ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

復興へ(みやぎ県政だより平成30年11月・12月号)

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年11月1日更新

~ 復興に向けて、県内の各地域で活動されている方々を紹介します ~ 

 石巻市の「にじいろクレヨン」は、震災直後は避難所で、その後は仮設住宅や復興住宅で子どもの居場所づくりなどに取り組んでいます。

—— 活動を始めたきっかけは?

 震災直後、1000人超が身を寄せた石巻高校の避難所で、隣に暮らしていた家族の子どもたちが、泣きも騒ぎもしないのを見て、ものすごく我慢していると感じました。大人は日々の生活に必死で、子どもにあまり目を向けられませんでした。避難所には遊び場もなく、子どもへの支援は後回しでした。元々、絵や剣道を子どもたちに教えていたので、子どものために何かできるんじゃないかと思ったのがきっかけです。
 最初は、絵描きとして震災を伝えるために絵を描かなきゃいけないとも思いましたが、目の前の困っている人のために何かする方が役に立てると気持ちを切り替えました。
 活動していくと徐々に、子どもたちが笑顔で私たちを待っていてくれるようになり、こちらも元気になりました。何もできないけど、そばにいることはできる。地道に続けていこうと思いました。

—— 活動内容を教えてください

 震災直後は、子どもに関するボランティアの受け入れ窓口がなく、その調整をしながら、全国からのボランティアと、避難所で鬼ごっこやかくれんぼなど、何もなくてもできる遊びをしました。支援物資が届くとサッカーや折り紙をし、それを他の避難所や、避難所がなくなると、仮設住宅、復興住宅に広げていきました。
 これまでの活動を経てたどり着いた取り組みが、子どもを見守るコミュニティーづくりです。
 復興住宅では震災以前のコミュニティーが失われ、大人たちは、知らない人の子どもだとなかなか声を掛けにくい状況です。日常的に子どもを見守ることができるよう、地域の方も私たちの活動に参加し、子どもたちが伸び伸びと遊ぶ手助けをしています。
 3年前に児童館「のくのくハウス」も開きました。石巻は元々人口規模にしては児童館の数が少なく、特に震災以降は転勤で石巻に来る方が多く、祖父母がいない家庭が多い。そういう家庭の受け皿が必要です。誰でも自由に来ていいし、何をするのも自由。親が集まってごはんを作って食べることも、陶芸もできますよ。

—— 苦労したことは?

 最初の頃は、子どものことしか見ておらず、地域の大人と一緒に活動するという視点が抜けていました。避難所や仮設住宅に暮らす方の中には、近くで子どもが騒ぐのを迷惑に思う方もいて、苦情も多く、子どもと地域の大人との間で板挟みになることが多かったです。
 今は地域の方と関係をつくることを大事にしています。地域の方とも親御さんとも丁寧に対話をして、信頼関係を築いていく。急がば回れではないですけど、この活動を分かってもらうことから始めています。

—— 今後の目標は

 「地域の方と共に」をモットーに、私たちがやりたいことを伝えて、子どもたちが自分らしくいられる場所を一緒につくっていきたいと思います。
 将来的にはフリースクールのような、学校とは違う学びの環境を提供したいです。市民レベルで変えていけることはまだまだたくさんあると思います。

【1】復興住宅で地域の方と一緒に、工作やかき氷作りを楽しんでいます
【2】公園にいた方たちに作ったかき氷をプレゼント!
【3】紡がれた羊毛は帽子やストールなどに生まれ変わります
【4】のくのくハウスの看板。当時3才の子どもが文字と絵を書いた。この子が書ける文字が「の」と「く」であったのが名前の由来。

【写真の説明】
【1】復興住宅で地域の方と一緒に、工作やかき氷作りを楽しんでいます
【2】公園にいた方たちに作ったかき氷をプレゼント!
【3】のくのくハウスで陶芸をして遊ぶ子どもたち
【4】のくのくハウスの看板。当時3才の子どもが文字と絵を書いた。この子が書ける文字が「の」と「く」であったのが名前の由来。


NPO法人にじいろクレヨン 代表 柴田 滋紀さん
NPO法人にじいろクレヨン 代表
柴田 滋紀さん
石巻市大街道西2丁目2番25号 オフィス棟
TEL 0225(25)5114
http://nijiiro-kureyon.jp/


>>みやぎ県政だより平成30年11月・12月号トップへ戻る