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令和3年1月14日(木曜日)に,令和2年度宮城県ガンカモ類生息調査(2回目:飛来最盛期)が実施されました。
宮城県では,国内に飛来するガン類の約8割が飛来する伊豆沼や蕪栗沼などの有数な渡り鳥の飛来地を有しており,渡り鳥の生態や生息状況を把握するため,毎年11月,1月,3月の計3回(11月と3月は宮城県独自調査)の調査を実施しています。
当管内においても,河川・河口及び海岸など37地点(気仙沼市22箇所,南三陸町15箇所)を職員及び自然保護員の計9名で調査を実施しました。
調査日 | 区分 | ガン類 | ハクチョウ類 | カモ類 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
令和3年1月14日(確定値 R3.3.1修正) | 全県 | 95,345羽 | 13,331羽 | 63,189羽 | 171,865羽 |
気仙沼管内 | 579羽 | 118羽 | 1,491羽 | 2,188羽 | |
令和2年1月9日(確定値) | 全県 | 273,722羽 | 9,585羽 | 55,523羽 | 338,830羽 |
気仙沼管内 | 107羽 | 41羽 | 1,235羽 | 1,383羽 |
1月調査は渡り鳥の飛来最盛期であり,宮城県で越冬するガン・カモ・ハクチョウ類がほぼ出そろった時期となります。
全県的には,ガン類が対前年同時期と比較し約65パーセント減(178,377羽減)となりました。これは,年末からの寒波の影響で主要なねぐらである県北部の湖沼が凍結したため,マガンなどが凍結しない環境を求めて南下した影響と考えられます。同様の傾向は平成12年度にも観察されています。
気仙沼管内では,ガンカモ類の棲息地である海岸,河川やため池などにおいて,東日本大震災からの復旧復興工事が最終盤を迎えており,その影響を受けている状況ですが,工事が完了した場所では震災前の状況が戻りつつある箇所も見受けられました。
特に,今回の調査では国の天然記念物であり国のレッドデータブック絶滅危惧2類に指定されている「コクガン」の飛来数の増加にあわせて,調査箇所も昨年度から6箇所増やして調査した結果,579羽(気仙沼湾358羽,志津川湾221羽)の飛来を確認することができました。これは昭和44年度の調査開始以来,県内での最大羽数です。
日本国内に飛来するコクガンは2,500から3,000羽程度ですので,気仙沼管内には全国の2割近くのコクガンが飛来してきていることになります。
コクガンはアマモなどの海藻類を餌としており,当地域には豊かな藻場とコクガン達が安心して生活できる環境が整っていることの証ではないかと思われ,今後とも大切に守っていきたいものです。
これから,ハクチョウやカモなどの野鳥観察に行かれる機会もあるかと思いますので,北国からはるばる越冬地としてやってきた冬の使者たちをあたたかく見守ってください。
なお,観察の際は以下のマナーを守って楽しく観察しましょう。
高病原性鳥インフルエンザは密接に接触をしない限り,鳥から人間に直接感染する危険性は極めて低いとされていますが,養鶏場へ高病原性鳥インフルエンザを媒介することになることがないよう,野鳥観察の後は靴底やタイヤ周りの消毒(消石灰など)や手洗い,うがいの励行をお願いします。
県内全体の調査の概要は宮城県環境生活部自然保護課のホームページをご覧ください。
【調査で確認された主な種類】
船揚場で水を飲みにきたコクガン(中央2羽)と休息するカモたち(長磯地内)
水田で餌を食べるオオハクチョウと虹(波路上地内)
クロガモ(オス)
平成27年度から令和元年度までの5年間の調査データについては,下記のPDFファイルをご覧ください。
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