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宮城県知事記者会見(平成26年8月29日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年9月2日更新

知事臨時記者会見

東北地方における医学部設置に係る構想審査会審査結果について

村井知事

 昨日(28日)、構想審査会の結果が発表されました。(東北)薬科大学さんに決まったということでございます。東北に1カ所、できれば宮城にもう一つ医学部を作ってほしいという強い思いを持って(安倍晋三)総理に掛け合って、実現いたしました。薬科大さんが決まったことを心からお喜び申し上げたいと思います。大変大きな使命を持った医学部でございますので、単に81番目の医学部にならないよう、その目的をぜひとも達成していただきたいと、心よりエールを送りたいと思います。
 宮城県は、「新たな地域完結型の医学部を」ということで手を挙げました。残念ながら準備不足ということを指摘されまして、宮城県の医学部(構想)の将来性を買っていただけずに、具体的な構想の中身を見て、宮城県(の構想)は薬科大(の構想)よりも劣っているという結論になりました。この点については真摯(しんし)に反省をしたいと思っております。
 私といたしましては、医師が足りなくて特に過疎化が進む県北、栗原に医学部を作ることによって、県北の医師不足の解消、県北で安心して子どもが産める、あるいは年を取っても病院に行けるという環境をぜひとも作りたいという思いが強くございました。それに期待をされておられました県民の皆さん、県北の皆さん、特に栗原市の市民の皆さまには、このような結果になってしまいましたことを心よりおわび申し上げたいと思います。
 安倍内閣は、地方創生というスローガンで、地方を活性化させようということでございましたので、私としては地方を元気にする一つの施策としても有効なものであると思っておりましたが、このような結果になってしまいました。これはしっかりと正面から受け止めまして、薬科大さんを支援することをこれから考えてまいりたいと思っております。

 昨夜の薬科大の会見で高柳元明理事長が「一番の課題は修学資金」と言い、「トータルで約150億円かかる。莫大(ばくだい)なお金なので県に支援を求めたい」と話していた。これに対して知事はどう応えるか。

村井知事

 補助金を出す、またファンドを作るということはお約束をしておりましたので、それはしっかりと対応したいと思っておりますが、金額についてはこれからの調整ということになります。薬科大さんのお考えの部分でございますが、最初(県内では)私立が2校(医学部構想に)手を挙げていたときのスキームと、県が手を挙げて県立の場合はこういうスキームでと考えておりますものがありますので、これはやはり時間の経過と共に(県の)考え方は当然変わってきていると考えていただきたいと思います。今日(29日)は具体的にはお話ししませんが、県の考え方につきましては7月の間に、私どもの担当者から国の担当者のほうにメールで何回かやりとりをさせていただきまして、「薬科大さんが決まったときの県の具体的な支援策はこういう支援策ですよ。ここを上限として考えておりますよ」というようなことは、国のほうにお伝えをし、「それで薬科大さんができるかどうかはしっかりと国として確認してください。また、詳しい話を聞きたいときは県の担当が参りますので、いつでも呼んでください」というようなお話をしておりました。従って、県としてはそれを国に投げかけた後に、審査会としてこういう結論になっておりますので、それがベースになるというふうに考えております。
 なお、昨日、国の審査会の審査結果が(遠藤久夫)座長から発表されましたけれども、これは県に対して、あるいは東北の各自治体に対して出されたものではなくて、国に対して出されたものでございますから、これはやはり国が(審査結果を)受け止めるべきだと思います。この医学部の新設というのは国策として行われるものであります。従って、私どもと薬科大、東北の各自治体と薬科大の間にやはり国が入るべきだろうと私は思います。薬科大さんにしても、あと数カ月間、来年の3月までにしっかりとした書類をそろえなければなりませんが、それを調製しながらというのは非常に大変だと思いますので、薬科大さんの負担を軽くする意味でも、やはり国が間に入るべきだと思います。そこで私どもはそのファンドあるいは補助金のことにつきましても、国にそれ(内容)をちゃんとお伝えしておりましたので、それをベースに間に入って薬科大さんと調整をしていただくというのが、恐らくスムーズにいく方策ではないかと考えているということでございます。そうしないと、「幾ら出す、出さない」という話になってしまいますので、そういう約束を私どもは国のほうとしておりませんので、捕らぬタヌキの皮算用とならないように、しっかりと国のほうで調整をしていただきたいと思います。その上で、もし足りないということであれば、それは国が何らかの財源措置をするといったようなことがあっても、私はいいと思います。まさに国策ですので。

