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宮城県知事臨時記者会見(平成28年2月9日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年2月12日更新

知事臨時記者会見

  • 2月定例県議会議案について

村井知事

 それでは、平成28年度当初予算案について2月16日に招集する県議会に提案いたしますが、その概要を事前に皆さまにご説明いたします。

 まず、1ページの「予算編成の基本的な考え方」についてであります。震災から間もなく5年が経過し、震災復興計画の再生期も3年目を迎えますことから、応急仮設住宅などで不自由な生活を余儀なくされている多くの方々にも復旧・復興を実感してもらえる成果を具体的な姿として現すことが必要であると考えております。このためには復旧・復興をより一層加速させることが必要であり、従来の課題に加えて新たな課題にも全庁一丸となって取り組むことが求められます。平成28年度当初予算では、国からの財政支援のみならず、県の独自財源も積極的に活用し、引き続き被災された方々の生活再建や地域経済の再生など復旧・復興に最優先で取り組むとともに、地方創生を始めとする県政の課題解決に向けた施策に重点的に配分いたします。

 予算案の概要といたしましては、一般会計で震災対応分として4,833億円を計上し、震災復興計画に掲げる主要施策の推進に必要な額を確保いたしました。また、通常分は、引き続き徹底的な見直しを行いつつ、必要性や優先度が高い施策や復旧・復興の効果を補完する施策に重点化した結果、前年度比プラス5.6%の8,911億円を計上しております。特に県税収入につきましては、好調な県経済の推移を反映し、県政史上初の3,000億円を突破し、3,062億円を計上しております。しかしながら、少子高齢化に伴う社会保障関係経費の逓増(ていぞう)が見込まれるなど、財政運営は引き続き厳しい状況が続いておりますので、今後も財政規律を維持し、メリハリのある財政運営を心がけてまいります。

 これらの結果、来年度の一般会計当初予算は1兆3,744億円となり、当初予算としては、平成24年度を最高に年々減少し、過去5番目の規模の予算となりました。また、平成22年度以降の震災対応予算の累計は総会計で5兆3,522億円となっております。

 2ページをお開きください。次に、当初予算案の「主な事業」についてご説明いたします。資料は「平成28年度政策財政運営の基本方針」に掲げた「政策推進の基本方向」に沿って記載しております。私からは新規事業や拡充事業を中心にご説明いたします。

 始めに、「迅速な震災復興」についてであります。「1被災者の生活再建と生活環境の確保」については、「⑴被災者の生活環境の確保」といたしまして、被災者住宅確保等支援費を増額し、応急仮設住宅に入居されている方々の民間賃貸住宅への円滑な転居を支援いたしますほか、県外へ避難されている方々の帰郷に向けた支援などを行うため、みやぎ県外避難者支援費及び県外避難者支援拠点設置費を計上しております。また、みやぎ地域復興支援費を計上し、被災された方々の生活再建などを支援するNPO等への支援を行ってまいります。

 「⑵持続可能な社会と環境保全の実現」といたしまして、水素エネルギー利活用推進費を計上し、東北における水素社会先駆けの地に向け、東北初となる商用水素ステーション整備への助成や燃料電池自動車による普及啓発を図るほか、3ページをご覧いただき、スマートエネルギー住宅普及促進費では住宅用太陽光発電やエネファーム、蓄電池などに対する助成を行ってまいります。

 「2保健・医療・福祉提供体制の回復」については、「⑴安心できる地域医療の確保」といたしまして、医療施設復興支援費を計上し、気仙沼市立病院や石巻市立病院などの被災した病院の早期再建を引き続き支援してまいります。また、新たにドクターヘリ運航費を計上し、ドクターヘリの運航経費やランデブーポイント整備への助成を行うと共に、医学部設置支援費を増額し、本年4月開学となる東北医科薬科大学医学部への支援を行い、地域医療の復興と充実を図ってまいります。

 「⑵未来を担う子どもたちへの支援」といたしましては、東日本大震災みやぎこども育英基金について、有識者や寄附者から頂いたご意見などを踏まえ慎重に検討を重ね、里親となっている方や子どもたちへの心のケアなどについて使途を拡充することとし、里親等支援センター費、いじめ・不登校等対策費を計上しております。

