ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

宮城県知事記者会見(平成26年1月14日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月15日更新

知事定例記者会見

気仙沼市内湾地区の防潮堤整備について

 県が防潮堤にフラップゲートの設置を打診したとの報道があったが、その意図と今後の進め方について伺う。

村井知事

 地元から要望がございましたフラップゲート(防潮扉)方式につきまして、国と協議をしてまいりました。一つの方法であろうかと思っておりましたけれども、全国に例がございませんので、認めていただけるかどうかが定かでありませんでした。従って、慎重な言い回しに終始をしていたということでございます。このたび国から、一つの方法として、それで住民合意が得られるならばその方法も認めようというお話がございましたので、(防潮堤に)フラップゲート(を設置する)案もお示しをしたということでございます。
 地元の住民でつくります(復興まちづくり)協議会は、湾口防波堤、湾に入ってくるところの防波堤を造り、そしてそれによって防潮堤の高さを30センチメートル下げることができますので3.8メートルに下げて、そしてプラス1メートルのフラップゲート(を設置する)案であります。
 それに対して、気仙沼市さんは湾口防波堤ができますと水質が汚濁してしまう可能性があるということで、3.8メートルにフラップゲートを1.3メートル造ってほしいという要望でございました。
 地元の市と協議会から別々の案が出ましたので、県としてどうすればいいのか慎重に協議をした結果、水質の汚濁については確かにその可能性は考えられますので、湾口防波堤なしに4.1メートルの防潮堤に(余裕高分として)プラス1メートルのフラップゲート(を造る)と、県のL1(数十年から百数十年に発生する事が想定される発生頻度の高い津波)に対する考え方、また(防潮堤の)余裕高の考え方と符合いたしますので、合理的な案であるということで結論を出しまして、地元にお示しをしたということでございます。
 従って、陸側から見て防潮堤の高さが(市や協議会の案より)30センチメートル高くなるということになりますので、その分はぜひ土を盛って、相対的な高さを低くするようにしていただければよろしいのではないかと思います。30センチメートルってこれぐらい(※両手を使って高さを表す)ですので、土を盛るのにそれほど不都合はないだろうと考えております。ぜひこの案で、地元の協議会、そして気仙沼市さんに合意をいただきたいと思います。
 気仙沼市さんの案は3.8メートル(の防潮堤)に1.3メートルのフラップゲートということですが、それでは残念ながら理論的に説明がつきません。それを認めれば、3メートルに2.1メートルのフラップゲートでもいいのではないかと、同じような理屈でいくらでもフラップゲートの高さを高くすればいいのかという議論になってしまいます。それは理屈が通りませんので、その案は残念ながら認めることはできないということでございます。

 知事は説明会か何かでフラップゲートの技術的な問題も指摘していたと思うが、今回県が打診したのは、国が認めると言ったからという1点だけで認可したのか。

村井知事

 あの後フラップゲートについていろいろ調べました。正直申し上げて、完全に確立された技術ではないと私どもは思っています。実際にまだ防潮堤の上に造られた例は一つもありません。果たしてそれが本当にしっかり機能するのかどうかというのは、実際の災害で経験をしたわけではございませんので、手探りであるのは間違いないということでございます。しかし、県の職員が技術的な見地から検討した結果、県が考える余裕のある高さに充てる分については、内湾地区に限っては対応できるのではないかと考えたということでございます。
 しかし、これは非常にお金のかかる問題でありますので、どこもというわけにいきません。従って、このような方式を採れる地域というのは人口の集積度、人口密度等も当然勘案しながら、極めて限定的にこの地域だけという形にさせていただきたいと思っております。あそこもここもと適用するということは不可能です。

 お金がかかるという話だが、当初県が予定していた防潮堤よりどれぐらい割高になるかという試算は出ているか。

漁港復興推進室

 コンクリートと比べての話だと思うのですけれども、高さ1メートルで原価当たりだいたい250万円という試算をしているところです。

村井知事

 250万円の価格差ということでいいのですか。

漁港復興推進室

 いいえ、価格がかかる(ということです)。

村井知事

 フラップゲートの場合は(250万円かかるということ)です。コンクリートの場合は(いくらですか)。

漁港復興推進室

 コンクリートの場合は、(今)資料が(手元に無いので分かりません)。

村井知事

 後で投げ込みます。内湾地区は人がたくさん住んでいるところでありますし、今回、極めて甚大な影響が出た場所でございますので、何とか合意にたどり着きたいということで、最優先で頑張ってまいりました。国も、難しい選択でございましたけれども、それをお認めいただいたということでございますから、ぜひ地域の皆さんはこの案を受け入れていただきたいと思います。

