掲載日:2013年7月30日

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トピックス(H25)/キクに感染するウイロイドの残存性

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(農園研 バイオテクノロジー開発部)

キクに感染するキクわい化ウイロイド(CSVd)及びキククロロティックモットルウイロイド(CChMVd)は,分解しにくい構造を持つ低分子の核酸で,いずれも汁液伝染します。これらのウイロイドは植物残渣中でも長期間活性があることが知られており,廃棄した感染植物体も感染源になる可能性があります。
そこで,ウイロイドに感染したキク葉片(1cm角)を,(1)プランターに入れた土の上に置く,(2)プランターに入れた土の深さ5cmに埋める,(3)バットの上に置く,(4)5℃,15℃および25℃一定の温度環境下に置く,という条件下で10~180日間処理した後に,ウイロイドが遺伝子診断(RT-PCR法)で検出されるかを調べました。(1)~(3)の処理は,温室内で6月から8月にかけて行ったので,気温,地温ともに,期間中の平均温度は20~30℃となりました。
その結果,(1)では,葉片が褐色になった処理30~60日後,(2)では,葉片が褐色になり,腐食して緑色部分が見られない状態となった処理10日後,(3)では,葉片が褐色になり,乾燥状態となった処理10日後,(4)では,5℃及び15℃の場合は処理60日後,25℃の場合は処理180日後でもウイロイドが検出されました。
感染植物体を,葉片と同じ条件で処理した場合には,RT-PCR法でウイロイドが検出されなくなるまで,さらに長い期間がかかると考えられます。
これらのことから,ウイロイドの感染が疑われる株は,ほ場外に持ち出し,埋設又は焼却により処分する等,適切な防除対策を行うことが重要です。

(平成25年7月30日掲載)

キクわい化ウイロイドによりわい化症状が発生したキクほ場の写真
図 キクわい化ウイロイドによりわい化症状が発生したキクほ場

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名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

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