 4ページをお開きください。「3富県宮城の実現に向けた経済基盤の再構築」については、「⑴ものづくり産業の復興」といたしまして、中小企業等復旧・復興支援費、いわゆるグループ補助金でございますが、引き続き被災事業者の事業再開や商店街施設等の復旧を支援するとともに、中小企業経営安定資金等貸付金では金融機関の安定的な資金調達を支援し、被災事業者の資金需要にしっかりと対応してまいります。

 「⑵商業・観光の再生」でございますが、新たに松島水族館跡地利活用推進費を計上し、松島水族館の跡地利用の検討を進めるほか、インバウンド誘客拡大受入環境整備支援費では、震災後減少している外国人観光客の誘客を、航空会社と連携した観光キャンペーン推進費では、仙台空港就航先からの観光客の誘客を図ってまいります。

 5ページに移りまして、新たにハラール対応食普及促進費を計上し、県内でのイスラム圏からの観光客誘客に向けた基盤整備等を行ってまいります。さらに、空港機能活用国外プロモーション活動推進費では、広域的な観光連携やアニメコンテンツを活用した外国人観光客の誘客拡大に取り組みますとともに、仙台空港地域連携・活性化推進費を計上し、本年7月の仙台空港民営化のスタートアップイベントや就航先のPRを実施してまいります。

 「⑶雇用の維持・確保」といたしましては、緊急雇用創出事業臨時特例基金事業費と沿岸地域就職サポートセンター運営費を計上し、被災地域の求人・求職環境の変化を的確に捉え、雇用の確保に引き続き全力を挙げてまいります。

 「4農林水産業の早期復興」については、「⑴魅力ある農業・農村の再興」といたしまして、農地等災害復旧費や農山漁村地域復興基盤総合整備費、農村地域復興再生基盤総合整備費をそれぞれ計上し、引き続き農地などの早期復旧に努めてまいります。

 「⑵活力ある林業の再生」といたしましては、6ページをお開きいただき、新たに三陸リアスの森保全対策費を計上し、海岸保安林荒廃箇所における林地の復旧と保全を行ってまいります。

 「⑶新たな水産業の創造」といたしましては、水産加工業人材確保支援費を拡充し、人手不足が顕著な水産加工業において、従業員宿舎の整備や仮設住宅等からの送迎を支援することにより人材確保を行ってまいります。また、水産基盤整備災害復旧費により、漁港施設の早期復旧に努めてまいりますほか、水産加工業ビジネス復興支援費では、水産加工業の復興支援を行いますとともに、養殖経営体育成支援費を新たに計上し、漁業認証取得の支援を行うなど、引き続き水産業の復興支援に努めてまいります。

 7ページに移りまして、「5公共土木施設の早期復旧」については、「⑴道路、港湾、空港などの交通基盤の確保・整備促進」といたしまして、高規格幹線道路整備費やみやぎ県北高速幹線道路整備費、復興関連道路整備費をそれぞれ計上し、県内の道路交通基盤の復旧・復興を一層加速してまいります。また、仙石東北ラインの女川駅までの運行延伸への支援を行ってまいります。

 「⑵海岸、河川などの県土保全」といたしましては、河川等災害復旧費を計上し、引き続き被災した河川施設等の早期復旧を図ってまいります。

 8ページをお開きください。「6安心して学べる教育環境の確保」については、「⑴安全・安心な学校教育の確保」といたしまして、教育施設等災害復旧費を増額し、被災した気仙沼向洋高校や農業高校の再建を進めるとともに、被災児童生徒等就学支援費を計上し、被災した子どもたちの就学をしっかりと支え、さらに、緊急スクールカウンセラー等派遣費により、震災後の不登校など、問題行動の防止・対処等に努めてまいります。また、新たにみやぎ子どもの心のケアハウス運営支援費を計上し、被災等により心の問題を抱える児童生徒への支援を行ってまいります。

