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宮城県知事記者会見(平成25年10月28日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年10月29日更新

知事定例記者会見

当選から一夜明けての感想と今後の県政運営に対する抱負について

 まず、ご当選おめでとうございます。

村井知事

 ありがとうございます。

 当選から一夜明けて、現時点での率直な気持ちと今後の県政運営に対する抱負を伺いたい。

村井知事

 17日間、非常にハードな選挙運動でございました。特に今回は選挙カーにほとんどずっと乗っておりましたので、肉体的にはかなり厳しかったのですけれども、県民の皆さんと本当に直接触れ合うことができまして、非常によかったと思っております。当選いたしましてほっとしている部分もございますが、やはりあれだけたくさんの、60万人近い方の支持を得たということでございますから、しっかり責任を負わなければいけないという責任感のほうが重いということであります。
 抱負ですが、マニフェストに掲げたことを着実に実現していくということが非常に重要だと思います。早速、今朝(28日)、庁議が終わった後に政策・財政会議を行いまして来年度(平成26年度)に向けての方針を示しました。いっときも立ち止まることなく、前に進もうということを職員に指示いたしました。

 主には「創造的な復興」ということを掲げていたので、政策・財政会議でその点について指示したと思うが、具体的にはどのような文言で指示したのか。

村井知事

 ペーパー6枚ぐらいにまとめまして、当然やるべきことはきちっとやっていきますけれども、併せて、医学部の創設であったり、広域防災拠点の整備、空港の民営化といったようなことに向けてしっかり取り組むということも当然書き込ませていただいたということでございます。

災害公営住宅について

 今話があったように当然やるべきことということで、選挙期間中ずっと、被災者の方の生活再建としての災害公営住宅の整備を(マニフェストの)一番に持ってきて、その上に雇用の確保等の話をしていたが、住宅確保について伺う。知事のマニフェストでは残り1年半で1万5千戸を整備する予定だが、あらためて、今、現実的な視点に立ったときに可能なのかどうかについての考えと、被災者の方の入居も含めて1年半という物差しで考えているのか、あくまでも入居はその後さらに時間がかかるということなのか、その辺の見解を伺いたい。

村井知事

 もちろん入居は当然その後ということになりますので、時間はかかると思います。しかし、それ以上に、工事が始まってつち音が聞こえて、目の前に少しずつ近い将来自分が住むであろう建物ができ上がりつつある姿が見えることが何よりも安心感につながると私は思っております。少しでも時期を早めるとともに、できるだけ早く、一部の地域だけどんどん先に進むのではなくて、全県くまなく満遍に事業が進行するようにお手伝いをしていこうと思っています。
 災害公営住宅については県が担当する部分というのは限られておりまして、それも今やっておりません。全力で市町の事業を応援しているということでございます。選挙のときは時間がないので言葉足らずになって、いかにも私が造るような言い方をしておりましたけれども、市町を全面的に応援しながら、まずは市町分をしっかりと一日も早く完成をしてもらうようにする(ということです)。併せて、余るところ、足りないところが出てきますので、その辺の最後の調整の部分は、県のほうでしっかりと調整をさせていただくということであります。

 選挙期間中、「めどを示すことで回った先の被災者の方もだいぶ安心をされていたようだ」という話をよくしていたと思う。実際に被災者の方が安心するのは、いつ入居できるのかということで、入居したくても、阪神・淡路大震災のときのように生活レベルの問題もあってなかなか移れないというような問題もこれから出てくるかと思う。入居も含めて、阪神・淡路大震災のときは5年ぐらいかかったかと思うが、どのぐらいのスパンを今考えているか。

村井知事

 入居までということになると、これは市町それぞれの手続きの問題もありますので、県知事の立場で全ての県民がこの時期までにということはなかなか私としては申し上げることは難しいという点はご理解をいただきたいと思います。しかし、繰り返しになりますけれども、市、町とよく協力をしながら、一日でも早く入居できるように県としてやれることはサポートしていきたいと思いますし、やはり市町が個別に国と調整するのは難しいと思いますので、市町が国に言いたいことは大部分を県がまとめまして、代弁者として国のほうにしっかりと物を申していきたいと、それだけはお約束したいと思います。

