掲載日:2016年1月8日

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平成27年度 奥松島地域 営農再開実証プロジェクト

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東日本大震災により被災し,多くの農地が浸水していた東松島市奥松島地域において,今年度も営農再開に向けた試験的な作付けが行われました。

H27年4月28日 東松島市野蒜地区洲崎 水稲作付け

平成27年4月28日,東松島市野蒜地区洲崎にて,奥松島地域営農再開実証プロジェクトの一環として,水稲の試験作付けが行われました。

平成26年度に引き続き,東松島市や宮城県,地元の農業者で組織する農事組合法人「奥松島グリーンファーム」等によって,試験ほ場0.14haでひとめぼれが作付けされました。平成27年度は,将来的な大規模栽培のための作業効率の向上や,平成26年度の試験結果との比較のため,乾いた田んぼに直接種もみをまく「乾田直播」という作付け方法が選択されています。

試験ほ場では年間を通して生育状況や地下水位,塩分濃度等の計測が行われるほか,平成27年度から新たな試験ほ場を設置し,大豆の試験作付けも行われる予定です。

野蒜地区は東松島市の西側に位置する地域で,東日本大震災による津波・地盤沈下から約80haの農地が浸水・水没していました。平成25年5月に開始した干陸化が平成26年6月に完了した後,営農再開実証プロジェクトとして一部の農地に水稲やソバなどの試験作付けを行い,浸水した農地が作物に与える影響等を調査しています。

野蒜地区の農地約80haのうち,平成28年度に40ha,平成29年度に残る40haの農地で,プロジェクトによって得られた試験結果を活用して営農が再開される予定です。


直播用にコーティングされた種もみ


直播作業の様子

H27年6月12日 東松島市宮戸地区 ソバロードでの試験作付け

平成27年6月12日,奥松島地域営農再開実証プロジェクトの一環として,東松島市宮戸地区でソバの試験作付けが行われました。

ソバの種をまく様子ソバの播種作業は,地元農業者の「いちじくの里果樹生産組合」と地元の復興組合の方たちによって行われました。

ソバは塩害に弱いとされる作物であり,除塩を行ったほ場に作付けし,生育状況等を計測することで除塩の効果を確認します。また,ソバは海水浴の時期である8月頃に開花するため,近くの海水浴場に向かう道路に沿った形でソバを作付けし,観光地としての景観形成も図ります。

右の写真は,ほ場にソバの作付を行う様子です。

サツマイモを植える様子加えて,ほ場にはサツマイモの試験作付けも行われており,秋には地元の小学生によるサツマイモの収穫祭も予定されています。

H27年7月7日 東松島市野蒜地区洲崎 大豆作付け

大豆作付の様子平成27年7月7日,奥松島地域営農再開実証プロジェクトの一環として,東松島市野蒜地区洲崎で大豆の試験作付けが行われました。右の写真は大豆作付の様子です。

今回の試験作付けは,長期にわたって浸水していた農地での大豆の生育状況の確認と,営農再開後の転作作物としての大豆の有効性を検証するために行われたものです。

平成27年度から新たに設置した試験ほ場0.5haに,宮城県の奨励品種であるミヤギシロメと,営農再開後の販売作物として見込む茶豆を作付けしました。また,ミヤギシロメを作付けしたほ場の一部は,除塩工事未実施区画として分割しており,除塩工事を行った区画との生育状況の比較を行います。

平成27年度から設置された試験ほ場でも地下水位や塩分濃度の計測器が設置されており,生育状況と合わせて試験データを収集していきます。

平成27年度 奥松島地域 営農再開実証プロジェクト(PDF:930KB)


地元農業者の方のあいさつ


薬剤でコーティングされた大豆

H27年10月20日 東松島市野蒜地区洲崎 乾田直播試験田の稲刈り

稲刈り作業の様子平成27年10月20日,奥松島地域営農再開実証プロジェクトで乾田直播試験田の稲刈り作業が行われました。

作業はプロジェクトメンバーによって行われました。事前の坪刈りでは,10aあたり460kg程度の収量が見込まれています。

今回の試験結果を基にして,乾田直播を選択した際の地下水位や塩分濃度が与える影響等を調査・分析し,その結果を平成28年度の営農再開に反映する予定です。


収穫された「ひとめぼれ」

H27年12月25日 平成27年度奥松島営農再開実証プロジェクト報告会

報告会の様子平成27年12月25日,東松島市大塩市民センターにおいて,県と東松島市が共同で「平成27年度奥松島営農再開実証プロジェクト報告会」を開催しました。

この報告会は,東松島市野蒜地区洲崎及び宮戸地区で実施している奥松島営農再開実証プロジェクト試験結果を,地域の農業者や復旧・復興に携わる関係者の方に報告するため開催されました。

県からの試験結果報告では,乾田直播による水稲,大麦ともに同地区の震災以前と同等以上の収量となり,長期間海水が流入した農地でも塩害の発生は確認されなかった事が報告されました。あわせて,試験ほ場における地下水観測調査結果や,試験栽培作物の生育経過や収量など,試験によって得られたデータとその解説が行われました。

また,報告会の参加者には将来の6次産業化に向けた取組のアピールとして,今回の試験で収穫されたひとめぼれや同じく収穫された大麦から作られたうどんが提供されました。


試験ほ場で収穫されたひとめぼれ


試験栽培の大麦から作られたうどん

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東部地方振興事務所 農業農村整備部農村振興班

宮城県石巻市あゆみ野五丁目7番地 宮城県石巻合同庁舎4階

電話番号:0225-95-7922

ファックス番号:0225-96-4880

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