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第522号 あれコレ!みやぎ 「マリンパル女川おさかな市場」

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年8月29日更新

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 東日本大震災による津波で壊滅的な被害を受けた女川町。今回は、「マリンパル女川おさかな市場」でお話を伺ってきました。

インタビュー マリンパル女川事業協同組合 理事長 山田雅裕さん 

──「マリンパル女川おさかな市場」は、どのようなところですか。

(山田さん)平成6年に、町の観光物産施設「マリンパル女川」ができました。マリンパル女川は、水産に関する展示や地元出身の俳優・中村雅俊さんのコーナーが設けられた水産観光センター「シーパル1」と、水産物流通センター「シーパル2」の二つの建物でした。「マリンパル女川おさかな市場」は、その水産物流通センターのことで、「マリンパル女川事業協同組合」を組織して、全16店舗で開設したのです。女川というと、やっぱり海の町。水産物を主に販売する施設です。女川は人口1万人前後の小さい町ですが、ギンザケの生産量が日本一とか、サンマの漁獲高が北海道を抜いて一位になったこともあるんです。

 「マリンパル女川」は、震災の津波により壊滅しました。震災後、組合員は12人ほどに減りましたが、その中の6人で、震災が発生した年の10月に場所を移して「マリンパル女川おさかな市場」を再開したのです。

──売れ筋・お買い得・おすすめ商品を教えてください。

(山田さん)女川に来る方は、やっぱり生ものを求めていらっしゃいます。お盆前までは、ホヤやウニがとても人気でした。これからはサンマや戻りガツオの時期。あとは、ホタテの養殖も盛んなのでおすすめです。

 ホヤの値段を見ても分かると思いますが、女川では非常に安くお買い求めいただけます。仙台などではホヤは1個200~300円で売っていますが、女川の場合は、だいたい80円前後。浜から直接買ってくるから安く提供できるのです。また、鮮度も大事。女川では、その日に水揚げしたものしか店頭では売りません。午後3時すぎにホヤが余っていたら、全部むいて、むきホヤとして袋詰めして、冷凍します。生まれて初めて女川でホヤを食べればおいしいと思うのだろうけれど、初めてホヤを口にして、鮮度がよくないものだったりすると、「もう一生食べない・・・」なんていうふうなことにも。

 また、ここ10年ぐらいは水産物の加工にも力を入れています。それまでは、例えばサンマだと、水揚げしたら氷水に入れて鮮魚で出荷するものと、冷凍して、サンマの水揚げが無い時期に、解凍して出荷するというものでした。今は、サンマを寒風干しにして丸干しを作ったり、昆布巻きにしたり、すり身にして冷凍したりと、いろいろな商品を作っています。最近では、刺身用として、3枚おろしにして販売したり。焼いたものだと一本食べれば十分ですが、刺身だといくらでも食べられますし、特に脂が乗っていると、マグロのように脂がトロっとして本当にうまいからね。かば焼きもおいしいし。そういった、食べていただく努力もしています。

──毎月1回、イベントを開催しているんですよね。

(山田さん)毎月旬のものを題材にして、第二週の週末に開催しています。海を相手にしているから、台風とか水揚げ状況などにより延期になることもありますが、9月は「さんま祭り」を13~14日に開催予定です。

 イベントは、平成6年当時からずっと開催しています。南三陸町など北の方だと三陸海岸のすごく良い景色がありますが、女川の場合はそういう景色もあんまり無いし、終着駅ですし、わざわざ「女川に行きましょう」ということで皆さんいらっしゃっていると思います。だから、人的な観光資源であるイベントを開催してお客さんに来ていただくというのが、昔からの伝えです。例えば冬の暇な時期の1月には「福袋ツアー」といって、女川に来ていただき、カキやホタテ、塩辛などを「福袋」としてお渡しするというイベントも行っています。山交観光さんが企画してくれて、震災が発生した年の1月には山形県から4千人以上のお客さんが来てくれました。他にも福島県や秋田県からも来ていただいていました。震災後、今年ようやく開催していただき、施設が施設だからあまり人数が入られないという状況ですが、2500人以上のお客さんに来ていただきました。

──震災後、再オープンされてからまもなく3年がたちますが、今後どのようなことに取り組まれていきますか。

(山田さん)今の予定としては、再来年(平成28年)の秋口に新しいマリンパル女川おさかな市場を建設して、そちらに移ろうと思っています。来年(平成27年)の春に、JR女川駅が出来て開通し、それに併せて駅前の商店街が出来る予定になっていて、その商店街のはずれの海の近くにマリンパルをつくる予定なのです。