 「⑶生涯学習・文化・スポーツ活動の充実」といたしまして、新たに文化芸術による心の復興支援費を計上し、文化的活動により被災者の心のケアを行う団体への支援などを行ってまいります。

 9ページに移りまして、「7防災機能・治安体制の回復」については、「⑴防災機能の再構築」といたしまして、広域防災拠点整備費については、宮城野原地区での整備に向けた調査や用地取得などを行いますと共に、新たに圏域防災拠点資機材等整備費を計上し、圏域防災拠点における活動用資機材の整備を行ってまいります。

 「⑵大津波等への備え」といたしまして、復興計画の前半5年間が経過いたしますことから、新たに東日本大震災記憶伝承・検証調査費を計上し、これまでの復旧・復興の取り組みについて課題の整理などを行うと共に記録誌を作成し、震災の記憶の風化防止に努めてまいります。あわせて、農地・農業用施設等や公共インフラについても同様に記録誌などを作成してまいります。

 次に、「2産業経済の安定的な成長」についてでありますが、10ページをお開きください。新たに農林水産業担い手対策費を計上し、漁業学校に準ずる「みやぎ漁業カレッジ」の開設準備を始め、農林水産業の就業者確保を強力に進めてまいりますほか、TPP対策といたしまして、畜産・酪農収益力強化整備等特別対策費や産地パワーアップ推進費、合板・製材生産性強化対策費を計上し、農林水産分野の省力化や生産性の向上を図ってまいります。また、商工関係では新たに小規模事業者伴走型支援体制強化費を計上し、小規模事業者の経営計画の作成などへの支援を行ってまいります。

 「3安心して暮らせる宮城」についてでありますが、新たに結婚支援費を計上し、結婚を希望する方への支援を行ってまいりますほか、11ページに移りまして、「子ども・子育て支援新制度」に関連した施設型給付費負担金と地域子ども・子育て支援費を合計約60億円計上し、保育所等への運営費負担や放課後児童クラブの整備支援などにより子ども・子育て支援を充実してまいります。

 教育分野では、県立学校施設整備費及び特別支援学校狭隘化対策費を計上し、名取高校や石巻北高校などの県立高校の改築を進めますほか、分教室の設置や全ての寄宿舎へのエアコン設置など、特別支援学校の教育環境のさらなる充実に努めてまいります。

 福祉分野では、新たに子どもの貧困対策費を計上し、フードバンクや子ども食堂の実施などに向けた調査に着手するほか、地域生活支援拠点等整備推進費では、障害を抱えている方の地域生活支援に向けた施設整備への助成を進めるなど、さまざまな困難を抱えている方々への施策を充実強化してまいります。

 12ページをお開きいただき、警察関係では、(仮称)若林警察署の実施設計を進めてまいりますほか、交番相談員等設置費では、主な警察署に配置している警察安全相談員を10人から20人に倍増し、増加傾向が続いております特殊詐欺等への相談体制の強化を図ってまいります。

 「4美しく安全な県土の形成」についてでありますが、平成27年関東・東北豪雨の教訓を踏まえ、河川の再度災害防止や警戒避難体制強化を図るため、新たに災害に強い川づくり緊急対策費を計上したほか、砂防・急傾斜基礎調査費を大幅に増額し、土砂災害警戒区域等の指定のための基礎調査を行ってまいりますと共に、豪雨関連の災害復旧についても着実に進めてまいります。また、公共施設等長寿命化対策費を計上し、公共土木施設や県庁舎などの公共施設等への総合的かつ計画的な管理を進めてまいります。

 以上、平成28年度当初予算の概要についてご説明いたしました。予算の詳細は後ほど総務部長から説明をさせていただきます。以上でございます。

Q

 細かいところは後ほど聞くので、知事自身の言葉で2点伺う。1点目、今回の予算全体を通して、特に知事自身の思いというか狙いはどういうところに重点を置いているのか。2点目、震災復興について復興費の一部地元負担はどの程度反映されたのか。細かい事業というよりは予算編成の方針にどんな影響を与えているのか。

