仙台保健福祉事務所管内リハビリテーション提供施設コラム
目次
- 『リハビリ・メニューの応用力』
- 『話し合うって大事ですよね。』
- 『身体拘束0(ゼロ)の取り組み』
- 『退院後の生活を想定したリハビリってやっぱり大事』
- 『挨拶の大切さ』
- 『新人PTOTから1年を振り返って』
- 『目指せ 健康な身体』
- 『自然の力~園芸活動を通じて~』
- 『お守りは自分の姿?!』
- 『ボスとリハ室』
- 『マー君 神の子 内助の功!?』
- 『思いやり』
- 『ご自宅の介護でお困りではありませんか??』
- 『環境設定にお邪魔すると・・・』
- 『全員卒業を目標に!』
- 『伝えることの難しさ』
- 『自分らしい生き方』
- 『祝・新人リハビリ職員』
- 『光陰矢の如くそして一期一会へ』
- 『自立支援と支援能力』
- 『意味のある作業の提供』
- 『臨床実習指導者』
- 『地域包括ケアシステム』
- 『在宅でのリハビリ』
- 『リハビリってすごいなあ。』
- 『日々の業務』
- 『日々の業務で感じたこと』
- 『専門家って???』
- 『運動は本当にカラダに良いのか』
- 『就労継続支援施設で働いています!~リハ職の強み~』
- 『意外と重要かもしれません・・・“座る位置”』
- 『いつまでも活き活きと』
- 『基本に戻って忠実に』
- 『リスクマネジメント』
- 『初心忘るべからず』
- 『言語聴覚士から学んだこと』
- 『新しいもの』
- 『車椅子などの環境調整に関して』
- 『2年目の私が感じていること』
- 『震災から2年を経て・・・』
- 『在宅復帰に向けての新たな取り組み』
- 『「交流・関わり」の持つ力 』
- 『ご利用者様の人生に関わっていくということ』
- 『褒め称える事により得られるもの』
- 『伝えることの難しさ』
- 『作業を通して元気になる』
- 『作業療法士としてのまちづくり』
- 『日々の業務で感じたこと』
- 『訪問リハビリテーションの醍醐味』
- 『摺り合わせ』
- 『こころが動けば身体が動く』
- 『サッカーに例えて~質の高いチームプレーを~』
- 『リハビリ・介護をする時の相手に対する慮りと考え方とは。』
- 『元気を伝え合う』
- 『がんのリハビリテーションと目標設定』
- 『私たちの3つの“P”』
- 『喜びの声をエネルギーに』
- 『一人一人の「思い」を大切に』
- 『大きい声で楽しいリハビリテーション』
- 『デイケアは楽しいと言える』
- 『クラブ活動週間』
- 『春を感じに・・・』
- 『異郷の地での苦労~言葉の壁~』
- 『痛みへの対応について』
- 『慢性期患者の今後の目標について』
- 『日々の業務の中で感じたこと』
- 『日進月歩』
- 『車いす適合の重要性』
- 『施設内でのリハ職の役割』
- 『当院での取り組み~CI療法って何だろう?~』
- 『みんな大好き♥♥♥作業活動』
- 『その方らしい最期を迎えるために私たちが出来ること』
- 『日常生活動作(食事動作)の関わりを通して』
- 『私たちの価値って?』
- 『引きこもりについて』
- 『認知症を持つ『ひと』との関わり』
- 『最近の趣味』
- 『食べることの楽しさについて』
- 『施設での日々の暮らし』
- 『私たちが訪問でできること』
- 『小さな成功体験』
- 『病院から在宅のリハビリに関わって』
- 『感謝 感激 雨あられ』
- 『ふと気づけば 多趣味人間』
- 『なぜ?と思う気持ち』
- 『敬愛するふわりの皆さま』
- 『自立支援にむけて』
- 『あいさつの意味を知ろう』
- 『意欲を持って頂く為に』
- 『マッサージだけでは治らない?』
- 『最近あったほほえましい出来事』
- 『一人一人と向き合う』
- 『元気でお仕事するために』
- 『顔の見える関係』
- 『その子らしさを目指して』
- 『多職種連携の大切さ』
- 『就労継続支援B型事業所wara』
- 『デイサービスセンターあったかいご東向陽台』
- 『お客様満足度調査について』
- 『脳にご褒美をあげよう!』
- 『人気のレクリエーション』
- 『「連携」と「信頼」』
- 『身近な存在,ホッとできる存在になりたい』
- 『興味関心!!』
- 『なぜポラリスでは水分を摂るの??』
- 『チークダンス歩行』
- 『すずめのお宿に連れてって♡』
- 『日常生活動作』
- 『人生の先輩!!!』
- 『アクティブリハ』
- 『折り合い』
- 『ある日の出来事から見えてきたあすなろの姿』
- 『やわらぎサロン』,『福祉QCサークル活動展開中』
- 『元気の秘訣』
- 『現在の介護保険におけるリハビリテーションの在り方について』
- 『今でしょ!!』
- 『転ばないで過ごすために』
- 『幸せな時間』
コラム
『リハビリ・メニューの応用力』
私たちが患者さんや利用者さんに教える,リハビリのメニューがありますが,希に,そのメニューを応用して,オリジナルのメニューを開発し,実行している方に出会うことがあります。
それらは,最初に教えられたメニューが基本となり,その目的を十分に理解した上で,日常の中で工夫した,楽しめるものにバージョンアップされていることが多いと思います。
「楽しみながら,継続して実践される。」そういうメニューを,我々セラピストから,あたりまえのように伝えられるようになるには,普段から「センス」を磨くことを心がけるべきと考えさせられます。
先日,脊髄小脳変性症の方を訪問し,洗濯ばさみを使った指の力を維持するための,自己流リハビリに感動しました。是非その方の,数々のリハビリの工夫を,こちらのブログ(脊髄小脳変性症と付き合うブログ)でご覧ください。
宮城県仙台保健福祉事務所 健康づくり支援班
『話し合うって大事ですよね。』
日常の業務の中で患者さんを含めていろんな人とコミュニケーションをとっていると思います。仕事を円滑に行うポイント,それは「話すこと」ではないでしょうか。
“傾聴”や“拝聴”という言葉がありますが,“聴くこと”はとても大事だと思います。患者さんの想いをよく聴くことにより何をして欲しいか・何を望んでいるのかを感じることが出来ると思います。
そしてもう一つは“お互いに話し合える環境を作ること”です。忙しいと中々話が出来ないかもしれませんが,そんなときほど患者さんはこちらの状況を察知しているはず・・・むしろ患者さんに気を遣わせてしまうかもしれません。常に患者さんの立場に立ち,患者さんのペースで話し合える環境を作ることが大事かもしれませんね。
忌憚のない話し合いをすることにより信頼関係が生まれ患者さんの入院生活において満足度の高いものが提供できるのではと思います。患者さんと話すのは勿論(中には言葉以外でコミュニケーションをとる人もいると思いますが。)ですが,スタッフ間や他部門との連携にも情報交換「話すこと」が大事になると思います。
色々な職種が患者さんに関わる中でその日その時の体調・精神面・希望や時には不満だってわかることでしょう。患者さんに関わるみんなが同じ情報を共有して接することで信頼関係もさらに良くなるのではないでしょうか。
塩竈市立病院
『身体拘束0(ゼロ)の取り組み』
身体拘束には,医学的制限のためや安全性を確保するためにやむを得ず行う場合がありますが,当施設では身体拘束0(ゼロ)に取り組み日常生活の自立支援を目的とし「その人らしさ」を大事にしております。
センサーマット・拘束帯・施錠・ベッド4点柵等も行わないため,徘徊者は自由に各フロアを行き来されるため,全職員にて徘徊者を把握し対応します。
また,ベッドからの転落を繰り返す方には低床・ベッド下に衝撃緩和マット(またはベッドマット),ベッド等の固い部分には保護,ベッドから布団への対応などと,介護職員・ケアマネージャー・相談員・リハスタッフ・家族等にて以前の生活の情報収集と話し合いを繰り返し評価検討しております。ときには,ベッドから安全に床へ降り,這ってリビングへ出てこられるようベッドから床へ滑り台のような傾斜を作成し導入することもありました。日々様々な工夫にて「身体拘束0(ゼロ)」と奮闘しております。
身体拘束をしない事はそれだけ危険性を伴うことかもしれませんが,職員の対応や環境にて落ち着いて過ごされております。対応ひとつで落ち着いて過ごすことができるのですね。
加瀬ウェルネスタウン
『退院後の生活を想定したリハビリってやっぱり大事』
「愛犬のため床の器に餌を入れる」ための床へのリーチ動作練習,「仏壇にお線香をあげる」ための立位バランス練習。回復期の患者様にリハ開始時,退院後必要になる課題を患者様とセラピストで話し合い共有することでリハの目的が明確になり,退院後の訪問リハでも目標を絞って介入でき入院生活から在宅生活へスムーズにソフトランディングできた症例を経験しました。
患者様の価値観や,家庭内での役割は人それぞれで,生活の中で何を大事に思っているかは聞いてみないとわかりません。
当たり前のことですが日々の業務の中で少し時間をとって患者様と話し合う機会があってもいいなと再認識しました。
坂総合病院
『挨拶の大切さ』
「挨拶は人間関係のはじまり」という言葉は耳にすることも多いですね。おはようございます,こんにちは,ありがとうございます等々,挨拶と一言で言っても様々な言葉があります。
「挨拶をする」ということは,自分の目の前に他者が存在しているということになります。医療従事者の視点から,それは患者様であったり,患者様のご家族であったり,その他コメディカルであったり・・・
先日,あるテレビを観ていたところ,「挨拶は返してもらうためにしているわけではない,挨拶をしている自分を周りの人にみてもらうためにしているのだ」と言っている方がいて,なるほど~と妙に納得してしまいました。
そのように考えれば,たとえ相手から挨拶が返って来なかったとしても,清々しい気持ちのままで業務を遂行できそうですよね。
私達セラピストは責任を持って様々な情報を提供し,ホスピタリティを持って人と関わりをもつ仕事をしています。その関わり合いが深くなるにつれ,何気ない挨拶が相手の精神面に影響を与えたり,その時の体調を把握する手がかりになったりもします。
相手が患者様であれ,他の医療従事者であれ,私達セラピストが先導してより良い人間関係・職場環境を構築していけるよう,そしてなにより気持ちよく一日を過ごせるよう,元気よく相手の目をみて挨拶することから心がけていきたいものです。
赤石病院
『新人PTOTから1年を振り返って』
特に印象深かったのは在宅復帰支援をさせて頂いたことです。どんなプログラムを立てていくか,福祉用具の選定や他科とのコミュニケーションや連携など,始めての経験ばかりな上,在宅復帰までの流れのイメージがつきにくく不安ばかりでした。
中でも,リハビリ時間以外の生活の時間をどのように過ごして頂くか調整したり,考えたり,実践していくことが難しかったです。老健では,利用者さんの心身機能のみではなく,生活全般をみる必要があり,利用者さんの対応や生活環境設定などにとても苦労しました。
今後は,もっと様々な視点から生活の評価ができるようになることやコミュニケーション力を身につけることが目標で,他科との連携を重視して情報収集やスムーズな伝え方が出来るようになりたいと思っています。
恵愛ホーム
『目指せ 健康な身体』
私たちは利用者様の体調については十分に注意しながらリハビリを行っていますが,自分自身の身体に関してはどうでしょうか?「忙しくて考えている暇はない」,「まだ若いから」など様々な理由であまり気にしない人もいると思います。
自分もその一人でしたが,ここ数年お腹周りがすごく気になり実際に体重も右上がりに上昇・・・。それで,同様に思っている数名で毎日体重測定をして記録することにしました。
それから自然と普段の食事にとても気をつけるようになったり運動を始めたり,日常生活にとても気をつかうようになりました。一人だと続かないのですが,増減に一喜一憂,互いに競争心が芽生えているのか長期間続いています。劇的な変化はまだないですが,わずかな減少でも身体にキレが出て,気持ちにも余裕がでて来るような気がします。
自分自身が心身ともに健康な状態であれば利用者様に対してもより良いサービスが提供できると思います。これからも充実した生活,より良い仕事ができるように。もうすぐやって来るビールのおいしい季節に向けて頑張りたいと思います。
介護老人保健施設リハビリパークみやび
『自然の力~園芸活動を通じて』
昨年度より,作業療法の一環として園芸活動をはじめました。ミニトマトやサツマイモ,季節の花を育てることで利用者様だけでなく地域の方々との触れ合いを持つことができました。
手探りではじめた取り組みですが,自然の中での利用者様の表情・反応はとても新鮮で会話も増え,スタッフも様々な新しいことに気づくことができました。たまには訓練室を飛び出して外の空気を吸ってみませんか?
介護老人保健施設グリーンヒルズ
『お守りは自分の姿?!』
先日,通所リハご利用の女性利用者様から手作りのお守りをいただきました。飛騨地方に伝わる人形の「さるぼぼ」をイメージして作られたという3cm程の大きさのものです。「さるぼぼ」は猿の赤ん坊という意味で,「猿」と書かずに「去る」と書くと,「災いが去る」。「猿(えん)」と読めば,「良縁」,「家庭円満」,「子縁」といった意味合いがあるそうです。
利用者さんはお守りをスタッフに渡し,感謝の言葉や,作り方を聞かれるとにこにこ笑顔で話されておりました。作った物を通して他者とのコミュニケーション,作ることでの達成感や喜び,手の機能維持など1つの作業活動がもたらす力のスバラシさを改めて感じました。
また,「さるぼぼ」には顔のパーツがありません。その理由として,「さるぼぼ」を持ったその人自身の心が写されると言われているそうです。さて,リハスタッフの「さるぼぼ」はにこにこ顔でしょうか?それとも・・・。
介護老人保健施設 やまと塩竈
『ボスとリハ室』
当院のリハ室は少人数であり,コミュニケーションが取りやすいためリハビリ室の雰囲気も良く,日々楽しく仕事に向き合うことができています。そのリハ室には,PTになって30年のボスがいます。いつもは厳しいボスですが,スタッフからの信頼も厚くPTとして治療内容はもちろん,人生の先輩として様々なアドバイスをくれるとても頼りになる存在です。そのボスを中心に私達は一人一人の患者様にしっかり向き合い治療をするよう日々努力しています。
今後も患者様,スタッフ間のコミュニケーションを大切にし,患者様の早期社会復帰に向け頑張っていきます。
仙塩利府病院
『マー君 神の子 内助の功!?』
東北楽天ゴールデンイーグルスがリーグ初優勝し,当院の患者様やスタッフもこの話題で持ち切りでした。その中でも優勝の立役者となったのが,何を隠そう田中将大投手その人であります。
マー君の快進撃の裏には,2012年に結婚した愛妻,里田まいさんの存在が大きいですね。「彼女の作る料理は何でもおいしい」とマー君も顔をほころばせるほどで,ネットでもその料理の腕前が話題となっています。まい夫人は田中投手と結婚するにあたり,アスリートの食事を勉強し,「ジュニア・アスリートフードマイスター」の資格を取得したそうです。すごいですね。
このように田中投手が活躍できるのは,彼自身のたゆまぬ努力だけでなくまい夫人の絶対的な支えがあってこそだと考えます。私たちもスタッフ間で支え合い,最良の医療を提供できるように日々精進していこうと思います。
今季,愛情あふれる献立で夫の連勝記録更新と優勝の支えとなっただけに,まい夫人の内助の功にもMVPを上げたい気分ですね♪
あぁ,私も料理の腕を磨き(我がリハ室には,食育インストラクターを取得した男性スタッフが常駐しています・・・習おうかしら),いつか,未来の旦那様(予定)の為に作ってあげられたらなぁ・・・と思っております。
仙塩総合病院
『思いやり』
去年新卒で入職し,社会人として1年経過しました。多くのご高齢の利用者様と関わることで日々感じ,尊敬していることがあります。それは,相手を思いやる心・相手を労る心です。
将来,自身が病気などにより身体機能に障害が生じた時,あるいは,認知機能が著しく低下してしまった時,相手を思いやる心・労る心を持っていられるでしょうか。私には,その心を忘れずに持っていられる自信はありません。私自身のことで精一杯になっているような気もします。
私は,人は自分に余裕がない時,他の方を気にかけることはとても難しいことなのではないかと考えています。利用者様は,麻痺で身体が不自由な方,認知機能低下により在宅生活が困難な方など,身体機能状況や認知機能状態がそれぞれ異なり,障害が重度な方もいらっしゃいます。そのよう障害がある中で,利用者様同士がお互いの体調を気遣う,スタッフの体調を気遣って下さるといった利用者様の温かさを感じることが多々あります。
いずれ私自身,将来は障害を背負うかもしれません。その時,利用者様のように思いやりや労る心を忘れずにいたいと思います。また,いつも温かい声を掛けて下さる利用者様達を大切にしていきたいと感じます。
利府仙台ロイヤルケアセンター
『ご自宅の介護でお困りではありませんか??』
病院から退院してきて在宅で生活されている方々のリハビリに関わるようになってもうすぐ丸4年・・・。在宅生活に関わっていると,ご本人もご家族も自分なりに色々工夫しながら生活されているご家庭が多い事に気づきます。
それと同じくらいに「介助の仕方が分からない」,「病院で教わってきたんだけど,イマイチ上手に出来なくて。」という方もいらっしゃいます。
そのような方々のお役に立てる事ができれば・・・との思いで,当社のホームページには楽な介助の仕方等を載せてあります。不定期ではありますが,昨年より動画による介助方法の掲載も始めました。
介助方法だけではなく,前述のようなご自分で工夫されながら生活されている方々のお知恵を借りて,便利グッズの紹介などもさせて頂いております!!!
