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平成30年度第2回管内協働教育研修会【北部】

平成30年11月28日(水曜日)に栗原合同庁舎において,「第2回北部管内協働教育研修会」を実施しました。
北部管内の小・中学校職員やPTA関係者,栗原市社会教育委員,各市町教育委員会職員等,43名が参加し,地域の教育力の更なる向上と,家庭・地域・学校が手を携えて行う『地域学校協働活動』の推進を図るため,実践発表や講演を通して研修しました。

【事例発表】ふるさとを愛し,夢や希望に向かって活動する児童の育成

【発表者】栗原市立花山小学校 教諭 鈴木 均 氏
花山小学校協働教育推進委員会 コーディネーター 高田 豊 氏

花山小学校では,平成24年度から「栗原市協働教育推進事業」指定校として取組を推進し,この2年間の指定期間の終了後も花山小学校協働教育推進委員会を組織して活動を継続しています。この功績が認められ,平成29年度に文部科学大臣表彰を受けました。
発表では,地域の多様な教育資源を有効に活用するプログラムを,地域と学校が密接に連携して創り上げている実践の様子が伝えられました。学校を含めた地域社会で相互に連携し合って持続的な社会の形成に取り組む必要性や,「地域の次代を担う子供の育成」という目標を学校と地域が共有する大切さなど,示唆に富んだ話がありました。

発表概要

  • 学校生活だけでは,幅広く志向し判断することや社会性等を高めることが難しい。
  • 地域素材を生かした特色のある教育活動を展開して,へき地・小規模特有の学校課題を解決したい。
  • 地域住民の参画により,児童の成長を支え,地域を創生
  • 地域「花山」を大切にしながら夢や希望に向かって活動する子供の育成
  • 「協働教育推進委員会」によって,年間を通した活動を協議し,計画化
    • 地域コーディネーターと教員が日常的に連絡し合い,有効な素材・人材に関する情報を共有
    • 17の活動プログラムにおいて40回以上実施⇒[協働教育推進事業]年間指導計画として文書化
      …仙台管区気象台の気象予報士による「理科教室」,地域人材による「陶芸教室」.....
      …花山青少年自然の家と連携した自然体験事業.....
      …青少年のための市民会議と連携した世代間交流事業.....
  • 保護者や地域の方々との触れ合いにより,子供たちが「ふるさと花山」への愛着を深化
  • コーディネーターは授業のきっかけを提供し,教師が授業を組立てる
  • 何のために「自然体験活動」をするのか:『基礎体力(学力)づくり』
    • [森林]林業の大切さ,森林の働き,森林の中で遊ぶ楽しさ,四季(気候)の体感
    • [水資源]水産業の特色,水道やかんがい用水の働き,かんがい・治水の働き,ダム
  • 自然体験授業の波及効果
    • 学校の授業のユニーク化→→花山[地域]の活性化

研修会の様子1 研修会の様子2 研修会の様子3

【講演】地域学校協働活動の推進のためには何をすべきか?

【講師】一般社団法人とちぎ市民協働研究会 代表理事 廣瀬隆人 氏

廣瀬氏は,社会保障制度改革や地域医療・地域福祉の進展,人口減少による商店街の空洞化,大型店の撤退,そして学校の廃校・統合などを関連付けて示し,「学校と地域の連携・協働が推進される社会的背景は,決して牧歌的なものではない」として,『地域学校協働活動』が求められている理由を示しました。また,文部科学省施策だけでなく,まち・ひと・しごと創生総合戦略(平成26年閣議決定)に述べられている内容も解き明かし,「国策として地域と学校の連携・協働が展開され,『地域づくり』を進めることが要である」と示しました。
精選した論点を分かりやすい言葉で説く氏の講義は,参加者の『地域学校協働活動』に対する視点をさらに豊かにし,“何を・どのように行うか”ということについての気付きを与えるものでした。

