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宮城県知事記者会見(平成26年6月9日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年6月10日更新

知事定例記者会見

指定廃棄物最終処分場の詳細候補地に係る関係者会談について

 指定廃棄物の最終処分場について、今日(9日)午後5時から2回目の5者会議(宮城県指定廃棄物処分場の詳細調査候補地に係る関係者会談)が行われるが、あらためて今回の会議で期待するところを伺う。

村井知事

 先般(5月26日開催の第1回の5者会議で)いろいろなご意見、ご質問が出されました。それに対して環境省として回答を準備されております。回答の内容については事前に3つの自治体に対してもう送付されていると伺っておりますので、(環境省から)それに対する説明と、その回答に対してのご質問やご意見が(自治体から)出るものと思っております。やはりお互い同じテーブルに着いて、見える形で話し合っていくということが非常に重要だと思いますので、忌憚(きたん)のない意見交換をしていただけるものと期待しております。

 一部の首長は国の詳細調査を前に、現地視察を要請したいという考えを示しているが、知事は現地視察についてはどのようなお考えか。

村井知事

 「一歩も立ち入ってはならぬ」といったようなところから前進したものと受け止めておりまして、環境省も前向きに捉えてくれるものと思います。井上(信治)副大臣になるかどうか分かりませんが、国の責任者の方が現地に入るときには私も極力同行したいと思っております。受け入れ側として2回も3回も対応するというのは大変だと思いますので、一緒のときに行って同じ話を聞かせていただくというのが大切だと思います。

 これまでの会議で国は詳細調査の受け入れを求めているが、加美町が拒否している。知事は今日の見通しとして、どうなると考えるか。

村井知事

 分からないです。今日何らかの解決策、妥協点というものが出るかもしれませんし、出ないかもしれないです。これはやってみないと分からないです。正直に申し上げて、この会議はシナリオを事前に準備せずにそのまま土俵を設けて、その土俵に皆さん上がっていただいて相撲をとっていただくという形をとっております。どうなるか分かりません。

 いつまでも平行線のままというわけにはいかないが、こういう状態が続くとどこかで県なり環境省なりが意思決定をすることはあり得るか。

村井知事

 これは環境省がどうするか、どう考えるかということに尽きます。環境省が「もう議論が出尽くした。あとは堂々巡りだ、同じ議論を繰り返すだけだ」という判断をしたならば、そこで考え方を示すかもしれませんし、どこまでも堂々巡りであってもずっとその議論を継続していくというお考えならば、そのような形になるだろうと思います。これは分かりません。ボールは環境省にあるということです。それをどう投げてくるか、その投げたボールによって県としても、また3つの自治体としても対応は変わってくるということです。

 前回の会議でも知事が最後のほうで「10日前後で2回目の会議をやったほうがいい」とまとめていたが、今回の現地調査に関しては環境省からなかなか提示がない場合、知事のほうから早い段階で現地調査を提案していくお考えか。

村井知事

 やっていただけるものであれば、できるだけ早くやるべきだと私は思っております。国会の関係もありますし、県も含めてそれぞれの自治体も議会がございますから、相当日程調整は難しいと思いますが、その辺は県が間に入っていろいろと連絡調整をすることはやぶさかではないということです。また、梅雨時期でこういう天気ですから、非常に難しい日程調整になると思いますけれども、できるだけ早くしたいと思います。もし環境省が「現地調査をやらない」ということをおっしゃれば、私からは強くそれに対しては「やるべきだ」ということをお話しようと今日は思っています。そんなことはないと思いますけれども。

被災地の公立病院再建問題について

 東日本大震災の被災地の公立病院再建の問題で、具体的には石巻市と気仙沼市と南三陸町だが、資材価格や人件費の高騰で工事費の見積もりが想定よりもだいぶ上がっている。3つの市と町は県に財政支援の要望を寄せているようだが、これに対して県はどのように対応するのか。

