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掲載日:2018年6月1日

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研究PRパンフレット(H30)/大麦を利用したリビングマルチによる害虫抑制効果

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宮城県農業・園芸総合研究所

大麦を利用したリビングマルチによる害虫抑制効果(PDF:200KB)

園芸環境部 虫害チーム TEL:022-383-8246

研究の目的

施設園芸では,天敵類を活用した生物農薬や各種物理的防除手段など,化学合成農薬だけに頼らない総合的病害虫管理技術(IPM)が拡大しています。しかし,露地園芸では化学合成農薬の代替手段が不足しており,IPMの普及は進んでいないのが現状です。
リビングマルチとは,主として栽培する作物の生育中に地表を覆うように同時に生育させる別の植物を指します。リビングマルチには雑草抑制や土壌水分維持などの効果が知られていますが,最近では害虫の密度を抑制する効果も明らかになりつつあります。
ここでは,大麦をリビングマルチとして利用した場合のタマネギとキャベツでの害虫抑制効果について紹介します。

研究成果

  • 1)タマネギ栽培において,通路部分に大麦を5~10kg/10a相当量播種することにより(図1),主要害虫のアザミウマ類の寄生密度を大幅に抑制することが可能です(図2)。
  • 2)キャベツ栽培において,通路部分に大麦を5~10kg/10a相当量播種することにより,主要害虫のうちモンシロチョウ,アザミウマ類,アブラムシ類の寄生密度を1/3程度に抑制することが可能です(図3)。また,タマナギンウワバ等のヤガ類の寄生密度も2/3程度に抑制可能ですが,コナガに対しては抑制効果が認められませんでした。
  • 3)タマネギ栽培では本技術を取り入れることにより,殺虫剤の使用成分数を1/2以下削減することができます。また,キャベツ栽培では本技術に交信攪乱剤,BT製剤を併用することで殺虫剤の使用成分数を1/2以下に削減することができます


タマネギ栽培におけるリビングマルチ利用状況
図1 タマネギ栽培におけるリビングマルチ利用状況
リビングマルチ(LM)によるネギアザミウマ幼虫の抑制効果
図2 リビングマルチ(LM)によるネギアザミウマ幼虫の抑制効果
リビングマルチ(LM)によるモンシロチョウ産卵抑制効果
図3 リビングマルチ(LM)によるモンシロチョウ産卵抑制効果

利活用の留意点等

  • 1)本技術はI PMのひとつのメニューです。化学合成農薬を含む他の防除手段と併用して適切な防除を行ってください。
  • 2)「食料生産地域再生のための先端技術展開事業」(平成24~29年度)による成果です。

より詳しい内容は「普及に移す技術」

第93号(平成30年発行)「大麦リビングマルチを利用した春まきタマネギのIPM体系」,「大麦リビングマルチを利用したキャベツのIPM体系」をご覧ください。

普及に移す技術

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お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

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