 あえて聞くが、国に伝えてあった薬科大への資金の上限は幾らか。

村井知事

 数字を言うと、また一人歩きしますので、補助金については最大30億円という表現をしておりました。従って、義務年限10年で、地方自治体にしっかりと派遣をしてくれるというのが担保できれば、あるいは国家試験に受からなかったとか、辞めてしまったといったように派遣が仮にできなくなったときには、どう担保してくれるのかということをしっかりと約束をして文書で交わした上で、拠出をする(ことを考えています)。義務年限もしっかり精査をしたいと思います。また、ファンドも義務年限と人数は、宮城県の(構想の)場合は60人全員で(義務年限が)10年ということでやっておりましたので、それと同じ財源をベースに物事は考えていくということになろうかと思います。

 宮城県が想定していた60人の学費免除の部分の金額を、そのまま薬科大にスライドさせるというのは、道義上、手続上はできる可能性はあるか。

村井知事

 皆さん読まれたと思うのですけれども、昨日の国の審査会の審査結果を見て、「あの薬科大に比べたら県は非常に財政的に厳しいものがあって県民の理解が得られない」という答えでありましたので、まさにその論理でございまして、県としてはやはり県民の理解が得られる範囲内で行うということです。一番重要だと私が思っておりますのは、市町村の負担です。医師が派遣されたら、派遣された自治体病院を運営する自治体(等)がその分(貸与を受けた金額相当分)の義務年限で割ったお金をファンドに返すというスキームでしたよね。県立だったらこの程度で済むが、私立になったらこんなに金額が増えるということであれば、恐らく自治体は納得されないと思います。従って、裕福な自治体だけではなくて、財政の厳しい自治体のほうが多いわけですから、そういう自治体の毎年の負担が均一になるというものをベースに考えていかなければならないと思っています。
 これはもうわれわれは、国のほうにはっきりと7月30日の4回目の審査会の前にそういったものを早めに出させていただいておりますので、それは当然審査の中でよくご議論いただいたものと考えております。ですから、(国から)丸投げされましてもわれわれとしては困りますので、それはやはり国が間に入っていただかないといけないと私は思います。そのほうが薬科大さんも楽だと思うのですよね。財源が足りなければ、その分は国が何とかするといったようなことがあってもいいと思いますよ。私は薬科大さんのためにもそのほうがいいと思いますね。

 審査会が、将来性よりも実現可能性を重視したことについては、知事はどのように受け止めているか。

村井知事

 これは考え方の違いでございますので、致し方ないと思います。ただ、5月30日に(構想の)書類を出す前に、私はそういう説明を一切受けておりません。「構想を審査する」、つまりどういう構想を持っているのかを審査する審査会だと私は理解をしていたということです。その段階で「将来性よりも構想の中身をチェックする審査会なのだ」ということであれば、これはもう数日間で作った構想書ですので、雲泥の差があるのは誰が見ても明らかですから、それだったら手を挙げなかったと思います。従って、そういったところも文部科学省に対して私は非常に不信感を持っている部分でございます。また、何よりも(今回の)審査会の前の日に(結果が報道されたことから)、もう結果が決まっているというのは誰が考えてもおかしいですよね。それについては(下村博文)大臣に直接抗議をさせていただき、大臣からおわびの言葉がございました。