興味のある方は是非「お役立ち介護マニュアル」をご覧下さい☆☆
サテライトケアセンター仙塩
『環境設定にお邪魔すると・・・』
在宅での暮らしには本当にたくさんの工夫が見られます。ご本人やご家族が試行錯誤をして,その中でやりやすいように踏み台を作成したり手すり状のものを設置するなど多種多様です。中には普通のお風呂用の椅子に釣具の錘をつけて浴槽内用の椅子に変えてしまったものまでありました。
そういったアイデアを学ばせていただきながら,一緒に在宅での生活をより良いものに出来るようお手伝いをさせていただけることに楽しみと感謝の気持ちを感じております。より多くの皆様とその人お一人お一人の身体機能面,生活環境に合わせたご提案が出来るように日々勉強していきたいと思う毎日です。
サテライトケアセンター第2仙塩
『全員卒業を目標に!』
リハビリ特化型のデイサービスに通う方は少なからずとも通う目的や目標をお持ちになっていると思います。「杖を使わずに歩きたい」や「転倒しないようにしたい」などなど・・・。先日,そういった目標を達成し,施設を卒業された方のお話をさせていただきます。
85歳の男性,退院直後で,筋力が低下し,歩行時にもふらつきがみられ,杖を使用してなんとか歩ける状態でした。週3回の通所で,ご本人様もリハビリに対する意欲が高かった為,目に見えて回復されて行きました。
そして,3ケ月が過ぎようとする頃,「入院前の体力に戻ってきたから,ここに来るのもそろそろ終わりだな」という一言が!確かに杖も使わなくなり,歩行も安定してきていました。最初はもう少し続けた方が良いんじゃないか?とも考えましたが,ご本人様の目標が「入院前の体力に戻す」ということだったので,了承しました。最終通所日には卒業証書をお渡しし,皆さんにご挨拶をして頂いたら,涙ぐんでいらっしゃいましたが,最後は笑顔でありがとうと言っていただけました。
現在,通所されている方が全員笑顔で卒業して頂けるよう,スタッフも日々努力していかなければならないと想いを新たにさせていただきました。
リハニック塩釜
『伝えることの難しさ』
リハビリ中だけに限らず,日々の業務全般が人と人との関わりあいの中で成り立っていることに異論のある方はほぼいないとは思います。
スタッフからの疑問・質問,それに伴う指導・助言を行う際,自ら意図したことがうまく伝わらなかったり,会話そのものから誤解を招いたりする場合がありました。
その後に後悔し,「もっとうまく言えなかったのだろうか」,「なにか良い方法はなかったのだろうか」とまさに後悔先に立たず、自問自答してしまいます。
だからこそ・・・(という訳ではありませんが)日々の業務において,相手の会話を傾聴し,相手の想いまでくみ取れるように常に注意しております。
スタッフはもちろんのこと,信頼して通ってくださる利用者様に,要らぬ不安や不信感を抱かせないよう,利用者様のモチベーションを下げず,信用していただけるよう,業務に取り組む毎日です。
悠泉 デイスポーツ
『自分らしい生き方』
自分らしい生き方をしている人はいきいきしてみえると感じたのは,私が臨床実習をしているときのことでした。訪問リハに同行して,自宅でのリハビリを見学したとき,『野菜作りが出来るようになりたい』と自宅前の畑で歩行練習をしている利用者様を見た時,障害があるけどいきいきと生活しているなぁと感じました。この出来事が,私に生活期のリハビリの魅力を教えてくれました。
老いても障害があっても自分らしい生き方が出来るように,地域の関わりを大事にした支え合いを広げ,いくつになっても達者で元気で楽しい在宅生活を送れるようリハビリスタッフとして支援していきたいと日々の業務の中でも感じています。
松島医療生活協同組合 まつしまの郷
『祝・新人リハビリ職員』
私がまだ新人の頃は20代で社会人としても未熟で,セラピストとしても技術や知識も少なく,諸先輩方や上司の中で戸惑い,自分よりも人生経験の多い患者様・利用者様を対象に訓練をしていくことがプレッシャーで,当時を未だ強烈に覚えています。
しかし,いつだって自分自身がそこからもがいてきた経験は今に繋がっています。それと新人の頃お世話になった恩師との出会いが大きかったと思います。その人は新人の私に「思いっきり当たってくだけろ!悩んだら動け!」とよく言ってくれました。
自信のない自分にいつでも背中を押してくれた恩師のおかげで今があると思っています。
介護老人保健施設 松島みどりの家
『光陰矢の如くそして一期一会へ』
現在はPC,スマホ等が普及して,いろいろな事や場面で便利に利用されています。
便利な半面,例えば「いつも端末を見て指を動かしている」,「歩きスマホ」,「ネットへの書き込み」など多様な弊害もあります。また本来,人と人が接する事による表情の変化,雰囲気,痛み,言葉の重さ等が徐々に無くなってきたと感じます。
リハビリにかかわる職種として,患者さんの顔を見てのあいさつ,会話,ボディーランゲージ,またセラピスト側の表情,しぐさ,声の抑揚等全てが重要です。特にセラピスト側の表情,雰囲気,元気,ひとつひとつの言葉をとっても,患者さんの意欲や動機づけに影響を与えます。
社会の技術革新は,物凄いスピードで進んでいます。以前はできなかったり,考えられなかった事が,自宅やその場に居ながらリアルタイムでできるようになってきました。社会や私たちは,便利や快適さを享受し,追求するのと引き換えに,人と人が直に接したり,触れ合うという事を失っているような気がします。
しかし臨床では,相手や患者さんと接する点については昔も現在も大きく変わりは無いです。こちら側の気持ちや心理的に落ち込む事はあるが,相手や患者さんと接する時は,表情や言葉に注意して,一期一会の気持ちで接していきたいです。
医療法人友仁会 松島病院
『自立支援と支援能力』
「障害者自立支援」と言うと教科書的には「たとえ介護が必要であっても,自己選択に基づく自己実現を支援すること」と説明されるのではないでしょうか。
しかし,世間一般的には「独力で身の回りのことができるようになること」ばかりが求められているように感じます。このような「自立度を高めるために障害者自身のセルフケア能力を向上させる」という考え方は決して間違いとは思いませんが,障害維持期・慢性期ならではの考え方もあって良いのではないかと考えています。
障害者の生活を直接的に支えているのは施設であればケアスタッフです。プロとして介護の仕事をする者に対する社会の期待はとても大きいですが,できることには限界があります。
生活施設で働くセラピストとして,利用者本人を直接支援するのではなく,支援者を支援することで間接的に利用者の生活を支援する,と言うことを考えています。「障害者の生活を拡大するために,支援者の支援能力を高める」ということです。
このような考えの実践として当園では数年前より積極的に介護機器を導入するようにしています。正確には「機器を使用した介護」を推進しています。
例えば,最近シーティングへの関心が高まっていますが,質の高いシーティングを行うには質の高いトランスファーが必要です。質の高いトランスファーを実現するためには介護用リフトは不可欠です。
このように福祉用具の使用を前提にしないとできない支援がたくさんあります。他にも介護現場ではマンパワーのみでの介護を前提とするために「本来あるべき生活様式」を実現できないことが多く見られます。
「支援能力に限界があるからできない」と言うことを少しでも減らせるよう,常に新しい情報と技術を取り入れていくよう努めています。
障害者支援施設 杏友園
『意味のある作業の提供』
集団プログラムの作業療法を行う中,プログラムには参加するものの,活動中ただ椅子に座っているのみで何にも興味を示さない高齢の患者様がいました。
そんな中,その方がある部屋の窓はよく眺めていることに気づきました。その窓からは住宅街が見えており,「何を見ているの」と尋ねると「家の屋根を見ているんだ」という答えが返ってきました。
その後の会話の中で,その方は屋根の塗装をする仕事に就いていたことが分かりました。いつもは無口な方が,その話題になると笑顔でたくさんのことを教えてくれました。
そこで,その方の経験を活動の場面で生かせないかと考え,「作業療法室の棚の色塗りをお願いしたいのですが」と依頼すると快く引き受けてくれました。
道具を準備して渡すと,今まで座っているだけの患者様が生き生きと色塗りを始めました。「角っこはな,こういう順番で塗るときれいに塗れるんだぞ」と職人だったころの技術や知識を教えてくれました。
この経験から私は,高齢の方への作業療法の関わり中で“自分らしさ”を表現できる活動や場を提供していくことを意識して関わっています。
今後も作業療法士として対象の方が“どんな自分”を大切にしているかを知ること,そして,そのことに誇りを持てるように関わっていきたいと思います。
医療法人菅野愛生会 緑ヶ丘病院
『臨床実習指導者』
今年の7月に3週間という短い期間ではありますが,作業療法士養成実習生の指導を行いました。今回の学生は指導者として2人目です。ここに来た学生には“楽しむ”,“悩む事”,“考える事”を課題に実習を進めて行き,精神科の壁にぶつかってもらいましたが,アドバイスの加減,タイミングなどまだまだ指導の難しさを感じています。
指導=自分の勉強,経験になり,自信にもつながります。また自分を見つめ直すいい機会にもなっています。1人目の学生の時も,学生がいなくなった後,メンバーから「いい学生さんだったね,話をして楽しかった」とコメントがありました。実習生という新鮮な風がデイケア室に吹くことによって,デイケアメンバーにとっても良い刺激になっていることに気づくこともできました。指導者として学生を受け入れて本当に良かったと思えた瞬間です。
作業療法士なら誰でも通ってきた臨床実習。だからこそわかる実習の大変さ。理解してあげられるのは臨床実習をクリアしてきた作業療法士。
学生にとって今しかできない経験が出来る実習地が一つでも増える事を願っています。
こころのクリニックみどりの風Re‐CURE
『地域包括ケアシステム』
今年の診療報酬改定で,地域包括ケアシステムの中で今後,私たちセラピストなどの専門職がどのように地域医療に貢献していかなければならないかを問われる改定になったのではと思います。
私は今年の4月に仙台の病院から現在のクリニックに職場を変え,初めて介護保険分野でデイケアの立ち上げを経験しましたが,来年27年の介護報酬改定に向けて,デイケアやデイサービスの中で専門職の持つ知識や技術が更に活かされる土台作りをしなければならないと思っています。
去年,理学療法士協会半田会長のコラム(公益社団法人 日本理学療法士協会HPより)で「なんちゃってリハビリ」の横行!と題した,回復期病棟での1単位分をお散歩に使っていることやそのことが厚生労働省内でも周知の事実であることが掲載されているのを拝見しました。私たちは専門職としての自覚と責任を持ち,地域の中で信頼される仕事をしていくことが,地域包括ケアシステムの構築に繋がると思っています。
医療法人財団五倫会ももせクリニック
『在宅でのリハビリ』
ご本人・ご家族の意向に寄り添いながらリハビリスタッフが一在宅医療スタッフとして医師・看護師など他職種と連携を図り,在宅生活を支えられるよう訪問しています。
<理学療法士 佐藤勇輔>
ガン末期でほぼ寝たきりの方へも必要時は訪問リハビリを提供します。
「それまでリハビリを受けていたので,いつか歩けるようになりたい」と希望されていた方へ,リハビリを継続することで,その人の希望につながればとの思いで対応しました。
また看護師・ヘルパーも移動の方法等リハビリスタッフに気軽に相談しています。専門的意見・指導が受けられ,頼りにしています。
<管理者 永井知枝>
ケアステーションしおかぜ
『リハビリってすごいなあ。』
私たちは「利用者様の体力維持・向上を目的に日常生活が円滑に行えるように援助する」という理念をかかげ,日々奮闘しています。
利用者様の中には身体機能が目に見えて向上している方もおり,「ここに来ていてこんなに良くなって,ホントに良かった。」との声をいただくことがあります。
また,右麻痺があり,「自分では何もできない」とおっしゃっていた方が,「手拍子ができた!」,「包丁で野菜が切れた!」と,どんどんできる事が増えました。本人と家族の頑張りにより成し得たことですが,その嬉しい出来事を一緒に感じられることが,この仕事をしていて良かったなぁと思う一瞬です。
公益財団法人宮城厚生協会 北部デイケア
『日々の業務』
ひとりひとりに寄り添うリハビリを心がけ生活支援に尽力してまいります。
看護師やヘルパーが腰痛症にならないように移乗方法などを指導し,みんなが元気に仕事ができるよう支援していきます。
昼休みの休憩時間ストレッチ体操も取り入れようかな・・・・
<理学療法士 須田>
2か月に1回の合同カンファランスで情報を共有し利用者様とそのご家族の意向に添ったリハビリを提供しています。
4月からリハビリスタッフが常勤になるため日常的に情報のやりとりがスムーズになり,より一層利用者様の在宅生活が継続できるよう支援させて頂きます。
<管理者 鈴木留美子>
ケアステーションつくし
『日々の業務で感じたこと』
利用者さんや保護者の方,職員と仲良くなり,他愛のない話もたくさんすることは大切と感じています。そうすることで,困っていることや考えていること等を自然と聞くことができ,こちらから伝えたい内容も共有しやすくなると感じています。
また,利用者さんが利用している学校や保育園・幼稚園,他の福祉施設,病院等との連携も大切と感じています。訪問させていただき,情報を共有するようにしています。
NPO法人 さわおとの森
『専門家って???』
いろいろな特徴をもった子どもたちですが,子どもの全体像を理解し関わり方の工夫をしている保護者の方が増えている中,意外なことに乳幼児の出来ない事だけに注目し全体像を把握しない医療機関が多いことに戸惑っています。
色々なことが専門化(細分化)されていることの弊害でしょうか・・・。“対象者の全体像の把握”が必要なことだと日々感じています。
多賀城市太陽の家
『運動は本当にカラダに良いのか』
健康と運動の関係は永遠のテーマである。ヒトの体は本当に不思議なものである。アポトーシス・非アポトーシスの誘導機構から生体機能への関与,さまざまなシグナル伝達因子の異常が引き起こす神経変性疾患などのメカニズムなど,本当に不可解である。
誰しも病気になることは望んではいない。体内のプログラムは常に「健康な状態」に修正されていくはずであるが,それにもかかわらず病気となる。健康のための運動習慣は個人では困難となる場合が多いと感ずる。
私自身,糸くずと考えられてきたmiRNA,熱処理タンパク質の機能,p53遺伝子,ミラーニューロン,ゲートコントロール説,肥満遺伝子の存在,加齢による位置覚のずれなど,いろんな事の意味に興味を持つが,チンプンカンプンである。楽しく運動をすることが難しく,運動がカラダの修正にどのように関与していくのか本当に謎である。
自分のカラダを鏡に写せば,日に日に体力は減退し,何故かストレスのせいにした食欲と睡眠欲により体重が増加するばかりの初老体形である。まずはココロと頭を鍛えねば。気分転換にちょっと散歩してこよう。(これが体内環境整備と運動習慣の第一歩?)
