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近年天敵や有用微生物による病害虫の発生抑制をはじめとした総合的病害虫管理(IPM)が注目を集めており,有用生物群の活動を高めて被害軽減を図る技術開発が必要です。宮城県におけるイチゴ栽培では果実に直接被害を与えるアザミウマ類が問題となっており,化学合成農薬抵抗性の顕在化などから天敵等を用いた防除法の開発が急務となっています。ここではアザミウマの天敵であるアカメガシワクダアザミウマ(商品名:アカメ,石原産業社製,本年12月販売開始予定)をご紹介します。
アカメガシワクダアザミウマは各種アザミウマ類の幼虫を捕食し,アザミウマによる被害果を少なくする効果があることが分かっています。おもに花や幼果にいてアザミウマ類の花への侵入,加害を防ぎます。低温でも活動するのが特徴です。
当所ではアカメガシワクダアザミウマを使ったアザミウマ類抑制効果をイチゴ栽培において試験しています。赤色ネットや化学薬剤との併用,放飼回数など有効利用法について検討しており,今後随時情報提供を行う予定です。
図1 アザミウマ類幼虫を捕食するアカメガシワクダアザミウマ
図2 アカメガシワクダアザミウマの幼虫
(写真提供:石原産業)
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