村井知事

 震災から5年を経過し、6年目に入る予算でございますので、今までのハード中心から次第にソフト中心に切り替わる、そして、被災者の皆さま、あとは非常に生活が困っておられる皆さま、そういった方たちへの細かいケアに心がけた予算にいたしました。一言で言うと、「かゆいところに手が届く」というところに配慮したつもりでございます。

 2点目の一部地元負担についてでございますが、5年間で50億円の負担ということでございまして、今年で単純に割ると宮城県の負担が10億円ということになりますので、県財政全体には大きな影響は与えていないというふうに思っております。その分、10億円でも負担が増えた以上は、無駄を少しでもなくそうということで、行革等にも取り組みながら予算編成に努めたということでございます。

 冒頭の説明の中で、税収が3,000億円を超え、過去最高であるということですが、決して県財政は余裕があるわけではございません。先ほどお話ししましたけれども、社会保障費が逓増していくわけでございますので、決して余裕はないというふうに思っておりますから、財政規律をしっかりと維持しながら復興をやっていかなければならないという思いでございます。それほど大きな地元負担の影響はないというふうに思っております。

Q

 通常分で一番重点的に施策を組んだところはどこか。

村井知事

 特に重点ということではないですけれども、まず一つは創造的復興ということで、空港の民営化あるいは医学部の新設、こういったところにかなり大きなお金をかけて、今まで種まきをしてきたものが、花が咲いて実ができる時期に差しかかったということを県民の皆さまに実感してもらえるような予算配分を心がけたということです。

 それから、通常分についてでございますけれども、先ほども言いましたように、例えば結婚支援費を設けたり、県立学校の施設あるいは特別支援学校の狭隘化(きょうあいか)、エアコンの設置、子どもの貧困対策、フードバンクの設置など、今までなかなかやりたくてもできなかったこういった事業に、かなり目配りをしたつもりでございます。生活が非常に困っている方、障害を持った方、こういった方への支援をできるだけ見えるような形にしたいというふうに考えて予算編成したつもりであります。予算額自体は小さいですけれども。

Q

 県税収入が初めて3,000億円を突破したことに関して、復興関連の需要がどの程度県税の伸びに影響したのか。つまり復興部分の支えがどれぐらいあったのか。さらに、復興が終わった後に向けて今どういうことが必要か、考えを伺う。

村井知事

 震災前、私が知事になったころは県税収入が2,200億程度でした。それが今3,000億を超えているということでございますので、これは復興関連とあわせてアベノミクスの結果だというふうに思います。ただ、どの部分が震災関連でどの部分がアベノミクスの効果かというのはなかなか分析が難しいですけれども、復興需要によって県税収入が押し上げられたというのは間違いなく事実だろうというふうに思っております。検証まではしてないですが。ただ、復興が落ち着くと間違いなく下がるだろうというふうな思いを持っておりますので、そういう意味もあり、先ほどから言っているように、無駄な事業には一切お金は出せないということを、庁議の席で厳しく職員に言いました。

Q

 今後県税をさらに維持するためにどういうことが必要と考えるか。

村井知事

 人口が減る中で消費が冷え込んでくるわけでありますので、その中で県税を維持していくためには、付加価値の高いしっかりとしたものを作れるような産業を外から誘致してくる、あるいは育てていくということが、やはりまず一つ大切だと思います。もう一つは、交流人口。これを増やしていって、定住人口の減少分を交流人口で補っていき消費の冷え込みを抑えていくと、これしか方法はないだろうというふうに思っています。

Q

 先ほど、今回の予算はかゆいところに手が届くような予算と言ったが、あえて知事自身、この予算に名前をつけるならばどんな予算か。

村井知事

 「復興・創生 加速化予算」とさせていただきたいと思います。新たなステージに入りましたので、復興創生の次の5年間に向けて復興をさらに加速化させる。特にかゆいところに手が届く、困っている人たちにしっかりケアをしながら、特に被災者にケアできる、そういう予算に配慮して作ったつもりでございます。ぜひ県民の皆さまに期待をしていただきたいと思います。

