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復興へ(みやぎ県政だより平成30年9月・10月号)

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年9月1日更新

~ 復興に向けて、県内の各地域で活動されている方々を紹介します ~ 

 南三陸町の「さとうみファーム」は羊を通して観光牧場の運営や子どもの遊び場整備、羊毛を活用したコミュニティ支援活動などに取り組んでいます。
 さらに、地元で商品にならず残っていたワカメの芯を使った飼料を開発し、ブランド羊の生産拡大や雇用確保にも取り組んでいます。

—— 南三陸を活動拠点とした理由は?

 私は、東日本大震災の支援活動のために平成23年4月に南三陸を訪れました。定期的に訪れる中、この海を見てなぜか「ほっとした」気持ちになり、ここに腰を据えて活動しようと移住を決意しました。同年9月から仲間とコミュニティ支援団体を立ち上げ、活動を始めました。

—— 活動内容を教えてください

 さとうみファームの原点は、子どもの遊び場整備とコミュニティ支援です。震災後、遊び場が限られていた子どもたちがのびのびと過ごせるように「子ども夢牧場」を整備したり、地元の公民館で住民の方が羊毛の選別、糸紡ぎができる「羊毛喫茶」を通して地域のコミュニティ維持の支援をしたりしています。補助金などに依存せず活動を継続するには、収入源が必要です。そこで、ワカメ発酵飼料の生産と「南三陸わかめ羊」の飼育を始めました。

—— 羊がワカメを食べるのですか?

 羊飼育に着目したのは、塩害農地の活用のためです。平成25年に宮城大学に相談したところ、塩害農地でも育つ塩分を含んだハーブを食べると羊肉がおいしくなるという助言をもらい、羊の飼育を始めました。
 南三陸の地場産業であるワカメ養殖の作業を手伝う中で、ワカメの芯は硬くて食べられず、商品として利用されていないことを知り、この活用も考えました。研究を重ね、長期保存できるようにワカメの芯を発酵させる飼料の生産に成功しました。ワカメ発酵飼料を食べて育った南三陸わかめ羊は普通の羊よりも肉の甘味、うま味が増し、特有の臭みが少なくなっています。
 日本では羊肉に馴染みが薄く、牛や豚、鶏と比べて消費量が少ないですが、おいしい羊肉と分かれば、消費量拡大が期待できます。
 羊肉は牛肉とは異なり、血統による味の差はほとんどなく、飼料などに左右されます。ワカメ発酵飼料を羊農家さんたちに使ってもらうことで、南三陸わかめ羊のブランドを広げていきたいです。羊の飼育頭数を増やすために南三陸だけではなく、登米にも牧場を拡大する予定です。

—— 今後の目標は?

 地域産業の活性化には、雇用の維持が欠かせません。現在、スタッフは9人で、多くは震災を機に支援を始めて、移住してきました。南三陸の人が2人働いており、今後、さらに地元の人を増やしたいと考えています。
 ワカメ発酵飼料の生産事業は今年3月に独立し、羊の生産も来年度中に会社化する予定です。事業が独立し安定した後は、それぞれ担当のスタッフに任せて、私自身は、原点であるコミュニティ支援活動を続けていきたいです。
 さとうみグループとして、事業同士が連携し合う形を作ることが目標です。
 さとうみファームでは、南三陸わかめ羊のバーベキューが食べられます。ゆくゆくは、ジンギスカンの提供も考えています。生産から加工、提供までを行う6次産業化を実現することで南三陸の人たちの職業選択の幅が広がると考えています。
 羊と触れ合ったり、シーカヤックを体験したりして遊んだ後に、南三陸わかめ羊のバーベキューをして、海のそばの牧場を遊び尽くしてもらいたいと思います。

【1】子羊との触れ合いも楽しめます
【2】羊毛は洗浄後、手作業で紡ぎます
【3】紡がれた羊毛は帽子やストールなどに生まれ変わります
【4】ワカメで育つ南三陸わかめ羊

【写真の説明】
【1】子羊との触れ合いも楽しめます
【2】羊毛は洗浄後、手作業で紡ぎます
【3】紡がれた羊毛は帽子やストールなどに生まれ変わります
【4】ワカメで育つ南三陸わかめ羊


さとうみファーム 代表理事 金藤 克也さんの写真
さとうみファーム 代表理事
金藤 克也さん

一般社団法人 さとうみファーム
〒988-0452 南三陸町歌津字町向22番地
TEL 0226(29)6379


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