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参加者事後アンケート ※抜粋

(1)実践発表について

  • 花山小学校は児童数が少ないようですが,そのおかげで地域との交流や行事が充実しているし,子ども全員に大人の目が届くので,とても素敵な学校だと思いました。また,自然体験授業は子どもたちの心を育てることに関しては大変素晴らしい経験になると思います。「卒業後に力を発揮するため」と書いてありましたが,卒業後のことまで考えてあげるのはすごく良いことだと思います。
  • 様々な活動を地域の方々と一緒に行っており,うらやましく思った。これも,地域ボランティアの組織がしっかりとあり,その方々の話し合いも十分に行っているからできていることが分かり,大変勉強になった。
  • 学習支援を進めるにあたり,その成果を見据えている点が良いと思う。支援する側と支援される側が一体化した目標に向かって進んでいく姿が素晴らしい点であった。
  • 豊かな自然を生かした継続性のあるユニットの中で,学校と役割分担をしっかりして,熱い思いを持って活動している様子を紹介して頂きました。多様な活動が多くの方々の参画によりなされ,児童のために行われていることがすばらしいと感じました。
  • 幅広い活動が行われており,市内のみならず,多くの学校の参考となる発表だった。今後も実践を重ね,広めてほしいと思った。
  • 花山という地域の特殊性をうまく利用した実践があると感じました。学校,地域(教員,生徒,コーディネーター)がうまく作用した例だと感じました。
  • 花山という地域性を生かすとともに,地域の人材,施設等を生かした実践は素晴らしい。花山で生まれ,育ったことを誇りとして生きてほしいと思う。勉強は中学,高校でいくらでもできる。
  • 小規模校であるので,どんなことに取り組んでいるのか,興味を持って聞かせていただきました。本校でも取り組んでいることがあるので,同じだと思いました。もう少し,地域を意識して活動させていきたいと思います。
  • 非常に多くの実践を行っていることにおどろかされました。学校外の方々との協力関係を築いて,また広げていることに頭が下がる思いです。所属校でも,地域との関係性を強めていけるよう働きかけていきたいと思いました。
  • 時数の確保が難しくなるかなと思いました。コーディネーターの方の「きっかけづくり」があることは,花山に赴任する花山を知らない教員にとって大変ありがたく,地域素材を教材化する最良のスタートではないだろうか。地域コーディネーターの力も重要だなと思います。
  • 花山での実践発表は,協働教育の理想とするところだともいます。ぜひ,小学校の教員が変わっても,また地域のお世話の方が変わっても,地域の子供たちのために頑張っていただきたいと思います。
  • 組織がしっかりしていて,様々な取り組みが円滑に行われている実践発表はとても素晴らしいです。まず,学校支援の体制づくりが第一歩と思いました。自校でも,どのように組織づくりができるのか検討し,支援いただける団体・個人に積極的に働きかけていきたいと思います。
  • 学校により,地域の協力やボランティアの温度差もあると思うが,できることをやっていかなければならないと思った。
  • 自然豊かな学校で,子ども達がたくさんの自然との経験でき,うらやましく思いました。
  • 学校支援(学校側への支援)のみだったが,学校から地域への協力等についても聞きたかった。
  • 協働教育の深い実践についてとても参考になりました。地域の方の地元を愛する気持ちと教育活動が一体化していることに共感を受けました。

(2)講演について

  • 人と人との結びつきが深ければ深いほど,協働教育の効果が高まることが分かりました。
  • 地域学校協働活動の推進の前の物事の推移,とらえ方が大変参考になりました。目から鱗が落ちました。一つ一つ納得できて,あっという間の時間でした。
  • 今年から地域連携担当となり何をどうしたらよいか悩みながら担当しているが,難しいイメージがあった地域学校協働活動について,「何でもあり」ということを聞かせて頂き,少しホッとしたところがあります。大人をつなげる取組,少しずつ進めていきたいと思います。
  • 協働教育の本質を理解することができた。ぜひ,担当ではない職員にも直接聴講させたかった。
  • 大変勉強になる講演だった。地域の方々の意識を変える(高める)ことが最も大切だと感じた。
  • 学校支援ボランティアは「活用」ではなく対等な「協働」の相手として主体性や自発性を尊重することが必要なことが分かった。
  • 子どもたちの教育というのは大人同士の人と人のつながりでつくるという話。
  • すごいの一言。切り口がすごい。わかりやすくよく理解できた。出席して良かった。熱意,意欲が伝わった。
  • 協働教育を進めるために,担当者とコーディネーターとの人間関係ができれば「何でもできる」という。全くその通りだと思うが,その前の人たちが難しい。それにしても,協働教育を推進するためのヒントをたくさんいただいた。
  • 学校と地域をどのようにつなげていくのか,分かりやすく講演いただきありがとうございました。引きこもっている子ども,リタイヤしてきた子どもも取り込んでいくことも必要だという話も聞き,考えさせられました。どんな子どもも町づくり・地域づくりに参画できるよう基礎力を育てていきたいです。
  • 学校教育に地域再生までも担わされていくのか,というイメージを持っていましたが,先生のお話をうかがって考え方を新たにしました。地域は地域に有る団体だというお話も新鮮でした。公民館の方々と話をしたいなと思いました。
  • とても明解でわかりやすい講演でした。地域=団体,というお話が良かった。社会教育主事の先生にこれからは相談に乗っていただくようにしたいです。
  • 少し辛口ですが,先生のお話をきいて肩の荷がおりた気がします。ありがとうございました。
  • 学校でやってる教育活動が「これでいいんだ」と自信を持つことができました。視点を変えて行事を見ることで,地域づくりに関わっていることに気付かされました。
  • 学校を核とした地域づくり,学校を媒体とした地域の大人のつながりをつくることが大切であると理解しました。学校と地域が協働で教育に取り組む狙いを確認することができました。
  • 地域連携担当として,分からないことが,講演を聞いてクリアになったと思います。地域に戻ってくる人材育成を通して,町作りをすること,現在,生徒会も担当していますが,生徒会のあり方としても勉強になりました。
  • 抜群でした!「協働教育」という言葉にプレッシャーしか感じていなかった自分のモヤモヤをふきとばしていただきまいた。それどころか,「協働教育」について,他の職員に説明できる自信すら生まれました。

お問い合わせ先

北部教育事務所教育学事班(生涯学習)

大崎市古川旭四丁目1-1

電話番号:0229-87-3612

ファックス番号:0229-22-7589

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