デイサービス ひかり
『就労継続支援施設で働いています!~リハ職の強み~』
養成校卒業後は病院に勤務していましたが,地域で利用者さんと関わりたいと思い,医療から障害福祉分野(就労継続支援施設)での勤務を始めました。病院とは違った面白さ,気付き,奥深さ,不便さ,煩雑さなど多くの学びがあり,とても充実した日々を過ごしています。
障害福祉分野とひとことで言いましても,利用者さんは子どもから大人まで,サービス内容は通所・入所支援,就労支援,相談支援,ホームヘルプ・・・と様々です。利用者さんを支えるのは行政,学校,家族,事業所,近所,ハローワーク・・・とこれまた様々。スタッフの年齢も,キャラクターも,職種も,同様に・・・。多くの人と出会えるのは刺激になり,新しい世界が広がります。
医学的知識や利用者の生活・思いをふまえて就労に関するアセスメントをし,利用者に合わせて工夫をするアプローチは,障害福祉分野でも病院と同じです。それを自然に出来るのがリハ職であり,だからこそリハ職が活躍できる分野であると思います。
しかし,就労継続支援施設で働くリハ職は非常に少ないのが現状です。とある研修会で自分の職種を伝えたところ,「OTやめて,こっちに来たの?」と言われたことがあります。リハ職は病院や老健にいるものだと思われているのでしょう。一方で,「リハ職はリハビリの視点もあるし,暮らしの視点もある。いろんな角度からその人を見ることができる。施設にひとりいると心強い,頼もしい」とも言われました。
リハ職が求められていることは,嬉しいです。そのように言ってくださる方の期待に応えるべく,勉強の日々です。
ひとりでも多くのリハ職の方が,障害福祉分野に興味をもち,利用者さんやご家族の支えになる日がくることを願っております。
就労継続支援A型事業所 クリエイティブ笑未
『意外と重要かもしれません・・・“座る位置”』
私たちは“日本中に笑顔をつくる法人になる”ということをスローガンに日々仕事に従事しています。
そのなかでも機能訓練士は日々の業務でご利用者様と1対1で会話をすることが多々ありますが,その際に私たちが注意していることとしては“座る位置や目線”です。ご利用者様に対して平行に座るのか,または対面して座るのか,等々・・・。
座る位置によってお互いの表情の見え方も違いますし,圧迫感も違います。“そのご利用者様のキャラクターや,表情,姿勢,目線を考慮”しながら,その方に合う位置を検討し,目線を変えることによって,安心感やお互いの信頼関係の早期構築に繋がり,ご利用者様の笑顔をつくっていけると考えています。
皆さんもぜひ“座る位置”を考えてみてはいかがでしょうか。
リハビリステーション城南
『いつまでも活き活きと』
個別リハビリを希望されるご利用者様は,とても活き活きされています。今までの人生も,色んなことに一生懸命取り組んでこられたことが,日々の会話からもうかがえます。
多少ハードな運動でも「自分の身体のためだから」,「私,欲張りだから」と,いくつになっても,ご自分のことを大切になさっている姿勢に感激します。
「お出かけしてきた」,「杖を使って歩けるようになった」という話を聞くと,もっともっとお元気になって,望みを叶えてあげたいという気持ちになります。そのお手伝いをさせていただけることに感謝をする毎日です。
デイサービスセンター月見ヶ丘
『基本に戻って忠実に』
高齢のご利用者様と接していると,「今日は落ち着きがないなぁ」,「いつもと様子が違っているよね」と感じることがあります。
そういう時には,食事の摂取量に問題はないか,排泄はあったか,睡眠は充分にとれているか,バイタルサイン(体温,血圧,脈拍)に異常はないかを確認することにしています。
すると,多くのご利用者様で,排泄がうまく出来ていないことや,十分に水分が摂れていないことが原因であると気付かされます。
このことから,体の不調は人の生活の基本である食事,排泄,睡眠,バイタルサインといったところに,重要な要素があることがわかります。介護やリハビリを実施する際には,「いつもと違うな」と感じたときは,“基本に戻って忠実に”行うことが重要であると心がけています。
デイサービスセンター壱ノ町
『リスクマネジメント』
2013年10月,九州地方の医療機関で,リハビリ室から火が燃え広がり,入院患者様など10人が死亡し,5人が負傷しました。原因は不明ですが,温熱治療機器(ホットパックのハイドロコレーター)のコンセントの漏電による可能性が高いといわれています。
最近の温熱治療機器は,タイマー式のものが出ていますが,ホットパックのハイドロコレーターやパラフィン浴などの機器は,使用する際に電源を入れてから数時間要するため,日中だけではなく夜間も通電していることが多く,漏電のリスクも高いと思われます。
当院では,この事故以降,夜間はリハビリ室すべてのコンセントプラグを抜くようリスクマネジメントに心がけています。
宮城利府掖済会病院
『初心忘るべからず』
私は,今年の4月に異動となり,主に製パン部門を担当しています。今まではデイケアに勤務しており,作業療法士10年目にして初めての大きな部署異動。そして,初めてのパン作り。ご利用者様の方がパン作りの先輩です。まるで学生に戻って実習しているような感じで,“教わること”を手段として関係作りをしていきました。最近になって,全体を把握して作業を割り振りすることが出来るようになり,ご利用者様の特性も理解してきたところです。
慣れ親しんだ仕事から異動となり,新しく仕事を覚えることも,新たに関係作りを始めることも,新鮮で良い刺激になっています。これからも作業療法士として,ご利用者様の目標達成のお手伝いが出来るよう,この初心を忘れず日々勉強していきたいと思います。
障害者就労支援事業所 メープルガーデン
『言語聴覚士から学んだこと』
先日,脳梗塞後遺症の方から,「堅いものが噛めず,食べこぼしも多くなって困っている」という相談があり,言語聴覚士と訪問してきました。
この方の場合は,非麻痺側の上下の奥歯が欠損しており,咀嚼するのはいつも麻痺側になっていたために常に食べにくく,その結果,食渣(食べかす)が残り,麻痺側の口角からの食べこぼしが多かったようです。
歯の問題に加えて,さらに麻痺側は,舌,頬の動きも弱いため,これまで,食事が大変であったことも納得できます。
私たちも片側の奥歯が無かったら,当然,歯が残っている側で咀嚼しますよね。今回の相談者は,今後,入れ歯の検討を含めた歯科治療を進めることとなりました。
今回の相談では,麻痺だけではなく,麻痺と歯の欠損の関係が,より食べこぼしに影響を与えるということと,残存している歯を確認し,どれくらい咀嚼できているか,噛み合わせはどうかなど,口の中を幅広い視点で観察することの大切さを学んだ相談でした。
宮城県仙台保健福祉事務所 健康づくり支援班
『新しいもの』
寒さも少しずつ和らぎ,もうすぐ春ですね。「ハル」といえば「ロボットスーツHALⓇ」をご存知でしょうか。
起立や歩行動作を支援してくれる機器なのですが,仕組みとしては体を動かそうとするとき,脳から神経系を通じて体に流れる生体電位信号を,ロボットスーツHALが,皮膚表面に貼ったセンサーにより検出します。その信号はHALのコンピュータに送られて解析され,その結果,各関節部のパワーユニットが動きます。このように体から検出される生体電位信号に基づいて動作するので,ロボットスーツは装着者の意思に従って動作をアシストすることが可能となります。
現院長の「後遺症を持った人にも希望を持ってほしい。」という熱い思いから,ロボットスーツHALⓇ福祉用の両脚タイプを2011年2月より導入いたしました。導入直後に東日本大震災があり,一時使用は中断しましたが,主に生活期の介護保険サービスを利用している利用者と,回復期病棟に入院している患者を中心に使用しています。
まだ研究段階にあるといえる全く新しい技術の投入にスタッフも戸惑いましたが,試行錯誤しながら臨床への活用を図っています。今後も,このような機器や新しい技術に接する機会もありそうですが色々と吸収し,幅の広い治療が出来るよう皆で頑張っていきたいと思います。
総合南東北病院
『車椅子などの環境調整に関して』
理学療法士として,いかにして利用者さんに安全な生活や動作を獲得して頂けるかと日々試行錯誤の中で業務に取り組んでおります。出来なかった事を出来るようにするというのは,本当に難しい事だなと年々強く感じている今日この頃です。
その中で,今まではどうしても専門の業者の方に頼ってしまいがちだった車椅子等の環境調整の面に対して,まず自分でとことん行ってみる事にしてみました。
その取り組みの中で,既存の部品やパーツをただ探すのではなく,身近なものを加工して自分で新たに作り出す,従来の方法が困難であれば何か別の手段をしぼりだす,という事が少しずつ出来るようになってきました。
まだまだ技術や経験不足な面はありますが,今までの自分と比較して『環境調整の面までとことん携わるぞ!』という視野,見方の広がりや,自分が提供できるサービスの幅が広がってきたかなぁと思いながら今後も研鑽を続けていきたいです。
身体障害者支援施設 静和園
『2年目の私が感じていること』
利用者様が在宅での生活をいかに安全に送ることが出来るか,日々考えながら業務を行っております。私はまだ理学療法士の業務は2年目ですが,業務を通じて強く感じ大事にしていることがあります。
通常リハビリは利用者様の体力低下等の問題点に対してご本人に行います。しかしご家族も介護の負担や将来のことなど不安を抱えている場合がほとんどであり,それに対する専門的なアドバイスや指導が必要な場合があります。
ご自宅に訪問している分そのような状況を明確に感じ取れることが多々あります。そのため利用者様はもちろんのことご家族とのお話も大切にしています。双方からお話を伺うことで新たな問題が浮かび上がることもあるため,これもリハビリの一環として力を入れています。
在宅生活はいろいろな協力があって成り立つものです。利用者様とご家族の『生活の質』の向上を目指し,その協力の一部として理学療法士・看護師が専門職の垣根を越え,技術とヒューマニティーを兼ね備えたサービスを提供していきたいと考えています。
リハビリ訪問看護ステーションつばさ仙南
『震災から2年を経て・・・』
あの日から丸2年以上が過ぎ,自分たちの日々の業務も震災前と同じように行えている。しかし施設の取り巻く状況はあの日を境に一変した。
自宅を津波で流失し入居した仮設住宅では介護が困難となり施設入所になる方や,仮設住宅での生活でロコモティブシンドロームとなり認知症も併発して介護保険を申請し通所リハをご利用される方々が本当に多くなった。
私達の業務でも県の支援事業「健康支援事業(リハビリテーション支援事業)」として仮設住宅への訪問など昨年度行った。
取り巻く環境の変化は自分自身の考え方(利用者様への対応など)を多くの点で改める機会となり,より様々な知識をつけないといけない事を感じた。二度と経験できないこの日々を(震災は経験したしたくないが・・・)これから先のリハビリへ活かすための努力を怠らないようにしないといけないと強く思う。
老人保健施設 ライフケアセンター名取
『在宅復帰に向けての新たな取り組み』
日々の業務など,介護老人保健施設としては,在宅復帰に繋げるという大きな役割があります。当施設では,今年度から在宅復帰を目指す老健入所者が,一度グループホーム(GH)を経由して,自宅復帰に結びつけるという取り組みを始めました。
より家庭的な雰囲気での実践的なリハビリの提供の場としてGHを活用し,我々作業療法士も積極的にGHに出向いて介護スタッフ等に情報提供することで,生活リハビリを積極的に実施しています。
GH入所後,元気になっていく対象者の姿を目にしながら,職種や施設を越えてチームとして取り組むことの重要性を感じると共に,現在の老健における課題などを振り返る機会ともなっています。
今後も,より良いサービスを提供出来るように努めていきたいと思っております。
介護老人保健施設 なとり
『「交流・関わり」の持つ力 』
日々の業務の中で感じた事。それは,職員とご利用者様との関わりはもちろん,ご利用者様同士の「交流」の持つ力です。
当施設をご利用されたばかりの方で,活気があまりなく,静かに車椅子に座っている方がいらっしゃいました。その方が機能訓練を通し少しずつ歩行が安定してきた頃,周りのご利用者様がよく声を掛けるようになったのです。「あんた,良くなったね。よかったね。」と何度も声を掛けるのです。その方はみるみる元気を取り戻し,笑顔が多くみられるようになりました。
また,ご利用を通して非常に仲良くなった方もおられました。ご本人様は「ここで出来た親友です。」と嬉しそうにお話されるのです。
私達スタッフは,ご利用者様がご自宅で,その人らしく生活できるよう支援することも大事な仕事の一つです。では,その人らしい生活とは何でしょう?それは,私達スタッフが1人1人のご利用者様と「関わる」中で,その人のキラリと光るものを見つけることから始まるのだと思うのです。
それは,その方が生活する環境に直接関係する場合もあります。そして,それをご本人様,ご家族様,その方を支援する方々と一緒に共有し,大切にしていきたいと思っています。
デイサービスセンター にこトピア名取
『ご利用者様の人生に関わっていくということ』
私たちは,ご利用者皆様に輝き続けて人生を送って頂きたいとの思いで毎日のサービスに励んでいます。ご利用者皆様も「自分のためだから」,「こうしたら動けるようになるんだね。家でもやってみる」と意欲的に過ごされ,日々努力をされています。その中で,「もうきまり(宮城弁で人生終わり)だから」,「家族に迷惑かけるから,長く生きない方がいい」などと話される方がいらっしゃいます。“私たちに,何ができるんだろう・・・”その言葉,思いを感じ,伺うたびに考えます。その方の背景を知っているからこそ,安易な言葉では返せない・・・。
私たちの関わりによって,どこまでその方の思う生活を実現できるのか,疾患,環境等々で限界を感じる事もあります。
それでもその方が現在の生活を続けて行く事,そのために今,しておかなければならないことがあります。お身体の状態を整え,その方の活動力を最大限に発揮できるよう実際に身体を動かしての反復練習が大切です。少しでもお身体に不調があると動くことへの恐怖心が強くなります。その不調と恐怖心を和らげ,ご利用者様の持つ力を引き出し,自信をもっていただけるよう関わって行く事を大切にしています。
もっともっと楽しみを感じて頂けるために私たちがその方の人生の楽しみの一部を提供できることもあります。「歩けないから外に出られない(だから外出イベントは無理)」と外出に消極的だったご利用者様がいらっしゃいました。その方へのアプローチにより,カラオケに出掛けることができ,「カラオケ歌って楽しかった!」とご利用者様が笑顔で帰って来られた時,背中を押して良かった,これまでの関わりが繋がったと嬉しく感じた瞬間でした。
