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宮城県知事記者会見(平成26年3月17日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年3月18日更新

知事定例記者会見

漁港の復旧予定の見直しについて

 県管理漁港27港のうち、気仙沼漁港、雄勝漁港、塩釜漁港の3港は、当初復旧予定だった2015年度からそれ以降にずれ込むということでロードマップを書き直したということだが、この遅れの原因と、これは(2015年度までの国の)集中復興期間との兼ね合いから財源面で非常に不安もあると思うが、県としてどのように対応していくのか伺いたい。

村井知事

 原因は、まちづくりとの整合性がとれていない箇所があるということ、そして資材不足、マンパワー不足によって入札不調がまだ継続的に起こっているということを加味いたしまして、どうしても期間内に終わらない見込みになってきたということでございます。少し早めに県民の皆さまにお伝えしたほうが心の準備ができるのではないかということで、早めにお示しをしたということでございます。
 財源面で不安がないと言ったらうそになります。これはやはり国の支援があることを前提に全て計画を立てておりますので、財政的な支援がついえてしまうということになりますと、事業が進まなくなってしまいますので、これにつきましては、前々からお話ししていますように、夏の政府要望にはしっかりとした論拠を織り込んで、(集中復興)期間を、財政的な支援も含めて延長していただくようにお願いをしていこうと思います。今回はそういったものの第1弾と捉えていただければと思います。

 第1弾というと、第2弾、第3弾があるような感じがするが。

村井知事

 復興事業全体を今見直しておりますので、その中で他のいろいろな事業も出てくるかもしれません。それはちょっと待っていただきたいと思います。

防潮堤の高さの見直しについて

 3月11日午前中の菅(義偉)官房長官の会見で、村井知事が防潮堤の高さの見直しをした場合には大変混乱になる可能性があると発言したことに対して、そういうことにはならないのではないかという見解を示した。それに対する受け止めと今後の進め方についてあらためて伺いたい。

村井知事

 言っていることは同じでございまして、われわれはL1の津波(数十年から百数十年に発生する事が想定される発生頻度の高い津波)に対応できる防潮堤を造るということであります。それは、(国の)中央防災会議で決めた基準に基づいて各省庁から県のほうに課長通知が来て、その論拠に基づいてやっていると(いうことです)。それは、住民の皆さんとの合意を得ながら工夫して修正をしながら対応しているということであります。
 私が混乱をすると言ったのは、中央防災会議で決めた(基準)までさかのぼって(防潮堤の)高さを変えるということになると、これはもう大変な混乱を起こしてしまうということです。一方、菅官房長官のおっしゃった「高さを変えても」というのは、今われわれが(考えている)、L1(の津波に対応できる防潮堤に)プラス(する)余裕高(の部分と)、例えば地域によってはユニット海岸という見方で、一つの港だけでなくて地域全体を見ている部分、つまり宮城県オリジナルの考え方の部分です。その辺については、だんだん時間が限られてきておりますので、いろいろな形で(住民の皆さんと)協議をしながら、お互いが納得できるところを探っていきたいと考えております。根底の基準が変わるわけではありませんので、それはもう私どもの裁量の中でやれるということでありますから、菅さんがおっしゃっていることとわれわれの言っていることは特に問題はないということです。菅さん(の発言)も中央防災会議で決めた基準を大きく変えるといったようなところまで踏み込んだ発言ではないと捉えております。

 (平成25)年末に気仙沼(市内湾地区)の計画への(県の)対応があったこともあると思うが、年明け以降、あちらこちらで住民の皆さんから見直しを求める声が上がっているところがあるが、今起きている現象についてはどのように認識しているか。

