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子どもを理解するためのキーワード「発達障害」

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年10月1日更新

「発達障害」ってなに?

 脳の働きの問題が生まれつき存在し,幼児期や児童期から何らかの症状の見られるものを発達障害といいます。

 発達障害には,広汎性(こうはんせい)発達障害ADHD(注意欠陥/多動性障害),学習障害などが含まれています。ひとくちに発達障害といってもその様子はさまざまです。また,同じ診断名がついていても,それぞれの個性や年齢,発達の程度や周囲の状況などによって,表に出てくる特徴は異なります。そのため,このようなお子さんと接していく際には,一人ひとりの個性や障害を正しく理解することが何よりも大切になってきます。

 その上でお子さんの苦手さを補いながら,得意な面を伸ばしていけるような指導をしていくことが望ましいと考えられています。

広汎性発達障害

 人とのやり取りや言葉の面などにおいて発達上の問題が認められる障害です。広汎性発達障害には自閉症やアスペルガー症候群などが含まれています。

自閉症

 広汎性発達障害の一つで,以下の特徴が見られます。

人とのやり取りの問題

 人と気持ちを分かち合ったり感情を表に出したりすることが少なく,両親や同じ年齢の子どもたちと上手に遊べないなどの問題があります。

言葉の問題

 話されたことを理解したり,上手に話をしたりすることが苦手で,人の言葉やテレビのフレーズなどをそのまま繰り返してしまうようなことが多く見られます。

こだわりや繰り返しの問題

 特定のものや場所などに強く固執したり,ある行為に没頭したりする傾向が強く見られ,その状態が変化するとパニックになってしまうことがあります。

アスペルガー症候群

 自閉症と同様に,人とのやり取りの問題,こだわりや繰り返しの問題などを持っていますが,言葉の目立った遅れのない点で自閉症とは異なっています。
 マイペースな振る舞いが多いために,周囲からは自分勝手と見なされやすく,不適切な対応を受けることがしばしばあります。そのため,被害的になりやすく,不登校をはじめ何らかの問題を生じることがあります。

注意欠陥/多動性障害(ADHD)

 注意と多動の問題を基本的な症状とする障害です。注意の問題とは,集中力の持続時間が極端に短いとか,一つの活動に集中することが難しく気が散りやすいというような状態をいいます。
 多動の問題とは,じっとしていなくてはならないような状況で過度に落ち着きがなく,立ち歩いてしまったり,そわそわしているというような状態を言います。また,情緒的にも不安定になりがちであるといわれています。 

学習障害(LD)

 全体的な知的発達に遅れはないものの,「聞く」,「話す」,「読む」,「書く」,「計算する」,または「推論する」といった能力のいずれかにおいて,その習得や使用に著しい困難を示す状態をいいます。また,この他にも,人と上手く関わるために必要な能力の一部に苦手さを持つ子どもたちもいます。そのため,学習の問題よりも行動上の問題,とりわけ,集団行動を上手くとれないというような形で問題が見つかる場合が少なくありません。

 「情緒障害」ってなに?

 周囲の人とのやり取りの中で生じた問題などによって,心理面や行動上の問題が生じている状態をいいます。情緒障害には,

  1. 緘黙(かんもく)や不登校,孤立などの非社会的行動 
  2. 反抗や盗み,怠学などの反社会的行動 
  3. チックや爪かみ,夜尿,偏食などの神経症的習癖

があります。これらの症状への対応の方法は,その背景にある問題を正しく把握し,問題の理解に基づいて環境調整などを行なっていくことが中心となります。

緘黙(かんもく)

 話をする力は持っているものの,何らかの理由によって話すことのできない状態をいいます。緘黙は,どのような状況においても全く話をしない全緘黙と,家庭では話すが学校では話しをしないというような場面緘黙とに分けられます。その背景には他者に対する過度の不安感があることが多く,周囲の人に関わり方を工夫してもらったり,治療者との遊びを介した関わりを通して徐々に不安感を和らげていく方法などが試みられています。

チック

 チックとは,本人の意思とは無関係に生じる突発的で反復性のある運動または発声のことをいいます。運動チックにはまばたきをしたり肩をすくめたりするものがあり,音声チックには唇や舌を鳴らしたり,咳払いをしたりするものがあります。一般に緊張や不安の強いられる場面で多く見られる傾向があります。多くは一過性のものであるため,無理にやめさせたりせずに温かく見守ってあげるのが望ましいと考えられています。

爪かみ

 習慣化して半ば無意識的に,自分の体の一部やそれ以外のものをいじる行為の一つと考えられています。偶然に始まり,しばらく続いた後に自然としなくなるのが普通です。爪かみの他によく見られる行為としては,指しゃぶりや性器いじり,髪の毛いじりなどがあります。これらは直接注意せずに,他の遊びや手先を使う作業に誘うというような対応をすることが望ましいように思われます。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)ってなに?

 死の恐怖や重大な外傷,災害,暴力など,身体や心の安全が強く脅かされる出来事を心的外傷トラウマ)といい,そうした心的外傷体験の後に不安と抑うつを中心とする特有の不安定状態が続くものをいいます。

 主な症状としては,

  1.  心的外傷を受けたときと同じ行動を繰り返したり,不安などの感情が何度も湧き起こってくる「再体験」
  2.  心的外傷と関連するような事柄を無意識に避ける「回避」
  3.  常にオドオドした感じで周囲の様子に警戒心を持つ「覚醒水準の亢進」

 の3つが挙げられます。