 平成6年当時も、人口1万人くらいの町に魚屋さんが16店舗できるということは女川町民だけでは当然共倒れになってしまうということで、マリンパルは観光客の誘致にすごく力を入れていました。私も、山形県、福島県、栃木県、埼玉県、群馬県あたりまで営業しにずいぶん歩きました。もちろん町民も大事にして、プラス観光客ということで、なんとかかんとか20年維持してきたんです。震災後、当然町の人口が減っています。そこに商店街が出来るわけだから、町民だけでは当然立ちゆかなくなるのではないかなと思います。だから、マリンパルが出来ることによって、20年あちこち営業してきたつながりで、いろんな地域から誘客することが必要だと思います。オープンするのは意外と簡単にできるんだけど、その商売を維持していくというのは本当に並大抵のことではないですからね。

 ちょっと怖いという気持ちもあるんです。たぶん女川町は他の地区に比べると復興が意外と早いと思います。例えば女川町の商店街がオープンして、他の被災した沿岸部の地区から視察に来たとすると、「もっと良いものをつくろう」ってやっぱり思いますよね。良いものがどんどん出来れば、お客さんが当然流れてしまいます。そうならないために、何か特徴を持ったマリンパルにしていきたいと思っています。例えば漁業者と手を組んで、水揚げしたものをマリンパルに直接持ってきて、まだ生きている魚を販売するといったことができればおもしろいですよね。あとは、価格を安めに設定して魚介類の食事をたくさん味わっていただくとか。そういった、すぐ目の前が海ということを生かしていければと思います。

──読者の皆さんへメッセージをお願いします。

(山田さん)震災復興の応援ということで、栃木県とか東京都築地とかあちこちで出店させていただきましたが、震災から3年がたって、出店していたある町の道の駅から、「もう3年たったから、そろそろいいでしょ」と言われたのです。「え、3年たちますけど、みんなまだ仮設住まいだし、何も変わっていないんです」と言ったら、その町の議会のほうで「3年たつんだから、もうそろそろ」ということになったのだそうです。要するに、「出店するにはお金を払ってください」ということです。建物の外での販売なのですが、一日6千円ということで、「6千円だと一カ月で18万円か・・・。ちょっと払えないかな」ということで、結局やめました。
 現状を見て、そういった発言をしてもらうのだったらいいのですが、3年という年数だけでということであれば、被災者は本当に悲しいと思います。まだまだぜんぜん何も変わっていないんです。われわれは商人だから、とにかくまず女川に来て見ていただく、そして消費していただくことが、やっぱり一番の復興の応援になると思います。もちろんいつまでも甘えるんじゃないという気持ちもあるのです。でも、やっぱり来ていただきたいというのが皆さんに伝えたいことです。

──ありがとうございました。

 
インタビューに応えてくださった山田さん

(8月21日インタビュー)

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施設情報

  • 営業時間/8時30分~17時30分(※店舗により異なります) 
  • 定休/年中無休(※店舗により異なります)
  • 問合先/マリンパル女川事業協同組合 Tel 0225-54-4714

 
施設外観

出店者

マルキチ阿部商店 / 山田商店 / 片倉商店 / 兼宮(かねみや)商店 / 平初(ひらはつ)鮮魚店 / 海逢(かいほう)

マルキチ阿部商店 


 
おすすめは、サンマやマグロなどの昆布巻き「リアスの詩」。試食させていただきましたが、ごはんのおかずにも、お酒のおつまみにもぴったりな一品です。

山田商店

  • Tel/0225-53-2523
  • 定休/年中無休


 
おすすめは、「さんま丸干し」、「ワカメ」、「塩辛」、「三陸エビ」。

片倉商店

  • Tel/0225-54-4589
  • 定休/不定休

ウニとホヤの専門店。取材に伺った日は残念ながらお休みでした。

兼宮商店

  • Tel/0225-53-2376
  • 定休/不定休

 
とろろ昆布やノリなど乾物を主に販売。店主が右手に持っている商品は「シーパルちゃんの卵」。プリン味で卵型のクッキーです。

平初鮮魚店

  • Tel/0225-53-2771
  • 定休/水曜日

 
女川で水揚げされる鮮魚を販売。

海逢

  • Tel/0225-54-4583
  • 定休/木曜日

石巻、女川で水揚げされる鮮魚を販売。取材に伺った日は残念ながら定休日でした。

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イベント情報「さんま祭り」

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