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宮城県知事記者会見(平成25年9月24日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年9月25日更新

知事定例記者会見

「交通死亡事故多発緊急事態」の宣言期間の延長について

 村井知事

 それでは、私から1件お話しいたします。
 先月(8月)26日に宣言いたしました「交通死亡事故多発緊急事態」の期間を延長することにいたしました。7、8月にかけまして死亡事故が連続して多発し、宣言前1カ月間の死者数が10人となりましたことから、8月26日から9月25日までの1カ月間を「交通死亡事故多発緊急事態」として宣言し、市町村や交通安全関係団体との連携による広報・啓発や県警による交通指導取り締まりの強化などに努めてまいりました。しかしながら、宣言後も死亡事故が止まらず、宣言日から昨日(23日)までの間の死者数は12人を数え、今年の死者数は累計で62人となり、現時点で昨年(平成24年)の年間死者数64人に迫っている状況でございます。こうしたことから、明日の25日までとしておりました緊急事態の宣言期間を10月25日まで1カ月間延長し、県警察、市町村および交通安全関係団体のご協力を得ながら、県民総ぐるみによる交通事故防止対策をさらに推進することにいたしました。
 県民の皆さまには、子どもから高齢者に至るまで交通安全の意識を一層高めていただき、「交通ルールの遵守」、そして「正しい交通マナーの実践」を徹底することによりまして、死亡事故が多発する状況に何とか歯止めがかかるようご協力をお願いしたいと思います。

記者発表資料 [PDFファイル/78KB]

 宣言後のこれまでの県警の交通安全の対策についてはどう評価しているか。

村井知事

 取り締まり等しっかり対応していただいております。そういう意味では、いつも以上に頑張っていただいていると評価をしておりますが、残念ながら広い県内を全て目配りするということは不可能でありまして、やはり県民の皆さん一人一人の意識の改革というのが必要だと思っております。

 主な推進事項として、各関係機関への要請や取り締まりの強化ということだが、具体的に何か考えているか。

村井知事

 正直申し上げて特効薬というのはございません。長期的な対策にはなりますが、県としてやれることの一つに各種交通安全大会、またセーフティー123運動などを活発化させたいと考えております。一番大切なのは、やはり「交通事故が非常に多くて、特に死亡事故が多いのだ」ということを県民の皆さんに知っていただく(ということです)。ハンドルを握ったときに、「もしかしたら自分も交通事故を起こすかもしれない」という意識を持ってもらうということが非常に重要だと思っておりますので、ぜひメディアの皆さんから大変厳しい状況なのだということを告知していただきたいと思います。
 過去、平成20年、21年、23年に同じように緊急事態宣言をいたしましたが、延長をしたというのは今回が初めてでございます。それだけ深刻であるということでございます。死亡事故の原因を見ると、正面衝突による事故が非常に多いのですね。それと、バイクの事故が非常に多いという特徴がございます。車を運転していて、やはり疲れによって居眠り運転等で衝突をなさる、あるいはバイクでスピードを出し過ぎたり、ちょっと意識がほかのところに行っていて事故を起こすということが多いものですから、特にその点を注意していただければと思います。
 これは必ずしも沿岸地域で多いというわけではなくて、気仙沼あるいは石巻では増加しているのですけれども、南三陸では死亡事故発生はゼロでございます。従って、沿岸部だから事故を起こすということではなくて、やはり内陸でも起こっているということでございます。ちなみに正確な数字を言いますと、今年正面衝突で亡くなった方は18人でございます。前年同期比で12人増加しております。この数は全死者数62人の約3割を占めておりますので、極めて多いということです。あと二輪車の事故で亡くなった方は11人でございまして、前年同期比で7人の増加でございます。スピードの出し過ぎ、あるいはハンドル操作の誤り、こういったものが多いということで、交差点、カーブでの減速、こういった基本的なことをしっかり守っていただければ防げるのではないかと思っています。また、高齢者の死亡事故も増加しておりまして、亡くなった方62人のうち22人が65歳以上の方だということでございます。これも前年同期比6人の増加でございます。お年を召された方もくれぐれも注意をしていただければと思います。

