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街という鏡

宮城県名取市立みどり台中学校

三年 佐竹 若菜

私たちが住む街には、大都市と呼ばれる大きな街から田舎と呼ばれる小さな街まで、たくさんの街があります。そして、どんな街にも、人間で言う表情のような、独特の雰囲気があります。その表情は、建物や環境、人々の生活スタイルによって実にさまざまに変わってきます。街の表情を作るのはその街の人々ですから、街はそこに住む人々の生活を映し出す鏡と言っていいでしょう。

そう考えた時、小さな頃に遊んだ公園は、街の代表的な「鏡」となるのではないでしょうか。公園は、観光地になればなるほど目立つものです。もし、知らない街に行ってゴミだらけの公園を見たら「汚い街だなぁ」という印象を人々に与え、逆にきれいに整備された公園を見たら、「きれいな街だなぁ」というすがすがしいさわやかな印象を与えるものです。

では、「鏡」として恥ずかしくない公園とは、どのような公園でしょうか。

まず、公園に欠かせない遊具ですが、「楽しい」だけの遊具ではいけません。遊具で遊ぶのは、まだ幼い子ども達がほとんどです。「こうすると怪我をする」という事がまだわからない時期に、安全面に十分配慮していない遊具で遊ぶのは大変危険です。

以前、「箱ブランコ」と呼ばれる複数で乗るブランコの安全性が問題になりました。私が遊んでいた公園でも、箱ブランコは人気のある遊具でしたが、危険だと言われるようになって、いつの間にか撤去されてしまいました。当時はとても残念に思いましたが、子ども達の安全のための正しい判断だったと思います。

遊具の他に考えなくてはいけないのは、自然環境です。小さな子ども達が自然と触れ合える環境を作る事は、日本の美しい自然を守っていく事にもきっと繋がります。小さな頃から「自然は大切である」と理解していれば、その子達が成長して日本を支える立場になった時にきっと正しい判断をしてくれることでしょう。公園に植えられた木や花壇は、視覚的に私たちを和ませてくれるだけではないのです。

もしも、街の公園が、前にも述べたようなゴミだらけの公園になってしまったらどうでしょう。それは、鏡に映った人々の姿の醜さを表していることになるはずです。

もしも、鏡に映った自分の顔を見て、顔色が悪かったり、にきびだらけになっていたりしたらどうするでしょうか。

化粧をして隠せば、すぐに見えなくなります。しかし、にきびが治った訳では決してありません。むしろ、にきびを悪化させてしまう可能性が高いのです。大切なのは、にきびの原因を突き止め、その原因にあった対処をする事であるはずです。原因を正すことで、本当ににきびを治す事ができるのです。

にきびの原因は、栄養の偏り、寝不足、食べすぎなど、たくさん考えることができます。街も同じです。なぜゴミを捨ててしまう人がいるのか、どうすれば改善できるのかを考えて、適切な対処をしていく事が何より必要です。

「隠す」だけでなく、「正す」事が、美しい公園や豊かな街づくりには大切なのです。

私が住んでいる街は、今でこそたくさんの家が建っていますが、私が越してきた頃はまだ空地だらけの土地でした。そのため、近所の友達と遊んだという記憶はほんの少ししかありません。しかし、家族で行った公園の思い出ならたくさんあります。

中でも鮮明に覚えているのは、その公園にある翼のオブジェを見上げて、母と話した時の事です。私が

「何でここに翼を置くの。」

と聞くと、

「この公園で遊んだ子どもが、翼が生えてるみたいに自由に飛べるようにっていうお願いからだよ。」
と母は答えました。

この公園に限らず、どこの街の公園にも、子どもに託した願いが必ずあるのではないでしょうか。

そんな願いや祈りを込めた公園づくりや街づくりを行い、理想の街ができあがった時、鏡に映った人々の姿はきっと楽しそうに笑い合っている笑顔になるのではないか、と私は思います。

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