Q

 集中復興期間が終了して初めての予算で、そうした社会的な弱者の方々に手が届く予算にしたと、額が少ないながらも配慮した予算ということで、このタイミングに知事はどんな思いで配分したのか聞かせてほしい。

村井知事

 今日も障害をお持ちの皆さま、アピール大行進という団体の皆さまから要望いただきまして、いろいろやりたいことはありましたが、どうしても今までは復興、とりわけハード最優先で事業を進めなければならなかった。そちらのほうに職員の労力も全て振り向けなければならなかったという、自分としてはやはりジレンマ、じくじたる思いもありました。5年たって少し落ち着いてきたということ、やるべきことがだんだん見えてきたということもあり、ここで新たにアクセルを踏む部分としてお困りの方、そういった人たちにしっかり光を当てるような施策を進めていきたい、そのように考えたということでございます。市町村と一緒になって住みよい宮城を進めていこうと思います。それが結果的には地方創生にもつながるだろうと思っております。

Q

 震災分が減るということだが、通常分の増加ペースも結構な割合かと思う。この傾向は続いていくのか。

村井知事

 当然、これは収入と支出のバランスでありますので、通常分がずっと右肩上がりで伸びるかどうかということは申し上げられませんが、今までずっと通常分を抑えて、後回しにして、復興予算を最優先にして復興を進めてきたということがありますので、これからそのバランスとして、復興事業が収まってきた分、通常分を増額しても、職員の体力は何とかもつだろうと考えているということでございます。もちろん税収等、また、国から来る交付税等、財源が確保されるということが前提になりますけれども、やりたいこと、やるべきことは通常分でもいろいろございますので、今後は全体を見ながら、復興事業の収まりに合わせて通常分の事業をさらに充実させていきたいと思っております。

Q

 いじめ・不登校対策や心のケアに、こども育英基金を取り崩すという表現がいいかどうか分からないが、使うということである。ただ、これは震災遺児の方の支援という名目で募った募金であるので、募金を寄せられた方に対する説明がまず先に必要ではないかと思うが、手続的にはいかがか。

村井知事

 説明は全部終わりました。大変な数ですので、もちろん全てではないですけれども、一定金額以上の方には個別にお会いしたり、あるいは手紙等を出してご理解を頂いた上でこの事業に取りかかっているということでございますので、反対だという方は今のところどなたもいなかったというふうに報告を受けております。

Q

 ちなみに(説明したのは)どれぐらいの人数か。

村井知事

 後で投げ込みます。
(寄附総額2,000万円以上かつ複数回の32者に対し、訪問して説明。1,000万円以上の寄附者には拡充方針の文章送付)

Q

 ただ、この基金に関しては、この目的以外には使えないと知事が自らそういう条例を定めているが、どうするのか。

村井知事

もちろん条例を変えないと使えないので、今度の議会で条例の改正を出します。

Q

 一部の遺児の世話を実際にされている方からは、岩手、福島、宮城と比較すると宮城は支給額が一番低い、一番集まっていながら低いという声も聞かれる。そういった方々にはどう説明するのか。

村井知事

 被災者の皆さんの子どものお世話というのは基本的に親戚等がされておられまして、私のところに直接そういう声は聞こえてきておりません。親を亡くす子どもというのは震災遺児・孤児だけではなくて、交通遺児・孤児、あるいは犯罪で亡くなる、あるいは病気で亡くなる子どもたちもおります。そういった意味で、全体のバランスを考えるということも重要ではないかと考えました。そういったこともあり、交通遺児・孤児に対して、こども育英基金ではありませんけれども、県の一般財源から今回、支援を拡充するようにしました。やはり全体のバランスを考えてあげないと、震災遺児・孤児だけが手厚いというわけにもいかないというのがわれわれの思いでございます。震災遺児・孤児に使う分を減らしてほかのところに回したいという、そういう思いでは決してないということはご理解を頂きたいと思います。全体のバランスを考えながら、という意味です。

Q

 通常事業の部分で、ある程度メリハリをつけてやっていくことになると考えられるが、財調基金を130億取り崩しており、昨年より30億程度多いと思う。県債の残高も1兆6,000億程度で高止まりの状態が続いている。財政の健全化を目指していかなければいけないと思うが、知事自身はどのような道筋を考えているか。

