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裁決手続について

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年12月1日更新

裁決とその手続き
補償の内容
裁決に不服がある場合


裁決とその手続き

1 裁決の申請

 収用委員会が行う判断を裁決といいます。収用の裁決を求める手続きとして,土地を取得するための裁決申請と,収用しようとする土地にある物件を撤去して土地の明渡しを受けるための明渡裁決の申立ての2つがあります。
 明渡裁決の申立ては,裁決申請と同時に,又は裁決申請後に行われます。

 起業者が行う手続き

  • 事業認定
     起業者は,裁決申請を行う前に,土地収用法に基づいて国土交通大臣又は都道府県知事の事業認定を受けなければなりません。ここでは,起業者が申請した土地の収用が公共のために必要であるかどうかが判断され,それが認められたときは,事業の認定が行われ告示が行われます。認定を行うにあたり,公聴会を開いて住民の意見や土地収用法で定める第三者機関の意見を聴くこともあります。
     なお,都市計画法に基づき,都市計画事業の認可又は承認を受けていれば,事業認定を受けずに裁決の申請をすることができます。
  • 周知措置
     事業認定を受けた後は,土地所有者などが権利を行使する機会を逃したり,思いがけない不利益を受けたりすることのないよう,補償金の額などの知らせるべき事項を記載した小冊子を作成し,起業者や関係する市町村の担当課などで土地所有者などに配ることができるようにしておかなければなりません。
  • 土地調書,物件調書の作成
     起業者は,裁決申請を行う場合には土地調書を,明渡裁決の申立ての場合には物件調書を作成して,申請書に添えなければなりません。
     土地調書,物件調書には,収用しようとする土地の面積,権利者の氏名及び住所,物件の種類や数量などが記載されることになっており,原則として起業者,土地所有者,関係人又は市町村職員の署名・押印が必要とされています。しかし,所有者及び関係人が100人を超え,一人当たりの補償金の見積額がわずかである場合には,別の手続きにより作成されることがあります。土地所有者,関係人は,調書に記載されていることに誤りなどがあれば,その内容を調書に記載して署名・押印することができます。

 土地所有者,関係人の権利

  • 裁決申請の請求
     事業認定の告示後は,土地所有者,関係人(抵当権者などは除きます。)は,いつでも起業者に対して自分の権利に関する土地について裁決申請を求めることができます。
  • 補償金支払請求
     事業認定の告示後は,土地所有者,関係人(抵当権者などは除きます。)は,収用委員会の裁決前であっても,起業者に対して土地に関する補償金の支払いを求めることができます。
     裁決申請前に補償金の支払いを求めようとする場合は,裁決申請の請求と一緒にしなければなりません。
  • 明渡裁決の申立て
     裁決申請があり,明渡裁決の申立てがされていない場合,土地所有者などからも収用委員会に対して明渡裁決の申立てができます。

 ※ 裁決を求める以外の解決方法

  • あっせん
     補償に関してお互いに合意していない場合,都道府県知事にあっせんの申請を行うことができます。申請を受けて,知事が任命したあっせん委員があっせん案を示し,解決を図ります。
     なお,事業認定の告示前でなければ,都道府県知事にあっせんの申請を行うことはできません。
  • 仲裁
     補償の内容を除いてすべて合意し,お互いに仲裁判断を求めることに合意した場合に限り,都道府県知事に仲裁申請を行うことができます。申請を受けて,知事が任命した仲裁委員が,必要に応じて資料の提出を求めたり,立入検査を行った上で,仲裁判断を行います。この判断は裁判における判決と同じ効力を持ちます。
     なお,仲裁もあっせんと同じく,事業認定の告示前でなければ申請を行うことはできません。

2 裁決申請書又は明渡裁決申立書の受理,公告・縦覧

 裁決申請又は明渡裁決の申立てがあったときは,収用委員会は法令に違反していないかどうか審査して受理し,その写しを関係する市町村長に送り,土地所有者,関係人に通知します。
 市町村長(仙台市内は区長)は,申請又は申立てがあったことを市・区役所,町役場の掲示板などに掲示(公告)し,公告の日から2週間書類を市・区役所,町役場において公開します(縦覧)。