 非常にまだ先は長く、復興計画が終わるまであと7年半あるが、それは一つ目標にはなるのか。

村井知事

 そうですね、はい。

 災害公営住宅について、知事はマニフェストあるいは復興計画では(平成)27年度以内というふうに言っていて、1年半というふうに言うと27年の春である。これは新たな目標設定となるのか。

村井知事

 すみません、27年度ということですので、厳密に言うと2年ぐらいかかるのですよね。ちょっとその辺言葉は間違っていました。訂正しておきます。

 間違ったのか。

村井知事

 間違ったということです。新たな目標設定ではありません。マニフェストどおりです。27年度中にというふうに捉えていただきたいと思います。

 市町分をまずはしっかり全力で応援して、県がその後調整は行うということだが、災害公営住宅については、避難先にそのまま移住される方もいらっしゃって、当初の意向調査から戸数が大分変化してきていると思う。実際着工してみたら、後で空き家ばかりだったり、人が集中してしまったり、その辺県が調整に乗り出すことはあるのか。

村井知事

 市町分については、これは市町の計画ですので、県が調整するというのはなかなか難しいと思います。そこで私は、宮城県分の千戸を先行して進めないようにということで止めておりました。先ほど言ったように、市町の分に全力で資材もマンパワーも集中をさせると(いうことです)。そして、市町(の分)を早くやるというのと同時に、恐らくそういう最後の調整が必要になってくると思うのです。造り過ぎた、足りなかったというところが出てくると思いますので、特に足りなかった部分を県のほうで調整をしてあげないといけないと思っております。もう少しその辺の様子を見ながら、足りないというところについて県として重点的に支援をしていきたいと思っています。余ったというところについては、これはちょっと市町の計画ですので、これについて県が責任を負って調整をするということは非常に難しいということでございます。

 災害公営住宅の整備を一日も早くしてほしいという被災者の声があり、その時期を示すというのは候補者としては当たり前のことである。その言葉を信じて待っている人からすれば1年半後に整備されると思うわけで、そうすると、マニフェストでは27年度以内と書いてあるが、半年間のタイムラグがあるというのは、被災者にとってみれば「え、違うのでは」と思わないことはないと思う。もう少しその辺、誰に何を謝罪するのか明確にしてほしい。

村井知事

 誰に何を謝罪というか、マニフェストにうたっていたとおりで、ビラも配っていましたので、それは1年半か2年、厳密に言うと2年ということになるのかもしれませんけれども、1年半というような表現をした場所もありましたので、その点については、多少時間の誤差がありますけれども、決して悪気があったわけでありません。当然、27年度中の早い時期にできるだけ完成をするように努めてまいりたいということはお約束したいと思います。

 そうすると、言葉足らずだったということか。

村井知事

 はい。申し訳ございません。

得票率及び投票率について

 59万という得票をどのように受け止めているか。目標としていた数字との乖離(かいり)についてどのように受け止めているか。まず伺いたい。

村井知事

 投票率は非常に低かったのですけれども、得票率は86%強でございました。全県回りまして、本当に多くの県民の方から応援をしていただいているなという手応えは感じておりました。しかし、皆さん異口同音に「大丈夫だから。村井さん、大丈夫だから」というようなお話がございまして、安心感から投票に行っていただけないのではないかなというふうな不安を持っておりました。それがやはり現実になったということでございます。天気が非常に悪くて寒かったということもありますし、私の選挙もありましたが、楽天(イーグルスの日本シリーズ)という非常に大きな話題がまたありまして、そちらのほうに相当関心が行ってしまったということもあろうかと思います。
 しかし、それは言い訳にすぎませんので、やはり候補者として、県民の皆さまに投票所に足を運んでいただける動機づけが十分できなかったということについては大変残念に思い、じくじたる思いでございます。できるだけ県民の皆さまに、私を「支持する」、「支持しない」でも結構なんですけれども、必ず投票に行ってその意思表示をしていただきたかったなという思いは持っております。その点については選挙管理委員会のほうでよりよく分析をしていただいて、次回の国政選挙等に反映をしていただきたいと思います。

 昨夜、楽天戦の中継の県内視聴率が40数%ということで、知事が当初から懸念していたとおりで、実は投票率より上がってしまったという結果だが、その点について感想があれば伺いたい。