村井知事

 県の一般財源からその赤字分を補填(ほてん)するということは不可能です。これはやはりこういった特殊な事情でございますので、国が責任を持って対応すべきだと思っております。地域医療再生基金の増額によって対応するのか、また別の対応をするのかは分かりませんが、自治体と歩調を合わせてお願いをしてまいりたいと思っています。県も今後、例えば精神医療センターの建て替えが、今年度(平成26年度)設計に入っておりますが、恐らく震災前よりもかなり高い値段になるのではないかと思っております。今おっしゃった気仙沼や石巻だけの問題ではなくて、県としても大変大きな問題として捉えているということです。全ての工事費に当てはまる問題ですので、病院に限らず、公共事業のこういった要因によっての高止まり分については、これはやはり国が責任を持っていただくということが大切だと思います。

 この点について復興庁に物を申したことはまだないのか。

村井知事

 ございます。

 病院に関しては。

村井知事

 病院に対してもありますよ。

 石巻と気仙沼と南三陸の病院についてもあるということか。

村井知事

 ございますね。

 どのような回答が返ってきているのか。

村井知事

 「当然重く受け止めている」というお話がありました。これは宮城だけではありません。岩手も福島もみんな同じ問題ですので、復興庁としてもまた厚生労働省としても、大変重く受け止めておられるということです。

 重く受け止めているというのは、色よい返事と捉えていいか。

村井知事

 これは政策的な意味合いというよりも、もう必ずやらなければならない事業ですから、必ずしっかりとした対応をしていただけるものと私どもは思っております。していただかなければ、声高に叫び続けたいと思います。

農業協同組合改革について

 自民党・政府が進める農協(農業協同組合)改革について、先週(5日)北海道東北知事会から慎重な議論を求める要望書が提出された。知事は自民党の進める農協改革についてどう考えるか。

村井知事

 受け止め方でございますが、これは非常に大きな改革です。関係者が多数おりますので、この問題については上意下達ではなく、農業者の方たちの意見も十分聞いた上で前に進めるべきだと思います。結果的には先延ばしになりましたけれども、自民党内で農業改革案を6日に取りまとめるという報道がございました。それを受けてその前の2日に、私のところに直接(宮城県)農協中央会の菅原(章夫)会長から「ぜひ国に要望してほしい」という要請を受けました。そこで急遽(きゅうきょ)、宮城県から北海道東北地方知事会に呼び掛けをいたしまして、全ての道県がその趣旨に賛同いたしまして、5日に政府および自由民主党関係者に対し要望したということでございます。
 生産現場がそれでなくても大規模化や農地バンク(農地中間管理機構)を作って農地を集約するといったような思い切った農業改革に取り組んでいる最中でございます。非常に大きな船が急激に旋回をすると沈んでしまうことになりかねませんので、やはり目標を決めましても徐々に徐々に旋回をして目的地に向かって進むようにしないといけないのではないかと思っています。生産現場は相当混乱していると聞いておりますので、農家の皆さまの心配が増長しないように工夫していただきたいと思います。

 要望書を見ても「慎重な議論」とは書いてあるが、隣県の山形の首長は強烈に批判している状況にある。知事自身は賛否をどのようにお考えか。

村井知事

 担い手が不足してきて高齢化が進んでおりますので、農業を今後、付加価値の高いものを作り、そして大規模化、集約化をしていくという方向性は間違っていないと私は思っております。しかし、その際に全農(全国農業協同組合連合会)を株式会社化して、何もかも資本主義に委ねていくのが果たしていいのかどうかということについては、時間をかけて進めていくべきものだと考えております。何もかも間違っているということではありませんが、そのような方向に持っていくにしても、やはり生産者の意見を聞きながら、双方が納得しながら進めていけるような方策を見出していくべきではないかと考えているということでございます。従って、何もかも間違っているということではないのですが、生産者の皆さんの了解なしに一方的に進めていくにはあまりにも性急過ぎたのではないかと考えているということでございます。急にこの話が出てきて、一気に話が進んでおりますので、やはり現場は相当混乱をしているということであります。