 文科省からの書類を見ると、7月30日の第4回会合のあたりで、かなり審査会としての心証が薬科大のほうに傾きつつあったという印象もあったが、知事はその辺をどう受け止めるか。

村井知事

 いや、それはもう全く分かりませんでした。7月の審査会が終わって、あと一、二カ月延びると言われてから、実は昨日まで県に対して何の問い合わせもございませんでした。われわれからは、「こういった(宮城大学医学部教育課程・教員等採用)検討委員会を作って、医師確保、カリキュラムの検討をスタートしています」といったような資料や、新聞の切り抜きなどを文科省のほうに送っておりましたけれども、それに対する質問は一切ありませんでしたので、文科省が構想審査会でどういうふうな形で導こうとしているのか、構想審査会の座長がどういうふうなお考えなのかというようなことは、一切私たちには伝わっていなかったということであります。

 もともと県は(先に手を挙げていた)私立(2校)に関して平等に扱う立場を取っていたが、それが構想の提出期限直前になって、(一つの私立が手を下ろしたことから)県が自ら手を挙げた。かなり時間的にタイトで恐らく県の職員も相当頑張ったと思うが、結果として落選になった。あえて直前に参入するという判断は、今振り返ってみてどうだったと考えているか。

村井知事

 構想審査会がどういうふうな形で審査をするか分からないという前提ですけれども、あの時点では県立でやったほうがより目的にかなうという判断をしたことは間違いなかったと思っております。結果として県立ではなくなりましたけれども、しかし、宮城県内にもう1カ所医学部(を設立する)という目的は達成できましたので、決してやったことが間違っていた、失敗したというような思いは私には決してございません。

 先ほどの話しで、構想を審査するのだから、実現可能性よりもある種の将来性を見てくれるのだろうと理解したという趣旨か。

村井知事

 そうです。

 それは文科省からそういう説明があったのか。

村井知事

 ありません。

 構想審査会という言葉から、恐らくそうだろうと考えたのか。

村井知事

 そうですね。

 実現可能性に関してそれほど重視するなら、手を挙げないという判断のほうがむしろよかったか。

村井知事

 時間的な制約がありましたので、その出された構想書の中身だけを見て判断をするのだと、それに対する将来性も何も判断をしないのだということであれば、恐らく手を挙げて宮城県がやることはなかったろうと今思えば思えますね。ただ、その時点では恐らく文科省もそこまで決めてなかったのだと思います。

 大臣に抗議されたというが、それはその点も含めてということか。

村井知事

 いえ、そういうことは言っていません。

 それはあくまで前日の段階で決まっていて報道になったということに関してということか。

村井知事

 そうですね。

 それはいつ抗議されて、いつ返事が来たのか。

村井知事

 新聞に載った日(27日)の夜ですね。

 一昨日の夜ということか。

村井知事

 はい。

 電話か何かで。

村井知事

 はい、そうです。

 下村大臣にしたのか。

村井知事

 はい、そうです。メールを送ったら昨日のお昼ごろ電話をいただいたということです。

 大臣と直接電話されたわけではないのか

村井知事

 大臣に直接メールをして、大臣から電話がかかってきたということです。

 具体的にどういう言葉があったのか。

村井知事

 「情報が事前に漏れたということについては大変申し訳ないと思います」と、それだけです。

 7月30日に第4回構想審査会が行われて、その場では決まらなかった。それで約1カ月延長されて昨日決まったということだが、その間約1カ月の間に県としては検討委員会を開いたり、大規模事業評価を行ったり、具体性が乏しいと審査会から言われたが、その辺の具体化を図ったと思う。7月30日から昨日に至るまでの間に、県として努力したことに関しては評価の対象になったのかどうか、どう考えているか。

村井知事

 分からないです。われわれもその審査結果をいただきまして、今読み込んで、そしていろいろお聞きしたいことがございますので、そういったようなことについては文書で質問をし、回答をいただきたいと思っています。もちろんその内容につきましては、どういうふうに斟酌(しんしゃく)をしていただいたのかということはお聞きしたいと思っております。