村井知事

 昨日は、(午後)6時時点の推定投票率が期日前(投票)も入れて35%ぐらいだったんですよね。それから2時間、(投票)時間がありましたのでどれぐらい伸びるかなと思ったら、結果的に1%程度しか伸びなかったのです。それは恐らく、ほとんど皆さん、テレビにかじりついておられた時間だったのだろうと思います。楽天の魅力には勝てなかったということでしょうね。

 選挙には勝てたけれども。

村井知事

 選挙には勝てたのですが、楽天の魅力には勝てなかった。私も昨日、選挙事務所に入ったら、みんな試合を見ていました。でも、よかったと思いますよ。楽天がこうなって、しかも1勝1敗になって、それはそれで非常によかったと思います。しかし、それを凌駕(りょうが)するぐらいの選挙運動をしなかった自分にやはり責任があると思っています。

 プラカードなども作ったりして投票に行こうと呼びかけていた。もう少しこういう工夫もしたかったということは今振り返ってみてあるか。

村井知事

 もういろいろなことをやりましたからね。選挙管理委員会は例えば学生さんの(学生食堂の)トレーに投票に行こうというのを書いていただいたり、本当にいろいろな工夫は自分ではしたつもりだし、インターネットも事務所のスタッフが活用してくれましたし、メディアにもいろいろ取り上げてはいただいたのですけれども、やはり皆さんの絶対的な安心感みたいなものがどうしても根強くあったというふうに思います。「大丈夫だ」とどこに行っても言われました。そこがやはり一番難しかったところですね。いくら私がそうではないんですと言っても「大丈夫です」と、それを覆すことはできなかったですね。

 先ほど自民党(宮城)県連でも総括会見を行い、伊藤(信太郎)県連会長から、楽天の人気などもあるだろうけれども、村井さんの支持者の中でもやはり安心感があって行かなかった方もいるのではないかという話があった。その点はいかがか。

村井知事

 恐らく間違いなくそうだと思います。私の支持者の方の中でも足を運ばれなかった方もたくさんおられると思います。

 仙台が31%ということで、地元でこの低投票率ということをどのように受け止めているか。

村井知事

 仙台市長選挙よりは若干よかったのですけれども、ほぼ同じ投票率でありました。これは非常に大きな問題だと思います。非常に大きな影響力がある大都市仙台市内において、有権者の皆さんが行政、政治に関心を示しておられないということであります。この点については、よく仙台市さんとも話をしながら、今後の対策というものは考えていかなければいけないだろうと思います。

 選挙期間中、「私への支持が多ければ多いほど国に強く物を言える」と言っていたが、この得票という意味では物を強く言えると考えるか。

村井知事

 結果的に得票率が86%を超えましたので、そういう意味では圧倒的に支援をいただいたと言えるかと思いますが、残念ではありますが投票率は低かったということです。(投票に)行かれなかった方たちが白票という意味ではないと思います。私を支援しているんですけれども、あえてもう投票に行く必要がないと考えておられた方が大部分だというふうには思っておりますので、国に対してはしっかりと物は申せると思います。しかし、できれば客観的な数字をもっと出してほしかったなという思いはありますね。

 安心感があったことが要因ということだが、あえて争点の観点から言うとどのように分析するか。今回、佐藤(正明)さんが提示した被災者医療費免除が争点になると知事は言っていたが、県内の有権者全体が身近に感じるような争点にはなかなかなり得なかったということもあると思う。そういった点を踏まえて今回の低投票率の理由をもう少し聞かせてほしい。

村井知事

 それも一つあると思います。医療費の問題も、何度も言っておりますが、被災者全体の中の国民健康保険に加入している方の中のよく病院に通う方が特に対象になるわけでございまして、宮城県民全体からすると非常に限られた人数ということになります。TPP(環太平洋連携協定)については国が決めることでありますし、水産特区はもう既に始まったことであります。原発もこれから国がどうするのかということを決めていくということで、なかなかやるかやらないかというような議論ではなかったということであります。そういった意味では、県民の皆さんが全て関心を持つようなものを相手の佐藤さんのほうから提示をされなかったということは、低投票率につながった一つの要因であるかもしれません。