 「あまりにも急な改革ではないか。もう少し慎重な議論を」ということが話の骨子だと思うが、知事も水産業復興特区や仙台空港民営化など、硬直化したシステムを改革して担い手の幅を広げようという基軸がある。今回の農協も既存のシステムを見直す意味では重なる部分もあると思う。改革の方向そのものについて、知事のお考えを伺う。

村井知事

 政府がやろうとしておりますのは、決して全農を否定しているということではなく、足腰の強い農業にしなければいけないという趣旨だと思います。その点については私も考え方は理解できます。しかし、何度も言うように、あまりにも大きな改革でございますので、これについては農業者の皆さま、関係者の皆さんの十分な理解を得ながら進めていくというのが重要だと思っているということです。私もいろいろなことをやっておりますけれども、私としてはしっかりとプロセスを経てやっていったつもりでございまして、私の案を出す前にはしっかりとマスコミの皆さまにも考え方を(新聞等に)載せていただいて、その上でいろいろなご意見をいただき、何度も調整をしながら限られた時間の中で結論を出してきたということであります。(今回の農業改革は)政府は時間という制約はございません。今回の震災で私のやっておりましたいろいろな改革は、時間の制約のある中でやっていったということでありますので、やはり時間の流れといったものもしっかりと政府は勘案をするべきではないかと思います。

医学部の新設について

 医学部の新設に関して、先週議会に説明に回っていると伺ったが、「議会を軽視しているのではないか。あまりにも拙速過ぎるのではないか」という声が聞こえてくる。そういった声に対して6月議会の対応も含め伺いたい。

村井知事

 ごもっともなご意見だと思います。今回は(申請の)提出期限ぎりぎりに意思決定をいたしました。議会での答弁は今まで一貫して「私立が手を挙げている以上、県としてはそちらを応援する」という言い方をしておりました。それを急遽、直前になって方針を変更し、県として手を挙げたということでございますので、議会に説明する間がなかったとはいえ、議会としては寝耳に水の話でございますから、そういうご批判が出て当然だと思っておりました。ただ、いろいろな方とお話をしておりますと、「県立で医学部を作ることに対して反対をしている」ということではなく、「しっかりと説明責任を果たしていないのではないか」ということに対してのお叱りでございますので、その点に対しては真摯(しんし)に反省をし、6月議会にかかわらず説明を求められたならば丁寧にご説明をいたしまして、議会のご理解を得ながら前に進めていきたいと思っております。県立でやることに反対だという方は、ほとんどおられないという認識でおります。その点(説明責任)については、これに限らず常に私はお叱りを受けておりますので、反省をしなければならないと思っています。

 医学部設置の財源について伺う。先月末(5月30日)の市町村長会議で、市長会が乳幼児医療費助成制度の拡充について要望した。その際、社会保障費の増大があるので難しいという見解を示した一方、医学部設置がどのようになるか分からないという発言をされた。その発言の真意を伺いたい。