村井知事

 私どもはそれほどあちらこちらで起こっているというつもりはありません。もともと反対している人たちがまたここに来て声を出しているということで、大部分の住民の皆さんが合意・賛成をしてもう事業が始まるというところは、当然進むものだと思っていますので、賛成派の人たちは特に何もおっしゃっていません。従って、賛成派の人たちが急にみんな反対に回っているということでは決してありません。もともとそれに対していろいろ問題意識を持っておられた方々が、ここに来てまた発言をされているということでございます。従って、それほど大きな混乱にはなっていない(と思います)。もちろんわれわれもそれぞれ地域に行きまして事情を確認しておりますけれども、ここに来てそこにいる住民がこぞってみんな反対になっているということでは決してないということでございますので、安心をしていただきたいと思います。住民の皆さんの声をよく聞きながら進めていきたいと思っています。

 知事が自らまだ合意に至っていないところに出向いて直接対話することに対してはどのように考えるか。

村井知事

 県政全体いろいろなことを(私は)やっています。内陸もありますし、県南から県北までこの広い宮城県の中でやるべきことが多々ございますので、その中で優先順位をつけて仕事をしております。優先順位が高いということになれば、私が出向くこともやぶさかではございません。今のところは具体的にそういう日程を組んでいるところはないということです。必要であれば、行くこともあると思います。やはり私が行くことによって事態が打開するというような思いが芽生えてくれば、そういう行動にも出ます。(気仙沼市)内湾(地区)はまさにそうです。私が行かないと多分これ以上もう事態が進まないだろうなと思って、私が出ていっていろいろお話をさせていただきました。やはり優先順位をつけながら対応していきたいと思います。

 「私が行けば局面を打開できる」と今想定される港はあるか。

村井知事

 いいえ。残り数カ所でございますけれども、職員が手分けをして、一生懸命当たって案を作ってもらっている段階でございます。住民の皆さんと今折衝を続けておりますから、現在のところはそういった場所は具体的にはございません。

 今月(3月)7日に海岸法改正(案)について閣議決定がされ、今後多分成立するのではないかと言われている。その中で、今までなかったような協議会を自治体側が必要に応じて設置するという項目が新たに設けられ、今いろいろ議論になっているが、合意について少しやり方が変わってくると思うが、海岸法が改正されることの影響はどのように捉えているか。

村井知事

 いずれにしても、防潮堤に限らず、地元の市町村に断りなく、また、地元の住民の皆さんに全く断りなく、事業を行うということはございませんので、私どもはそれほど大きな影響はないだろうと思います。

 今後、協議会を立ち上げる可能性についてはいかがか。

村井知事

 法案が成立し、そういう内容であれば、それは当然協力することになるだろうと思います。

消費税率引き上げの影響について

 来月(4月)新年度から消費税率が引き上げになる。消費税率引き上げによって、県の事業に対する影響とか、復興の進ちょくや県民生活に何か知事が懸念することはあるか。

村井知事

 県の事業につきましては、消費税率が上がることによって、社会保障関連の国から来る財源が手厚くなる(安定したものになる)だろうということが分かっておりますので、そういった意味では、県の事業を見ると(一定の財源が確保され)比較的(安定した)事業(運営)が当然やりやすくなると思います。
 県民生活においては、税率が上がるわけですので、消費に影響が当然出てくるのではないかということを懸念しております。現在、駆け込み需要で相当いろいろな仕事が動いておりまして、高額なものもよく売れているようでありますが、これが4月以降ぴたっと止まるというようなことにならないのか非常に心配をしております。政府はそれに対しての対応策も早め早めに手を打っているようでございますので、そういった対応策でプラス効果が出るように期待をしているところでございます。

 復興に関してだが、今、資材の高騰で高く付いている。消費税率が上がると、適正に転嫁できればいいが、それがスムーズにいかないとまた事業者の利益ということに関わってくるかと思うが、この点についてはいかがか。