 そこで、今、選挙戦が終わったばかりだが、振り返ってみて、もう少し現職のほうからこういうことができたのではないかということはあるか。

村井知事

 私は自分として一番いいと思うことをやったつもりです。私はあえてそのことについては、皆さんから聞かれたことについてはっきり自分の考え方を伝えた上で、そこだけで議論をするのではなくて、やはりもっと大所高所から宮城県全体を俯瞰(ふかん)した政策というものも言うべきだと思って、かなり重厚なマニフェストを示した上で、その中でもトピックとして医学部(の創設)だとか、それこそ宮城県全体に影響する問題ですし、空港の民営化であったり、広域防災拠点という全ての県民の皆さまに関わってくるようなことを特に強くPRをしたつもりです。ここはもう県民の皆さんに関心を持って支持をしていただきたいと思う部分を切り出してPRしたつもりなんですね。
 話をしていると、皆さん非常に関心を持っていただいていて、特に仙台市内で街頭(演説)したとき、動員をあまりかけていなかったんですけれども、それでもどんどんどんどん話しているうちに人が集まってくるんですよね。終わったら、最初にいた人の3倍ぐらい人が集まっているような感じでした。ですから、しゃべって話をしていると、みんな関心を持ってくれるようなテーマだったと私は思っているのです。それがなかなか県民の皆さん全てに浸透しなかったというのが一つ理由ではないかなと思いますけれどもね。残念です。

3期目の県政運営について

 確かに投票率の部分はあるが、先ほどあったように得票率は86.44%で支持は圧倒的だったと思う。これまでと違うのは、日本維新の会やみんなの党、あと民主党の一部が知事の支援に回ったという意味で、3期目に入って、より盤石な体制、県政運営がしやすい状況になってきているのではないかと思うが、その点どのように感じているか。

村井知事

 国に対しましては与野党かかわらず、今までもそうですし、これからも当然いろいろお願いをしていかなければいけないと思っています。そういう意味では、いろいろな政党と仲良くしていくということは県民にとってプラスになることですから、私は非常に良かったと思っています。県議会についても、これから私の考え方をできるだけまず聞いていただけるように仕組みを作っていくというのも私の仕事ですので、努力をしていきたいと思いますし、その土台作りはだんだんできてきていると思います。
 しかし、過去の8年間、自民党の議員が何でも私の言うことをみんなで賛成してくれたかというと決してそうでもなくて、厳しく批判をしたり中には賛成してくれない議員の方もおられました。従って、だから全て楽に県政運営ができるか、議会運営ができるかというと決してそうではないと思っています。それはもうやはり両輪ですから、二元代表制として同じ方向を向いて仕事はしていきますけれども、厳しくご指導いただくこともあるでしょうし、時には叱責をされることも出てくるだろうと思います。その辺は覚悟しながら、誠心誠意努力をしてまいりたいと思います。

 当選を受けての昨日の最後のあいさつの中でも、思い切ってやってほしい、リーダーシップを発揮してほしいという声が大多数だったと話していたが、よりリーダーシップを、これから3期目発揮していくことになるのか。

村井知事

 はい。今回、無競争ではなく選挙になりまして、結果的には、共産党の人たちがずっと主張されていたことに対して県民の皆さんは10%強だけ支持をされて、私の言っているほうを86%支持してくださったということでありますので、これは県民の皆さんの大多数の声ということになりますから、それについては自信を持って真っすぐに前を向いて進めていきたい、いけるというふうに思っております。県民の皆さんから4年間の免許を与えていただいたと思っておりますから、これについてはぶれることなく真っすぐ前を向いて進んでいけると思います。そういう意味でリーダーシップを発揮できると思います。

被災者の医療費等減免措置について

 あらためて医療費の問題だが、国民健康保険の方と社会保険の方とのバランスの考えもあるということで、国の支援をこれからも求めていくということだが、ただ一方で、今対象を絞ってやるというのはなかなか難しい中で国に要望を続けていても実現の見通しが立たないのではないかという不安の声が実際ある。あらためて、これまで知事がリーダーシップを発揮し国の制度や政策に対していろいろ意見してきたように、新たな仕組みをもう一度提案するような考えはあるのか。