ご利用者様は,これまでの人生の中で様々なご経験をされ,私たちが経験したことのない現在の年齢を生活していらっしゃいます。だからこそ,私たちは中途半端な気持ちではなく,ご利用者様のために精一杯できることを情熱をもってサービスに現していかなければならないと感じます。
ライフクオリティ名取駅西,ライフクオリティ岩沼
『褒め称える事により得られるもの』
我々PT・OTは入所,通所リハ,訪問リハの利用者の方々に対してリハビリテーションを実施しています。我々は常に利用者の方々に対して褒め称えて(以下「褒めて」)能力を伸ばすということを意識してリハビリを実施しています。
褒めることにより,利用者様は喜び,自信につながり,最もリハビリに必要な意欲が芽生えてきます。我々はリハビリテーション実習生に対しても同様,褒めて伸ばす努力をします。(もちろん褒めてばかりではなく,必要な時は指導やアドバイスを行います。)
褒められた人は褒めた人に対して心を開いてくれます。リハビリテーション場面において利用者の方々を褒め称えることにより信頼関係が深まります。親密な情報交換が可能となり,より具体的な目標達成に近づけることができます。
私的なお話しになりますが,我々はこの褒めるということを最も身近な親や兄弟,妻にも言える勇気を持ちたいですね。(照れくさくてなかなか言えませんなぁ)
介護老人保健施設 和多里ホーム
『伝えることの難しさ』
介護老人保健施設に異動して半年,リハ職として3年目の私が感じることが一つあります。それが「伝える」ことの難しさです。これは,単に他職種とのやり取りに留まらず,利用者様やその御家族とのやり取りも含めて,幅広い場面で日々感じています。
まず他職種とのやり取りにおいては,リハ職が評価していた生活動作と異なる生活動作で過ごしている様子が他職種からの情報収集などで得られることも多くあります。
そんな中で心掛けていることは,リハ職側からの情報をただ伝えるだけでなく,相手の職種がどんな部分を支援していて,どんなことに長けているのか,そこを考えた上で情報を「伝える」ようにし,逆に自分が得ることが出来ない情報を得るようにすることでより利用者の生活像に近付けるようにしています。
利用者様や御家族とのやり取りでは,まず相手に丁寧に分かり易く,伝える。また,相手から色々なお話を「伝えて」頂けるように日々の業務中でこまめにコミュニケーションを図ることで,顔の見える関係性を築くように心掛けています。
そういった「伝える」技術と顔の見える関係性こそが,利用者様にとって意味のある作業や可能性を知る上で大きな意味になると感じています。
今後も「伝える」ことを通じて,利用者にとってより良い支援を行っていきたいと考えています。
介護老人保健施設 サニーホーム
『作業を通して元気になる』
患者様と毎日からだを動かしたり,何か作ったりして活動しています。もちろん大変なこともたくさんありますが,それ以上に楽しく,日々勉強,日々発見,日々新鮮な気持ちで毎日があっという間です。
入院当初,「ごめんなさい,何にも出来なくて・・・」と常に謝っていた患者様がいます。ゆっくりとスタッフやOT室に慣れ,「何かやってみようかな」と興味を持ち始め,刺し子に取り組みました。時間をかけてきれいに完成させ,作品を嬉しそうに見せてくれました。そして周囲へも気付くようになり,今では他の患者様やスタッフをいたわり,ねぎらうようになりました。
患者様の変化はゆっくり,のんびりです。ついこちらが焦ってしまいますが,じっくりと関わりこのような変化が見られると,「やっててよかったなー」と心から嬉しく思い,作業が持つ力の大きさを感じます。
「出来たよ」,「楽しかった」,「またトランプしようね」,「これは難しいからもっと簡単なのがいい」・・・作業を通して,患者様からたくさんの言葉と笑顔をもらいます。私はその度,よし,もっと頑張ろうとやる気に満ちあふれ,翌日の活力となるのです。
作業によって元気になるのは,患者様ではなく私なのかもしれません。
南浜中央病院
『作業療法士としてのまちづくり』
山元町は,東日本大震災により住民の住んでいる地域の半分が浸水被害を受けるなど人的・物的な被害は大きなものでした。現在でも約1,700名の方が応急仮設住宅での生活を送っています。
そんな中,平成25年4月には県内で最も早く災害公営住宅の1期団地が完成し,少しずつではありますが恒久的な住まいの復興とそこでの暮らしが始まっています。
山元町は,県内でも高い高齢化率が背景としてあり,災害公営住宅に入居する方も高齢者が多いことが見込まれています。
町が行う災害公営住宅の整備にあたっては,建設部門など役場内の他部署と協働し,設計段階から「誰にでも住みやすい住宅」を目指して計画や建設,入居の支援に関わってきました。
間取りだけではなく,スロープの傾斜角度や手すりの設置位置や形状など細かい点までも様々な職種の方と検討し,限られた空間や設定された条件の中でいかに誰でも住みやすい環境を提供できるかという課題に取り組んできました。
震災後の業務は全て前向きに取り組むことが難しいこともありましたが,役場内の他部門と連携して住宅を検討した経験は,作業療法士として町民の暮らしや生活を支えることを原点から見つめ直すことであったと思います。
災害公営住宅に代表されるハード面以外にも様々な課題はあり,町民の方すべてが暮らしの復興を取り戻すにはまだまだ時間がかかるとは思いますが,作業療法士としてこれからも地域の暮らしを支えるまちづくりに関わっていきたいと思います。
山元町地域包括支援センター
『日々の業務で感じたこと』
サロンの主な過ごし方は語らいですが,その語らいの中で日々の利用者の悩みや苦しみなどが垣間見られることがあります。
その時は,個別に相談に応じることもありますが,みんなでシェアできそうな時には,本人の了解をとって全体として相談に乗ることもあります。
なかなか正解の出ることも少ないですが,その考える過程を大事にしたいと思っています。楽しい明るいだけではなく,愚痴や不平不満に満ちた語らいで全体の雰囲気がよどんでしまうこともありますが,語り合うことで少しでも発散できて,サロンから帰る頃には笑顔でいて欲しいと思います。
ただ話をきいているだけでは,ただのおばちゃんになってしまいますので,そうならないように,利用者の想いにより添えるようにアンテナ感度をいつも高める努力を続けたいと思います。
岩沼市精神障害者コミュニティサロン
『訪問リハビリテーションの醍醐味』
病院から退院し,ご自宅に戻ってこられた方は,その途端に,「患者さん」から「お父さん」,「お母さん」などその人本来のお顔に戻るように感じています。
そのお顔はそれぞれ違いますが,ホッとした表情,安心した雰囲気が続くことが,とても大切なことだと感じています。そして,困ったことや不安なことを解消するために,具体的にお手伝いできるところが訪問リハビリの面白いところではないでしょうか。
ご家庭はそれぞれが全く違っています。人生とは,家族とは・・・,新鮮な驚きと学びに満ちています。
爽秋会 岡部医院
『摺り合わせ』
保健・医療・福祉の仕事はサービス業であり,顧客満足度の質が問われると考えています。
リハビリテーションも例外ではありません。その中で,常に意識している事があります。それは御家族の関係性や介護力,考え方に沿って目標を摺り合わせて行くことです。
利用者様と御家族の希望する目標が,必ずしも同じではない為です。
セラピストとして利用者様・御家族に寄り添い,生活目標が同じ方向に向ける様にコーディネートしていく事が重要であると考え,日々勉強の毎日です。
訪問看護ステーション すぽっと
『こころが動けば身体が動く』
利用者様の大半は高齢の方で「もうこんな身体だから」ともんもんと塞ぎこんでいる方が多いように感じています。
私自身もそうですが,自分の好きなことをしている時は疲れを感じにくく,達成感を得られることもあります。また,誰かに話を聞いてもらうだけで,こころがすっと晴れることもあります。
利用者様と関わる中で,いかにこころに寄り添えることができるか,また楽しみながら利用者様が行えているかをこころがけています。感情の変化が起きれば,行動も必然と変わってくるように感じています。
これからも,利用者様一人ひとりのこころに寄り添い,人生の先輩方として尊敬の念を持ちながらサポートしていきたいと考えています。
あすなろ訪問看護ステーション
『サッカーに例えて~質の高いチームプレーを~』
この原稿を書いている2014年7月はサッカーワールドカップの真最中です。世界的なサッカーの名監督が次のように言っていました。勝利のためにゴールを決める選手の他に,チームのためにきちんと水を運ぶ(汗をかく)役割の選手,後方から指示する選手,チームが機能するためにはそれぞれの役割の選手がバランスよく必要だと・・・
施設でのリハビリの仕事も同じだと思うのです。特別養護老人ホームは,生活の場であり,病院や老人保健施設と比べてリハビリスタッフは少ないため,介護士・看護師・栄養士その他のスタッフとの協力は欠かせません。
現在リハビリスタッフは2名ですが私達は他職のスタッフが気軽に声を掛けやすい雰囲気作りに気を付けています。訓練室でのリハビリも大事ですが,私達は生活場面でのリハビリも重視しています。
その一環で個別訓練だけではなく,小集団でのレクリエーションにも力を入れています。個別での対応が難しい方もみんなで一緒にやる体操やゲームのようなリハビリにはスムーズに参加できる場合があるからです。楽しかった,という感想が次回のリハビリや生活への意欲へつながるものと信じています。
これからも利用者の笑顔のために質の高いチームプレイを目指して日々精進していきたいと思う今日この頃です。
特別養護老人ホームうらやす
『リハビリ・介護をする時の相手に対する慮りと考え方とは。』
日々,リハビリ業務や介護サポート等を行う際,職員間や御利用者様に対し,常に心掛けているポイントがあります。
まず,第一のポイントが『今日一日の第一印象』です。人間関係は,第一印象が良ければ良い1日がスタート出来ると思います。職場での良い人間関係から生まれる介護・看護・リハビリ・心のゆとりが,御利用者様の満足や効果的なケアに繋がると思われます。
次に,『笑顔』も重要なポイントです。明るい笑顔が御利用者様の心,職場の仲間の心を明るくすると思います。
また,『身だしなみ』を整えることも大切です。身だしなみとは,御利用者様をはじめとした相手に対する思いやりの気持ちを,形に表すことに他なりません。同時に外見だけではなく仕事に取り組む姿勢(内面)を,整えることにもなるのです。
さらに,『立ち居振る舞い』も重要な要素です。御利用者様の目には一人ひとりのスタッフの立ち居振る舞いが,見るとはなしに目に入り心に残っていきます。姿勢を正しく,歩く時は足を引きずらず,声をかける時は相手に心をこめて話しかけ,伝えた事に相手がどのように反応しているかを,確認出来たら行動に移す・話をする時は,相手の目線と合わせるようにする等です。
『言葉と態度』も欠かせない要素です。相手を敬い大切にする気持ち,優しさや心配りを「自然な言葉」と話す時・聞く時の「態度」で表現する事が重要です。
この様に,相手に対する慮りとは,特別な事・難しい事ではなく日頃から御利用者様の為にしている事・ささやかな心配りの事に他なりません。
小さい事ほど丁寧に,当たり前の事ほど真剣に取り組み,さらに毎日の関わりで,工夫しながら新鮮な気持ちで御利用者様と接していく事が,何よりも大事なのだと思います。
介護老人保健施設 アルカディアウェル
『元気を伝え合う』
みなさんの“元気”のイメージは何ですか?私の中では“笑顔”がイメージされます。先日ですが,利用者様に「疲れている?」と心配されてしまいました。少し疲れはあったものの自分では変わりなく接しているつもりでしたが,利用者様に気を遣わせてしまい申し訳ないことをしてしまいました。心配されていては利用者様のパフォーマンスはより良いものではなくなってしまうため,機能訓練の意味がなくなってしまうなと反省しました。
利用者様から「顔をみると元気になるわ」と笑顔で話かけて頂いたり体を動かすことで笑顔が出てきたりすることがあり,その笑顔は私自身の元気に繋がります。
周囲の笑顔が自分自身の元気に繋がるように,私自身の笑顔も誰かの元気に繋がっていると思います。人に関わる,特に私達の仕事は体に直接触れること,一緒に体を動かすことが多いため,伝わる・伝わってくるものも多くなり,そしてそれがケアの効果にも影響することを実感しました。
だからこそ自己管理,体調管理をしっかり行い“元気”でいられるように,“いい笑顔”でいられるようにしようと思いました。
しんせん長春館
『がんのリハビリテーションと目標設定』
がんのリハビリテーションとして,一般的に4つの病期分類に沿って,目標やそれに付随するプログラムが設定されます。
その中でもがんのリハビリテーションの特徴である,緩和期のリハビリテーションでは,定義として「終末期の癌患者に対して,そのニーズを尊重しながら,身体的,精神的,社会的にもQOLの高い生活が送れるように支援する。」とあります。
終末期の癌患者様はリハビリの中止基準をクリアしていることはほとんどなく,そのようなリスクの中でリハビリを実施しなければいけないという危険もあります。またBarthel Indexで評価できるような「できるADL」の点数は高くても倦怠感や吐気等の全身状態不安定により活動量が低下していることが多くあります。
さらに骨転移による安静度の制限があり,動けるのに安静を強いられることもあり,そのような方々の希望も考慮しながら安静度を守る目標やプログラムの設定は難しいです。
そして終末期であるため,いつ訪れるかもわからない死に向かっている患者様に運動することが果たして必要なのか,どうすればQOLを向上させることが出来るかということは今まで何人もの患者様のリハビリを実施してきましたが,私自身納得できたリハビリを提供できたことはありませんでした。
地方独立行政法人宮城県立病院機構 宮城県立がんセンター
『私たちの3つの“P”』
当センターでは,医師,看護師,精神保健福祉士,作業療法士,臨床心理士など多くの職種がチームで対象者,ご家族の方々の入院から生活に至るまでの一貫した支援を行います。
また,早い段階から可能な限り地域の支援スタッフとの連携を図り,安心できる地域生活を目指します。リハビリテーション科が属する社会生活支援部では『Power(力を合わせ),Partnership(協働し),Positive(前に進もう)』をモットーに対象者の地域生活を応援しています。
私自身,患者さんの支援で行き詰った際,チームの他職種の方に相談し,作業療法士にはないそれぞれの専門性を活かしたアドバイスをいただき,円滑な退院支援につながったということが多々あります。このように支援者が独りで抱え込まないのがチーム医療の強みだと感じます。
これからも対象者の思いに沿いつつ,多職種が協力し合ってそれぞれの色を出せるような支援を行っていきたいと思います。
宮城県立精神医療センター
『喜びの声をエネルギーに』
当施設では,介護度の高い方や低い方,車椅子の方や麻痺のある方などたくさんの方にご利用頂いております。様々な方がご利用されている分,その方によって目標もそれぞれ違ってきます。