村井知事

 現在は消費税率が上がった分をのみ込んでくれと言えるような状況ではございませんので、その消費税率が上がった分はわれわれも予定価格の中に当然組み込んでいかざるを得ないだろうと思います。
 この間、(県)東京事務所でお話ししていましたら、東京からこっち(宮城県)に戻ってくる職員が、引っ越し業者さんなどにもやっぱり人手がないということと、今、駆け込みで3月中に移動したほうがいいというようなことがあって、価格を高めに皆さん設定されているとおっしゃっていました。「ちょっと価格を下げてくれ」と言ったら、「いや、じゃあもううち結構です」というふうに向こうから断られると言っていました。それぐらい今、やはり仕事があふれているのだろうなと思います。これが4月以降、影響出るような気がします。

女川原子力発電所に対する県独自の検討委員会について

 先日、県独自に安全性を検証する委員会を立ち上げてほしいという陳情が県議会に出されたと思うが、原子力規制委員会の安全審査とは別に宮城県独自で専門家を集めて安全性を調べる検討委員会を立ち上げる考えはあるのか。

村井知事

 県議会(平成26年2月定例会)の一般質問でそういうご質問がございまして、それについては検討するというお答えをしております。そういった検討委員会を設置したほうがいいのかどうか、全体を見ながらよく考えてまいりたいと思っております。

沿岸自治体の職員不足解消の取り組みについて

 沿岸自治体の職員不足は新年度(平成26年度)に入ってからも深刻な状況が続くようである。これまで知事は打開しようと努力してきているとは思うが、これまで具体的にどのようなことをやってきて、どのくらい成果が上がっているのか、また、今後のさらなる取り組みについてもし考えがあれば聞かせてほしい。

村井知事

 今までの県の取り組みですけれども、技術的な専門的知識を持ったOBを再任用して現地に派遣をするようなことをしたり、あるいは、民間の技術者等を臨時的に任期付職員として採用し派遣をしたり、現職の職員をということで、他県の市町村に要請をしてそこから派遣をしてもらったり、宮城県だけではなくて他県で任期付職員を採用していただいて、他県からその職員を派遣してもらったりということで、できる限りのことはやってきたつもりであります。また、仕事量を減らすためにUR(独立行政法人都市再生機構)に仕事を一括発注したりというようなこともいたしております。仕事量を減らし、また、それでも増え続ける仕事量に対応するために、マンパワーをできるだけ全国から集めてくると(いうことで)、それを、正職員だけではなくて任期付職員という形で集めてくる、民間からも集めてくるというような、ありとあらゆることをやっております。
 難しいのは、誰でもいいということではなくて、相当専門的な知識、ノウハウ、経験がないとできない仕事であるということでありますので、そこが非常に簡単にいかない。また、来たいといいましてもそれぞれ家族がおられます。定年後、悠々自適の生活を送っているのに、家族を残してあえて被災地に行かなくても、という家族から引き止めの声があって断念したという声もやはりありました。簡単にはいかない問題でありますけれども、そういった支援をしてきているということでございます。
 成果としては、まだまだ数百人単位で不足はしておりますけれども、何とか(合計では)千人単位で各自治体に職員は派遣できていると思っております。引き続き国と協力もしながら職員の派遣ができるように頑張ってまいりたいと思っております。やり方としてはもうこれ以上方法がございませんので、引き続き今言ったような制度を活用しながら、人を増やすように工夫をしていきたいと思っております。また、国からも職員を派遣してもらっています。

 何らかの国の予算措置など、お金で解決できる問題なのか。

村井知事

 これは、お金は国から全部出ているのです。ですから、お金の問題ではないのです。間違いなく技術力を持った職員がなかなかやっぱり集まってきてくれないという問題でございました。これから仮設住宅などもだんだん空いてきますので、そういったところに職員に今住んでもらっていますから、さらに仮設住宅が空きましたらならば人が住みやすくなります。できる限り住まいの問題はクリアしてくると思いますから、派遣してもらえるようにさらにお願いをしてまいりたいと思います。(全国)知事会に行くと必ずそのお願いはさせていただいております。他県で任期付職員を採用した場合もその財源は国から来ていますので、財政的な負担はかけずにお願いしているということです。

