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瀬戸さんのアートワークには、制作されたオブジェやインスタレーションを見る人への「指示」がついています。その「指示」にしたがってみると、作品体験は単に見たり購入したりとも違って、モノとヒトやヒトとヒトの関係の網の目に入り込んでいくものになります。この網の目は時間的空間的に広がっていきますが、まずはその場で作品を目にしている私達の想像の中にあらわれます。瀬戸さんの作品は、完結した物体としてだけではなく、そこでおきる出来事までを含んでいます。
今回の公開制作では、大災害を挟んだこの30年ほどの瀬戸さんの思考とつくりだしてきたアートワークを、1個1個見直しながら、総ざらいに展開します。そこでは、コトの作品について可能性を考えます。
1月に入り、12月10日に設置された2つのアートワークは、その作品へ積極的に関わる参加者・観覧者によって、変化してきています。年を越して、後半の2つのアートワークも準備が進み、瀬戸さんの制作も進展しています。《みんなできれいな電気をつくって使ってみよう》と《無人のぶつぶつ交換》。2つの作品では、どんな関係、ヒト-ヒト、ヒト-モノ、モノ-モノが生まれ、また、物と事はどこへ移動していくのでしょう。大災害後の世界で、瀬戸さんはどのような出来事の作品を展開していくのでしょうか。
4つのアートワークをまとめたマップ:ダウンロード(JPG:160KB)
瀬戸典彦(せとのりひこ)
美術家。1959年仙台市生まれ。
1985年サン・ディエゴ州立大学美術学部修士課程(Master of Arts)卒業
1989年-1991年エブリン・ホン大学(ザンビア共和国)教育学部美術科 講師
2003年サン・ディエゴ州立大学美術学部修士課程(Master of Fine Arts)卒業
現 東北生活文化大学生活美術学科教授
SHARING WISHES 1994
Spiritual Alchemy 2014
2016年12月10日-2017年3月5日 10時00分~16時00分
この期間は展示されたアートワークと過去の記録をみることができます。
また瀬戸さんは随時来館して制作を続け、みなさんと対話します。
下記日程においては来館して制作、レクチャーをおこないます。
還る ポートレイト 2016
瀬戸さんの代名詞的な作品でもある《還る ポートレイト》では、瀬戸さんが過去に関わった人の肖像写真が透明な箱の中にセットされ覗けるようになっています。指示書を読んでこの作品に関われそうな方は配達人として旅をつむいでいきます。現住所も生死すらも不明な写っている人へポートレイトは帰る、返す。この作品は、物体だけではなく帰る仕組みを指示しています。つまり箱の移動に協力できる方はその箱を持って行くことができ、次の人へ渡す事ができます。そこでは、素朴な関係が生まれ、その連鎖はリアルな出来事ですが、それ以上に、この場での想像的なものだったりもします。
100個並べられた箱は、1月現在、16個が帰る過程にあります。
会場:創作室前廊下
制作直後は等間隔に整列していた箱。空いているのは、作品を見た人が箱を持っていったところです。
日本で咲く5つの花 2016
制作中の様子
創作室のテラスに、雛壇のように、「移動」をそのコンセプトに含む近現代美術史上の有名作品のパロディ/オマージュのようなオブジェを植木鉢として、シャニダール遺跡から発掘された人骨についていた花粉と同種の植物の苗や球根、種が参加者によって植え付けられました。供えられた花がそうであるように、存在の場所を変える事物には、さまざまな意味が生じるのかもしれません。この作品では意味への想像が動いているのかもしれません。今、花々は春を待って耐えています。
会場:創作室2(屋外テラス)
2月、植えた種や球根から芽が出ています。
レクチャーの様子
無人のぶつぶつ交換 2016
講堂外に造られた無人のぶつぶつ交換用の小屋。そこでは、瀬戸さんが心をこめてつくった一つの物品をスタートに次々とものが交換されていきます。必要性なのか、対価なのか、あるいは気になるものなのか、誰もいないぶつぶつ交換所で「物」はなぜどう変わるのでしょう。
会場:講堂外テラス
最初は、瀬戸さんが心をこめて制作した飯碗が置かれました。徐々に、誰かの手作りのものと交換されていきます。
制作中の様子
みんなできれいな電気をつくって使ってみよう 2016
生きて社会生活をおくるために必要なさまざまのインフラ。その一つ、電気をテーマとしたインスタレーションをつくります。そこには発電機があり、何人かで協力するとわずかな電気をつくり出せます。自分の時間と労力を他者のために使うとき、行為に関わる純粋さやきれいさについて考えてみます。
会場:創作室前廊下
ペダルを回すと、本がライトで照らされ、モニターが起動します
制作中の様子
宮城県美術館教育普及部(022-221-2114)
もしくは直接創作室まで。
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