その目標設定に応じ,出来る限り達成できるようお手伝いさせて頂くうえで,リハ職員に限らず,スタッフ全員が連携して情報を共有していく事を大事に考え,日々取り組んでおります。
サービスを提供していくなかで,結果やゴールがなかなか見えづらく,本当にこれで大丈夫だろうかと不安に思うことも正直あります。そんな不安を打ち消してくれるのが,利用者様からの喜びの声です。
「外出して随分歩いたけれど,体操のおかげで前より疲れなくなったわ」,「車椅子からの移乗が楽に出来るようになった」など,こういったお言葉を頂くことで我々の自信に繋がり,また日々の活力となっていると実感します。
今後もより質の高いサービス提供の為,自分自身更に知識を深める必要があると感じ,日々精進していきたいと思いました。
さふらんフィット名取
『一人一人の「思い」を大切に』
在宅に訪問するにあたり,利用者さんがどんな生活を送りたいのか,身体機能や環境面を考慮し,より活動し易い方法を試行錯誤しながら日々関わっています。
在宅生活の中で,安全性・効率性を考慮し提案したことが通らず,伝わっていないと感じ悩むこともありました。
過去の経験として,私からみた課題と利用者さんがなんとかしたいと思っている部分が実は一致していないケースもあったように思います。振り返ると,周りが考える理想の生活像を押し付けていた部分があったのではないかと感じています。
今までどう過ごし,今後利用者さんがどう過ごしていきたいのか,思いを汲みとることを大事にし,関わっていきたいです。
また,訪問リハビリに携わるにあたり,一人一人の「こだわり」を大切に,それが実現出来るよう引き出しを多く持っているセラピストでありたいです。
南東北訪問看護ステーション
『大きい声で楽しいリハビリテーション』
先日,「〇〇さんの声が廊下まで聞こえてきましたよ」とパーキンソン病の患者様にお話しすると「本当,嬉しい」という言葉が笑顔とともにかえってきました。
当院では,パーキンソン病センターで薬剤療法,脳外科手術,リハビリテーションのトータルケアを行っており,東北地方のみならず全国から患者様が来院されています。
多くのパーキンソン病患者様の言語訓練を行う中で,「何度も聞き返されるのでしゃべりたくなくなる」という発言がよく聞かれます。 残念ながら発話しなければ機能が低下し,さらに小さな声になるという悪循環が起こりやすくなってしまいます。
しかし,患者様に大きな声を出すようにと促すだけで,重症度によって変化の程度に違いはあるものの,想像以上の発声が可能となる場合が多く,驚かされることもしばしばです。患者様の潜在能力を引き出すリハビリテーションがいかに重要であるかということを,最大限の努力によって出された楽しい声が日々教えてくれます。(言語聴覚士)
独立行政法人国立病院機構宮城病院
『デイケアは楽しいと言える』
利用されている子どもたちは,「デイケアは楽しい」と言い,安心して過ごせる場となると継続して通所ができるようです。家ではない居場所作りがデイケアの目的です。
家に閉じこもっていたり,学校にうまく適応できない子どもたちへ,楽しい場の提供ができるように工夫と興味をもつようなプログラムの内容を考えています。
プログラムや活動にSST(Social Skills Training「社会生活技能訓練」)を取りいれ,経験を積めるように工夫しています。公共交通機関を利用して,所外へ出かける練習もしています。
利用中の子どもたちが,進路先を考えるときには,情報提供したり,一緒に調べたりしていますが,様々な学校やサポート体制の整っている学校があることを知り,親との情報交換・在籍している学校との情報共有ができるように取り組んでいます。
宮城県子ども総合センター
『クラブ活動週間』
さとのもりでは,毎月クラブ活動週間があります。季節等にもよりますが,利用者様は,主に手工芸クラブ,歌クラブ,工作クラブ,園芸クラブに分かれて参加しています。
どのクラブも,利用者様の得意なことが活かせる機会になっていて,熱心に取り組まれている利用者様の姿を見ると,職員もわくわくしてきます。
特に,園芸クラブでは,一年を通して様々な野菜やお花を植えますが,農家の方も多いため,肥料のやり方にもそれぞれ考え方が違い,意見を言い合いながら,にぎやかに作業が進んでいきます。
参加者のみなさんの活き活きした表情を見ると,「次回はどんな作業をしようかな」と考える力が湧いてきます。
デイサービスセンター さとのもり
『春を感じに・・・』
5月初旬に,日頃,遠方までは出向くことが少ない患者様をお連れして,角田市の菜の花まつりへドライブに出掛けました。当日は春とは思えないほどの陽気でしたが,患者様は暑さにも負けずに,背丈まで伸びた菜の花畑を活き活きと歩いて楽しまれていました。
一面の菜の花畑の風景を目にして,「綺麗だね」,「たくさん咲いているね」と感情を素直に表現される方や芝生の上で気持ちよさそうに寝転がる方もおりました。会場では屋台が並んでおり,暑かったことからか,かき氷が一番人気でした。車中では,普段あまり自分から話さない患者様も積極的に自身の話をされる場面もありました。
今後もこのような機会を作り,入院生活では見られない一面を引き出していけるようリハビリスタッフ一丸となって取り組んでいきたいと思います。
医療法人小島慈恵会 小島病院
『異郷の地での苦労~言葉の壁~』
私は生まれも育ちも千葉県で,社会人になってからも千葉県の房総地域の某病院で働いていました。そして,今年の1月からご縁があり,当デイサービス事業所で働き始めました。
宮城県で働き始めて,生活環境や職場環境が変わり苦労しましたが,一番苦労したことは「言葉・方言の壁」でした。言葉のイントネーションやその土地独自の方言が,宮城県には多々あると伺っていたものの,その土地の言葉を話すご利用者様とコミュニケーションをとることは,私の予想を越えた難しいものでした。
ご利用者様が言いたいことが分からないこともしばしばあり,悩んだ時期もありました。なんとか言いたいことを感じ取ってあげたい,会話がうまくいくようにしたいと,身振り手振りを交えてコミュニケーションをとり続けたある日,突然ご利用者様の言いたいことが,すんなりと理解できるようになりました。
今では,ご利用者様の言いたいことが分かり,笑い合いながらリハビリが出来,充実した理学療法士人生をご利用者様と共に歩んでいます。
リハビリサロンさくら
『痛みへの対応について』
在宅でのリハビリ中に,ご利用者様やご家族から,痛みの相談を受けることがあります。疾患に起因する痛み,突然出現した痛みなど様々であり,痛みに対し不安を抱えていたり,対処法について悩まれていたりします。
痛みは活動性低下を引き起こす為,早急な対応を心掛けるようにしています。考えられる原因や受診の必要性など,看護師と相談し,福祉用具や自助具の利用,動作指導を行い,再発や悪化を予防するよう心掛けています。
痛みに対する早急な評価・対応を実施していくことは,在宅生活を援助していく上で重要であると感じています。
名取訪問看護ステーション
『慢性期患者の今後の目標について』
当院では慢性期の患者様が多く,入院が長期化してしまっている状態です。「病院での生活が楽だから退院しない」,「やりたいことがないからこのままでいい」という声も聞かれることがあります。また,病院での生活に慣れてしまっているため,環境が変わることに消極的で,グループホーム等の施設や自宅への外泊練習を行っても,いざ退院が現実味を帯びてくると拒否してしまう方もいます。
病院に入院している限り,退院することは大きな目標になると思います。その目標から長期間離れてしまっている慢性期患者様に対して今後の目標をどのように設定していけば良いのか。また,目標が無い方のモチベーションをどのように向上させるのか。作業療法に関わらず,精神科病院としての課題となってくるのではないかと日々感じています。
名取熊野堂病院
『日々の業務の中で感じたこと』
当施設のご利用者様には,向上心では若者には負けないという方が,まだまだいらっしゃいます。四捨五入すれば100才というご高齢の方でも「こんなんじゃダメだ。」が口癖です。
車椅子で廊下の手すりまで来て,手すりを使った立ち上がりの自主トレ。続けること半年で,今まで歩いたことの無い平行棒で1往復しました。でも,「努力が足りない。」ときっぱり。今では3往復出来るようになりました。
その他にも「今のままではダメなんだ。」と口にしては嘆き,向上心を秘めているご高齢の方は多いですね。「歳だから・・・。」と思い込んでいるのは周囲の私達で,「無理をしなくていいから。」とゴールを決めてしまっているようです。でも,せっかく長生きしている命,大事にしてほしいのも事実です。
その方それぞれの目標に出来る限り付き合ってあげたい,そんな葛藤を日々の業務の中で感じています。
特別養護老人ホーム チアフル岩沼
『日進月歩』
当センターでリハ専門職によるリハビリを開始してから,約5か月が過ぎようとしています。配属された時,デイサービスのスペースにはトレーニング用のマシンが4種類あるだけで,「デイサービスでのリハビリは何が求められているのだろう?」,「どんな書類が必要になるのだろう?」,「対象者は・・・」,「備品は・・・」と右往左往しながらの開始でした。今では少しずつ個別リハビリ対象のご利用者様も増え,直接支援業務と書類作成業務で大忙しの毎日ですが,軌道に乗ってきていると感じています。
当センターのご利用者様は,震災以降に活動の機会が減少している方が多くいらっしゃいますが,「転ばないで過ごせるようにもっと運動したい!」,「このまま動かないでいてはダメだ!」とリハビリを希望される方が増えています。
デイサービスのリハビリは,リハビリ体験や集団でのリハビリを提供することができますので,「リハビリってどんなことするんだろう?」と不安のある方や「みんなと一緒ならやってみたい」,「興味はあるけどできるかな?」という方にも受け入れて頂きやすいと思います。また,集団リハビリを通して,他のご利用者様との交流の機会も持つこともできます。
これからもデイサービスでのリハビリの在り方を探りながら,ご利用者様がやりたいことができ,笑顔あふれる生活が送れるよう,スタッフ一丸となって精進していきたいと思います。
デイサービスセンター ときわ
『車いす適合の重要性』
入居者様の約9割が,車いすを使用しています。それぞれの入居者様の状況を把握し,課題を整理した上で,入居者様に適合した車いすの導入支援を積極的に行っています。
身体・生活に適合した車いす,クッションを使用することで姿勢保持,ADLの拡大,移乗動作時の内出血予防や立ち上がりやすさ,リラクゼーション(筋緊張が軽減され拘縮予防となる)などQOLが向上する効果を得ることができています。
具体的な事例としては,車いすを自ら操作することができなかった入居者様に対し,適した車いすを導入したところ,自ら操作することが可能となりました。
さらに,車いすを操作する際の姿勢が安定したため,腰痛がなくなり移動距離や離床時間も長くなり,外出の機会が増えています。
また,円背が著しい入居者様においては,適した車いすを導入し,安楽な姿勢をとることで,視野が広がり,表情が良くなりました。姿勢が安定したことで,おしゃべりの機会が増えています。
まだまだ職員の技術や知識は未熟ですが,QOL向上のために,全職員で入居者様の車いすの適合を意識し取り組んでいくことが重要と考えています。
地域密着型特別養護老人ホーム チアフル三色吉
『施設内でのリハ職の役割』
リハビリは一般的に広く知られ,リハ職人口が増えた今では,働く職場も昔より広がりができました。とはいえ,病院やクリニック勤務のリハ職は多く,障害者や高齢者施設においてはまだまだ少ないのが現状です。そもそも,施設内でのリハ職の役割は少ないのでしょうか。
先日,障害者施設で働くリハ職の方からお話しを伺う機会がありました。機能訓練やADL訓練に着目するだけでなく,生活支援という広い視点から,施設の環境・設備の改善や,より良いケアをするためのスタッフの知識や技術が必要であるとのことでした。
それにはスタッフの日々の観察力も大事ですし,例えば車椅子上ではどんな姿勢になっていて,その方にあった工夫をすると姿勢が良くなり,姿勢が良くなれば食事がしやすくなる,といった一連の考え方や見方ができれば,姿勢の崩れのある方に工夫をする理由付けが明確になり,行動に移す事ができます。
しかし,実際にはこういった見方ができるスタッフは少なく,生活上の問題点を発見したり,改善の為の工夫による変化を感じ取る事に不慣れな場合が多いようです。
リハ職は,他職種にただ介助法を伝達するだけでなく,利用者さんに必要なことや問題点は何かを共有し,改善への取組につなげていく働きかけも,大きな役割であると教えていただきました。
宮城県仙台保健福祉事務所 健康づくり支援班
『当院での取り組み~CI療法って何だろう?~』
今回は当院で取り組んでいるCI療法についてお話したいと思います。CI療法とは日本語では「麻痺側上肢集中訓練」と呼ばれています。
主に脳卒中片麻痺の麻痺側上肢の治療を中心に発展し,麻痺していない側の上肢(健側上肢)を三角巾などで固定し,麻痺側上肢の使用を促すことで機能回復を目指す方法です。
CI療法には適応基準が設けられており,身の回りの動作が自立されている方,手首・指に動きが認められる方などが対象となります。1日5時間(自主トレーニングを含む)の練習を5日×2週間の計10日間行います。実に長く,集中したリハビリであるため,患者さんもヘトヘトになりますが,皆さん一生懸命取り組んで下さっています。
現在は回復期病棟に入院されている患者さんへ提供しています。月に1回行っている英文抄読会で海外の新しい研究を報告し合い,患者さんにより良いリハビリが提供できるように日々励んでおります。
地域在住の健康な方に対しては予防のための出前講座を実施し,病気になっても地域で安心してリハビリが受けられる病院であるようにこれからも一丸となって取り組んで参ります。
公立黒川病院
『みんな大好き♥♥♥作業活動』
リハビリを目的に利用されている方の中には,自身ではその必要性を感じておられない方も多数いらっしゃいます(認知症,運動が嫌いな方,失語等)。
本人,家族,スタッフで同じニーズ,目標の方向で進めていければいいのですが,本人にとって居心地が悪いと感じると継続していくのに困難を生じます。
その方の目標はプランで上がってきますが,その目標の達成の前にまず通うことに慣れる事が大事になってきます。行かせられているのではなく,自分で行きたい,これをしに行かなきゃと意欲が変われば目標達成にぐんと近づきます。
当施設では,その人らしさを引き出す関わりの一つとして作業活動があります。認知面や巧緻動作の他,作業活動を通してスタッフや利用者様同士での関わりが図れる為,緊張顔も次第にほぐれ,いつの間にか顔見知りになり声を掛け合う友達が増えていきます。