村井知事

 文部科学省に構想書を提出しましたけれども、その際にも今の計算では県に入るだろうというあらゆる財源を見込み、また今まで赤字でありました栗原の県立循環器・呼吸器病センターの分の赤字を引いてやりましても、毎年20~30億円ぐらいの財源の拠出は必要になってくるということであります。その分は非常に厳しい財政状況の中で、どこかから捻出しなければならないということが一つ(です)。それから、社会保障費は毎年70億円ぐらい高齢化に伴って増えていっております。自然増です。また、今度国保(国民健康保険)が、今まで市町村がそれを担っていたわけですけれども、その事業が都道府県に回ってくるということで調整をしています。その際の今までの赤字分をどうするのか、また今後赤字が出た場合どう対応し、誰が負担するのかというところが見通せていないという状況です。そういう状況ですので、今の段階で社会保障にこれ以上財源をつぎ込むということを、あの場で明言することはできなかったということです。今、宮城県は小学校入学までの入院費は無料にしています。そして、3歳(未満)まで通院も無料にしているということなのですが、これを通院も小学校入学までに引き上げるだけで、毎年7~8億円を一般財源から拠出しなければいけないということを考えると、市町村長さん方がおっしゃることはよく分かるのですが、あの場で「分かりました」ということを到底言えなかったということです。
 ただ、宮城県の乳幼児医療助成制度というのは全国最低(水準)なのですけれども、市町村が上乗せをしておりますので、県民の皆さんの目線でいくと、それぞれの自治体によってでこぼこはございますが、一番良いところ、例えば大衡村は18歳まで入院費も通院費も無料になっていますし、自治体によってはすごくいいところもあるということです。宮城県は全国最低でも、県民に対するサービスという面で見ると市町村が負担してくださっておりますので、他県とそれほど差はなくなっているということです。その分市町村に大きな負担をかけているということがありまして、市町村からああいう要望が出ているということです。それについては大変心苦しいのですけれども、宮城県のそういったいろいろな事情がありますので、「よく検討したい」という回答をさせていただきました。

 乳幼児医療費助成制度の要望に対して、医学部のことを答えたということだが、うがった見方をすれば医学部の設置や運営費に対して、社会保障費を使うのではないかと聞き取れたのだが、そうではないのか。

村井知事

 いいえ、全ての財源をいろいろかき集めなければいけないと思っています。社会保障費はもう削りたくても、どんどん毎年70億円ずつ増えていっているのですよ。来年(平成27年度)は昨年(平成25年度)よりも140億円プラスとどんどん増えていきますので、それほどもう削れるところはありません。従って、その他のいろいろな事業をできるだけ精査して、財源を生み出していくという努力はこれからさらに必要になってくるだろうと思います。先ほど言った乳幼児(医療費助成)の上積み分については、さらにプラスということになりますので、それがずっと上に乗っかっていくということになりますから、なかなか思い切って踏み切れないということです。しかし、医学部を造るなら、現在やっている乳幼児医療(費助成)制度をなくす、額を減らす、対象者を減らすというようなことはできないだろうと思っていますので、後退することはないだろうと思っていただきたいと思います。

 乳幼児医療費の県としての負担は、以前から全国的に最低水準だった。何らかの条件を満たせば、最低水準を脱する努力をするのか、それとも最低水準を上げて全国一律の制度を国が担保するように求めていくのか、どちらなのか。

村井知事

 実はこれは全国全ての都道府県、全ての市町村でやっている制度です。従って、言わば国がやるべきことを全ての自治体が補完をしているということになりますので、これはやはり国が責任を持ってやるべきだというのは宮城県の声ではなく、全国の全ての自治体から上がっている声だということであります。その分、8%に上がったということもありまして消費税を充てることができるというような形にはなってはおります。しかし、残念ながら毎年これからどんどん70億円ずつさらに上積みされていきますので、それをのみ込めるだけの財源が自治体に来ていないということです。従って、乳幼児医療費助成をさらに大幅に拡充するといったような都道府県は、ほとんどないと思います。そんな余裕はないと思いますね。消費税が上がって、社会保障費分として来る財源は早晩すぐに枯渇すると思います。

 医学部の関連で、「しわ寄せが来る事業があるかもしれない」と知事が説明する機会が何度かあったが、しわ寄せが来る事業は具体的にどういったものを想定しているのか。

村井知事

 まだ具体的にはないです。当然必要な事業しかやっておりませんし、もう既に雑巾を絞るだけ絞って、乾き切った雑巾をさらに絞っているような状況ですので、しわ寄せと言われるくらい大きくカットできるようなものはほとんどないと思いますね。それをさらに工夫しなければいけないということです。従って、逆に言うと新規の事業を抑制することにはなっていくだろうと思いますね。既存の事業を大幅に削るというよりも、新規の政策的な事業を抑制していかざるを得なくなることが大きくなるのではないでしょうか。ただし、まだ医学部が宮城県でやると決まったわけではありませんので、仮の話として受け止めていただきたいと思います。「仮に宮城県に決まったら」ということですね。

