土地区画整理事業／ハンドブック／権利関係の調整

4.権利関係の調整

• 仮換地が指定されると、どのようになるのですか。また、指定された仮換地はいつから使用できるのですか
• 仮換地の指定等に伴う補償にはどのようなものがありますか
• 農業を続けたいと思いますが、事業完了後も続けられますか
• 土地区画整理事業の測量調査のための立ち入りを拒否できますか

仮換地が指定されると、どのようになるのですか。また、指定された仮換地はいつから使用できるのですか

仮換地が指定されると、仮換地指定の効力発生の日から換地処分の公告（土地区画整理法第103条第4項）があるまでは、従前の土地の権利者は、その仮換地について従前と同様の使用収益をすることができ、従前の土地については、使用または収益をすることができなくなります。

仮換地を指定した場合、その仮換地に障害となる物件やその他特別な事情があるときは、その仮換地について、使用または収益を開始することができる日を指定の効力発生の日を通知する日とは別に定めることができます。

第三者のために指定された仮換地（従前の土地）について、使用し収益していた者は、使用収益の効力発生の日から換地処分の公告の日まで、当該仮換地を使用し収益することができなくなります。

仮換地の指定等に伴う補償にはどのようなものがありますか

仮換地の指定等に伴う補償には以下のものがあります。

1. 使用収益開始の日を別に定められたため、従前の土地について使用収益ができなくなったことに因り損失を受けた場合。
2. 従前の土地が第三者に仮換地を指定されたため、使用収益ができなくなったことに因り損失を受けた場合。
3. 従前の土地が土地区画整理法第100条第2項の規定により、換地を定めないこととされた土地の使用収益ができなくなったことに因り損失を受けた場合。

いずれの場合も、施行者は通常生ずべき損失を補償することとなっています。

農業を続けたいと思いますが、事業完了後も続けられますか

土地区画整理事業は、道路、公園等の公共施設の整備改善と宅地の利用増進を目的として健全な市街地形成を図る事業ですので、なるべくすみやかに市街化の方向へ土地利用の転換をお願いします。
しかし、農業を続けていきたい場合、施行者としても営農に配慮した用排水施設の設置や整地を行うよう努めます。

ただ、減歩による耕地面積の減少や、周辺の宅地化による日照の問題がありますので、今まで通りの条件での営農は困難となる場合もあります。
このため、営農希望が多い場合は、希望者を一定の地区内にまとめて換地し、用排水路を系統的に整備するなどして当面の営農希望者の対応をすることもできます。

土地区画整理事業の測量調査のための立ち入りを拒否できますか

土地区画整理事業の測量調査に対して、土地の占有者は、正当な理由がない限り、立入を拒み、又は妨げてはならず、これに対しては、罰則規定があります。
測量及び調査のための立入等は次のように定められています。

1. 施行準備及び施行に関して、必要の限度内において立入調査と立入測量ができます。
2. 立入の通知は、立入の3日前に施行者から行います。公共団体施行者に限り、通知することが著しく困難である場合においては、公告により通知に代えることができます。
3. 建築物が所在し、または、かき、さく等で囲まれている土地の立入は、立入のときあらかじめ占有者に告げなければなりません。
4. 立入時間は、日の出から日没までとされていますが、土地の占有者の承諾があればこの限りではありません。
5. やむを得ない必要があって、障害となる植物または、かき、さく等を伐除する場合は、所有者・占有者がいないため、その承諾を得ることが困難で且つ現状を著しく損傷しないときは、市町村長の認可を受けて伐除することができます。この場合、遅滞なく、その所有者・占有者に通知しなければなりません。
6. 他人の土地に立入る者または、植物若しくはかき、さく等を伐除する者は、身分証票または、市町村長の認可証を携帯し、関係人の請求があった場合には呈示しなければなりません。
7. 施行者は、土地の立入等により損失を与えた場合には、通常生ずべき損失を補償しなければなりません。
8. 損失の補償については、施行者と権利者が協議して決めなければなりません。
9. 協議が成立しない場合は、損失を受けた者又は損失を与えた者は、収用委員会に裁決を申請することができます。

もくじへ戻る

入門編へ戻る