そういった関わりの中から,利用者様同士でお互いに仕上がった作品をプレゼントし合ったりと,新たな交流の場や友達の輪が増えていき,様々な活動への意欲や目的意識も高まるきっかけの一つになり,その人の生きがいにも繋がっていると思われます。
具体的な活動内容はその人との関わりから検討し,その人らしさや笑顔を引き出せるような活動を提供できればと思います。活動を行う前と後では,表情や言動に違いが著明に表れ,今まで見たことのない表情や発言があると,もっと,もっと,と欲が増してしまうリハ課でした。
介護老人保健施設 希望の杜
『その方らしい最期を迎えるために私たちが出来ること』
本来,老健は中間施設として位置付けられていますが,様々な背景にて在宅復帰が困難となり,また特養などの受け入れ施設への入所が長期間できず,結果施設にて最期を迎えられる方が多くいらっしゃり,当施設ではH20年のターミナルケア加算が導入される以前から「苦痛なく,安楽に」そして「その方らしい最期」を迎えられるようにご家族様を含め,それぞれの専門職が協働してケアを行っています。
月に1度委員会を開催し,看取りの希望をされている方々の状況確認,ケアの検討,また亡くなられた方に対する振り返りを行い,今後のケアに活かせるようにしています。実際に昨年度は13名の方を施設にて看取らせて頂きました。
ターミナルケアでリハビリとして何ができるのか。医師によりこれ以上回復の見込みがないと判断されてもリハビリが終了するわけではありません。私たちは最期までチームの一員として,よりよい最期を迎えて頂くために支援していきます。
痛み・褥瘡・拘縮等,できる限りご本人様の苦痛がないよう安楽な肢位の検討を行ったり,また1対1での時間のなかで身体に触れながらコミュニケーションを図り,少しでも安心し,穏やかな気持ちになれるよう関わることもあります。
入所が長く,馴染みの関係になると職員の顔をみただけで安心するという方もいらっしゃいます。またリスクを考慮しながら,可能な限りご本人様やご家族様の思いや希望に寄り添い,実現できるようお手伝いすることもあり,人生最期の時間をどう過ごして頂くのかというQOLにも目を向け「その方らしい最期」を迎えられるようお手伝いしています。
もちろん一人一人状況は違います。だからこそ難しく,長年経験を積んだからと言って,そこから正解を得られるものではなく,また評価も明確ではありません。その中でリハビリとして何ができるのかを日々模索しながら,毎日向き合っています。
介護老人保健施設 リーブズ
『日常生活動作(食事動作)の関わりを通して』
当院のリハビリテーション科(以下,当科)では,今年4月からリハビリテーションの業務と並行して,食事動作に対する関わりを積極的に行っています。
高齢の患者さんは身体的に消化機能の低下や義歯の着用,嚥下障害,および味覚低下などにより食事量の低下があると言われています。当院には高齢の透析患者さんがいますので,治療上必要な食事摂取量を確保できるようなサポートが必要であることを痛感し,昼食時間に病棟のラウンドに関わることにしました。
この関わりを始めてから感じたことが2つあります。1つ目は摂食嚥下のアプローチの奥深さとむずかしさ。2つ目は摂食嚥下分野に精通している言語聴覚士(以下,ST)が行っている仕事の内容を他職種が関わるむずかしさです。
これを機会に当科として初めに取り組んだことは,患者個々人に合った食事時のポジショニングがとれているかの確認。次に食事道具の選定を行うことでした。5月にはSTの外部講師を招いて「摂食・嚥下の基本」を看護師,ケアワーカーと共に再確認しました。その後嚥下体操にも取り組んでおり継続的な関わりを行なっています。
透析患者さんへの関わりに限界はありますが,これからも他職種と協力しながら進めていきたいと思います。
富谷中央病院
『私たちの価値って?』
一般的な社会においては,人は生産活動を行って対価を得ます。生産されたものに価値があれば対価は多く,価値が少なければ対価も少なくなります。またその生産作業をできる人口が多ければ対価は少なく,作業人口が少なければ対価は多くなります。
私達セラピストは何を生産しているのでしょうか。疾病によって減少した社会の生産人口を増やすこと,自立あるいは自力で営める生活の範囲が拡大することで社会資源の活用場面が減少すること,健康を維持することで医療費が抑制されることを私達は求められている筈です。
私達はまず,自らの生産を意識する必要があります。普段,ごく当たり前に目標としている,“患者さんや利用者さんをよくすること“の本質的な意味を考えなければならないと思います。
また専門職が行う仕事は,特殊な知識や技術を有しない方の作業と比べて当然効率の良さが要求されます。そして結果を社会へ伝えることを求められています。治療が上手くいって満足し,患者さんやご家族に感謝されたとして心は温かくなるでしょう。
しかし同じ労力なら懐も温かいほうが良いのではないでしょうか。後者はセラピスト自らの生活を充実させて,結果的には心を温かくします。
過去,報酬に関して論じることは,業界が“聖職”であるが故にタブー視されてきた傾向があります。よって私達はストイックに自己研鑽する道を歩んできました。しかし現在は環境が変化しています。作業人口,即ちセラピスト人口は増えています。
生産物の量が同じなら,生産物÷作業人口で求められる対価は減ります。また別の側面から,作業効率の良さばかりを求めて厳密なマニュアルを作成し,そのマニュアル通りに行って目覚ましい効果が出せるようになったら,セラピストの価値は社会にどう評価されるでしょうか。
マニュアルを確実に再現できるロボットが発明されたら,私達は愚痴一つ言わず24時間働き続けられる彼らに太刀打ちできるでしょうか。
だからこそ,私達は自分達の仕事の結果を伝えなければいけないと思います。自己研鑽に努めることを大前提として。
生産プロセスだけを評価されて対価を得る仕事はないでしょう。満足感や安心感といった人の心“だけ”を生産物として誇ることは,私達の専門性を危うくし,価値を落としてしまいます。「専門性維持への弛まぬ努力」,「仕事結果の社会への発信」,「人の心を大切にする姿勢」が三位一体となるよう,個人も組織も歩んでいきたいものです。
仙台リハビリテーション病院
『引きこもりについて』
当施設には,脊髄損傷,頸髄損傷の方が80名近くいらっしゃいます。その方々は,数年から長い方で数十年間医療機関や施設などでリハビリを受けられてきています。
そのためか,ここでのリハビリに積極的ではない方が多いのも事実です。それと同時に,長期間の入院のため,理学療法士,作業療法士等の養成校の学生の臨床実習モデルとしての経験が多い方もたくさんいらっしゃいます。
そのような中,昨年,仙台市内の,ある養成校の教官との会話の中で,「国家試験には問題が出るのに,最近は,学生が脊髄損傷を経験せずに卒業することが多くなってきました。(なんとかなりませんか)」という話がありました。
そこで,実習前実習のような形で,学生の夏休み期間に,当施設の入居者(ボランティア)と検査測定の実技実習を中心にふれあいの時間を設けることにしました。学生には貴重な体験が,入居者には,施設外の,それも若い学生たちとのふれあいを通して,大きな刺激が得られたと思います。
「昔,よくこれは調べられた」,「・・・は調べなくていいの?」,「もうすこし(練習したほうがいいよう)だな」などという話が聞かれました。
また,いつも一人でペグ挿しをしている方が,大きな声を出して学生と会話する光景もありました。モデルの方々は,いつも以上の積極性が見られ,いつもはリハビリ室に寄ってこないようなモデル以外の方も学生の周りに集まり,話しかけるなど,いい光景でした。
この施設は,介護保険の適用はなく,労災年金受給者のためという極めて珍しいタイプの施設です。積極的に外出する方もいらっしゃいますが,頸髄損傷や頭部外傷の方の多くは,施設内だけの生活で,たまに,関連病院に受診に行くのが外出,などという方も珍しくありません。だから,外部の空気には,極めて敏感なのかもしれません。リハビリの学生や,看護学生の周りには,興味津々,できれば会話に参加したい,という感じで入居者の輪ができたりします。
一人職場のため,マンパワー不足は否めません。これから,また冬が近づいてきます。リハビリにあまり積極的でない入居者の機能維持と認知症対策,引きこもり対策,日々の生活の張りを求めて,車いすダンスの講習会や,買い物ツアーに匹敵する新たな戦略が必要になります。
宮城労災特別介護施設 ケアプラザ富谷
『認知症を持つ『ひと』との関わり』
認知症の方々が混乱し,パニックになろうとしているとき,大丈夫という声かけは大丈夫ではありません。認知症の方は,根拠がないと分かりません。根拠があっても,それが理解できないと分からない時があります。理解できるように説明したり,態度で示したり,不安にならない状況を作ったりする必要があります。
BPSDが起こった時にどう対応するかという前に,安心してその人の支援を受けることができる関係を作ることが大事です。
受容とは,訴えや行動を単に否定しないということだけではなく,その行動の意味を想像して,その人の立場になって「さもありなん」という気持ちで接するところからスタートします。支援動作には愛情が必要とされないとしても,症状を緩和するケアには愛が必要とされるのです。
「大丈夫」という呪文。一度見直してみませんか?
特別養護老人ホームまほろばの里たいわ
『最近の趣味』
様々な技術が発達し,生活が便利になるにつれ趣味として楽しめる活動の種類も増えています。ボルダリングと聞いて名前は聞いた事があっても,実際にどのようなことをするのかわからないという人も多いと思います。私もそのうちの1人でした。
ボルダリングとは,フリークライミングの一種で最低限の道具(シューズとチョーク)で岩や石を登るスポーツで,体のあらゆる筋肉を使い,どのような姿勢でどういった重心移動をすれば上手に登れるかなどリハ職にとって考え方など勉強になるスポーツだと感じています。
友人に誘われてやってみてから,今では週3回も通う私の楽しみになっています。趣味を行うことで心身ともにリフレッシュする事が出来,仕事・プライベートともに充実して過ごせていると感じます。
基本的なことですが,利用者の方にも楽しめ,熱中できるものを多くの作業活動から一緒に見つけ出し充実した日々を過ごしていただきたいと思います。
介護老人保健施設 羽生の丘・オーベルジュ
『食べることの楽しさについて』
当施設では,バイキング形式にて食事を楽しんでいただく「さくら会」という行事があります。
毎日の食事では提供しにくいお好み焼きやサンドウィッチ,スパゲティーや蕎麦などの麺類,お肉料理やフルーツの盛り合わせ,サラダ,各種漬物,コーンポタージュなどのスープ類を提供しています。その他に果実酒やコーヒー,紅茶,ジュース等の飲み物も用意しております。お好み焼きは,その場で調理して提供しています。そうすることにより,調理の工程を目で楽しんでいただいたり,焼き上がる香りや音を五感を通じて楽しんでいただくという,日々の食事では感じることの出来ない食べる楽しさを実感していただいています。
さくら会では,果実や氷砂糖,お酒を容器に入れていただくという,果実酒作りも体験していただいております。果実酒は出来上がるまで3ヶ月程度必要なため,「出来上がりが楽しみだ」と笑顔で話される方もおります。
高齢になれば,どなたでも身体機能,精神機能,両面の機能低下がみられます。それだけではなく,摂食・嚥下機能の低下を伴う方も多くなっています。
さくら会には,口を開きにくい方,十分に咀嚼しないで飲み込んでしまう方,噛む力の弱い方,むせこむ方など様々な問題を抱えた方も参加されています。
そういう方々にも楽しんで頂けるように,事前に摂食・嚥下機能の状態を評価し,状態に合わせた食物形態を提供しながら,必要な介助を行っております。
入所者お一人お一人の摂食・嚥下機能の状態は様々です。しかし,食べるということに楽しみを感じているということは皆様同じではないかと思います。今後も,できるだけ食事を楽しんでいただくというQOLにも目を向けていきたいと思います。
介護老人保健施設 季館
『施設での日々の暮らし』
当園には,ボランティアの皆様による,民謡,踊り,紙芝居,歌などの他にも,利用者の方が参加できるクラブ活動があります。書道,華道,茶道,音楽療法などです。また,施設内小グループケアでは,気の合う仲間同士での,手芸クラブ,おいしいもの作ろう会などです。
施設内で生活されている方々には,クラブ活動に参加することを楽しみにしている方がたくさんいらっしゃいます。自分のスケジュール帳に,サークル活動やボランティアの方々が来る日を記入し活動を楽しみにしている方。できあがった作品展示を職員などにほめられ嬉しそうにしている方。
また,活動で職員の予想外の力を発揮する方など。活動そのものもですが,次またいつ予定があるということも施設の利用者の方々には大切であると思います。
先日,70代の叔母から,これからは自分たちの年代には,「きょうよう」と「きょういく」が大切だと聞きました。「今日用事があること」,「今日行くところがあること」だそうです。なるほどと納得しました。「明日は,リハビリだよね。」と先程も声をかけられました。週に一回のリハビリを楽しみにしてくれているんだなと思いました。施設で暮らす方々にも,クラブ活動に参加する,リハビリをするなどなど,日々の「今日用」と「今日行く」は生活の張りにつながると感じました。
介護老人福祉施設 和風園
『私たちが訪問でできること』
担当している利用者様の中に,訪問サービスが始まる前まで全日臥床して過ごしていた方がいました。当事業所の看護師,理学療法士が訪問にて介入することになり,日々の体調管理,リハビリテーションを現在も継続して行っています。
1年,2年とかけて少しずつ起きる機会をつくり,今では介助で端坐位ができるようになりました。端坐位になって,奥様とお話したり,歌を歌ったりしています。
リハビリテーションだけでなく,看護師による適切なケア,ご家族の手厚い介護,ご本人の頑張りがあったからこそ,現在も体調を維持した生活を送ることができているのだと思います。
時には利用者様本人,ご家族から学ぶこともたくさんあります。リハビリテーションだけでは限界を感じてしまう在宅での生活も,皆で協力し合うことによって可能性が広がるものだと日々感じています。
もちろん,身体機能向上を目的とする方もいれば,できる限りの維持を必要とする方もいたり,様々です。多くの方が少しでもよりよい生活が送れるようにこれからも支援していきたいと考えています。
富谷訪問看護ステーション
『小さな成功体験』
デイサービスに通ってこられる方は,日頃から何らかの不自由を感じている方が多いかと思います。できていたものができなくなることで自信を無くし,増々自分の殻に閉じこもる事になるのではないでしょうか?
外出の機会を設ける事や,やってみたいという事を行う事で,閉じこもりがちな気分の解消を図り,生活にも新たな刺激になるのではないかと思います。
自分でも出来たという達成感や,ご家族様に自分の事を話す機会をつくるという面でも,意味は有るのではないでしょうか?
