして70億円かかるというお金があれば、新しい場所に合築することによって効果が生まれて、より有利な起債を打てる可能性もあり、それで新しいものを造れる可能性があります。いろいろご提案いただいたものを実現しようとすると、どうしてもつぎはぎになってしまって、動線等が難しくなります。それが新しいものであれば、設計の段階から有識者の皆さんから頂いたご意見を入れたものを造れますので、動線も非常に分かりやすくなって、県民の皆さんに使い勝手の良い美術館にすることができるのではないか、などを考えまして、まずは移転新築という案を出しました。
 これは、県民の皆さんにご理解いただける案だと思っていますが、これからパブリックコメントを行ったり、いろいろな皆さんの意見を聞きながら、よく考えていきたいと思っています。
 ちょっと一部訂正させていただきます。先ほどの耐震基準の話ですが、美術館は昭和54年(1979年)に設計して昭和56年(1981年)竣工です。構造上、昭和56年より前の設計ですが、新しい構造基準に準拠した設計が行われているということです。ただし、重要度係数とか用途係数の考え方は適用されていないということです。要は、新しい耐震基準の前に造られたものですが、構造上は新構造基準に準拠した設計が行われたということです。

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台風第19号における支援制度について

◆Q
 前回の知事会見の後になるが、福島県では床上浸水1メートル未満の世帯にも義援金を支給することを決めた。独自の制度を設けたという他県の話もあるが、宮城県ではその後、そういう話は出ていないか。

■村井知事
 はい、ございません。宮城県は他県にない制度で農家に独自支援で負担を軽くするように農機具の購入費の上乗せ補助、それから、自分で刈り取って自分の家の倉庫に置いてあった米が雨でやられてしまったものに対する補償、こういったものを宮城県独自で行いました。行っていない県もあります。このように、各県によっていろいろなやり方があります。1メートル未満の方に対して支援をしないかわりに家電を配るといった県もありました。従って、それぞれの県によって対応が違ってこれは当然だと思います。また、市町村が独自にそのような対応を考えているところもあると聞いています。これはほかの県が行うといって、全ての県が行っているわけでもないですから、各県によって違いがあって私は良いと思います。やはり再生産にお金を回して、被災者の皆さんが自分で食べていけるようにお手伝いしていく、また次も農業をやろうと思っていただけるような支援をしていく方が、私は限られた財源として有効な使い方ではないかと思っています。
 結局、本当に限られた予算の中で、ゼロサムの中でどう使うかということです。何かにお金を使えば何かを削らなければいけないわけです。何もかもやれるような、そういう余裕はないわけです。ですから、宮城県は農家に対する支援に予算を多めに配分しました。それで、住居に対する支援に予算をつけなかったとご理解いただきたいと思います。

◆Q
 美術館の件とかも、そちらにお金を使うのだったら被災者にという声も上がっているかと思うが、その辺についてはどう考えるか。

■村井知事
 それは、プライオリティーの問題だと思います。

◆Q
 今ほどの質問に対してだが、農家に対する支援をしているということで、今回被災された方、皆さんが農家ではないと思うが、それ以外の方についてはどのようになるのか。

■村井知事
 今回の国のパッケージに合わせて県も支援しています。床上浸水の人たちだけに支援すれば、全て済むのかという問題ですが、そうではないということです。全体を見ていただきたい。全体を見て、被災者の皆さんが自立できるような対策を県としてとっていますので、私は宮城県のやり方で県民の皆さんのご理解を頂けると思います。

◆Q
 前回知事が、今回住宅支援をしない、独自支援をしないといった理由として、岩手県よりも住宅の被害件数が多いと感じたということだが、今回、福島県は宮城県より被害件数が多い。この点については特に認識に変わりはないか。

■村井知事
 先ほど言った農業の支援を調べていただきたいと思います。岩手県の農家の支援は調べましたか。

◆Q
 私としては、農家に支援しているかどうかというよりも、農家の方もいらっしゃるが、基本的に皆さん、住宅が生活する上で一番大切な部分だと思う。皆さん当然住宅に住んでいるし、それは一番下のベースの部分であると思っていて、ここに対する支援がないと、今日住む場所、明日住む場所に困っている方々がいらっしゃると思うんですけれども、住宅自体に対しての支援も必要なんじゃないかという話をしていて、農家とはまた話が別なのかなという話をしているのだが。