村井知事

 それについては、市町村にアンケートをとりましてどういう仕組みがいいかというふうに言ったのですが、市町村も自分で制度設計をするのは難しいと、対象者を絞り込むのは難しいということで、保険者であります市町村から、国の方である程度枠をしっかり作ってくれないと自分たちで作るのは難しいということでありました。県として何らかの提案をしていくということは可能かと思いますけれども、まずはやはり保険者の意見をよく聞きながら進めていく必要があるだろうと思います。県が勝手にこれがいいと思っていても、市町村がそれで迷惑を被るということがあってはなりません。これは保険事業で主体は市町村ですので、よく市町村と意見交換をしながら胸襟を開き合って、市町村が求めている方向になるように努力をしていきたいと思います。

 県が絞り込むような基準を、今後、市町村や被災者の方の意見を聞きながら作っていく可能性はあり得ないか。

村井知事

 今のところはないです。

 そうすると、やはり当面再開が実現するのは難しいということか。

村井知事

 それは国次第ですね。

指定廃棄物の処理に係る意見調整について
および原発事故「子ども・被災者支援法」の支援対象地域について

 1点目、選挙期間中、福島の原発事故に関してかなり話があったが、具体的に県内で集約するという指定廃棄物の処理について、市町村間の意見の調整はかなり難航していると思うが、今後具体的にどのように進めていくのか。
 2点目、この前、閣議決定された子ども・被災者支援法で宮城の県南地域が支援対象地域から外れたことに対して、丸森を中心にかなり不満の声が出ている。それに対してどう考えるか。

村井知事

 指定廃棄物については、今、事務方で国の方といろいろ調整をしております。他県の状況もありますので、ある程度足並みをそろえながら前に進めていかなければなりませんが、いずれまた再開をし、国が主体的に市町村長会議等を開催して話を進めていくことになろうかと思います。必ず県内1カ所処理施設を造るということについては市町村の合意を得ておりますので、その方向で県も最大限汗を流してまいりたいと思います。もう少しお時間をいただきたいと思います。
 子ども・被災者支援法については、私も全く丸森(町)等と同じ考え方でございます。県境という人為的に引かれたそういう境界によって差を設けるのはおかしいと思っておりまして、科学的な客観的な基準で線引きをするべきだと私は思います。そこは国に対して何度も要請をしております。引き続き努力をしてまいりたいと思っております。

南三陸町の震災遺構について

 昨日の選挙後のテレビ報道等で、南三陸の新しく町長になった佐藤(仁)町長と震災遺構について少しやりとりしていたが、防災庁舎については来月(11月)取り壊すという町の方針が出ている中で、県としてあらためて何をやっていこうとしているのか説明してほしい。

村井知事

 まず、財源の問題です。南三陸(町防災対策)庁舎は非常に震災遺構としてシンボリックな建物であります。従って、これは皆さんも非常に関心があると思います。南三陸の住民だけでなくて、県民全てが関心があるものでございます。今、復興大臣、副大臣や政務官に、これを何とか財源を、復興予算を使ってもらえないかと、維持管理、ランニングコストも含めて持ってもらえないかという調整を今している最中でございます。ある程度方向性が出ましたら、県としてしっかりとした有識者も含めて検討会議なども設けることができればいいだろうというふうには思っております。南三陸の防災庁舎が解体されてからということでは間に合わなくなってしまいますので、できるだけ早くそういったようなことが始められるように準備してほしいということは、今日、早速幹部会で指示をいたしました。

 佐藤町長とのやりとりの中で、移設して残す方法もあるのではないかという提案を知事はしていたかと思うが、今の話だと県民全てが関心があるということで、残す方向で県としても努力するということか。

村井知事

 まだ今の時点では何とも申し上げられないです。ただ、私はこの問題、特に南三陸町のあの防災(対策)庁舎は、今、南三陸町の所有物であり、国も南三陸町さんに全てお任せをすると(いうことです)。そして南三陸町の意向で、解体(する場合)は国費でやりますけれども、残す(場合)、移築あるいは維持管理は南三陸町(の財源)でやりなさいという(国の)考え方です。このままでは南三陸は土地のかさ上げ等もこれから出てきますので、解体せざるを得ないということでございますから、そこについて、国の財源も使えるというある程度一定のめどが立ってまいりましたならば、もう少し時間をかけて考えたほうがいいということは私から申し上げることも十分あり得るだろうと思います。やはり今の時点では何とも申し上げられないということです。