日々接していく中で,利用者様が自信を取り戻していける様にとの援助を心がけています。小さなことからでも,自分で出来たという成功体験を繰り返し,周囲からも認めてもらう事で,自信につながり,積極性や更なる行動の活力となると思い,業務に当たっています。
社会福祉法人善俊会 デイサービスセンターウィング
『病院から在宅のリハビリに関わって』
病院で勤務していたときに見ていた患者様の顔とは違い,ご自宅ではその方の「本当の顔」を見ることができると感じています。在宅での生活リズム,ご家族やご近所との関係性,食生活,習慣,性格,住環境などが関わって,病院で想定していたものと実際の生活場面との差を痛感しています。
以前,元気に退院していった患者様がまもなく再入院や施設入所となったことを経験し,「退院後,本当に自宅生活が送れるのか?」という疑問が常につきまとっていました。
病院のリハビリでは,ある目的に向かって完結的なリハビリを行っていく傾向がありました。しかし,実際の在宅における人の営みを目にした今では「一つ上の生活が過ごせる」よう援助する継続的なリハビリの必要性を強く感じています。
さまざまな人が必要な時期に最適の関わりを持っていく。そのリハビリの鎖が途切れないようにすることが非常に難しく,重要な課題であり,そのために自分ができることは何かということを日々模索しています。
あおい訪問看護ステーション富谷
『感謝 感激 雨あられ』
先日,とても嬉しい出来事がありました。その利用者様は,大腿骨頚部骨折による廃用症候群とうつ病があり,週1回の作業療法士の訪問のほか,看護師として私も週1回訪問させていただいておりました。
とても寡黙な方で,なかなか心を開いていただけないように感じながら,何度か訪問させていただいたある日,「最近,耳の聴こえが悪いような。」という奥様のお話があり,もしやと思い,耳垢を取ってみました。
後日,リハビリの訪問をしたスタッフから「耳垢を取ってもらったことをとても喜んでましたよ。“感謝 感激 雨あられ”だそうです。」というメールが届きました。そのメールを見た時,私は涙が出る程嬉しくなり,訪問看護師として本当によかったと心から思いました。
これからも,心の通うケアを目指して頑張りたいと思います。
大郷訪問看護ステーション
『ふと気づけば 多趣味人間』
日々お子様へ提供する活動を考えるに当たり,自分の知識だけでは物足りなく感じることが多くあります。そのため,本屋さんや図書館に足を運ぶことが増えました。お子様向けの科学雑誌や手芸の本,料理やレクリエーションの本等情報収集に事欠きません。「この工程は難しいかもしれないけれど,こうすればできるかもしれない」あれこれと試行錯誤をしているうちに身の回りには一見リハビリとは無縁そうな,様々な用具が・・・。
幼いころから不器用だったことで,「どうすれば楽にできるようになるか」と考えるのが当たり前になっていました。試行錯誤の結果,お子様たちが「自分の力で」完成させ,「できた!」と嬉しそうにしている姿に,幸せを感じている日々です。
み~ちゃんち
『なぜ?と思う気持ち』
仕事を始めて2年目になります。日々の業務の中で大切にしている事は,様々な事に対して「なぜ?と思う気持ち」です。
日々,障がいを持つ方々の生活支援を行っていますが,利用者の方のなかには突然情緒不安定になり,パニックに陥る方もいらっしゃいます。その時にはまず本人と周りの人に怪我がないようにし,その興奮がなぜ起きたのか原因を考えるようにしています。
多くの場合,何か本人にとって思い通りにならない事があり,自分の思いがうまく伝わらなかったことなどが原因として挙げられます。興奮の原因を考えることで,生活の中での興奮に繋がる原因に対応ができ,利用者が安心して生活できることに繋がると考えています。
原因を考える際,自らの思いや要求を言葉で伝えることが難しい利用者も多い為,その方の表情や身振り手振り,アイコンタクトなどから思いを汲み取る事を心掛けています。自分がもしもこの方の立場だったらどう思うのだろうか?などと想像する事も利用者を理解していく事に繋がると考え,実践しています。
今後も日々の業務に慣れるのではなく,常に新しい発見ができるよう「なぜ?と思う気持ち」を大切にしていきたいです。
社会福祉法人永楽会 支援施設あさいな
『敬愛するふわりの皆さま』
〇〇障害,〇〇症・・・。当事業所に在籍される方々の障害名の欄には,たくさんの難しい文字が並びます。お会いするまで,いろいろな憶測がなされます。ところが,お会いすると皆さんとてもフレンドリーで,友達作りの名人ばかりです。
そして,言葉で表現できない代わりの表現方法が皆さんあるのです。このふわりという場所は,テレパシー(!?)で会話する究極の出会いの場なのかもしれません。長い間在宅で養育されてきたご家族には,敬意を表するしかありません。まさに超人です。そんな超能力者に囲まれて職員は日々励まされています。
仙台北地域福祉サービスセンター 多機能型事業所ふわり
『自立支援にむけて』
日々の支援にあたっている中で,「無理なのでは?」や「出来ないのでは?」と思い,つい支援の手を広げてしまう場面があると感じています。その為に,入居者の方が本来できる事を失う事のないような支援を提供し,出来る可能性を見出し,専門職の専門性を活かした取組みが今後一層必要になってくるのだと考えます。
目標を共有し,リハビリを実施する事で意欲の向上に繋がり,より自立した生活を送る事ができるよう支援をしていくとともに,これからも,入居されている方々がいつまでも笑顔で生活していくことができるような環境づくりに取り組んでいきたいと思います。
社会福祉法人永楽会 特別養護老人ホーム七峰荘
『あいさつの意味を知ろう』
朝,家族と顔を合わせた時や職場でご利用者様に会ったとき,「おはようございます」と声を出してあいさつしていますか?
周囲の人に話を聞いてみると,「わざわざ家族とあいさつはしないよ」,「朝はみんな忙しいから,お父さんもお母さんも,“おはよう”なんて言わないよ」なんて人もいるようです。
でも,あいさつは「あなたに会えてよかった」,「あなたがここにいることを了解していますよ」という気持ちを伝えるサインです。まずは,家族同士のあいさつを習慣づけましょう。
元気でさわやかな「おはよう」で,快適な1日のスタートが切れるはずです。
社会福祉法人永楽会 特別養護老人ホーム郷和荘
『意欲を持って頂く為に』
リハビリをどう進めて実施していくかを考えますと,リハビリは実施する方の意欲を引き出すことが大事だと感じます。私たち支援者がリハビリの重要性や自立度の向上を声高に述べても,「この歳でそんなにリハビリしたくない」との一言によって,計画が頓挫してしまうことはよくあるのではないでしょうか。
しかし,自分自身を振り返ってみると,人には運動の大切さを説きながら,自分は仕事以外に好き好んで疲れる活動をしていないのでは?頭では運動の重要性を理解しているつもりでも,必要性を感じなければ実践していないのが現実です。
手先がうまく動かせない人でも,テレビは観るでしょう。自分でチャンネルを選び,音量も自分で調節できたら便利ですよねと説明して,相手がうなずいてくれたなら,リモコンを操作できると便利じゃないですか?と促してみる。リモコンを持ってボタンが操作できるよう練習してみましょうかと勧めてみる。
家に泊まるとき,車にうまく乗れると,息子さんも連れ出しやすくなって,出かける機会が増やせるかもしれませんね。座席に移る動作を練習してみましょうか,等々・・・。
こうした些細なきっかけが動機づけには大事かもしれません。むしろ細かなきっかけが繰り返されて,小さな目標が達成されて,大きなモチベーションに繋がっていくこともあると思います。施設職員は多くの時間を入居者と共有し,好み,性格,仕事,若かりし頃,色々な個人の情報に接します。知り得たことを糧として入居者の意欲を引き出すことが施設職員の役割の1つに思えます。
リハビリは良いものですと勧めるのでなく,これを実現できるようリハビリをしてみませんか?と声をかける支援者であれたならと思っています。
社会福祉法人永楽会 特別養護老人ホーム杜の風
『マッサージだけでは治らない?』
患者様のなかには,『痛いのは揉めば良くなるんでしょ?』と,『リハビリ=マッサージ』と考えていらっしゃる方が多い印象を受けます。しかし,痛みを訴える方の多くは,マッサージだけでは問題が解決されない事が多いです。
なぜなら,筋肉をもみほぐしても『普段の悪い姿勢』や『無理な体の使い方』といった痛みの原因があり,家に帰られてから筋肉・関節へ再び負担がかかり,また元の状態に戻ってしまうからです。
根本的な原因の解決には,マッサージなどの治療の他に,『悪い姿勢』や『無理な動作』の改善や,痛みが再発しないように自主トレーニングをしっかり行う事が大切です。
何度も痛みを再発させないように『なぜ痛くなるのか?』について,私たち理学療法士の専門性を活かしてわかりやすく説明し,『納得』と『信頼関係』を築けるかが,最大の課題であり重要事項だと感じます。
自己研鑽を怠らず,治療技術とプレゼンテーション力を磨いていきたいと思います。
ほそごえ整形外科
『最近あったほほえましい出来事』
あるご利用者様は,入所時にはシルバーカー歩行でしたが,現在では独歩に変わり,「何も使わないで歩けるようになった,ありがとう」と嬉し涙を流されていました。
身体機能の変化の過程を間近で診られるということに,機能訓練指導員としてのやりがいを感じています。
ご利用者様には,リハビリを通じて生きがいを感じてもらうために,私たちも日々努力していきます。
特別養護老人ホーム万葉の里
『一人一人と向き合う』
リハビリの一環として屋外歩行を実施しています。屋外歩行の際に,一対一で会話していると,屋内でのリハビリ時には聞いたことのなかった話やご利用者様自身の目標,ニーズを聞くことがあり,スタッフも驚かされる事があります。
具体的に目標を掲げ,そこに向かって努力しているご利用者様の姿を見ることで,スタッフも「もっと頑張らないと!」と奮起するきっかけをもらっています。
イスに座って話を聞くことも大切ですが,散歩や送迎の車内など,意外なところでリハビリのヒントを頂くことがあり,一人一人と向き合う事,そして他のスタッフとの連携も大切だと日々感じています。
コツコツクリニック多賀城整形外科 コツコツデイケア
『元気でお仕事するために』
先日,面接の技法を学ぶ研修に参加しました。講義の中で「対人援助職は,感情労働である」という言葉に感銘を受けました。感情労働とは「自らの感情を用いて,相手の感情に働きかけ,安心させたり快適に感じさせたりするために働きかけをする」ことです。
対人援助の対象となる方の多くは,高齢の方や障害のある方ですが,時にその方のネガティブな感情(悲しみ,痛み,苦しみ,不安等)に向き合うこともあります。
援助者が対象者に共感できない,負の感情を抱いたとしてもその感情を押し殺して,にこやかな笑顔で対応することを強いられる・・・感情をコントロールできずに巻き込まれる・・・といった事態も少なくないとのことでした。そのために私たちは「自分自身を整えておく」ことが肝要とのことでした。「聴き手もひとりの人間なので,体調の良し悪しが必ずあり,体調は相談の質に直結する」,「疲労がたまると,気持ちのコントロールも不良になり,頭の回転も鈍くなる」等,日頃から体調管理を怠らないことの大切さを改めて確認しました。
また,心の元気が保たれるような,職場環境も大事!愚痴を言いあえる仲間も大事!ほっとできる空間も大事!皆さんは,元気でお仕事するために,何個の元気アイテムをお持ちですか?
南東北相談支援センター
『顔の見える関係』
当訪問看護ステーションで訪問リハビリのサービス提供を開始し,おかげさまで2年半が過ぎました。
訪問をしていると,特に院外の他職種の方との連携が重要と感じます。私は初めてお会いする方とお話しすることに,とても緊張してしまいます。しかし,何度かお会いしているうちに,お互いに話しがしやすくなると感じます。
利用者様のために,その方を支援するチームの一員として,他職種のみなさんと「顔の見える関係」を築けるように努めていきたいと思っております。
今後ともよろしくお願い致します。
仙塩訪問看護ステーション
『その子らしさを目指して』
当事業所では,卒業後の個々のライフスタイルを想定し内容を大きく3つに分けて活動しています。
1つ目は,個々の自立に向けての活動です。身辺自立・社会生活に必要なルールの獲得を目指した活動を事業所内外で行っております。
2つ目は,就労に向けての活動です。現在は,重さや個数を意識した袋詰め,分解された物を順番どおりに組み立てる作業等を取り入れています。
3つ目は,余暇の過ごし方を考えた活動です。個々の好みや趣味を尊重し,余暇時間を設定しています。その際に,音声での意思表出が困難なお子さんには,コミュニケーションボードを用いて写真カードと実物との交換を行う等,意思表出がしやすいように働きかけています。
利用されているお子さんの「その子らしさを目指して」,表情,しぐさ,言動等の小さな変化も見落とさないように心がけております。また、事業所内のスタッフのみではなく家庭や学校,その他事業所と連携をとりながら情報共有ができるように取り組んでいます。
多機能型支援事業所 すてっぷ
『多職種連携の大切さ』
「連携」とは,「連絡を密に取り合って,一つの目的のために一緒に物事をすること」だそうです。
日々の業務の中で感じた職種連携の実際についてご紹介したいと思います。
「あかいしの森」の児童発達支援では,毎日給食の提供を行っています。STとOTが中心となって利用児一人ひとりの食事形態を調査し,栄養士に伝え,外部委託している調理員さんに個人に適した食形態を調理してもらっています。そして,保育士,看護師,児童発達指導員,ST,OT等のスタッフが実際に食事介助をしています。食事は毎日のことであるため何気なく過ぎてしまうように感じますが,おいしく楽しく安全に食べながら,口腔機能をはじめとした全身の発達を促すという目的のために,多職種で連携を図っています。
利用児とその保護者が安心して通園できる施設を目指して,「ほう・れん・そう」を忘れずに「多職種連携の大切さ」を意識し,日々の業務を行っています。
こども発達センター あかいしの森
『勉強になった一コマ』
昨年の夏,トマトの袋詰め作業をしていた時でした。作業をしていたある利用者さんは,握力が強くトマトを少しだけ潰してしまう方で,私は「生卵を触るように優しくお願いします」とお伝えしたのですが,なかなか上手く出来ませんでした。
よく話しを聞いてみると自炊もしたこともなく,生卵を触ったことがないとのことでした・・・。
そこで,その方に姪っ子さんがいたのを思い出し「姪っ子さんが赤ちゃんだった時に,姪っ子さんを撫でたような力加減でやってみてください」と伝えたところ今度は,トマトを潰すことなく袋詰めができるようになりました。
「自分が経験したことがない表現で話されてもわからないよなぁ・・・」という当たり前のことを勉強させた頂いた一コマでした。
就労継続支援B型事業所wara
『驚愕の隠れメニュー』
先日,料理会でご利用者の皆さんが作った餃子をいただきました。一口食べたら,何と今まで30~40年食した餃子の中で一番おいしいではありませんか!!!!
調理員の皆さんのご支援もあったと思いますが,一言「店,開きませんか?」と言ってしまいした。
元気なご利用者の皆さんの笑顔も一緒に包まれていると思うと美味しさも倍増でした。
今でも密かに企んでいます驚愕の隠れメニューを・・・・・「餃子のあったかいご」で!