記者発表資料 [PDFファイル/58KB]

 この事業は復興予算で対応していくということか。

村井知事

 そうです。復興予算を使って対応するということです。

 そうすると地元負担はないのか。

村井知事

 ありません。

 先ほど1メートル当たり250万円かかるということだったが、コンクリートの倍とか、ざっくりでいいのでイメージを教えてほしい。

村井知事

 後で(投げ込みをしますので)、コンクリートで4.1メートルを5.1メートルにするのにかかる1メートル分のお金と、フラップゲートを4.1(メートルの防潮堤)の上に1メートル載せる分にどれくらいかかるのかという差で比較していただくと分かるかと思います。

 かなり高価になると考えていいか。

村井知事

 間違いなく高価になると思います。また、電気的な構造になります(※)ので、正直申し上げて、頻繁に職員が行って、ごみ等の影響でフラップゲート(の動作)に支障を及ぼさないように常にチェックをしなければいけないということで、人件費等もその後、継続的にかかっていく(と思います)。その分は国民の税金で賄っていただかなければならなくなってしまうということです。費用だけを考えるとコンクリートの防潮堤のほうがぐっと下がるのは間違いないわけなのですが、今回、地元の皆さんのご意見、ご要望を聞いて、ここまで県としては考え方を譲歩したということです。

※後の発言で、フラップゲートは電気ではなく浮力で上がる旨の訂正をしています。

 コストがかかるとか技術的にまだ確立されていないものであるというマイナス面を考慮してもフラップゲートを利用するのは、やはり国の財政支援があればこそのことか。

村井知事

 当然そうです。

 それがなければこういうもの(フラップゲート)は使うことができなかったということか。

村井知事

 できません。

 先ほどメンテナンスのコストがかかるということだったが、そこの部分も復興予算で見てもらうのではなく、造るに当たっては国の予算だが、その後の維持管理、電気が動いているかのチェック等は全部県でやっていくのか。

村井知事

 はい、漁港管理者の責任ですから、(その)場所は県が管理しておりますので県の責任でということになります。

 さっき人口の集積具合で限定的に造る方向で考えているということだったが、それも基本的に県の管轄エリア内でというニュアンスが含まれているのか。

村井知事

 はい、そうです。

 市町村の管轄する部分は含まれていないということか。

村井知事

 それはまた市町村が別途国と調整されればよろしいのではないかと思います。少なくとも県が整備する漁港区域、港湾区域については、防潮堤の上にフラップゲートをつけるというのは、あの地域以外は考えていないということであります。それはもう無理です。

 国からいつごろ復興予算で面倒を見るという回答が来たのか。

村井知事

 昨年(平成25年)の末、12月に入ってからです。

 それは、県が防潮堤を造るに当たって気仙沼の内湾地区も含めて住民との間で合意がなかなかうまくできない現状にあるということを国に伝えて、国から回答が来たという流れか。

村井知事

 「地元から強いご要望がありますので県としてもいろいろ検証した結果、余裕高分をフラップゲートにするということで何とか解決をしたいと思いますので、国としてお認めいただきたい」とお願いをしたということでございます。

 要望自体はいつごろしたのか。

村井知事

 それは、私がこの間(地元に)お伺いして、その後、地元の協議会で秋口に、湾口防波堤を造って(防潮堤を)3.8(メートル)にして1メートルを(フラップゲートにする)という方針が出されました。その後、それについて検討をし、技術的に何とかなるのではないかという手応えを感じましたので、そこから国のほうに要望したということです。(知事)選挙が終わった後ぐらいからです。

 当初は(昨年の)年内(合意)を目標にしていたが、今の時点で目標としている時期はあるか。

村井知事

 やはりできるだけ早いほうがいいと思っています。ここをまず一つ片付けた後に残りのところもできる限り(早く)調整をさせていただきたいと思います。
 すみません、先ほど一つ間違いました。(フラップゲートは)電気で浮き上がるのではないそうです。波の力で上がっていく、浮力です。掃除をしなければいけないというのは、浮力で上がるようにごみが詰まらないように掃除をするということです。結構頻繁に掃除しなければいけないそうです。

