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いちじく生育情報(平成29年産総括)

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年1月10日更新

「いちじく生育情報(平成29年産総括)」PDF版(PDFファイル308KB)は,こちらをご覧ください。

生育状況

1.気象の推移

気温
暖冬傾向で推移し,5月まで平年並~高い傾向が続きました。その後6月はやや気温が下がったものの,7月はかなり高くなりました。8月は,いわゆるヤマセの影響で低くなりました。9月~11月は,平年並から低めで推移し,12月は低くなりました。
降水量
6月までは少なく推移し,7月は平年並となりました。8月はヤマセの影響で長雨が続き,降水量が多くなりました。9月は平年並で10月は多く,11月~12月は少なくなりました。
日射量
8月はヤマセの影響による長雨で少なくなりました。それ以外の期間は,平年並又は平年より多くなりました。
台風
10月の台風第21号及び第22号の接近による強風で,果実の傷や果実腐敗といった影響がみられました。

図1 4月以降の気象データ(亘理アメダス)

2.平成29年産生育状況

図2 いちじく果実肥大推移(山元町浅生原。1~5段果平均。)

山元町浅生原いちじく園調査で,腋芽の発芽期5月2日(前年は5月上旬頃),展葉期5月7日,1番果の着果始め6月22日頃(前年は6月10日頃)でした。収穫始めは9月5日から(平成28年産は9月4日から)(JAみやぎ亘理出荷実績)でした。収穫は前年並みから始まりましたが,9月の出荷量は少なく推移しました。これは,8月の天候不順(少日射,長雨)の影響と思われました。

また,10月後半の多雨の影響で腐敗果実が増え,イチジク灰色かび病の発生も目立ちました。

病害虫発生状況

1.平成29年に管内のいちじく園で発生が確認された病害虫

病害
炭疽病,灰色かび病,疫病,株枯病
害虫
カミキリムシ類,アザミウマ類,ハダニ類(ナミハダニ),カイガラムシ類(フジコナカイガラムシ)

2.アザミウマ類の防除時期

着果後約15~20日頃が1回目の散布時期。その後,2週間ごとに合計3回殺虫剤を散布します。

3.原因不明の葉の斑点症状(図3)

展葉してからしばらく後から梅雨期前まで,秋季の収穫期前までの2時期,原因不明の葉の斑点症状が見られることがあります。数年前から発生が確認されており,病害の可能性も含めて調査中ですが,現在のところ,原因がはっきりしていません。園地によって症状の程度は異なりますが,症状が進むと早期落葉となり,果実品質の低下や収量減少に繋がると思われます。

来年以降も継続して調査を続けますが,気になる症状が見られる場合は,亘理農業改良普及センターまでご連絡ください。

図3 いちじく葉の斑点症状(症状進んで落葉したもの)

これからの栽培管理

1.施肥

収穫終了後から早春にかけて,元肥を施用します。

いちじくの元肥施用適期はまだ良く分かっておらず,主産地でも地域によってまちまちですが,遅くとも根が動き出す早春まで(3月頃,あるいは剪定終了後すぐ)に済ませましょう。また,いちじくの好む土壌酸性度は,中性~弱アルカリ性といわれています。一方,一般的な土壌では,降雨等の影響から,土壌酸性度は徐々に酸性寄りに変化します。そのため,石灰資材を定期的に施用してください。

なお,「てんろ石灰」で土壌酸性度を矯正すると,露地ほ場でも10年近く土壌酸性度は変化しないので,注意が必要です。「てんろ石灰」の使用を検討する場合は,事前に亘理農業改良普及センターまでご相談ください。

元肥量
窒素成分で7~9kg/10a(CDU果樹化成で,2~3袋/10a)
土壌の酸性度矯正
苦土石灰の場合,80kg/10a
※ ただし,樹齢によって,次のように施用量を加減してください。
1年生:30%,3年生:50%,5年生:70%,7年生以上:100%

2.剪定の時期

いちじくは耐寒性の弱い樹種なので,厳冬期大寒が過ぎてから剪定を始めてください。強い寒さに遭遇すると,若木(樹齢3~4年生以下)の場合は地上部すべてが枯死,成木でも枝先端から数節は枯死します。そのため,寒害による枝の枯死を確認しながら剪定できるよう,剪定時期には注意してください。

3.挿し木

イチジク株枯病が発生している園地からは,絶対に採穂しないでください。見た目が元気な樹でも,樹体内にイチジク株枯病が侵入している場合があります。発病前に感染の有無を判別するのは非常に難しく,生産現場で判別することはできません。生産現場で実施可能な対策は,1樹でもイチジク株枯病の発生が確認された園地からは採穂しないことです。


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