デイサービスセンターあったかいご東向陽台
『お客様満足度調査について』
当施設では,年に1回全てのご利用者様対象にアンケートの実施をおこなっており,先月その結果を集計いたしました。
感謝の言葉も多く頂く中で残念ながら厳しいご指摘を頂いた項目もあります。日々質の高いサービスを提供しようと努力していますが,まだまだ努力が足りないとスタッフ一同反省いたしました。
様々なアンケート項目の中で,こんな所もご利用者様はしっかり見ているんだと感じる部分も多々あり,改めて気づくきっかけになりました。
今後も全スタッフの技術力,対応力,また,事業所の快適性を重視し,サービスの質の向上を図りながら地域のご利用者様に選ばれる事業所を目指して頑張っていこうと思います。
アースサポート東塩釜
『脳にご褒美をあげよう!』
「脳は快感を求める」事は知られていますが「ある欲求が満たされた(満たされることが分かった)」時に,快感を与える神経系の働きが活性化されるそうです。
脳の快感は記憶され,脳は再び快感を得られる行動を求めるようになります。脳の快感をもたらすものには,「喉が渇いた時の水」や「空腹時の食事」など短絡的なものから,「甘いもの」や「薬物」のように化学的なもの,さらに高レベルでは「課題を達成した時」,「承認欲求を満たした(褒められた)時」に,脳内の報酬系神経経路が活性化されるという研究結果が出ています。
リハビリ場面で脳の報酬系神経経路を活性化する方法は色々ありますが,(1)「頑張れば達成出来そうな課題を提案」(2)「課題達成に必要な方法・手順を提示」(3)「ご本人様の意思で実行する事を選択」(4)「失敗せず成功できるようにアプローチ」(5)「効果を言葉にして確認して課題達成がされたことを共有」という段階を経る事で日々のリハビリが「快感を得られるもの」として認識されると思います。
しかし,これらの段階はハードルが高いのも事実です。課題の難易度が高すぎても低すぎても報酬系は働きません。説明が理解されず,アプローチに失敗しては,逆効果となってしまいます。効果的なリハビリ提供のためには,セラピストの知識技術は当然の事,良好な人間関係の形成も必須となります。リハビリにより得られた効果と満面の笑みを自らのご褒美とし,日々スキルアップしていきたいものです。
ユースポ仙台南デイサービス
『人気のレクリエーション』
当施設では,お花見ツアー,オカリナ演奏会などの音楽鑑賞や調理など,毎月様々なレクリエーションを行っています。
特に調理レクリエーションでは,腰が痛いと話されていた方もスクっと立ち,包丁を持ち,味付けを見ながら料理されます。干し柿作りでは,お客様の方が手際がよく,また,日に日に食べ頃に近づく柿を眺めながら「まだ,食べられないかな。ちょっととって食べさせてくれ」と笑いながら会話が弾みます。楽しみながら,笑いながら過ごせるような機能訓練でありたいと思う今日この頃です。
ツクイ大和
『「連携」と「信頼」』
当施設では管理者,機能訓練指導員,介護職員とスタッフ全員がお互いの職種を理解しあうことに努め,職性を尊重し情報を共有してご利用者皆様をお迎えしております。日々,「連携」と「信頼」の関係が大切だと感じています。
「出来るよ」,「大丈夫だよ」,「もっとやりたい」などのご利用者皆様の意気込みを読み取り,「早く治したい」,「元気になりたい」と積極的な姿勢や言葉を鵜呑みにして無理をさせていないか,本当に大丈夫なのかを見極める事が大切だと感じています。また,利用者皆様の言葉を受け止めて意味を考える事や今日の体調,顔色,立位と座位の姿勢,歩行動作,自宅での生活変化など,職種によっての着目ポイントで得られた情報をスタッフ全員で素早く共有する事により,ご利用者様一人一人に適切な運動量や負荷による機能訓練を提供する事が出来ます。この様な取組が私たちスタッフ間での「信頼」につながり,施設の特色となります。
これからもご利用者皆様の目標を達成できるようにチームワーク(連携と信頼)を強化してスタッフ一丸となって,全力でサポートしていきます。
ミック健康の森塩釜
『身近な存在,ホッとできる存在になりたい』
今の業務担当となって3年目になるが,1年目は精神障害者作業所とコミュニティサロンが主担当でそれ以外の業務は殆どなかった。少しずつ作業療法士の事を事務職の方々が理解してくれ,補装具や日常生活用具のこと,障害特性に関する相談をしてくれるようになった。別の課からは,子どもの気になる行動や発達,保育所の子どもの様子などの相談,福祉サービスや相談支援事業所からもいつの間にか相談を受ける事が増えていった。気づけば,精神領域の業務からあらゆる障害に関する相談支援が広がっており,これに伴いリハビリ同行や施設職員さんへの助言の機会も増えた。
周囲の方々にとって作業療法士と出会う機会は少なく,身近な存在ではまだまだないのだなと実感させられた。また,作業療法士は,どこか敷居が高く「先生」という存在と思われているとも感じた。作業療法士はもっと身近な,気軽に声が掛けられる存在になって欲しいと思っている。そのために私が出来ることは何か?依頼はなるべく断らず,一緒に考え,思いを共有し,不明な点はその道のプロへ助けを求め,どうにか解決に近づけること,そして相談してよかったとホッとしてもらえる身近な存在になれればいいな。
岩沼市健康福祉部社会福祉課
『興味関心!!』
昨年は,ご利用者様のニーズに答えて「ショッピング」,「動物愛護センターふれあい会」,「バイキング食」,「マッサージ」及び「足つぼリフレクソロジー」を企画させていただきました。
行事を通じて,ご利用者様のたくさんの笑顔と出会うことができて,職員一同,やりがいを実感しております。
ご利用者様の「興味関心」を尊重して支援できるように,今後も頑張ります。
大和町デイサービスセンターひだまりの丘
『なぜポラリスデは水分を摂るの??』
今回は自立支援介護の中でキーワードとなる言葉の「水分」について,ポラリスで取り組んでいる内容を少しご紹介したいと思います。
まず,水分を摂取する効果として,(1)意識レベルの向上,(2)全身の活動性の向上,(3)認知症予防など大きくあります。
ポラリスではサービス時間内に摂取量の目標値は3時間滞在で500cc以上としております。なぜなら,飲水で必要な水分量が1日に1500ccとされているからです。
運動前後のカフェタイムでお好きなお飲み物を召し上がって頂き,運動時は一つの運動が終わる度に水分提供をしております。その為,ほとんどのご利用者様が500ccという目標値をクリア。中には無理なく1000cc以上召し上がられる方もいらっしゃいます。
実際に活動量と水分量を改善した事で,「夜間排尿が少なくなった」,「ぐっすり眠れるようになった」,「便通が良くなった」,「頭がスッキリした」,「幻覚が見えなくなった」など,様々な嬉しいお声が沢山聞かれております。
ポラリスデイサービスセンター多賀城
『チークダンス歩行』
当ステーションに勤務して1年になります。長い病院勤務から訪問リハに活動の場所は変化しましたが,対象者に対する思いは変わらず,利用者様に少しでも希望を持っていただけるよう日々取組んでいます。
今回,脳卒中片麻痺や廃用症候群などで歩行が困難になった利用者様に対して行っている訓練方法を紹介します。この方法は私が病院でリハビリを行っていた時に,それを観ていた患者さん達から「ダンスを踊っているようだ!」と言われたことから「チークダンス歩行」と命名しました。
基本の流れは,(1)利用者様と向かい合って立ち,膝と膝とを合わせて筋力の弱さをサポートし,臀部を前に引き寄せます(さながら,チークダンスの様ですね)。(2)利用者様の重心をゆっくり左右に動かし,抗重力筋を鍛えます。(3)筋力の弱い側の足を支持として,反対の足を前後左右にステップし,その後,前後左右に歩いてもらいます。
膝をロックさせないようすること,膝が当たり,痛い時はクッションなどで優しく挟む様にするのがポイントです。膝折れが軽度の利用者様からはじめると上手くいと思います。
やまもと訪問看護ステーション
『すずめのお宿に連れてって♡』
最近,デイサービス玄関の雨樋に,すずめが巣を作りました。雨樋へいっぱいの枯れ草を運び,たまごを生む準備をしています。
「たまごを取りに蛇が来るから取った方が良い」とか「排水が詰まるから取った方が良い」など言われますが,人が出産直前に産婦人科が潰れたら!っと思うと壊せません。
すずめのお宿へ連れて行ってもらい,大きなつづらをもらえるように見守りたいと思います。
鶴巣「桜の家」
『日常生活動作』
当施設では現在,理学療法士と看護師による個別機能訓練を実施しています。
個別機能訓練に参加するご利用者様の多くは筋力低下などにより,日常生活動作の一部が困難な方や歩行が不安定な方が多くいらっしゃいます。
日常生活動作の低下が見られてから訓練を実施するのではなく,その前に訓練を実施する事が大切だと強く感じております。
高齢者の多くは「生涯を通して,自宅で生活したい」と感じており,私たちはそれを実現するための援助をしたいと考えております。デイサービスご利用者様の中には,常に介助を求める方もおり,出来る動作でも場合によっては介助してしまう事もあります。
デイサービス利用時は,出来る動作は実践して頂く,早い段階で訓練を開始して頂く事を心掛けております。ご利用者様の状況を日々観察し,スタッフ間で情報を共有し,疑問を常に持って問題提起していくことが大切だと思っています。
セントケア塩釜松陽台デイサービスセンター
『人生の先輩!!!』
介護保険制度が改正され,ご自宅への3ヶ 月毎の訪問が実施されるようになってから,約2年が経過します。
デイサービスで接する利用者様とご自宅での利用者様は勿論,同一人物なのですが表情はまったく別であることが多く,とても驚いています。
ご自宅では,非常に表情が柔らかく,当センターではあまり見たことのない笑顔でおもてなしをしてくれたり,とてもテキパキとしているのです。
独居の方や日常生活動作が思うようにできない方など様々ですが,その方なりの方法で毎日を過ごしてらっしゃるのだと,勝手にその先に想いを馳せては懸命さに愛しさを感じております。
これまでどのような人生を過ごしてこられたのか?子供時代,青春時代など,利用者様一人一人の歴史を想像しながら,今の生活に少しでもお役に立てるよう過ごす日々です。
岩沼市デイサービスセンターたけくま
『アクティブリハ』
当施設では,レクリエーションはもとより,機能訓練が盛んで,利用者さんがとてもリハビリに対して意欲的です。
リハビリの実施だけでなく,利用者さんと職員間でコミュニケーションも楽しみながら取組んでいます。
朝から機能訓練室の前に長蛇の列ができ,「リハビリはまだ?」,「一番にしてくれ」など活気と意欲に満ちた空間になっており,見学にみえた方も思わず軽体操に参加されて行く姿も見受けられました。
七ツの森デイサービスセンター
『折り合い』
様々な出来事に利用者様が折り合いをつけてくれていると,日々感じることがあります。
孫の歳と大して変わらないような職員に敬語を使い,同じ世代の利用者様に丁寧に接する。住まい,性格,好みが人それぞれ違うのに折り合いをつけて譲ったり,譲れなかったりしている姿をみながら手を貸したり借りたりしながら家事仕事を協同しているようです。
その姿を近くから見守りながら「折り合いをつけているなあ」と感じております。
職員は利用者様から,日々生き抜くための折り合い,塩梅のとり方を教わっております。
通所介護支援事業所ZEN
『ある日の出来事から見えてきたあすなろの姿』
7月,行事で訪れた市内の某レストランにてハンバーグをきれいに切り分けていたメンバーのIさん。その見事なナイフ・フォークさばきに,私の知らない“かつてのIさん”を想い,つい見とれてしまいました。
食後,「今日はT君のおごりかな?」とニヤニヤと伝表をT君に差し出すと,「ゴチになりまぁす」と笑いながら続けるメンバーさん達。笑って逃げるT君。(こんな冗談のやりとりが交わせるようになったのか)と心がほぐれるひとときでした。
その時まで知らなかった素敵な一面や魅力を発見したとき,うれしい驚きを感じます。そして,日々繰り返される作業は個別的に見えても,少しずつお互いを知り,つながり,人間関係が育まれているのだな,と感じる今日この頃です。
岩沼市精神障害者小規模作業所「工房あすなろ」
『やわらぎサロン』,『福祉QCサークル活動展開中』
『やわらぎサロン』
近隣の高齢者の方々を対象に,2か月に1回のサロンを開催しています。70代から90代の女性10人以上の方に参加をいただいております。毎回可愛らしい作品を作って,11月の地区文化祭にも出展されております。
『福祉QCサークル活動展開中』
利用者様へのサービス向上につながる業務改善の取り組みとして,今年度も「福祉QC活動」を展開しています。今年度は,「ムダな時間・ムダな動き」を徹底検証し,業務改善をすることにより,利用者様のサービス向上に時間を使おうとする取り組みです。職員一丸となって頑張っています。
サークル名「アットホームやわらぎ」
通所介護事業所やわらぎ
『元気の秘訣』
地域で出会った高齢者の方に元気の秘訣を聞いてみると,皆さんが「人に会うこと」と話されます。人が持つ力ってどういうことなんだろうと考えていた時,私は先日ある高齢者の自宅に訪問して気づきました。
その方は,悲しみが癒えず食事もあまり摂れず,何も意欲がないという方でした。その方とお会いし,週に1度話を聞く中で,私の訪問日にあわせて部屋を掃除したり,美容院へ出掛けるようになりました。最近では近所の方の声掛けにより,地域の体操教室へ出掛けるようになりました。「人に会う」ことでこんなに人って変わるのかと実感しました。
時には会いたくないと思われる時があるかもしれませんが,元気になって欲しい人がいるなら,声を掛けることから始めて行きたいと思います。
塩竈市健康福祉部長寿社会課地域支援係
『現在の介護保険におけるリハビリテーションの在り方について』
デイサービスでのリハビリは,いわゆる維持期における加齢による身体機能低下の予防目的のリハビリが中心となります。この維持期のリハビリの在り方が平成27年度の介護保険制度改変で大きく変わりました。制度上のリハビリの在り方としては在宅における活動と参加に焦点を当てたサービスを大きく評価する方向性が明記されました。
介護サービスに携わるリハ専門職に問われているのは,「今の体を上手に使って出来ること」の確立と,「その為に何が必要か」の道筋を考える事で,その為には通所しない間の在宅での過ごし方を工夫していく事も大切なことと聞きました。
難しいようですが,生活の中で行う動作一つ一つを正しい知識で意識して実施する事が,時には,たった数分の個別リハビリの何倍もの効果を得る事が可能な事もあります。また,心においても「社会性の復権」を感じて頂くことで心身共に充実した生活を送ったことにつながるのではないでしょうか。
スタッフ一人一人の想いは,あくまで利用される皆様と視点を一緒にし,その方のお悩みや生活の中で目標を見出す事だと考えております。またこれが介護という仕事の面白さだと感じております。
これからも皆様に寄り添って様々なお話を伺いながら,サービス展開していくことができればと考えております。
名取市デイサービスセンター青松苑
『今でしょ!!』
ある療養者さんの希望は「イルカが見たい」でした。刻々と身体の状態が変化する中その強い願いに私達は感動し,反面戸惑い,どうしたら実現することができるのか,日々悩み検討を重ねました。看護師は呼吸状態の評価とリスクへの対応,理学療法士は水族館へ行くことを前提としたリハビリメニューの実施。介護タクシーの方には車内の設備を加えてもらいました。現場の下見を事前に行い,休憩室や電源の確保については施設の方に快く対応して頂きました。万事に備え手動吸引器も急遽調達することができました。何よりも本人が当日まで体調を崩さないように努力していました。関わっている多職種の皆さんが賛同し,協力が得られなければ実現できなかったことです。看護師の思いだけはとても成し遂げられなかったでしょう。
「イルカが見たい」と何度もiPadで表現したその意思は,私達訪問看護師の行動力を生み出し,多職種が連携すれば実現できるということを証明してくれました。あの時期,あのタイミングで進めなければ,願いを叶える事はできませんでした。チャンスを逃せば二度と訪れない珠玉の時間。いつやるの?「今でしょ!!」
大雨の中,皆でイルカショーを見た感動は忘れることができません。現場での学びはとてつもなく大きいものです。チーム力を大切にし,いっそうケアに取り組んで行きたいと思います。
くろかわ訪問看護ステーション
『転ばないで過ごすために』
個別機能訓練では,目標に沿って出来る限り達成出来る様にお手伝いさせていただいております。
「自宅でも転ばないで過ごしたい!」という方が多く,そのようなニーズの方には歩行練習を主としたリハビリテーションプログラムを実施しています。歩行に関しては,平行棒や整備された床の上を;歩くだけではなく,自宅の玄関先や家の中の段差を想定した応用歩行練習を行っています。当施設の敷地には芝生や砂利道,段差などがあり,日常生活に沿った様々な環境に対応する練習が可能です。
転ばない為には,お身体のみならず,注意力や認知機能を保つことが重要です。脳と体の機能を効果的に向上できるように取組むことが大切と考え,2つのことを同時に行う二重課題にも積極的に取組んでいます。例えば計算しながらの運動,決まった数字でのステップなど,お話に夢中になりながら歩く事も効果的です。
目標をかなえるにはどんなことが必要なのか,常に意識しながら,利用者様と共に進んでいきたいと思います。
バイタルケア名取デイサービスセンターさふらんの家
『幸せな時間』
「皆さまにとって幸せな時間とは何ですか」。意見は様々あると思いますが,人々の幸せと密接に関わるものの一つとして“食事”が挙げられるのではないかと私たちは考えます。美味しいものを食べると自然と笑顔になったり,会話が弾みコミュニケーションの輪が広がると思います。
当施設では,施設内で調理を行い,利用者様の意見を参考にしながら季節の食材や行事を考えて提供しています。当施設の利用者様方も「とてもおいしいです。」,「これ,また食べたいですね。」など,たくさんの声が聞かれています。
しかし中には,「手指巧緻性の低下等により箸操作が出来なくなった」,「嚥下機能が低下し,ムセ易くなってしまった」などの意見も聞かれます。
このような状況に対し,私たちは何ができるでしょうか。当施設では,理学療法士や作業療法士だけではなく,言語聴覚士が常勤しているため身体機能のアプローチだけではなく,嚥下に対するアプローチも行っております。
皆様にとって幸せな時間とは様々だと思います。利用者様の声を第一に聞き,その方の目標や希望を実現できるようサポートしていきたいと思っております。
太陽の郷愛島デイサービスセンター