 非常に高価であり、技術的にもまだ確立されていないので一部で導入するということだが、国のお金を使うわけで、今後いろいろな自治体から自分たちもやりたいという話が出てきた場合に、どういう線引きをして、それをどうやって全国の人たちに理解を求めていくのか。

村井知事

 全国の皆さん(について)はちょっと責任とれないのですけれども、少なくとも宮城県が管理しております漁港や港湾については、コンクリートでしっかりとしたものを造ることがどのような状況でも必ず地域を守ることになりますので、やはりそれがベストだと思っています。その上で、気仙沼市の内湾地区と同じぐらいの人口密度があり、住民合意がどうしても得られないというようなことがあれば、そのときは考えますけれども、恐らく今のところそういった地域はあの地域以外あり得ませんので、あとはみんな合意に至っていますので、恐らく今後宮城県においてはないだろうと思います。
 他の地域から一つの参考例として視察に来られることは十分考えられると思います。観光につながればかえって気仙沼市にとっていいかもしれません。

国の国保財政支援拡充方針について

 先日(8日)、県内自治体への説明会があったが、その中で、仮に拡充後に被災者の医療費の減免を復活する場合は県のほうでも基準を示してほしいという声があったと聞いている。今後、県としてそのような対応をしていくのかどうか、考えを伺う。

村井知事

 実はこの予算は県の歳入歳出予算を通りません。従って、国から直接市町村の国保(国民健康保険)財源として入るものですから、そこに県が口を挟むことはできないということです。それが認められるなら、ありとあらゆる市町村の事業について県が口を挟んでいいということと同じ理屈になりますので、これはやはりやるべきでないと考えております。対象者を絞らなければなりませんけれども、医療費の減免を再開できる財源は私は市町村のほうに渡るというふうに見ております。この財源をぜひ有効に活用していただきたいという思いは持っておりますが、そうしなければならないということを強制する権限もわれわれにはありませんし、それに対して基準を作るといったようなこともできないと考えているということであります。

 国保の事業主体は市町村なので、知事の言うことももっともだと思うが、県としてモデルケースなりを示す考えもないか。

村井知事

 はい、ありません。そうあるべきでないと考えているということです。

 自治体から要望があっても県としては対応しないということか。

村井知事

 はい。これは自治権の問題だと思います。例えば、県だって苦しい選択をしなければいけないことってたくさんありますよね。同じように、(他の)都道府県もみんな困っていることはいろいろあると思うんですよ。そういったようなときに、都合のいいときにだけ国に対して基準を作ってくれというのは、やはり国としてもできないという答えになると思います。これは全て同じことではないでしょうか。
 市町村で見ると、それぞれ町内会単位でいろいろな違いが出てきますよね。それを市や町(村)で統一した基準を作ってくれと言われても、これは町内会単位で考えてくださいと、市町(村)は答えると思うのです。ですから、やはりこれは自分たちの自治権を行使して、自分で考え、住民の皆さんとよく話し合って、一番いい選択をするべきだと思います。少なくともそれに充てる最低限の財源はいくというのが、県の考え方だということです。

 今日(14日)の午前中にあった仙台市長の会見で、奥山(恵美子)市長が「まず市長会として検討する会を今後開いていきたい」と発言されたと聞いている。その上で、県の関わりとして、「県が基準を決めるようなそういう形のリーダーシップは期待しないが、何らかの形で県に会議、検討に関わっていただくべきではないか」というご見解を示されたそうだが、それについてはどのように考えるか。

村井知事

 市長会として、自分たちでまずよく話し合うということは重要な一つの考え方だと思います。「県の関わりは期待しないが、何らかの形で県が加わることがあってもいいのではないか」というお話ですが、市長会から何らかの連絡が来たならば、どういうものなのかよく聞いた上で、県としての対応方針をお示ししたいと思います。

 それは、あくまでもオブザーバーとしての参加なら拒否はしないということか。

村井知事

 まだ分からないです。どういうふうな話が来るのか、(話が)来てからですね。

 現状では(減免の再開を)前向きに検討している市町村があまりない状態なので、県の要望してきた趣旨が反映されないような状況だが、それでも自治の考え方とか基本的な考え方で、県が口を挟むべきではないということか。

