ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

美豆の小島ワークショップ

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年9月10日更新

「美豆の小島」の魅力を再び!(第1回)

国道47号からの入口の写真

「小黒崎 みつの小島の人ならば 都のつとに いざといわましを」

皆さんは,この和歌をご存知でしょうか? これは,平安時代に醍醐天皇の命をうけ編纂された古今和歌集の中で詠まれている和歌です。この和歌は,

「小黒崎と美豆の小島が人であったなら,都へのみやげとして是非とも持って帰りたいものだ」

の意味で,小黒崎とみつ(美豆)の小島の景色が大変すばらしい様子を詠んでおり,この他にも続(しょく)古今和歌集などでも歌枕の地として数々和歌に詠まれています。また,江戸時代には,松尾芭蕉が門人の河合曽良とともに「おくのほそみち紀行」でこの地に立ち寄ったといわれる大変歴史のある史跡です。この昔ながらの歌枕の地である「小黒崎」と「美豆の小島」は,北部土木事務所管内の江合川,大崎市鳴子温泉の国道47号,小黒崎観光センターより,鳴子方向へ車で約1分のところにあります。現在北部土木事務所河川班では,大崎市,地元(川渡地域づくり委員会)と三者協働で,この「美豆の小島」中心の環境整備の活動を行っています。この度の北部土木事務所のHPリニューアルに合わせて,今年度4回(予定)に分けて,この活動を紹介していきたいと思います。去る平成20年5月に,土木事務所河川班あてに地元要望として,「江合川にある美豆の小島の復元」の話がやって来ました。当時,班員たちは,「美豆の小島?どこですか?何ですか?」というのが正直な気持ちで,その場所はおろか,その歴史なども全く分からない状態でした。そこで色々と調べていくと,先に書いたような,歴史のある,大変美しい景色の場所であり,松尾芭蕉と共に訪れた河合曽良の記述では,「川の中央に岩の島があり。松が三本その他小木が生え,川の右岸と陸続きになっていた。」とあることから,「川の流れの中に目玉焼きみたいに小島のある風景」と勝手に想像していました。

草に埋もれている美豆の小島の写真

草に埋もれている美豆の小島

そして,実際に,「美豆の小島」に行ってみると・・・。右の写真のようでした。 草はぼうぼうと生い茂り,島は堆積した土の上にあり,古今和歌集に詠われた美しい景色でも,曽良が記述したような川の中央の岩の島でもありません。せっかくの歴史のある風景がこの状態では・・・。地元のみなさんが「美豆の小島の復元」を要望される気持ちも良く分かります。しかし,江合川自体に河川改修の予定はありません。「復元したいけどどうすれば?」。そう思っていたところに,大崎市さんから,とある打診がやってきたのです。

「美豆の小島」の魅力を再び!(第2回)

国道47号からの入口

前回までのあらすじ

去る平成20年5月,土木事務所河川班に,「美豆の小島」の復元の話が地元からの要望としてやってきました。その当時は,過去に歌枕として詠われた美しい景色の面影はなく,復元しようとも「美豆の小島」のある江合川には宮城県としての河川改修計画はなく,おいそれと手をつけることも出来ません。「さて,どうすればよいものか・・」と手をこまねいていたところ,大崎市から,とある打診がやってきました。

大崎市からの打診

当初,班員の間では,「改修計画のないこの地域で,河道を変えて昔のような川の中の小島を復元するには無理があるのではないか?」「管理費(河川管理のための予算で比較的融通のきくもの)で対応するにしても限度があるし・・」「県ではない,どこかの団体と協働で実施すれば,少ない予算で効果的に整備できるかも・・」という意見が多く起こりました。 そこで,「河川管理者である県の土木事務所だけでなく,大崎市や地元も一緒になり,三者それぞれができることを一緒にやっていけないか?(地域コラボ事業)」と,大崎市に投げかけました。  この目的は,単に「美豆の小島」を昔のような風景に戻そうというだけではありません。「美豆の小島」を大崎市の観光資源と位置づけて 周辺の環境を整備し,観光客を誘致することにより,この地域の魅力を向上させようというものです。三者それぞれの出来ることとは,例えば,除草や花壇などの環境整備は地元,案内看板や遊歩道などの観光施設は大崎市,「美豆の小島」周りの水辺の復元は宮城県,といったものを考えていました。 そして,同年9月に大崎市長から打診(依頼)がありました。それは,「10月から12月にかけて展開される「仙台・宮城デスティネーションキャンペーン」に向けて,訪れる観光客に喜んで帰ってもらえるよう,「美豆の小島」周辺の環境整備を,地元,大崎市,宮城県の三者協働のコラボレーション事業として進めていきましょう」というものでした。

宮城県観光PRキャラクターむすび丸

ワークショップの立ち上げ

第1回ワークショップの様子

第1回ワークショップの様子

大崎市からの打診をうけ,平成20年9月,地元から「川渡地域づくり委員会」,大崎市から「鳴子総合支所,建設課河川係」,宮城県から「北部土木事務所河川班」がメンバーとなってワークショップを立ち上げることとなりました。平成20年9月16日,大崎市の川渡公民館で第1回のワークショップをおこないました。 その中で,現在の「美豆の小島」周辺の現況を再確認し,この地域の魅力と問題点を洗い出したうえで,環境整備案を平成20年度中にまとめて,平成21年度以降は案に基づいて整備を実施していくことを決めました。 ただし,平成20年度にまとめる案には,「どんな整備をするのか?」「誰が整備するのか?」「いつやるのか?」「整備に伴うリスクにはどんなものがあるのか?」「整備後の維持管理は誰がやるのか?」などを盛り込んで,夢物語ではない,現実に整備可能なものとすることとしました。 さらに,5日後の平成20年9月21日に,第2回のワークショップをおこない,10月からの「仙台・宮城ディスティネーションキャンペーン」を迎えるに当たり,地元の皆さんが主体で「美豆の小島」周辺の除草をおこないました。 その後,第5回までワークショップを行い環境整備案をまとめました。 その内容などは,次回お伝えします。

ワークショップ前(平成20年9月撮影)

ワークショップ前(平成20年9月撮影)

ワークショップ後(平成20年9月撮影)

ワークショップ後(平成20年9月撮影)

御協力お願いします。

本連載の第1回「『美豆の小島』の魅力を再び!」で1つの和歌と意味を紹介しました。この他にも「美豆の小島」を詠んだ和歌がありますが,私ではその現代訳が分かりません。 そこで,いくつか和歌を挙げますので,その現代訳の分かる方は,ぜひ北部土木事務所河川班まで,メール( nh-dbkks@pref.miyagi.jp )でお知らせ願います。

  • 小黒先みつの小島にあさりする田鶴そなくなり浪たつらしも(続古今集従二位家隆)
  • をくろさき美つの小島のゆふくれにたななし小舟行ゆくへしらすも (夫木集)
  • 人しらぬ岩木もさらにかなしきはみつの小嶋の秋の夕くれ(続古今集順徳院)

草に埋もれている美豆の小島

美豆の小島と小黒崎(平成21年2月撮影)

また,その他の「美豆の小島」関係の和歌とその現代訳も併せて教えていただければ幸いです。