掲載日:2023年8月16日

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結核について

結核は現代の病気です

結核は、明治時代から昭和20年代までの長い間、「国民病」「亡国病」として恐れられ、昭和25年まで年間死亡者も10数万人に及び死亡原因の第1位でした。現在は、医療や生活水準の向上により、薬を飲めば完治できる時代になりましたが、昔の病気ではありません。今でも1日に46人の新しい結核患者が発生し、6人が命を落としている日本の重大な感染症です。

宮城県の結核の状況

令和3年の宮城県の結核の罹患率(人口10万人に対する新規の結核患者数)は6.6(全国9.2)で全国平均よりも低い値となりましたが、新たに152人が結核患者として登録されています。

高齢者に多い

  • 新規の結核患者のうち70歳以上の方が約7割を占めています。
  • これは、かつて結核がまん延していた時代に感染した方が、発症しないまま長い期間を経て、高齢となって発症することが多いためと考えられています。詳細は下記「感染と発病の違い」をご覧ください。

外国生まれの患者が増加

  • 令和3年の新規の結核患者のうち、外国生まれの方が9.2%(全国11.4%)となっています。
  • 特に20~30歳代の若年層で外国生まれの患者が多い状況にあります。

結核の症状

結核は、結核菌によって主に肺に炎症が起きる病気です。

最初は風邪に似た症状で始まりますが、下記の様な症状が2週間以上続く場合は、結核の可能性もありますので、早めに医療機関を受診し、胸部X線検査と痰(たん)の検査を受けましょう。
また、咳や痰の症状がある場合はマスクを着用して医療機関を受診しましょう。

  • 痰(たん)のからむ咳
  • 微熱・身体のだるさ

高齢者は初期の症状が出にくい

高齢者の場合は咳や痰(たん)の症状が出にくく、気づかないうちに結核が進行してしまう事があります。
「なんとなく元気や活気が無い、発熱、食欲不振、体重減少、身体のだるさ 等」が続き、「いつもと違う」と感じた場合は、かかりつけの医療機関を受診しましょう。

また、市町村で行われる結核の定期健康診断や、かかりつけ医療機関での検査など、一年に1回は胸部レントゲン検査を受けましょう。

結核の感染と発病

感染経路

主に進行した肺結核患者のくしゃみ、せきと一緒に結核菌が空気中に飛び散り、それを周りの人が直接吸い込むことによって感染します。

感染と発病の違い

「感染」とは、結核菌が身体の中に入り、それに対する身体の反応が起こっている状態です。
「発病」とは、身体の中に入った菌が増殖し、何らかの身体の変化や症状が出てくる状態です。
結核菌に「感染」しても、通常は免疫機能が働いて、菌の増殖を抑えられるため、「発病」するのは10人に1人~2人くらいといわれています。

結核の発病

結核菌の感染後、免疫力が弱まっていると、概ね6か月から2年後に発病することがあります。乳幼児の場合は感染後、急速に発病する場合があります。
また、感染後、発病せずに数年から数十年の長い間休眠状態であった結核菌が、高齢になった時など免疫力が弱まった時に復活・増殖し、発病することがあります。
喫煙やHIV感染、腎臓病、ステロイドホルモンの使用、糖尿病などは結核を発病させやすくします。

結核の治療

早く発見されれば、周囲の人に感染する危険は少なく外来通院となりますが、周囲の人に感染が広がるまでに進行した状態であれば、入院になります。

結核と診断されても、複数の薬を6~9ヶ月間毎日きちんと飲めば治ります。

また、治療を始めれば、概ね1~2ヶ月程度で周囲の人へ感染させることはなくなります。
しかし、しばらく薬を飲んで症状が消えたからといって、治療の途中で服薬を止めてしまうと、完全に治りきらず、薬が効かない結核菌(多剤耐性結核菌)になり、より治療が難しくなることがあります。

直接服薬確認療法

直接服薬確認療法(DOTS(ドッツ):Directly Observed Treatment、Short-course)とは、結核を治すことを目的として、服薬を毎日続けることができるよう、患者が服薬するところを医療従事者が目の前で確認し、支援する方式です。宮城県内でも、医療機関や地域の保健所などでDOTSによる支援を行っています。

結核の予防

健康的な生活が結核の予防につながります。

  • 適度な運動
  • 十分な睡眠
  • バランスの良い食事
  • 定期的な健康診断で早期発見

早期発見が大切

結核は、早期に発見できれば、本人の重症化が防げるだけでなく、周囲の人への感染拡大を防ぐことができます。
一年に1回の定期健康診断を受ける、症状出現時の早期受診などで早期発見に努めましょう。

乳児の結核予防

抵抗力の弱い赤ちゃんは結核に感染すると重症になりやすく、生命を危うくする場合があります。
結核の重症化を予防するためにはBCG接種が有効です。1歳(国が示す標準的接種期間は生後5~8ヵ月)までに予防接種を受けましょう。

相談窓口

結核に関する相談は、各保健所が担当しています。

宮城県内の保健所一覧

BCG予防接種に関する相談は、お住まいの市町村にお問い合せ下さい。

結核予防週間について

毎年9月24日~30日は結核予防週間です。

宮城県では、関係団体の御協力を得て、結核予防に関する普及啓発などを行っております。

お問い合わせ先

疾病・感染症対策課感染症対策班

宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号

電話番号:022-211-2632

ファックス番号:022-211-2697

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