村井知事

 何度も言いますけれども、それに必要な財源は、もともとなかったのです。被災地の国保財源が足りないからという理由だけでは、恐らくこの財源が来ることはなかったと思います。従って、もともとはゼロだった財源が新たに加わったということですから、その趣旨をよく考えながら、今国保財源が苦しいから、来た財源をその穴埋めに埋めるんだというのではなくて、やはりそういった国のわれわれに対する配慮というものもよく考えた上で、住民の皆さま、特に被災者の皆さんにとって何が一番いいのか考えて行動していただきたいと思います。
 ちょっとこれとは方向は違うのですけれども、住宅再建の財源は県の歳入として入って県の歳出として使う財源でした。従って、県としても応分の責任を負ってもいいだろうということで基準を示しました。しかし、「基準を示せ」と言われて基準を示したならば、「なぜこういう基準を示したんだ」というふうにかえってお叱りを受けました。今回は、県の予算を全く通らない予算で市町(村)の独自の財源(です)。国保財源に県が口を挟むこととなって、それに皆さん納得してくださればいいですけれども、今度また納得されなかったときには、また同じように、「何でこんなことに口を挟むんだ」と、間違いなくそういうお叱りを受けることになるだろうと思います。従って、住宅再建の財源の問題よりもこの問題のほうがさらにわれわれが関わるハードルは高いだろうと考えたということです。
 決して逃げているわけではないのです。県議会からもそういう要望があった住宅再建のときには果敢にチャレンジをいたしました。それで、お叱りを受けて基準を下げたという経緯がありまして、決して逃げるわけではなくて、これは口を挟むべき問題ではないので口を挟めないということです。その点はぜひ市町村にもご理解をいただきたいと思います。

 国保財政の支援強化という名目だが、医療費の減免再開を期待しての支援強化だと思うが、実際問題、県内の市町村は迷走しているところが多いように思われる。その辺はどう受け止めているか。

村井知事

 どうしても基準を自分たちで独自に作るというのは難しいというのはよく分かります。その点で市町村が非常に困惑されているのはよく分かるのですけれども、だから誰かの責任でというのではなくて、これは自分たちで決められる問題でございますので、それぞれの市町村で独自に決められないのであれば、市長会がやっているように、市長会として統一的な考え方をみんなで作るというのも一つの方法ではないかなと思います。それを国や県に全てお願いするということでは、やはり私は本来あるべき自治の姿にはならないと思います。
 私どもも何でも国にお願いして国に決めてくれと言いたいことはいっぱいあるのですけれども、そういうときにやはり逃げずに、自分たちのことは批判を受けても自分の責任でやっているということです。これが重要だと思います。

指定廃棄物処理場について

 環境省から、市町村(長)会議の正式な日時等の打診等があったら、現在の進ちょく状況を伺う。

村井知事

 1月20日にあるということが報道では流れておりますが、まだ正式には私どものほうには来ておりません。

 調整中ということか。

村井知事

 調整中ということです。決まりましたら、恐らく国からになるのではないかなと思うのですけれども、しっかりと皆さまにお伝えをしたいと思います。今度は多分(候補地の)具体的な市町村名が出てくると思いますので、関心が高い会議になるのではないかと思います。

 前回の昨年11月の会議の際に、次回の会議にはぜひ石原(伸晃 環境)大臣に出席していただきたいという要望が非常に(多く)あった。まだどうなるか分からないが、その必要性についてはどう考えるか。また、新年度予算で、復興庁予算として、まだ総額は明らかにされていないが地域振興費というものを環境省が用意したという形になっているが、その受け止めを伺う。

村井知事

 石原大臣が20日の会議に来られるかどうかというのは、これはもう環境省サイドが決めることだと思います。われわれとしては、宮城県にとっては非常に重要な問題ですので、ぜひ大臣が来られて、大臣の口から具体的なお話をいただきたいという思いは、20日にあるかもしれない会議のみならず、常にどのような会議でも持っております。大臣が昨年、国際会議(第1回アジア国立公園会議)で仙台にお越しになりました。その際には、直接私の口からもそのようなお願いをさせていただいたということでございます。従って、われわれの気持ちは大臣のところに伝わっているかと思いますが、次の会議で大臣がお越しになるかどうかというのは全く分かりません。来ていただけるものならばぜひ来ていただきたいなという思いは、当たり前ですけれども持っております。
 それから、地域振興費ですね。地域振興策のための経費を準備していただいているというのは大変心強い限りでございます。宮城県で1カ所、必ず決めなければならないという思いを持っておりますので、その際にやはり地域の皆さまにとりましても、デメリットばかりではないのだということをお伝えする有効なツールになると思います。具体的な内容については全く分かりません。