 構想審査会の文書を見ると、人材確保とかカリキュラムに関して検討が全く着手されていないというような表現だったかと思うが、まさに先日(23日)の検討委員会ではカリキュラムや人材確保について検討に着手した状況だった。その表現だと、県の努力が反映されず評価の対象になっていないのかという印象を受けるが、知事はどう考えるか。

村井知事

 そうですね、ぱっと目を通した限りにおいては、あくまでもわれわれが5月30日に提出した構想書をベースに最後まで審査をされたというような感じは受けました。

 薬科大さんの構想を見ると、ネットワークの連携先として実名を挙げずにA、B、C、Dという形で表現していて、内諾は得ていると審査会に伝えていた。県としても水面下で調整をして内諾を得ているという形で、構想審査会にその連携先を提示することはできなかったのか。

村井知事

 今回は私どものほうから(審査会に)直接接触できないものですから、一方的にわれわれが検討した内容を国のほうにお伝えしておりましたけれども、それに対して国から何の質問もなければ、何も反応しようがないので、従って、これ以上やりようがなかったですね。

 質問がちょっと不正確だったかもしれないが、具体性を欠くという指摘が審査会から県に対してあったが、そういう意味で、実名は出さないまでも、連携先として幾つかの機関は内諾を得ているという形で示すことで、具体性をある程度担保できたのかなという気もしたが、どうか。

村井知事

 もちろんいろいろな病院に行って調整はさせていただいておりましたけれども、それは地方自治体である以上、仮に選定されたらという前提条件のもとで各機関にさまざまな協議を行ったり内々で話を進めているということを表面に出すのは非常に難しい(のです)。その点はご理解をいただきたいと思います。これはやはり地方自治体の限界ですよね。
 また、予算についても私の一存で決められるわけではなく、議会を通さなければいけませんので、そういった全体のバランスも考えながら、どうしても構想応募書にまとめなければならなかった(ということです)。それが曖昧だとか消極的だと言われてしまえば、そのとおりかもしれませんが、やはり地方自治体の限界というものであります。だから、逆に言うと、決まればかなり思い切ったことも展開できただろうなとも思っていますね。

 薬科大は今後東北六県との連携も必要になると思うが、県として、何か今そういったことで支援なり考えていることがあれば教えてほしい。

村井知事

 この構想書の審査結果では、運営協議会を作ると言っていましたけれども、これも薬科大さんが「運営協議会に入ってください」ということを言いましても、どの自治体にお願いをしていいのか、また、自治体によって参加する・しないといろいろ出てくると思いますので、こういったようなものは、宮城県というよりも、やはり国がやるべきだろうなと思います。今回の構想書の審査結果を読みましたら、かなり県の力は過小評価されている部分がございますので、ぜひ国に全面的に出てしっかりと対応していただきたいと思います。その上で、私どもも、国に入っていただきながら、薬科大さんと調整ができれば、非常に話がスムーズにいくのではないかと期待をしております。

 知事自らヒアリングの場に立って、「フルスペックではない大学を作る。積極的に地域に出ていって、地域の医療機関と共に医師を育てるという(構想は)、これは一つの賭けである」と言っていた。それを文部科学省がどう判断するかというところに期待をよせていたわけだが、その賭けに対してこういう結果になったわけで、ある意味、あそこで少し方針転換があったようにも思われるが、この辺は振り返っていかがか。