■村井知事
 逆にお伺いします。宮城県はその予算を住宅に回して各世帯5万円ずつ支援したら多分同じぐらいの負担になると思いますが、5万円ずつ使って、その分、農家の負担はやらなくて良いというお考えですか。先ほど言った、予算はゼロサムですので、どこかをつければどこかを削らなければいけません。ですから、岩手県は、農家に対する支援よりも、住宅支援に回しました。岩手県は床上浸水に5万円支援しました。農家の方たちが機械を買えないから農業ができなくなってしまうかもしれない、あるいは家の倉庫に置いてあったお米が雨に流されて売り物にならなくなってしまった。それに対して共済が出ないから、その人たちを支援するのと、(床上浸水した方に対して)5万円ずつ配ることとでは、河北新報は5万円ずつ配った方が良いということですか。
 農家に対し宮城県は手厚い支援をやっています。岩手県も行っていますが、率が少ないです。宮城県は率が高い。それで、財源は宮城県もそれなりに使っているわけです。先ほどおっしゃった住宅の床上浸水被災者に対する5万円は、宮城県は出さない。5万円を出せば、その生活再建が全てできる金額なのかというと、そうではないと思います。どっちを優先するのかと私は言っているわけです。宮城県は農家を支援する方に軸足を置きました。それに対し農家は限られた層で、ほかの人たちは生活もしていかなければならない、そちらを優先すべきではないかとおっしゃいました。私からすると、農家を切り捨てるような気がしました。

◆Q
 宮城県が農家で被災された方々に対して独自で支援されたということは、すごい良いことだと思う。その農家にとっては。ここの農家の分はすごく良いと思うが、それとは別に、その下の部分としてすることはできないのかということだと思う。

■村井知事
 そうです。宮城県はそれをしない。岩手県は、農家の方の宮城県がかさ上げした分はしないということです。それは各県によって違いがあって良いのではないでしょうかと私は言っているわけです。それは納得できないかもしれませんが、それぞれの県によって優先順位が違っているわけです。5万円配れば生活者がみんな家が建つのかという話です。5万円でも、もらわないよりは良いかもしれませんが。

◆Q
 岩手県の今回の5万円というのは本当に少額だと思うが、住宅再建をするのはなかなか難しいのが現実だと思っているので、少しでも支援金とか見舞金という形でお渡しすることで、県として自治体として皆さんのことを見ていますよと、見捨てていませんよという、そういうメッセージを出したいということで、広く住宅再建に対して支援金を出されているという背景があると思うが、知事は東日本大震災のときに支援していないので不公平感があるということも分かるが、今回台風も起きて、財源がないということも分かる。例えば、今後、他県で恒久制度、こういった支援に対する恒久制度もというところで、県と市町村で何か財源、基金だったりとか作って、こういった災害に備えて、そういう今後の、これだけ台風だったりとか被害が大きい中で、今後そういう検討をしていくという考えはないか。

■村井知事
 今のところは市町村からもそういう声は上がっていないですし、今のところは考えていないです。決して私も、床上浸水の人とか床下浸水の人に何もするべきじゃないと思ってはいません。言いたいことは、同じように床上浸水の人に対して、福島県は10万円ずつ出します。岩手県は5万円。岩手県の人に、福島県は10万円出していますがあなたたちは5万円ですと言ったら、損な気がすると思います。私は、全国の統一基準でやるべきだと考えており、知事会が決め国も出すとなったら、宮城県もそれに対する財源は出します。ほかの県と同じようにルールに従って。今の住宅再建も、1人300万円支援する制度も、県もお金を出しています。それに対して、県はお金を出さないと言っているわけではなく、どうせ行うのならば、全国一律の基準で、同じように行うべきではないかと思っています。決して岩手県、福島県が間違っているとは思わないでください。これも一つの政策だと思いますけが、やるならば国で統一したやり方をやるべきじゃないかと思います。
 宮城県は、今財源が本当に厳しいですから、どういう予算の使い方をしようかと考えた上で、私は再生産に、(お金が)回るようにしてあげて、農家は限られた人数かもしれませんが、それは被災した床上浸水の全部の世帯ではないかもしれませんが、農家が農業を来年4月からスタートしようと思うような形で行うことによって、産業として雇用が生まれて、なりわいが成立すると考えます。そこで5万円ずつ配ったことで、誰からも文句を言われないかもしれませんが、そうすることによって県の財政がさらに厳しくなり、ほかのことができなくなる。どっちの優先順位が高いかと考えたということです。それは私の政策判断で、それに対して批判しようと思うならいくらでも批判したら良いいと思います。これは私の政策判断ですから、ご理解いただきたいです。

◆Q
 もう1点だけ、内水被害に関してだが、丸森だったりとか、堤防が破堤してかなり外圧がかかってというところは、本当に浸水の深さだけで一律で支援金を決めてもらえると思うが、一方で、仙台市内だったりとか、内水被害に遭ったところは、結構厳しい判定が出ている。床上浸水、床上何十センチも浸水していても一部損壊には見てもらえないとか、そういった判定基準に対して知事として考えがあればお願いしたい。
 内水の町に関しては、床上浸水でもそもそも国の基準として半壊だったり一部損壊として見てもらえないということについて、それに対していかがか。