 復興関係の工事車両の事故がかなり多く、ぶつかった相手方が亡くなるケースが多かったように感じているが、その点についてはどう認識しているか。

村井知事

 やはり復興事業関連の車が起因する死亡事故もかなり多いと思います。正確に復興関連なのかどうかというデータはとれないものですから、今ここにはデータはございませんが、間違いなく多いと思います。特に前年までは震災後であったとしても、それほど死亡事故というのは増えていないのですね。今年増えているということです。去年、一昨年は計画を作って動き出したばかりでございますので、それほど車両の数が多くなかったわけですけれども、今年に入って復興関連の事業が非常に増えて、その分トラック等が増えておりますから、そこが一つの要因になっていることは否めないと思います。従って、他県から来られているドライバーもたくさんおられますから、そういう方たちに事業者を通じて意識啓発を図るということもやっていかなければならないと思っております。

南三陸町の防災対策庁舎の解体について

 佐藤(仁 南三陸)町長が先週、遺族感情や保存経費などを考慮して、防災対策庁舎の解体の意向を示した。この件に関して知事の考えを伺う。

村井知事

 これは町が所有する建物でございます。従って、町の判断として解体するということであれば、それを尊重すべきだと思います。町長がマスコミに発表する前に、私のほうに電話をくださいました。「あそこはかさ上げをする場所でございますので、あの庁舎だけを残してかさ上げをするというのは非常に難しいというのが一つ。それから、維持していくのに大変経費がかかります。今の制度では町にとって負担になってしまう。それは残念ながら、鉄(製)でございますのでいずれさびてきますから、それをずっと修繕し続けるというのは小さな町として大変負担が重いということ。そして三つ目は、残してくれという声もありますが、逆に解体をしてくれという声も大変多いということで、どちらの声もありますが、遺族の声というものを大切にしたい」ということでございました。「いろいろなご意見、ご批判もあるでしょうけれども、町として決定をいたしましたので知事に報告をしたい」ということでございました。
 私からは、先ほど言いましたように、「町の判断でございますので私はそれを尊重したいと思います」という話をさせていただきました。

 現在、気仙沼の第18共徳丸の解体作業も進んでいる。県として震災遺構のあり方に関する、知事の考え方をあらためて伺う。

村井知事

 これは宮城県だけの問題ではなくて、福島にも岩手にも関連しております。従って、(東日本大震災)復興構想会議におきましても、また現在行っております復興推進委員会におきましても、私はその場で言ったのですが、やはり国がある程度の方向を示して、そして残すもの、残さないものをある程度国の責任で方向性を決めて、そして財源も確保しないと、やはりこのような形でどんどんなくなっていってしまうのではないかと思います。これを残すか残さないかという判断を被災地の市町村長に任せてしまうというのは、どうしても酷だと私は思います。残念ながら県として、これを残すべきだとか、解体してもいいですよといったようなことを言う権限がないのです。私に与えられておりません。従って、県としては、こうしたほうがいいのではないでしょうかという一定の方向性をまとめて、15の市町の首長さん方にはお示しいたしましたが、それはあくまでも参考にする程度の内容でございまして、その指針に基づいて市町が独自に判断をするという形になっております。これが県としての限界だということであります。国が責任を負うべきだと私は思います。復興推進委員会が明日(25日)ありますので、あらためてそういう話をさせていただくということです。

 震災遺構の関係を目にすると、隣県の岩手と福島ではそれでも保存しようという動きが一部出てきている。宮城県だけまだ保存という動きが出てきていないことについてどう感じるか。また、政治家村井嘉浩として、特に指定廃棄物の問題でも、国の問題であってもリーダーシップを発揮してやってきたケースがある。この件について、地元ではもっと県に動いてほしいという声もある。あらためてその対応をどう考えるか。