仙台空港におけるLCC(格安航空会社)就航の効果と今後の仙台空港のあり方について

 仙台空港について、(LCCの)ピーチ・アビエーションが3月30日から便を少し増やしていく方向という話がある。LCCが就航して4月で1年というタイミングでもあるが、これまでの効果と今後の仙台空港のあり方について伺いたい。

村井知事

 やはりピーチが就航したことによって、週2便ではありましたけれども、非常に経済的効果が出ております。特に今まで飛行機を使ったことのない人たちが使うようになってきているということです。今まで仙台空港を活用していた既存のJAL(日本航空)さんやANA(全日本空輸)さんといった(大阪国際空港)伊丹便のお客さんを奪うことなく関西からのお客さんが増えているわけです。従って、客のパイの奪い合い(既存客を同業者どうしで奪い合うこと)ではなくて、今までのお客さん(に加え、新規客)を上積みするような効果が出ているということです。これによって、仙台空港が昨年(平成25年)、乗降客数が過去最高(を記録した平成19年以降)2番目になりました。中国便が全部止まって、そして韓国便が半分になっているという中でということでございますので、そういった意味ではやはりピーチ効果は非常に大きいと思います。仙台空港アクセス鉄道も過去最高の利用者数になりました。(仙台空港の乗降客数が)335万人というのが平成19年にあって、平成25年が307万人(で)、300万人を超えたということです。これは間違いなくピーチ効果だと私は思っております。
 今度は便数がさらに増えるということです。ピーチの(井上慎一)社長さんとは懇意にしておりましてよくお話ししますけれども、仙台便は搭乗率が一番いいらしいです。そういった意味で優先的に便数を増やしていただけたものと思っております。ぜひ関(西)空(港)を使って海外に行くお客さまを増やす意味でもピーチを応援してまいりたいと思います。

教育委員会制度改革について

 今、政府・与党内で教育委員会制度について、いろいろ議論がある。知事の考えをまだ聞いていなかったが、首長に教育長の任免権を与え、教育委員会をもっと良くしていこうということのようだが、まず所感を伺いたい。

村井知事

 それは一つの考え方だと思います。そのように制度が変わりましたならば、しっかりと知事として対応していかなければならないと思っております。ただ、やはり教育問題というのは非常に難しい問題で、リーダーが代わるたびに右から左に考え方を変えられるものでは決してないということでありますので、その点についてはやはり慎重な対応も首長にも求められるのではないかと思います。

 現行の制度に問題があると考えるか。

村井知事

 私は現行の制度で特に問題は感じておりません。教育委員は私が任命しております。その(任命)前に議会に諮って、議会で承認をされています。私が議会に提案をしているということでございます。実質的にはやはり私どもが相当程度責任を持って適任を議会に諮っておりますので、宮城県においては少なくとも大きく変わることはないだろうと思います。

 この話が出てきたのは(滋賀県)大津(市)でのいじめ問題があったからだが、いじめのような大きな事案があった際に、現行制度で宮城県は即座に対応できると考えるか。

村井知事

 県教(育)委(員会)と市町村教(育)委(員会)とはまたちょっと役割が違うと思います。従って、ああいった小中学校でのいじめ問題が県にと言われるとなかなか答えづらい部分はございますが、少なくとも県教委は市町村教委に寄り添いながらいろいろな問題について真摯(しんし)に対応していると私は評価をしております。

 このようなことを聞いているのは、大川小学校の関係で訴訟にまで発展する事態になったことがあってなのだが、教育委員会制度が変わったらあのようなことが起こらないような仕組みになると考えるか。

村井知事

 それは難しいでしょうね。難しいというのは答えるのが非常に難しいと思います。どのような制度に変えましても、一番重要なのは、やはりどういった人がその任を負うかというところにあるかと思います。その点はやはりしっかりとした人を任命しなければならないということからも、やはり首長の責任はより大きくなると思います。権限が大きくなるというよりも、責任が大きくなるということになるのではないでしょうか。