 最終処分場の候補地が提示されることが予想されるが、進めるに当たって県の役割、県がやるべきことをどのように考えるか。

村井知事

 まず、県としては、複数箇所を示されたならば、それがどういう場所であるのか、本当に客観的に見てそこの場所が宮城県内で一番ふさわしいのかどうかというのは、当然県の立場としてもチェックをしたいと思います。その上で、そこがベストだということが分かれば、住民の皆さまのいろいろなご意見がありましても、そこに造らせていただけるように、国任せだけではなくて、県も当然間に入りまして、一緒になって地域住民の皆さまのご理解を得られるように汗を流していかなければならないと思っております。最終的には地元(市町村)の首長さん、そして私も地元(県)の首長ということになりますので、同意をするかどうかという責任はあろうかと思います。その際には私もしっかりと責任を負っていきたいと思います。

 (会議の開催が)20日かどうかはまだ分からないということだが、20日に提示する複数箇所の当該の首長に、事前に環境省側が連絡、説明を行うことに関して、行うべきなのかとか、その辺はどう考えるか。

村井知事

 行ったほうがいいと思います。突然会議の席で言われるよりも事前に説明したほうがいいと思いますが、それはもう国のほうが決めることであります。今のところ、何もそういう話は聞いておりません。

 知事としても、その会議の前に事前の説明を受けたいか。

村井知事

 私個人ですか。

 はい。

村井知事

 それは国が決めていただいて、知事に事前に耳に入れておきたいということならばお聞きしたいと思いますし、知事には入れるつもりはないということであれば、それはもうその考え方に従いたいと思います。その場で場所が決まるわけではありませんので、恐らくそれからいろいろ調査をして、それから住民に説明をして、地域振興策をお示ししてと、ちょっと時間はかかると思いますので、そんなに、次の会議の直前に聞かなければいけないという問題ではないだろうと私個人は思っています。ただ、地元の市町村長さん方にとっては、やはりかなり衝撃が大きいと思いますので、少し耳打ちをしておくというのは重要かもしれません。

 次回の会議の後での県の役割について、住民との調整などに入るというのは、3、4カ所複数の候補地が提示された後、1カ所に集約される前にも県で積極的に入るという意味か。

村井知事

 それは国の考え方を聞いた上で、「県がこうする、だから国は従え」ではなくて、「国がこうする、だから県がそれをサポートする」という形にしたいと思っています。まずは数カ所の候補地が決まったならば、まず住民説明会を国がしたいのだということであれば、県としてはそのお膳立ても含めお手伝いをしたいと思いますし、そうではなく、まずその中から1カ所に絞り込んだ上で住民の皆さまに説明をしたいのだということであれば、その方向に沿って県としてお膳立てをし、お手伝いをするということです。従って、あくまでも国の考え方、やり方に県として沿ってやっていくということです。

仙台空港の年間旅客数300万人突破を受けて

 先週末(10日)、平成25年の仙台空港の旅客数が300万人に回復したと発表された。この所感を伺う。また、国土交通省が新規増便や就航が見込めるならば着陸料の引き下げを検討するということだが、これは自治体として検討していくことは考えているか。報道等でしか分からないが、地元の自治体が手を挙げることも必要な要件の一つのようだが、検討していくのか教えてほしい。

村井知事

 まず、空港の利用者数が300万人に回復いたしました。大変うれしいニュースです。私が知事になる前に300万人に達しまして、それからずっと落ち込んでおりました。復興需要もあろうかと思いますけれども、仙台空港利用者がそれ以外の理由で伸びているという手応えも私自身感じておりますので、ぜひこの勢いで引き続き350、400(万人)と伸ばしていきたいと思います。
 着陸料の引き下げについては、私も報道でしか知り得ておりません。具体的にどういうものなのかよく調べまして、仙台空港もそれに当たるようであれば、ぜひお願いをしていきたいと思っています。それと併せて、空港の民営化も抱き合わせて検討していきたいと思います。

