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宮城県では比較的夏季が涼しく,冬季に晴天が多いという気象条件を活かし,スプレーカーネーションが一年中栽培されています。冬季の栽培では,好適夜温(10~15℃)より低く管理すると,生育・開花が遅れ,茎が太くなり,孫芽が増え,草姿が乱れるなど切り花品質の低下を招きますが,近年の燃油価格高騰により,冬季の好適夜温維持は経営上困難になっています。
そこで,最近,省エネルギー技術として注目されているEOD-heating(end of day heating)処理(日没直後から数時間加温し,それ以降は慣行よりも低温で管理する処理)をスプレーカーネーションの栽培に適用して,冬季の燃油消費量削減が可能かどうか検討しました。
平成28年5月開花までの作型では,スプレーカーネーション品種「シプレ」と「アメリ」を供試し,最低気温を日没後4時間15℃,その後日の出まで5℃,その他の時間は10℃に管理するEOD-heating処理を行うと,最低気温を終日10℃で管理する慣行と比較して,「シプレ」のみ開花始期までの到花日数が短縮しましたが,両品種とも株当たりの収穫本数,切り花品質はほぼ同じとなり,燃油消費量を23.2%削減できることが明らかになりました。
今後は,さらなる燃油消費量の削減を目指した研究に取り組んでいきます。
EOD-heating処理によるスプレーカーネーションの栽培
EOD-heating処理における燃油消費量の比較
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