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掲載日:2012年9月10日

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トピックス(H23)/土壌微生物バイオマス※の指標としての簡易なATP測定

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土壌微生物バイオマス※の指標としての簡易なATP測定(農園研 バイオテクノロジー開発部)

堆肥の投入による化学肥料節減栽培を続けてきた生産者から,これまでの土づくりの効果を診断してほしいとの要望があります。また,東日本大震災での海水流入農地において,土壌中の微生物の状態を把握することは,早期改善の一助になると考えられます。これらに応えるため,農業・園芸総合研究所では,土壌微生物バイオマスの測定方法を検討しています。

土壌微生物バイオマスの指標には様々ありますが,ATP(アデノシン三リン酸)は,「生体のエネルギーの通貨」と言われる物質で,土壌中のATP含量は,土壌微生物バイオマスと正の相関があることが知られています。したがって,ATP含量を測定し,有機物を栄養源として増加する土壌微生物の量的指標として用いることができます。これまで,土壌バイオマスの測定には高価な分析機器が必要とされていましたが,近年,携帯性に優れた小型ルミノメーターが商品化され,土壌中のATP含量を簡易に測定できるようになりました。一定量の土壌からATPを抽出した液を,発光試薬の入った専用の測定チューブに入れ,発光の強さをルミノメーターで数値化します。抽出液の測定は,測定チューブに入れてから30秒以内で完了します。

この技術を活用し,土壌消毒の効果や,堆肥を利用した土づくりの効果,農地の地力回復等について,土壌微生物バイオマスのモニタリング調査を行っています。

※:バイオマスとは,特定の時点においてある空間に存在する生物(bio-)の量を,物質の量(mass)として表現したもの。通常,質量あるいはエネルギー量で数値化する。日本語では生物体量,生物量もしくは現存量の語が使われる。

(平成23年10月4日掲載)

小型ルミノメーター
【測定に使用する小型ルミノメーターと専用の測定チューブ】

堆肥施用の有無や季節の違いによるATP量の違いの図
【堆肥施用の有無や季節の違いによるATP量の違い】

土壌消毒前後のATP量の変化の図
【土壌消毒前後のATP量の変化】

お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所野菜部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8131

ファックス番号:022-383-9907

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