村井知事

 5月30日の段階では医学部長(候補)は決まっておりませんでした。その後、門田(守人)先生に医学部長になっていただけるという話がありまして、その中でいろいろ話をしておりまして、やはり医学部長の考え方をしっかりと反映をする責任があると考えたわけであります。門田先生のお考えは、まさに病院完結型ではなくて、地域全体で学生を育てるのだと(いうことでした)。地域みんなで育てることによって地域に根づく、地域の良さも悪いところも、また愛着も出てくるのだというようなお考えで、要はそれを伏せたままで仮に選ばれてしまいますと、医学部長のお考えどおりの医学部を作れないと私は考えたということでございます。単なる81番目の医学部では意味がないという、1回目の構想審査会での議論もありましたので、それでは、そういう思い切った提案というものは、あっても許されるのではないかと私は考えたということであります。
 昨日の審査結果を見ましたら、そこが問題だということはどこにも書いてございませんでした。全体として準備不足であったというところが指摘をされておりますので、構想応募書の中身は確かに急ごしらえでわれわれは作っておりますので、その中身が準備不足であったと言われたらもうそれ以上のことは何も申し上げることはできないですよね。従って、その後の私が発言したり行動したことが問題になったのではなくて、もともと原点であった構想応募書の内容が残念ながら、十分に委員の皆さまに納得していただける内容に至っていなかったと私は受け止めています。

 審査書の中では、「特別な大学を作る必要はない。そういった大学を選ぶ場ではない」という表現もあったと思う。それが1番目は求めていない、これまでどおりのような医学部を求めているというようにも聞こえるが、そのあたりはいかがか。

村井知事

 そういうふうなことをお考えの委員が(審査会の)中におられたということは非常にがっかりします。81番目、今までと同じ医学部を作るならば、(既存の)医学部の定数増で十分賄えるはずですよね。今回の薬科大さんも、定数が120(人)になるのか100(人になる)か分かりませんけれども、仮に120(人)としても、(既存で)80医学部あるわけですから、各大学1.5人ずつ定員を増やせば、その人数は賄えるわけです。従って、それならば作る意味がなく、定数増で十分賄える(ということです)。そんなに無理のない範囲での定数増ですよ。それなのに、新たな81番目の医学部を作るならば、全く違う将来の医学部のあり方というものを目指すものをやるべきだろうと(いう考え方は)、私は決して間違っていないと思いますね。その私どもの考え方が構想審査会の一部の委員には、全く理解をされていなかったということは非常に残念だと思います。

 宮城大の医学部ができることと薬科大に医学部ができることを比較し、宮城大のほうが県にとってメリットがあったはずのことはどのようなことか。さらに、薬科大が今回選ばれたことで失われたメリットを回復する、少しでもリカバーするためにどういう手だてがあると考えるか。

村井知事

 県の最大のメリットは、60人同じ志を持った学生が一緒の境遇、環境で勉強できるということです。修学資金をもらう人、自分で学費を払う人という差があるわけではなく、同じキャンパスの中で同じ教育を受けるのですね。私は防衛大学校で教育を受けまして、非常に苦しかったのですけれども、防大の教育は、学生が1学年500人ですが、みんな同じ教育を受けて、同じ苦しみを味わうのですよね。だからあれは耐えられるのですよ。自分だけが苦しければ、とても耐えられないと思います。そこが私は今の若い人たちにとっても非常に重要なファクター(要素)だと考えておりました。また、学費も入学金も(実質)かからず、全員ゼロですので、非常に能力があって志が高くて「地域医療のために働きたい」、お父さん、お母さんがそんなにお金持ちではないけれども「ぜひ東北の地域医療のために頑張りたい」という志のある、それほど裕福でない一般家庭の方がトライできる大学になっただろうなと(思います)。それが最大のメリットだと私は思います。
 これが失われたのではないかということでありますが、これはやはり薬科大さんもいろいろな方策を考えていただいて、今言ったような県立であったメリットを随所に見せていただけたらと思います。

 審査会の中で、具体性が欠けるというデメリットと同時に、宮城県が前に出て県立の医学部を設立するということで、「東北全体をみる」という観点がどうしても宮城県の事情に左右されてしまうのではないかという懸念を持たれてしまったようなことが審査会の報告にあったと思うが、その辺はどのように受け止めるか。

