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令和3年5月28日,農林水産省と公益財団法人日本農林漁業振興会が共催する「豊かなむらづくり全国表彰事業」へ宮城県が推薦した,大崎市鳴子温泉地域の「南原ホタルの里保全の会」の取組みについて,鳴子温泉地域中山地区南原集落で東北農政局村づくり審査会による現地審査が行われました。
今回,審査対象となった「南原ホタルの里保全の会」は鳴子温泉地域の西部に位置する南原集落の農家・非農家及び地区外の方を構成員として結成された団体で,地域の用水路等の管理補修,農地の環境保全活動を行っています。
南原集落は江戸時代初期まで人家のほとんどない荒れ地でしたが,1630年頃,中山地区に羽前街道の宿駅を設けるために藩が居住人を募り,それに伴い新田開発が進められました。生活・営農には水が不可欠ですが,集落を流れる大谷川は居住地・農地よりも約20~30メートル低い位置を流れており,川から直接水を引くことができませんでした。そこで,大谷川の上流部の沢から取水し,南原穴堰と呼ばれる山の地面を手掘りでくり抜いた隧道(トンネル)と水路を通すことで用水確保を可能としました。
南原穴堰の開水路と隧道
開水路部分
随道部分
南原穴堰は開通から370年以上経過した現在も集落の生活用水,農業用水を供給し続けています。その維持管理に尽力しているのが「南原ホタルの里保全の会」で,毎年2回,水路内の土砂払い・清掃活動を行っています。
また,団体名にあるとおり南原集落は昔からホタルが多く飛び交う「ホタルの里」であり,その生息環境を守ろうと環境保全活動にも取組んでいます。
南原ホタルの里保全の会の活動
南原穴堰の清掃作業
ホタルの生息池
営農分野では耐冷品種米である「ゆきむすび」を作付し,寒冷地に対応した営農を行っています。
「ゆきむすび」を使ったおにぎりを販売する「むすびや」の運営や漬物技術の伝承,ノルディックウォーキング等の情報発信は地域の女性たちが中心となり活躍しています。
また,平成29年に大崎耕土が「世界農業遺産」に認定されたことをきっかけに鳴子温泉エリアとして南原集落へ注目が集まっています。近年では,視察や清掃作業・農作業の手伝いのために多くの人が訪れるなど人の輪が広がりを見せています。
現地審査では,聞取調査によりむらづくり活動の概要説明・審査委員との意見交換が行われた後,ホタルの生息池,南原穴堰の現地視察が行われました。
室内審査
審査会現地視察
ホタルの生息池
南原穴堰
審査結果は10月下旬に発表される予定です。
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