女川原子力発電所2号機の適合性審査申請について

 女川原発2号機の再稼働について、知事はずっと原子力規制委員会が判断することだと言っている。今度、都知事選でそれが争点になりそうであり、世論の流れとしてはそこに対する関心がかなり高い。それに対して知事は中立的な立場かもしれないが、今回そういう審査申請が出ている中で、原子力規制委員会に対して、例えば住民の立場を考えた審査をするようにとか、県を代表する立場として何か要望するようなことはないか。

村井知事

 原子力規制委員会については、昨年もお伺いいたしまして、特に福島原発の汚染水問題の関係で行ったのですけれども、東京電力任せではなくて、国が矢面に立つようなことを考えるべきではないのか、それを規制庁としてもしっかりと国に言うべきではないのかというような話を要望に行きました。こういったようなことは、県民目線、国民目線で私からも当然強く要望すべきことだと考えて行ったということでございます。
 ただ、今回の女川2号機の問題については、これは女川の問題だけではなくて、全国の原発に当てはまる問題でございまして、決められた客観的な基準に基づいてしっかりと稼働できるのかどうか、安全なのかどうかということを専門的な知見に基づいて調べるということになっていますから、それに対して、宮城県だけが要望すればいいということではないと思います。やるならば、やはり(全国)知事会等を通じて全国の原発を持っております立地県で声をそろえて物を申していくべきではないかなと思います。

 知事自身として女川原発の再稼働についてはどう考えているか。

村井知事

 これはまず規制庁でしっかり調べた上で、安全だということが分かり、その上で国が再稼働を認めるということになりましたならば、ボールがわれわれに投げられますので、その時点で県として地元の自治体のトップとよく話し合いをしながら、われわれの住民目線で安全かどうかというものも見ながら判断をしていきたいと思っております。恐らく今のご質問に対する答えとすれば、現時点においてはまだコメントできないということでございます。

宮城県の推計人口について

 宮城県の推計人口が、新潟県を抜いて14位に32年ぶりに上昇した。震災後、かなり減ったにも関わらず順位が上昇したことについての受け止めを伺う。

村井知事

 各都道府県のいろいろな指標を見ますと、経済力にしても、その他の財政力にしても、やはり人口に比例する傾向にございます。そういった意味では、宮城県が新潟(県)よりも若干ですけれども人口が多くなったということは喜ばしいことと私は受け止めるべきだと思います。
 次は、その上に京都(府)ということですので、今日も幹部会で、30万人ぐらい大きな差があるのですけれども、次は京都(府)を追い抜けるぐらい魅力のある宮城県にしていこうではないかと(話しました)。魅力があればたくさん人が集まってきてくださいますので、そうすることによって京都(府)を追い抜くぐらいの気持ちで頑張ろうではないかと鼓舞いたしました。ただ、震災で被災をして福島(県)、岩手(県)に住むことができなくて、宮城(県)に移り住んで来られているという方も中にはおられるかと思いますので、そういう方につきましては、人口増にこだわらずにできるだけ早く愛すべきふるさとに戻っていただけるように、帰郷のご支援もしていかなければならないと思っております。

 知事選のときにも今後の人口減少社会について訴えていたが、人口を増やすに当たっての具体的なプランがあったら教えてほしい。

村井知事

 私は一番の特効薬はやはり企業誘致だと思います。知事選挙でもずっと言っていたのでもう皆さん耳にたこができているかと思いますが、宮城県は「支店経済(都市)」と言われて、黙っていても今まで人口が増える地域でした。従って、増え続ける人口に合わせて第三次産業のウエートが非常に大きくなってきました。しかし、情報化が進んで、別に宮城に住まなくても、いつでも情報がとれる、インターネットで物のやりとりもできるようになり、新幹線が(東北地方の)各県庁所在地まで走るようになって、宮城に住まなくても東京から青森に日帰りで出張できるようになってきました。また、日本全体の人口がどんどん減り始めて、少子化の時代ですので、これからどの都道府県も人口が右肩上がりで伸び続けるという環境には決してないと思います。従って、極めて厳しい地域間競争の時代に入っていくだろうと私は思います。宮城県は、冬でも雪が比較的少なくて、夏は涼しい、また土地が安い、人件費が安い、そして勤勉な東北人気質を持った人が多く住んでいますので、そういった意味では企業集積等が進みやすい地域であるかと思いますので、第三次産業の衰退を抑える意味でも、ものづくり産業等の誘致に引き続き全力で汗を流してまいりたいと思います。
 人口が減るのが遅い理由の一つに企業誘致がうまくいっているというのもあるのだろうと思います。震災関連で人が宮城に集まっただけではなくて、この8年間でやってきた施策がこのような形で花開いたのではないかと、私自身は考えております。