 宮城県が医学部を設置すると決まったわけではないので、仮に残念な結果になった場合、既存の事業を見直すことで20~30億円を拠出できそうならば、その分を乳幼児医療費助成に回すことはできないのか。

村井知事

 分からないです。それもそのときの結果、状況を見ながら判断してまいります。ただ、乳幼児医療(費助成)といったようなものは、単年度でやる事業ではなくて、1回上げてしまうとあとずっと下げることはできずに、高止まりになってしまいますから、これはどうしても慎重になります。単年度の事業でしたら、それはもう社会情勢等を見ながら思い切って判断することもあると思いますが、やはりずっとランニングコスト(運営経費)として上乗せになってくるものについては、相当慎重に考えていくことになるだろうと思います。まだ分からないです。今の段階で答えられないですね。

みなし仮設住宅退去に関する提訴について

 定期賃貸借契約の切れたみなし仮設住宅の入居者が、退去要請にもかかわらず転居してくれないということで、県では提訴の準備を進めている。6月議会でも承認を求めて提案するということだが、提訴という判断に至った知事のお考えを伺う。

村井知事

 これはそれぞれケースが違いますので、「こういう理由」ということを一言では申し上げることはできません。また、入居者と貸主さんのプライバシーの問題でもありますので、あまり踏み込んでお話はできませんが、県として貸主さんと入居者の間に入っていろいろ調整をさせていただき、どうしても貸主さんが「これ以上貸し続けることができない」といったような場合に、われわれは別な場所を準備して、「そこに移っていただけませんか」というお願いを(入居者に)ずっと継続してやってきたということです。まだ話し合う余地のある方については調停という形をとりたいと思っています。しかし、入居されている方がもう話し合いには応じないということで、ファイティングポーズ(争う姿勢)をとられた場合には、残念ですが提訴に踏み切らざるを得なかったと、裁判所の判断を仰がざるを得なくなってしまったということであります。極力話し合いで、話し合いができない場合は調停で、調停も難しいということになった場合には裁判でということで、最終手段として今回提訴という判断に至ったということでございます。非常に残念ですけれども、やはり貸主さんの都合もございますので、これについては(入居者に)協力をしていただきたい、移転先については極力ご本人のご要望に応えられるように、われわれとしても協力をしたいと思っています。

 同じように今後こうした強硬策に訴えるケースは増えてくると思うか。

村井知事

 分からないですが、ゼロではないでしょうね。難しい問題ですね。みなし仮設のみならず、だんだん災害公営住宅ができますと、仮設住宅から移っていただかなければならない状況が出てくると思いますので、「どうしても仮設住宅から出たくない」という方がおられましたら、みなし仮設のみならず仮設住宅においても同じような問題になるかもしれません。できるだけ被災者の皆さんにも協力をしていただきたいと思います。われわれは被災者目線で、被災者のためを思ってやっていますので、ぜひ被災者の皆さんも協力をするところは協力していただきたいと思います。

 どうしても出ていかない場合、別の場所を県が調整して提案すると言ったが、入居者の方への提案を今県としてどういうことをやっているのか。移転場所を県が提案しているのか。

村井知事

 そうです。県だとか市町村が案内いたしまして、「こういう場所がありますから移ってください」と(いうことです)。子どもの学校、職場の問題、いろいろあってこういう場所ということは、できるだけそこを探してもらい案内をしているということであります。できる限り対応しておりますが、それでも「どうしても協力できない」ということであり、「裁判を起こされても仕方がない」というふうなお考えであれば、これはもう司法の判断を仰がざるを得なくなってしまったということですね。非常に残念なのですけれども、決して短兵急に裁判を起こすといったようなことではないということです。粘り強くお願いをしても、にっちもさっちもいかなくなってしまったということですね。

