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グループホームの生活

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年9月10日更新

認知症高齢者グループホーム

  グループホームの生活

台所

~名取市認知症高齢者グループホーム「こもれびの家」から~

はじめに

 名取市認知症高齢者グループホーム「こもれびの家」は、平成8年8月から名取市内の既存民家を使用し、運営が開始されました。平成9年4月には、新しい施設が完成し、8人のお年寄りとともに本格的に生活が始まりました。

縁側

認知症のお年寄りに配慮された施設

 「こもれびの家」は、木造平屋建てで、南側に和風の庭が広がり、一般家屋のような造りとなるよう配慮されています。入居者の部屋は全室個室で、家具や生活用具を持ち込み、できるだけ今まで暮らしていた生活環境に近い状態となるよう心掛けられています。台所や食堂は、入居者全員が集まる場所としたほか、座敷や小上がり、居室前のベンチなど、数人で集まる場所がところどころにあります。

毎日の生活

 認知症による様々な問題行動は、慌ただしい生活リズムの中に本人が対応しきれないために起こしている場合が多いと言われています。「こもれびの家」では、ゆっくりと入居者一人ひとりのペースに合わせた生活を大切にしているため、1日のスケジュール、1週間の行事などは決められていません。1日の過ごし方は各自の自由にまかせていますが、自然に食事、散歩、休息などおおよその1日の生活の流れが生まれてくるようです。

Aさんの1日の生活

グループホームの1日

 

 

 

 

Aさんの1週間の生活

月曜日 テープにあわせ歌を歌ったり、家の中で過ごす。
火曜日 娘さんの面会。玄関まで出迎える。
水曜日 花壇にパンジーを植える。近くのスーパーに買い物に出かける。
木曜日 お化粧をして近くの公園まで散歩に行く。夕食は外食。
金曜日 昼食の準備で包丁を器用に使いこなす。来客にお茶を出しおしゃべりする。
土曜日 洗濯物を干す。職員の声かけにより窓拭きをする。
日曜日 自分の書いた習字を壁に飾る。

 

グループホームケアとは

Aさん83歳は書道が趣味でしたが、認知症の症状が現れはじめてからは、文字を書くことにも興味を示さなくなっていました。グループホームに入居してから、本人の記憶をよみがえらせる方法として、書道に着目した職員は、Aさんの書を目につくところに置き、どのような態度を示すかを見守りました。
 ある日、Aさんから「これ、誰が書いたの。」という問いかけがあったので、そこから職員が文字への関心を高めるように支援した結果、Aさんは筆を握り書道を再開するようになりました。今では自分の書いた書を部屋に飾り、趣味を楽しんでいます。  Bさんは、自宅にいたときは落ち着きがなく、仕事をしても途中で投げ出してしまう状態でした。それが「こもれびの家」での生活が始まってからは、自分の役割を見つけ、落ち着きを取り戻しています。Bさんの起床は早く、5時30分の中庭の掃除から1日が始まります。掃除用具のほうきは、Bさんが自宅で使っていた物を引き続き使っています。また、大好きな畑づくりでは、苗木選び、作付け、水掛け等管理全般の役割を担い、毎日生き生きと生活しています。
 このように、グループホームでの生活は、入居しているお年寄りの過去の人生経験を大切にし、これまでの生活環境や生活史をもとに、その人にとって愛着のある物を準備し、少しずつ過去の記憶を取り戻す働きかけをしていきます。職員は、入居しているお年寄り一人ひとりの特技、癖などを把握しておき、人との交わりの中で表すシグナル(行動、会話、表情)を手掛かりにし、過去の記憶の再生や動きの再現を促しています。
 お年寄りにとって、最も満ち足りた時間を過ごせるのは、“昔とった杵づか”の役割行動ができた時と言われています。役割行動が完全にできることが目的ではなく、“その役割を自分が担っている”“それに加わっている”という意識を持ってもらうことが大切です。よみがえった記憶や行動を生かせるように、できない部分はさりげなくサポートし、お年寄り自身が“やれた”という達成感を抱けるよう心掛けます。また、近所の喫茶店でコーヒーを飲んだり、温泉に出かけたり、スーパーに買い物に出かけたり、地域社会との交流やつながりも大切にしています。

 お年寄りはグループホームで生活することによって、自分のペースに合わせて生活リズムがつくられ、穏やかな生活を取り戻すことができます。

縫い物