トップページ > しごと・産業 > 農業 > 技術支援 > 普及に移す技術 > 第90号以前 > 普及に移す技術第89号/参考資料4

掲載日:2016年4月1日

ここから本文です。

普及に移す技術第89号/参考資料4

選択 一覧に戻る

参考資料(平成25年度)

分類名〔水稲〕

ALS阻害剤交差抵抗性イヌホタルイの確認

ALS阻害剤交差抵抗性イヌホタルイの確認(PDF:149KB)

宮城県古川農業試験場

1 取り上げた理由

本県においてスルホニルウレア(SU)抵抗性雑草に効果のある新規のアセト乳酸合成酵素(ALS)阻害剤(プロピリスルフロン・ピリミスルファン・ペノキススラム等)に対しても抵抗性を示す(以下,ALS阻害剤交差抵抗性)イヌホタルイが確認されたので参考資料とする。

2 参考資料

  1. 遺伝子解析の結果,県内の水稲作付け圃場においてイヌホタルイの残草がみられた圃場のうち,平成24年は38筆中2筆,平成25年は29筆中4筆(うち2筆は平成24年と同一圃場)でALS阻害剤交差抵抗性を示すイヌホタルイが確認された(表1,図1)。
  2. ALS阻害剤交差抵抗性を示す遺伝子変異個体が確認された圃場は,発根法による検定においても抵抗性を示す個体の割合が高く,発根法により遺伝子変異個体が存在する可能性の高い圃場を検出できる(表1)。
    ALS阻害剤交差抵抗性イヌホタルイの検出図
    図1.ALS阻害剤交差抵抗性イヌホタルイ

3 利活用の留意点

  1. イヌホタルイは1圃場から5~10株程度を採取し,発根法には平成24年は3株(反復)/処理区,平成25年は5~10株(反復)/処理区を用いた。
  2. イヌホタルイに対して効果が高く,ALS阻害剤と作用機作の異なる成分には,ブロモブチドやクロメクロップ,ベンゾビシクロン,シメトリン,MCPB等がある。ALS阻害剤交差抵抗性イヌホタルイの防除には上記有効成分を含む除草剤の使用を検討する。
  3. 3)「ノビエ2.5葉期」や「ノビエ3葉期」まで処理できる従来のブロモブチド含有一発処理型除草剤は,「ホタルイに対しては2葉期まで」の適用である。そのため,安定した除草効果を得るためには,イヌホタルイ2葉期以前での処理が可能な「ノビエ2葉期」までに散布することが望ましい(図2)。

(問い合わせ先:宮城県古川農業試験場 水田利用部 電話0229-26-5106)

4 背景となった主要な試験研究

  • 1)研究課題名及び研究期間
    大規模水田農業地帯における総合的雑草管理システムの構築(平成24~25年度)
    新資材・生育調整剤及び雑草防除に関する試験(平成17~25年度)
  • 2)参考データ
    表1遺伝子解析と発根法による検定(平成24~25年)
    プロモブチド含有除草剤の処理時イヌホタルイ葉齢と残草量のグラフ
    図2 ブロモブチド含有除草剤の処理時イヌホタルイ葉齢と残草量の関係
  • 3)発表論文等
    • a 関連する普及に移す技術
      • a)スルホニルウレア剤抵抗性水田雑草の確認(第76号参考資料)
      • b)スルホニルウレア剤抵抗性水田雑草の防除法(第76号参考資料)
      • c)スルホニルウレア抵抗性雑草の簡易検定法(発根法ITOキット)の活用(第79号普及技術)
    • b その他
      • a)大川茂範・北川誉紘・青木大輔*・内野彰*(*:中央農研)2013,宮城県の水稲作圃場におけるALS阻害剤交差抵抗性イヌホタルイの確認,雑草研究58号(別),P94

農業系三場所に戻る

QRコード

お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

information retrieval

このページに知りたい情報がない場合は