【集落情報発信支援員コラム#5】みやぎGT推進協議会×集落情報発信支援員イベント第1弾開催報告
―グリーン・ツーリズムを、もう一度ひらく―NOT A TOURISM#1宿泊と体験

今年の夏“みやぎのグリーン・ツーリズム”を考える人たちもアツかった!8月8日(金曜日)に、集落情報発信支援員と「みやぎグリーン・ツーリズム推進協議会」のコラボ企画第1弾として「―グリーン・ツーリズムを、もう一度ひらく―NOT A TOURISM#1宿泊と体験」を開催しました。
グリーン・ツーリズムに関心ある学生や地域おこし協力隊、現在奮闘中の実践者たちや「みやぎ型グリーン・ツーリズム」を牽引してきたレジェンドたちまでご参加いただきましたので、その様子をご報告します!
集落情報発信支援員の活動を通して見えたこと
宮城県第1号の農山漁村集落情報発信支援員として、まる1年が経過しました。昨年度からの活動の中で、県内にこんなに魅力的な人たち、地域、数々の取り組みがあるのだと知り、皆さんに知ってもらう機会を増やしていきたいと思ったところ、みやぎグリーン・ツーリズム推進協議会の皆さんが快く主催を引き受けてくださってこの企画が実現。私が全体の進行役を務めさせていただきつつ、宮城県内のグリーン・ツーリズムの方針や現状について、活動を通して整理したことや見えてきたことを共有するところからスタートしました。
コロナ禍で変化していった各種地域・団体さんの傾向や若者・地域おこし協力隊の活躍なども紹介しつつ「農泊とグリーン・ツーリズムの違いは?」「みやぎ型グリーン・ツーリズムとは?」ということについても、定義やこれまでの県の歩みを参照しながら改めて考える時間に。そして、この回の趣旨でもある「そもそもグリーン・ツーリズムって何だろう?」という本題に入っていきました。
第1弾チラシ
[企画趣旨(チラシより抜粋)]
このイベントは、対話と交流を目的にしています。イベントでは、各回の話題から「グリーン・ツーリズム」や「農泊」という言葉をもう一度ひらいてみます。定義し直すのではなく、自分たちの行動や実感から、その意味を少しずつ確かめていくような対話の場です。
真逆のようで本質は同じ、トークから見える方向性
初回のスピーカーは、みやぎグリーン・ツーリズム推進協議会の会長でもあり、柴田町や角田市でも古民家を活用した宿泊を通じて農山漁村の魅力を伝えていく取り組みをしている嶋崎康二さんと、同じく協議会の副会長で、栗原市で「くりはらツーリズムネットワーク」の代表をしている大場寿樹さんのお二方にお願いし、実際の活動やその中で思っていることなどを自由にトーク。
私はモデレーターとしてトークに入らせていただきましたが、それぞれのお話を聞いていると、タイプが違って(例えばデザインは不要/必要、SNS活用/苦手、など)アプローチも真逆(日常にある価値を伝える/非日常から価値に気付かせる)なのに、大切にしたいことや守りたいと思っているモノやコトが、そこにある当たり前の自然や景色、文化などで同じ方向を向いていることが自然と分かっていき、グリーン・ツーリズムの奥深さも感じ、とても面白かったです。
スピーカーの話に聞き入る参加者の皆さん
“ひらく”時間で、実践者たちのことばが励みに
そこから会場の皆さんとも交流しながら日ごろ感じていることやスピーカーの話を聞きながら思ったことなどを語り合い、終盤は各テーブルで出た話のシェアタイム!これが大いに盛り上がり、途中、レジェンドたちの言葉に刺激を受けてジーンと来る瞬間、拍手が湧き起こるような瞬間も。レジェンドのお一人が「昔、私が林間学校などの活動をし出した頃は、周りにもあまり理解されず、時代がついてこなかった。今、こうして取り組んでいる人たちが増えている中で“グリーン・ツーリズム”ということばが曖昧に感じても、実践していくことで、後から時代がついてくるものかもしれない。だから迷わず時代の先を行けば良い」というお話をしてくださいました。
先輩たちの話が実践者たちの胸に響く
こうしたことばの数々を受けて「今日出会えて良かった!」と感激し合う参加者の皆さんの熱気がさらに高まり、会場は閉会後もしばらく交流タイムが続きました。緊張しながら参加してくれた大学生は「グリーン・ツーリズムって何度聞いてもしっくりいかずよく分からなかったけど、今日が1番分かった気がします!」と言ってくれて、若い地域おこし協力隊の方も「自分の地域にいると見えないことがたくさんあって、これを機に皆さんのところに学びに行きたい!」と目を輝かせて話してくれました。会場で出た素敵なことばを踏まえ、今回私なりに心に残ったものをご紹介します。
グリーン・ツーリズムは一種の“運動”である。なぜ今「グリーン・ツーリズムを、もう一度“ひらく”」必要があるのか。それはきっと、この運動に“希望”があるからだ。 |
グリーン・ツーリズムの変わらない本質は、自分たちの地域を守りたいという想いから。だから、一点が良くなれば良いのではない。みんなで良くなることが大事。 |
発表いただいた皆さんの様子
第2回のお知らせ
今回初めての企画を通じて、みやぎ型グリーン・ツーリズムを立ち上げた頃のアツい想いを知らない世代からしても、もっと当時の話を聞いてことばの定義を理解したいという気持ちが高まりました。と同時に、先輩方が「時代の変化に伴って、ことばや定義は変わっていっても良い」と言ってくださったので、これからもっとこうした交流を通じて考えていきたいとも思いました。
また、想いは同じだけど、やり方に悩み迷っている仲間たちとこうして交流し、アドバイスもし合いつつ、そこにしかない素敵な価値やその人の無理のないやり方を大事にできるよう「これでいいんだよ」と背中を押してあげることも大切という声もありました。そこで、早速第2弾も開催決定!次回は10月29日(水曜日)14時~17時、石巻市の「浜の暮らしのはまぐり堂」さんにて開催します。人数に限りがありますので、お早めにお申し込みください!
第2弾チラシ 是非ご参加ください!
執筆者:宮城県農山漁村集落情報発信支援員-大場黎亜