■村井知事
 それはやはり矛盾しています。水の被害に遭うことは同じです。ただ、内水という雨水の汚れと、川から流れてきた水は汚れが違うとか、そういうことが理由なのかもしれませんが、私個人的な考え方ですが、そこで差をつけるのは何か変な感じがします。水で同じく被害を受けて家電が使えなくなってしまった、畳を張りかえなければいけないのはみんな同じですので、そこに差を設けるのはおかしいかもしれません。その辺は国にしっかり申し上げなければいけないでしょう。

◆Q
 その差についても、特に県としては特に支援とかはないという理解で良いか。

■村井知事
 それは仙台市などがお考えになるのではないでしょうか。何でも県がではなく、やはり市町村が住民に責任を負わなければいけないのではないでしょうか。

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県の環境政策について

◆Q
 COP25(国連気候変動枠組条約第25回締約国会議)が閉幕し、パリ協定が課題を残した形で始まることになった。宮城県としてはどのような取り組みを後年度に向けて行うのか。あと、目標達成のために具体的にどのようなことをするのかも、可能であればお願いしたい。

■村井知事
 さきの議会で2050年に二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする目標を掲げたいと表明しました。これはかなり高い目標だと思います。ただ、このような方針を出している県が他県にも出てきておりまして、私はそれに向けて最大限努力すべきではないかと思います。

■(担当課)
 現在、地球温暖化の対策計画は既に策定していまして、こちらでは2030年度、31%削減という目標を立てています。それに加えて、2050年の目標については、現在検討しています(次期の県)環境基本計画の中に目標として盛り込むということで、令和3年度以降の(環境基本)計画の中で目標に掲げる方向で対応を検討しています。環境審議会においては、既に素案等の検討は行っています。
 来年度中には完成して、計画自体は令和3年度からスタートということになります。

■村井知事
 2050年のその大きな目標に向かって、宮城県は環境基本計画を改定していきます。来年度中に計画を策定しまして、令和3年度からスタートさせたいと思っています。その環境基本計画の中に具体的な施策を盛り込みたいと思います。従って、現時点においてどうするのか、どういう施策をやるのかについては、まだ未定だということです。

◆Q
 結構意欲的な目標だと思うが、目標を掲げること自体にはどんな意味があるのか。

■村井知事
 例えるとやはりエベレストに登ろうと思わないと、いろいろな山には登れないです。登ろうという意思がなければ登り切ることはできません。それより低い山も登ることができません。非常に高いチャレンジングな目標だと思いますけれども、政府もそれに向けて邁進したいという思いがあります。小泉(環境)大臣と先日お電話でお話しした際、議会中でしたが、大臣もぜひ2050年の二酸化炭素排出実質ゼロを宮城県も目指してくれと、一緒に目指そうじゃないかということでした。国とわれわれが力を合わせることによって、地球環境に優しい国、優しい県になれればと思っています。

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女川原発2号機再稼働について

◆Q
 女川原発の避難計画について、実効性があるのかということが議会で議論になっていて、知事は国の原子力防災会議が最終的に了承するので、そちらで責任を持って判断するという立場だと思うが、この原子力防災会議に上げる案を作る協議会のほうには県も構成員として入っていて、今そちらで作業を進めていると思う。あらためて、実効性があるのかないのかという判断について、県が主体的に行うということはあり得ないのか伺う。

■村井知事
 私は、難しいと思います。議会と協議しましたが、最終的に何かあったときに誰が責任を負うのか。今回、福島の原発事故で国と東京電力が責任を負い、福島県は何の責任も負っていないわけです。同じく女川原発でもし何か災害があったときに、宮城県として責任が多分負えないと思います。負いようがないと思います。従って、これが安全か安全でないかは、やはり専門家を交えて今検討していると思いますので、国の判断でしていただくのが妥当だと私は思います。
 再稼働に同意するかどうかを最後に知事が判断する際の判断材料には、避難計画に実効性があるのかないかについても判断材料になると。

■村井知事
 当然そうです。

◆Q
 ただ、その実効性があるかどうかという判断は、知事自身ではなく、国がするということか。

■村井知事
 そうです。恐らく、過去の再稼働した例を見ると、だいたい同じような時期に判断しているようですから、そういうこともしっかり見定めてよく考えたいと思います。

◆Q
 女川の件だが、美里町議会が今月12日に再稼働を行わないことを求める意見書を可決した。これに対する受け止めと、今後、正式合格後の地元自治体との協議にこれが影響するのかということを伺う。

■村井知事
 これはそれぞれの自治体が考えること、各自治体の議会が決めることですので、それはそれで一つの考え方だと私は思います。
 今後、これによって影響が出るのかということですが、まだ現時点においては規制委員会としてパブリックコメントを行っている最中ですので、何とも申し上げられません。

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