 今のお考えとしては、何かしらの形で残していくことを検討しているということか。

村井知事

 いいえ、まだそこまでいっていないです。まずは、何度も言うように財源がある程度見込めるかどうか、見込めるというめどがある程度立つかどうかですね。今はまだ全く回答がないのです。だから、めどがない中で残すということを言うのも無責任ですよね。県はお金を持つ(負担する)ことはできません。そんなことをしたら南三陸町だけ(財源を県で)持つわけにいきませんので、あそこも持ってくれ、ここも持ってくれと必ずなりますから、それはもうできません。ですから、もし持てるという見込みが立ってくれば、そのときには私はずっと前に出ていこうと思います。そして、特に南三陸町の防災(対策)庁舎は、解体前に間に合うようでしたら、そのときには私のほうに引き取ることを許してもらえるのかどうかも含めて、南三陸町と調整することはあるかもしれません。
 その結果、引き取ってやはり解体ということになるかもしれませんし、やはり残すということになるかもしれません。残す場合も、南三陸に残すということもあるし、特別の場所に持っていくということもあるかもしれない。これはまだ全く分からない、白紙です。あらゆる可能性があるということです。ただ時間がもう限られていますから、ゆっくりといつまでも残して検討するということにはならないということですね。どうしても間に合わなければ、南三陸町は解体をしてしまうということです。ですから、もう国がどう動くかということだと思いますね。

 知事本人の意見としては、残すべきだという意見が前提にあるのか。

村井知事

 いいえ、これは私が全て決めることではなくて、私なりの考えはありますけれども、ここで私の考え方を言うと、それが一人歩きしてしまったら困りますので、これはしっかりとした有識者も含めて、南三陸町の防災(対策)庁舎だけではなくて、今あります震災遺構となり得るものを全て比較検討した上で、どういうものを残せばいいのか、どれくらいのお金がかかるのか、それは国がどれくらい持ってくれるのか、持ってくれないのかということを当然よく検討しなければいけないということです。少なくとも解体してしまえば、もう元には戻せません。シンボリックな建物であることは間違いありませんから、解体するのを少し立ち止まってもらうということも考えなければならないかもしれないということです。

 逆に、国が何も意見を出さないと、震災遺構というものは今後どんどんなくなっていくということか。

村井知事

 なくなっていくと思います。特に沿岸部はもうみんな土地をかさ上げしなければいけませんからね。そうすると、建物が埋まってしまいますので、そこだけ残して周りを整備するということはできなくなります。移築になるとかなりお金がかかりますからね。そうすると、もう間違いなく、みんなどんどんつぶしていくということになるのではないでしょうか。

 それは国に対して何らかの形で検討等をしたほうがいいという考えか。

村井知事

 そうですね。職員にもいろいろ勉強させたのですけれども、例えば新潟県中越地震なんかはそのような建物を幾つか残しているんですね。それに対して交付金なんかも入れながら、国も支援しているんですよ。ですから、今回被害が大きいので交付金というよりも復興財源を使いながら、かなり永続的に維持管理をしていくような形をしていったらいいのではないかなと思うんですけれどもね。建物自体はどれもこれも新しい建物ではありません。もう全て使えなくなってしまった建物ですから、維持管理費といってもそんな何百億もかかるようなことではないわけですから、私は十分やれるのではないかと、考え方次第ではないかなと思います。それを何度も国のほうに働きかけているということです。

 南三陸町の佐藤町長によれば、「今回の庁舎の解体は国費が投入され、県のほうで解体の作業をやってくれる。その時間のめどがだんだん見えてきていて、期間が迫ってきている。それが年内だ」という話だ。「年内には解体しなければならないので、9月26日の段階で解体を明言した。11月上旬には慰霊祭が行われ解体に向かう」という。知事の言うように検討会議を立ち上げるのならば、間もなく、11月の早い時期にも専門家を交えた会議が立ち上がるということでよいか。

村井知事

 ですから、国の回答がないと動けないということです。こちらが国と交渉していてある程度の手応えがなければ、今の段階ではまだ動けない(のですが)、動く準備だけをするように指示したということです。それ以上は今答えられないです。時間との勝負になってきますので。