村井知事

 全くナンセンスですね。考えられないです。そういう意見をおっしゃった委員がいるということは理解ができないです。もともと私が言い出しっぺで、この医学部(の新設)はスタートしましたよね。私は宮城県のためではなく東北全体のためにということで言いましたし、特に青森県や秋田県や岩手県といった医師がいないところの応援をするべきだと思ってスタートしています。ファンドを作って、もちろん県費を入れますので、宮城県の枠が多くはなると思います。しかし、60人ならば、仮に20人(を宮城)県が取れば(派遣されれば)、各県に8人ずつ(派遣する)というようなこともはっきり申し上げました。それはもうそういうルールにするということをはっきり申し上げていますので、そういった意見を出された委員がいるということは、非常に私は残念でならないですね。
 私は、この問題に限らず、やはり日本人でありますので、常に頭に日本全体のことを考えようとし、東北の知事ですから東北のことを最優先に考えようとし、その次に宮城県のことを考えるというふうに思っているのですよ。ですから、私のポリシーというか信念を傷つけられたような思いがしますね。

 県財政が心配だという理由があるが、そういう懸念は当たっているか。

村井知事

 県は財政が厳しいのは事実です。従って、決して間違っているとは申し上げません。ただ、私どもも、ちゃんとシミュレーションしまして、やれるという数字を持って臨んでおりましたので、これによって一気に県の財政が傾くということはないだろうと思っておりました。もちろん優先順位をつけて、今やっている事業を削るということも出てきたかもしれません。むしろそういうふうにして工夫はします。そうすることによって(財政が心配)ということでありますけれども、私はそれをやや誇張され過ぎではないかなという気はしますけれどもね。

 今回の東北への医学部新設は規制改革の側面もあったと思う。ただ、昨日の構想審査会の報告書を見ると、トーンとしては医師の需給をかなり気にしていて、委員の方が、やはり医師は将来的に増え過ぎてしまうのではないかという見通しに立って審査されていたようだが、この点に関してどう考えるか。薬科大の構想にしてもちょっと人数が多いのではないかとか、将来的に医師の需給に問題が生じたときは協力するようにとかという表現があったが、こういう考え方について知事はどう受け止めているか。

村井知事

 今、規制改革という話がありましたが、冒頭述べましたけれども、規制改革であったり、地方創生という安倍総理の考え方(を受けて)、定数増だけでは賄えない、新たな発想による医学部を作るべきだと思って総理に直談判までして、ここまで実現をしてきました。当然ですけれども、医師はだんだん過剰になってくると思います。人口が急激に減ってきているわけですから、今の医師数でも当然過剰になってくるはずなのですね。ですから、ただの医師不足を解消するための医学部であれば、定数増だけで十分ではないかと私は思っておりました。それを別の視点から教育をすることによって、本当に必要な自治体病院への医師の派遣、しかも診療科の偏在性も解消することができるということで、自治医科大学と同じような方式をとって教育をしたいと考えたということであります。
 残念ながら、そういった主張は認められませんでしたけれども、今回の審査会の審査結果を見ますと、ややそういった既存の固定観念のようなものに拘泥しているなという気はいたしましたですね。
 決して私、愚痴は言っていませんからね。勘違いしないでくださいよ。私は、薬科大さんが決まったことを心からうれしく思っていますし、薬科大さんにエールを送っておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思いますし、県として応援できることはしっかりと応援をさせていただこうと思っています。
 ただ、やはり国が間に入らないと薬科大さんも負担が大きいと思うので、薬科大さんと県の間にも国に入っていただき、他の自治体との間にも国が入っていただくということが、最も望ましいと思っています。それで、支援策の具体的な内容については、これから薬科大さんの話を国から聞くということになると思いますけれども、詳細を詰めていきたいと(いうことです)。県民の理解が得られる範囲内で協力をするということであります。

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