 トヨタが1月から大衡村に200人ぐらい社員を東富士(工場)から異動させていることも人口増に影響していると思うが、人口面でのトヨタ効果のようなことを試算しているものがあれば伺う。また、今後のトヨタに期待することも教えてほしい。

村井知事

 企業情報ですので、あまりこの会社が何人雇用したというようなことを表に出してくれるなと言われているのです。従って、あまりはっきりした数字は言えませんけれども、間違いなく万単位で雇用効果は出ています。移ってきた方たちだけではなくて、新しい会社や、いろいろな関連企業ができたことによって、あるいは受注増によって、雇用者数は増えていますので、1万(人)以上の人口増には間違いなく貢献しているだろうと私は思います。非常に大きいと思います。東京エレクトロンもありますけれども。

 トヨタにこういうことをしてほしいという要望はあるか。

村井知事

 (現在の立地場所の)南側に大きな土地が残っていますので、「もう一つぐらい大きな工場をつくっていただきたい」と、「マザー工場をもう一つ」と、これは会うたびに、「厚かましいお願いですが」ということでお願いをさせていただいています。向こうからは、「つくる車があればいくらでもやりますよ」と、「その前に村井さん、たくさん車買ってください」と、必ず同じように言われるのですけれどもね。でも、大変ありがたいですよね。

震災から3年を迎えるに当たっての国への要望について

 新年を迎え、2014年3月になれば震災から3年になるが、それに向けていろいろな検証がメディアでも進むと思う。知事は創造的な復興を掲げてやってきているが、これまでも交付金の使い方とか、政府に対してこういったところは直してほしいということをいろいろ言ってきている。今、3年目を迎え、ここはやはり改善すべきではないかとか、政府に対して求めたいこと、より復興を加速するためにどういう部分で要望なり提言なりをしていくつもりか。

村井知事

 細かいことはこの場では省略したいと思います。もう細かいことは私から言わなくても、担当者レベルで十分やって、一つずつ解決できるようになってきました。これから大きな課題になってくるものの一つに、本当に(平成)27年度までに事業が終われるかどうかという問題があります。これについては、今いろいろ検討するように指示をいたしました。国は基本的に、集中復興期間である(平成)27年度までに全ての事業が終わるようにしなさいと(いうことです)。そこに今全力を注いでおりますけれども、仕事のロットをどんどん大きくしてきておりますので、その分、工事の期間が長くなります。3年、4年とかかる事業も必ず出てくると思いますので、そうすると(平成)27年度までに終わらないということも考えられるかもしれません。まだどうするのか決めておりませんけれども、こういったようなことについては、(平成)27年度にこだわらずに、28年度、29年度とある程度、復興財源をならしていくようなこともお願いしていかなければならないのではないかなというふうに思っています。
 現在はまだ私の中の問題意識として持っているということで、県としてそれに対してどういうアクションを起こすのかというところの意思決定はまだしておりません。

 それは集中復興期間の延長を求めていくということを示唆しているのか、それとも予算の使い方で、お金を残していくときに基金を使ったり、年度をまたいだりということがあるが、そういった仕組み作りを求めているのか、どちらか。

村井知事

 集中復興期間の延長です。これは、県としてそういう要望をするということを決めたわけではなく、私が今そういう問題意識を持って、県職員に果たして(平成)27年度までにできるかどうかということをよく検証してくれという指示を今出しているというふうに受け止めていただきたいと思います。

 延長する場合、大きい工事はもう見えているので、具体的なものを考えながら検討していると思うが、例えばどれぐらいは少なくとも延長すべきだと考えるか。

村井知事

 例えば広域防災拠点等は、これから土地を購入するかどうかを決めるわけです。そこに復興財源を多少なりとも入れていただけるのであれば、やはりその期間、JR貨物が移転をして更地になってしっかりと防災拠点が整備されるまでは面倒を見ていただきたいという思いは私としては持っています。それは国にこれからお願いするかどうかも含めて調整をしていかなければいけない問題だということです。
 枝葉末節はいろいろな問題がたくさんありますけれども、私としては、今、知事として大局的に復興にとって一番大きな課題としては何かと聞かれたら、今の段階ではそのようなお答えをしたいと思います。


Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)