3期目の経済政策について

 3期目の経済政策について伺う。2期目はトヨタ自動車東日本の進出という目玉があったが、3期目はどういう目標を持っているか。

村井知事

 経済政策については、大きなところは、戦略的な部分は今までと何ら変わっておりません。1次産業から3次産業までのバランスのとれた経済構造にする、産業構造にするということです。トヨタさんやエレクトロンさん、こういったところがうまくいっております。これだけ大きな企業がまた次にどんどん来るということはなかなか難しいと思いますけれども、少なくともかなり大きな企業が宮城県に関心を持ってくれていることは事実でございまして、今日も庁議の席でいろいろな企業の名前が出ておりました。従って、引き続き企業誘致を頑張ります。特に沿岸部は、大きな被災を受けていますので、そういった企業が来れば希望の光になりますから、できるだけ内陸だけではなくてそういった沿岸部にも、企業を張りつけることができるように努力していきたいと思います。
 また、被災した企業がグループ補助金等を使って、またもとのように立ち上がっていくお手伝いを引き続きしてまいりたいと思います。そちらのほうが優先度は高いですね。

女川原子力発電所の再稼働について

 原発の再稼働について伺う。今までのところ、国の判断があって仮にゴーサインが出た場合には地元と協議をして対応を考えたいというお答えだが、基本的な方針を決めるのは確かに国だが、最終的には地元の首長としての判断が求められると思う。これまでは3期目があるかどうかという立場で答えづらかったと思うが、あらためて今後4年の間に稼働の方針が決まる可能性もある中で、同意についてどうお考えになっているか。実際に新潟や近くの県ではそういう判断を迫られるところが出てきている。あらためて伺う。

村井知事

 県民の皆さんが一番心配しておられるのは、原発が安全なのか否かだと思います。従って、同意を求められるような段階になりましたならば、やはり安全なのかどうかというのを県民目線でよくチェックする必要があると思います。例えば、さらに大きな津波がきても、女川原発は本当に耐え得るのかどうか。大きな停電が起こっても、ちゃんと予備電源を確保できるのかどうか。県民が不安に思っている部分ですね。プラントの中の細かい部分はもう素人では本当に分からないです。ものすごい巨大なプラントですので、全く分からないです。構造的なものも分からないものですから、私どもはそういった県民の目線で感じるもの、不安感をしっかりと自分で見て感じて、そして地元の首長さん方とよく話をした上で判断をしてまいりたいと思います。その前には専門家のプロの目で科学的な検証をしっかりしていただきたいと思います。

 実際問題、国の方針が仮に稼働という方針で動いた場合、ないし動かさないとなった場合に、それと逆の意見が地元から上がった場合に、その地元の意見がなかなか通りにくいのではないかという声もある。そういう決めていくプロセスについては、知事の考えは今までと変わらないか。

村井知事

 変わりないです。最後はやはり県民の代表である、市民や町民の代表である首長が責任を持って判断をしていくということですね。

 県民目線でチェックするというが、何かしら新しい方法で検討していくのか、そういうものが必要ではないかというお考えか。

村井知事

 違います。県民の皆さんが不安に思っている部分、(知事選立候補者として原発の再稼働に関する)アンケートもとられましたけれども、原発が反対というよりも、やはり何となく不安であるということが最大の理由だと思うのです。ですから、反原発の人たちもやはり不安なんですよね。分かりやすく言うと、素人の目で見る不安の払拭の部分を、私自身が県民の代表としてよく見てみたいと(いうことです)。それは国がゴーサインを出してからだということですね。

 技術的な部分は当然国のチェックが入るわけだが、県民の不安解消という面で、県として独自で検証されるということか。

村井知事

 そういうことですね。うちの県にもそれなりの職員がおりますので、それはよく議論した上で、どういうところをチェックするのか、どういうところを見るのかちゃんと決めて、チェックをさせていただく。県は県の考え方をまとめていく。そして、周辺の市や町がそれぞれの目線でまたチェックをする。それをまた話し合った上で、どうするかということを決めていくということであります。これも現時点においては、まだ国から何も来ていない段階でやるとかやらないというのは拙速だと思います。

