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復興へ(みやぎ県政だより令和元年9月・10月号)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年9月1日更新

~ 復興に向けて、県内の各地域で活動されている方々を紹介します ~ 

 石巻市渡波(わたのは)で、誰もが欠くことのできない食と職、2つの「しょく」の支援をしている「ワタママスマイル」の菅野さんにお話を伺いました。

—— ― 設立のきっかけは?

 東日本大震災発災直後の3月末に、私は石巻市渡波小学校にボランティアとして入りました。渡波地区は1階が浸水し、家屋の2階で生活している在宅避難者がおり、多い時で2千人の避難者に加え、千人の在宅避難者、合計3千人分の炊き出しが必要でした。青年海外協力隊としての活動経験から、災害時でもボランティアが全てやってあげるのではなく、被災された方々が自立して行動できる支援が必要で、主体は地域、ボランティアはサポーターだと考えています。避難所でも避難者が当番制で炊き出しを行う仕組みをつくりました。
 10月に避難所が閉所になるとき、炊き出しをしていた小さい子を持つお母さんたちの間から「工場は被災して仕事もない。炊き出しでは収入があったが、これからどうすればよいのか困っている」という声が聞こえました。彼女たちは、半年間数千食の炊き出しを続けた、いわば食事づくりのプロです。彼女たちの経験を生かし新たな仕事に結び付けるため、11月に渡波のママたちの団体「ワタママスマイル」を立ち上げ、ワタママ食堂を始めました。

—— 活動の内容は?

 地元のスタッフ8人と活動しています。 仮設住宅に転居しスーパーが遠くなった、台所が狭く調理しにくいという声からお弁当の配食を始めました。今は高齢者世帯などへ配達しています。あまり地域の催しに顔を出さない方もお弁当の配食では交流があり、安否確認にもなります。利用者は「顔なじみの地元のスタッフが配達してくれる。自分が不在のときには足の不自由な夫のためにリビングまで運んで、話し相手にもなってくれて、外出時も安心」と言ってくれます。
 渡波地区は漁業者が多く、1年の大半を母子だけで過ごしている家庭が珍しくありません。そこで、子どもの孤食への支援として、平成28年から地域子ども食堂「渡波たべらいん」を始めました。今は、毎週土曜日に開催しています。復興公営住宅が蛇田地区に次いで多く、入居者の約4割が高齢の方です。「渡波たべらいん」にはその方たちを含め毎回30人前後が参加してくれています。

—— これからについて

 スタッフがお弁当の配達に行くと、利用者から蛍光灯の付け替えなどを頼まれることがあります。ちょっとした困ったことを気軽に言い合え、地域の力で解決できるようになってほしいです。困ったことを住民同士が協力して解決できるように住民同士のつながりの場と行動する機会を提供していきたいです。
 いつか私がここを離れても、地元のスタッフが自分たちのできる範囲でワタママスマイルを続けていければと思っています。

【1】地域子ども食堂「渡波たべらいん」には多くの人が集う
【2】渡波の地元の人がスタッフとしてお弁当の製造、配達を行う
【3】栄養たっぷりの手作り弁当【4】配達は利用者の見守りにもつながる。話に花が咲いてあっという間に15分が経つことも

【写真の説明】
【1】地域子ども食堂「渡波たべらいん」には多くの人が集う
【2】渡波の地元の人がスタッフとしてお弁当の製造、配達を行う
【3】栄養たっぷりの手作り弁当
【4】配達は利用者の見守りにもつながる。話に花が咲いてあっという間に15分が経つことも


一般社団法人ワタママスマイル 代表理事 菅野 芳春さん
一般社団法人ワタママスマイル 
代表理事 菅野 芳春(すがの よしはる)さん
TEL 0225(98)4701
http://watamamasmile.org/

ワタママ食堂の写真
ワタママ食堂


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