日本維新の会の分党について

 先週、維新の会が分党して所属先が石原慎太郎さんの党か橋下徹さんの党かがだいたい決まったわけだが、これを知事はどう見るか。また、この分党が道州制に与える影響についてどう考えるか。

村井知事

 分党したことをどう捉えているかということなのですが、これはそれぞれ党の事情があったのだろうと思いますので、私から言及することはできません。ただ、今言ったように道州制については、今まで橋下さんの下で維新の会は一つになって力を合わせて頑張ってくれておりました。そういった意味では、分党したことによってエネルギーが削がれるのではないかというのは危惧しております。石原さんの下でぜひこういった問題については前向きに、引き続き協力して汗を流していただきたいと思います。橋下さんの政策の一丁目一番地は統治機構改革ですので、その下に集まった皆さんですから、分かれたとしても一生懸命やっていただけるものと信じたいと思います。

 道州制基本法案の関係だが、国会の会期末が近づいてきた。知事はじめ推進首長連合(道州制推進知事・指定都市市長連合)は、今国会での成立を求めている。かなり厳しい状況だが、現在の状況をどう考えるか。

村井知事

 一番肝心の自民党がまとまっておりません。政権公約で掲げたにもかかわらず、まとまらないということは、国民に対して約束を守っていないということになると思います。今いろいろなことをやっておられますけれども、少なくとも政権公約に掲げたことは全部やり切った上で新たなことにチャレンジをするということでないと、公党としての体をなしていないということになってしまうと思います。私は非常にがっかりしています。

 今回の国会をやり過ごして、9月臨時国会があったとしても、次の春に統一地方選挙があるので市町村からの反発はかなり強く、自民党は6月以降に法案を出す環境はより厳しくなると思う。先々の見通しと、これまで推進をけん引してきた道州制首長連合の活動を見直す、新たな運動論も必要になるのかもしれないが、知事のお考えを伺う。

村井知事

 道州制は、まさにこの国の在り方をどうするのかという本当に重要な議論でして、地方選挙があるからといったようなことで議論を前に進めたり、止めたりするような問題ではないと私は思います。この国の借金が1千兆円を超えてどんどん増え続けておりまして、本当に私は心配で、そのことを考えると夜も眠れなくなるような状況ですね。そういった中で、いつまでも中央集権で在り続けることは、私は不可能だと思います。こういう重要な問題は統一地方選挙があるかないかということよりも、この国がどうあるべきかということに論点を置いて考えていくべきですし、そう考えるともう時間がありませんので、今国会にでもすぐ提案をするといったような気概がないとだめだと思います。まして政権公約に掲げているわけですからね。これだけの内閣支持率があるわけですから、やろうと思えばできるはずなので、できない理由などないと私は思います。
 それから、(道州制)首長連合の在り方ですが、今国会の法案提出あるやなしやによって、今後の対応というものもまた考えていきたいと思っています。

人手不足問題について

 人手不足が全国的に問題になっているが、今後企業が人手不足を理由にする倒産みたいなものが増えてくるのではないかと懸念されている。県として何か対応、もしくは知事として危惧されていることはあるか。

村井知事

 そうですね、人手不足で倒産というところまではまだ考えておりません。「人手がないから倒産する」といったような声まではまだ私のところには届いてはいないのですが、今後非常に急激に生産年齢人口が減る中で、景気が良くなってきておりますので、そういった問題も想定しなければならないかもしれません。まずは特に中小企業の経営者の皆さんとよく意見交換をしながら、そういう問題の芽が出るようでしたら早めに対応するようにしてまいりたいと思います。国は海外から外国人の労働者を受け入れるということも今検討を始めておりまして、そういった国の施策ともよく呼応しながら検討すべき問題だと思っています。倒産するかしないかは別にして、恐らく今後人手不足で労働市場はかなり悪くなっていくだろうという懸念は私もしているところであります。