 原発に反対するのは、何となく不安(ということを最大の理由に挙げた)が、私の感覚としては災害廃棄物も含めて、これから原子力をやめようとかなりいろいろなところで強まっていると考えているが、知事は原子力エネルギーはこれからも必要だという考えか。

村井知事

 安全に稼働するならば、放射能という問題を除き、二酸化炭素の排出(削減)、地球の温暖化(対策)ということを考えても、また安価なエネルギー、電気エネルギーを作るということからも、これは非常に効率的な方法だと私は考えております。しかし、必要かどうかという議論になりますと、これはやはり安全というものが大前提になりますから、安全でないものは幾ら安価で継続的に電気を供給できるということであったとしても、安全でなければそれはやはり首を縦に振ることはできないと思います。これは当然、国もそういうふうに考えていると思います。だから、今かなり厳しくチェックしています。

 例えば女川に関して、あれだけの防潮堤を造っても、なおかつ安価なエネルギーと言えるのか。

村井知事

 燃料代を考えると、日本の国がこれだけ貿易赤字になっている最大の理由は燃料の輸入が急激に増えている(ということです)。増えている部分の大部分は、火力発電等に回っているエネルギーですので、国全体として貿易赤字になっているということは、国全体ではどんどん痩せ細っていっているということです。ですから、そこはやはりしっかりと考えていかなければいけないポイントであるのは間違いないと思います。
 ただ、原発に賛成とは一言も言っておりません。

政府のコメの生産調整(減反)廃止の検討について

 政府が今減反の廃止を検討しているが、それに対する見解を伺う。

村井知事

 ある程度競争力のある農業にするということで、方針が示されたようであります。しかし、急激な減反政策の見直しということになりますと、現場に相当戸惑いが出ることは間違いないと思います。今まで、明日、明後日のことではなく、長い目で農家の方たちも減反をどのようにしていくのかということを長期的なスパンで考えておられます。JAを含めそういった農業団体の皆さんも、来年のことだけではなくて、やはり長期的なスパンで減反ということを考えて、いろいろ生産調整をされているわけでございますので、急なブレーキ、急なアクセルということになりますと、相当戸惑いが出る、混乱するのではないかと思います。従って、見直しをするということであれば、やはりある程度時間をかけて農家の皆さまに十分なご理解をいただいた上で、間違った形になり、結果的に農業が衰退するということにならないように、しっかりとコントロールをしていただきたいと思います。

 併せて、経営所得安定対策に基づく補助金の廃止が検討されていて、新規需要米の生産の方向にシフトするのではないかという話も出ているが、知事はそれについてはどうお考えか。

村井知事

 この点についてはまだ具体的な話を私は聞いておりません。安倍政権としては決して農業をつぶすということではなくて、今就労者が、担い手が減っている、農家が減っている、休耕田が増えている、この現状のままでは日本の農業はだめになってしまいますから、できるだけ大規模化して集約化をして、競争力のある農業にしていかなければいけないと考えています。この方向は、私は間違っていないと思っています。そうしないと、恐らく日本の農業はもう全部だめになってしまいますので、農業にしても水産業にしても、やはりそういった切り口で考えていくべきだと思っています。

 方向性の話は今いただいたが、生産者の皆さんが今不安視されているのは、補助金がどうなるかということだと思うが、それについてはどうお考えか。

村井知事

 戸別所得補償(現在の経営所得安定対策)については、そういう方向で考えていった上で、次第に農家の皆さんが自立できるという形ができた上で、守る農業から攻める農業に転換する中で、補助金を見直し、なくしていくというのは一つの考え方かと思いますが、始まってまだ数年しかたっていない制度を、また急にブレーキを踏むというのも、これも農家の皆さまに混乱をもたらすだけかもしれません。従って、この点はよく慎重にお考えいただければと思います。

消費税率増税に伴う値上げについて

 仙台市は先週、ガス料金や地下鉄、水道料金の値上げを消費税率の引き上げに伴って検討すると発表した。県も県有施設に関する収入があると思うが、消費税増税に伴って引き上げていこうと考えているか。

村井知事

 消費税であったり、公共料金の値上げ、電気代等の値上げが出てくると、それを全て税金で賄うことは当然難しいという判断に至る可能性は十分あると思います。従って、それは受益者の皆さんに負担を求めていくというのは、一つの形だと思います。