 意見書の提出

 土地所有者,関係人は,縦覧期間中に収用委員会に収用する土地の範囲やその権利関係,損失の補償などについて,意見書を提出することができます。
 しかし,事業の認定に対する不服などについては記載することはできません。
 また,縦覧期間経過後に意見書が提出された場合でも,収用委員会が理由があると認めるときは,受け付けます。
 意見書の様式について特に規定はありませんが,少なくとも意見書を作成した日付,提出者の住所・氏名・押印を忘れないでください。

3 裁決手続開始決定,登記

 裁決申請書の2週間の縦覧期間が終わると,収用委員会は裁決手続きの開始を決定して,その旨を公告し,申請の土地を管轄する登記所に裁決手続開始の登記を申請します。
 この登記があると相続人などを除いて,権利が移転したことを起業者に対し主張できなくなり,起業者及び収用委員会はこの時点での権利者を当事者として扱うこととなります。

4 審理

 縦覧期間後,収用委員会は起業者,土地所有者,関係人などの出席を求めて,審理を開きます。審理は,次のような事柄について出席者から意見を聴き,意見の対立する点(争点)を明らかにして,終了(結審)します。また,収用委員会が必要と認めるときは,鑑定人による鑑定,起業者,土地所有者,関係人などに意見書や資料の提出を求めるなどの調査を行うことがあります。

 審理において聴取する事項

  • 起業者に対しては,事業の計画,交渉の経過,収用しようとする土地の区域,損失の補償,権利を取得する時期,明渡しの期限など
  • 土地所有者,関係人に対しては,意見書の内容の説明,求める補償の内容,明渡しの期限などについての意見
    なお,事業の認定に対する不服など審理に関係のないものについて意見を述べることはできません。 

 ※代理人が審理に出席する場合は,委任状が必要になります。

5 裁決

 裁決には,権利取得裁決と明渡裁決があります。
 収用委員会では,審理で明らかになった争点について必要な調査,検討を行い裁決します。
 裁決前に起業者,土地所有者,関係人などの間で合意が成立した場合は,任意契約をして裁決申請を取り下げるか,収用委員会で和解調書を作成することができます。
 なお,土地の境界や物件の所有権に争いがあるなど土地所有者,関係人が分からない場合には,土地所有者不明,関係人不明という裁決(不明裁決)がなされます。この場合,補償金は供託され,問題が解決するまで補償金を受け取ることはできません。

 権利取得裁決の主な裁決事項

  • 収用する土地の区域
  • 土地に関する権利(所有権,賃借権,地上権,抵当権など)に対する損失の補償

 なお,権利取得裁決があると,起業者は裁決で定められた時期までに土地所有者や関係人に補償金を支払い,土地の所有権を取得します。 

 明渡裁決の主な裁決事項

  • 土地の明渡しに伴う補償(建物の移転料など)
  • 明渡しの期限

 なお,明渡裁決があると,起業者は裁決で定められた期限までに補償金を支払い,土地所有者や関係人は物件を移転して土地を明け渡さなければなりません。明け渡さないときは,起業者の請求によって,知事が物件を強制的に撤去(代執行)することができます。

6 和解

 裁決の前に,当事者全員の間に裁決すべき事項について合意が成立した場合は,収用委員会に和解調書の作成の申請をすることができます。
 収用委員会は和解の内容を審査した上で,当事者全員が出席して和解調書を作成します。
 和解調書が作成されると,裁決があった場合と同じ効果が生じます。
 当事者は,以後和解の成立・内容については争うことができなくなります。

※ 代表当事者制度

 土地所有者,関係人が多数である場合,その土地所有者,関係者は収用委員会の審理手続きにおいて当事者となる3人以内の代表当事者を選ぶことができます。
 選んだ後は,代表当事者だけが収用委員会の審理で意見を述べることができ,その他の者は,代表当事者を通じてのみ,意見を述べることになります。収用委員会も代表当事者に対してのみ,通知などを行うことになります。
 なお,収用委員会は土地所有者,関係人が著しく多数であり,審理を円滑に進めるために必要な場合は,代表当事者を選定するよう勧告することができます。

フロー図


補償の内容

裁決に不服がある場合