村井知事

 おかげさまで、昨年度は臨財債も入れて県債残高が全てマイナスになるということがございました。今年度どうなるか分かりませんけれども、臨財債は国の借金だといえども、できるだけ借金を減らす努力をすることが、国民と県民の負担を軽くすることにつながりますので、そういう努力はしていかなければならないと思っております。従って、今回、税収が上がったから自由に予算を使うということでは決してなく、かなり厳しく査定をいたしました。知事査定まで上がってきて、だめだといったような事業もございました。ぎりぎりのところで必要な事業だけを計上した結果、このようになったということでございます。財政調整基金を取り崩してはおりますけれども、事業をする中で無駄をなくして、財源を少しでも残せる工夫をするように指示をしてまいりたいと思っております。

Q

 今回は子どもの貧困対策や子育て支援対策、障害者支援など福祉部門に重点を置いており、これまではハード対策に力を入れてきたのを、これからソフト対策にも目配りできるようになったということだが、今後、例えば子どもの医療費助成など、福祉(部門)へさらに力を入れていける一つのターニングポイントなのかどうか、知事はどのように考えるか。

村井知事

 乳幼児医療が全ての福祉ではないと思います。考え方に変わりはないんですけれども、やれることをまずしっかりとやっていかなければいけないと思います。福祉というのは、本当に弱い人たちが自分の力で、元気な人たち、力のある人たちに及ばない部分を穴埋めすることだと私は思っています。そのため、今回行った施策もよく見ていただくと、やはり本当に困っている方たちの足りない部分を行政としてやれる限りの穴埋めをしているということでございます。その考え方に基づいて、さらに充実をしていけるように頑張っていこうと思います。

Q

 震災の記憶伝承・検証ということで新たに予算を組んでいるが、具体的にどういう作業を県としてするのか。また、この5年というタイミングで検証や伝承をしようとした理由を伺う。

村井知事

 実は節目ごとにやっているんですけれども、やはり5年というのも復興・創生期間に入る節目の期間でございますので、ここで一旦また取りまとめをしようと。これで終わりではなくて、宮城県の復興が完全に終わったと言われる10年をまた一つの節目として、恐らく作ることになるのではないかと思います。それはそのときの知事が考えればいいことなんですが、私といたしましては、やはり節目ごとに作り、しっかりとした記録でございますから、風化防止であると同時に、今度何らかの大きな災害があったときにそれを参考にする、あるいは他県の皆さまに参考にしていただくためのものにしたいという思いで作っているということでございます。

Q

 課題とかそういうことを列挙するような形になるのか。

村井知事

 そうですね。これからということになりますけれども、課題なども出てくるかと思いますし、このようなことをやったと時系列に書いていくことも重要だと思います。

Q

 あくまで内部で検証するような形か。

山田部長

 外部の人も入れて検証の委員会などを作って進めていきます。

Q

 義務的経費が増える中、人件費が増えるということで、職員給与の引き上げ等が民間の景気に合わせてということがあると思うが、賃上げがまだ大企業中心という中で実感を得られない県民も多いかと思う。人件費の負担の増加についての説明を伺う。

村井知事

 私は人事委員会の勧告を尊重するということをずっと言い続けておりまして、県内の企業を比較して宮城県は人件費が低いという人事委員会からのお答えでございましたから、それに合わせたということでございます。やはり県民の皆さまの感情というのも大変重要でございますから、幾ら上げてもいいということでは決してないと思っております。やはり県民の皆さまのご理解をい頂ける範囲内でということが重要です。そういった意味でも、人事委員会の勧告を尊重することが何よりも大切だと言っております。ただし、やはり財政が厳しくなったときは財政再生団体になってしまうと県民に迷惑をかけてしまいますから、これはもう人事委員会の勧告を抜きにして、職員の給与カットをして我慢してもらうしかないだろうと思います。しかし、今はそのような状況ではないということでございますから、これはしっかりと人事委員会の勧告どおり対応したということでございます。