村井知事

 必ずしも全てなくすということではなくて、市町それぞれ残す方向でどんどん話が進んでいる部分もあります。賛否が分かれていない部分については、それをなかなかメディアは取り上げませんので意外と知られておりませんけれども、残す方向で検討しているものもあります。民間の建物で残すという方向で検討しているものもございます。ですから、宮城県の場合、必ずしも全てがなくなるということではないと思っています。また、東北大学がこの間の共徳丸、あるいは南三陸の防災庁舎を3Dで記録を残しておりまして、特殊なカメラをつけて、特殊な部屋に入ればですけれども、そういったようなものをいつでも体感ができるといったようなこともしていただいておりますので、何もしていないわけでは決してないと思っております。
 あとは岩手県にしても福島県にしても、県が指導して、残す、残さないということを決めているわけでは決してないと思います。私は、県として知事として、政治家村井嘉浩としてアドバイスを求めるということであれば、私の考えはそれぞれ申し上げたいと思いますけれども、今のところはそういう要望は来ていないということでございます。
 やはり賛否が分かれるときが非常に難しいですね。共徳丸の問題であったり、あるいは南三陸町の防災庁舎のようなものは、ご遺族の考え方というのもありますので、そこはやはり両方の考え方を忖度(そんたく)しようとすると、二者択一しかありませんので、非常に難しい判断を迫られるだろうと思います。賛否が分かれていないものもたくさんございますから、そういったようなものは保存する方向で話が進んでいくと思います。

楽天球団の優勝に向けての期待感について

 楽天球団のマジックが3になったが、知事の優勝に向けての期待感をお聞きしたい。優勝が決まった際にセレモニーや表彰など何か考えていることはあるか。

村井知事

 大変大きな期待を寄せております。この間も新聞に宮城県内の銀行が試算した経済波及効果というのがありました。間違いなくパ・リーグで優勝しただけでも、大変大きな経済波及効果があるのではないかと思います。(リーグ)優勝すると私は確信しておりまして、そうするとファイナルステージを行うことになりますから、必ずKスタ(宮城)が使われることになりますし、日本(選手権)シリーズまで行き、(ジャイアンツがクライマックスシリーズで優勝すれば)東京ドームとKスタ(宮城)で試合をしてくれることになりますので、相当大きな経済波及効果が生まれるだろうと思います。全国からお客さまが集まってきますので、観光にもつながっていくだろうと私は思います。できればそこ(クライマックスシリーズ)でも勝って、日本(選手権)シリーズでぜひ戦っていただきたいと思います。応援したいと思います。
 セレモニーとしては、優勝パレードを仙台市さん、商工会議所さんを中心に今検討しておりまして、県もできるだけ応援をさせていただきたいと思っています。あと何らかの形での表彰といったようなものも考えなければならないと思っております。

IOC(国際オリンピック委員会)総会での佐藤真海選手の活躍について

 国際オリンピック委員会総会でのプレゼンテーションで、気仙沼出身の佐藤真海さんがスピーチを述べた。知事として真海さんの活躍をどうご覧になっているか。今後、真海さんの功績を讃える特別なことは考えているか。

村井知事

 非常に素晴らしいスピーチでした。特に、被災地のことを被災者の一人として、世界に発信をしてくださった。オリンピックの招致に対して、パラリンピックの招致に対しての貢献もさることながら、被災地の状況、被災者の思いを世界に向けて発信してくださったということに対して、本当に私は感謝をしております。今日(24日)、幹部会で佐藤真海さんに対して感謝状等を差し上げることはできないのか、よく検討してほしいという指示を出しました。パラリンピックでまだメダルをお取りになっていませんので、そういう意味では県民栄誉賞といったような賞にはなかなか該当しないかと思いますけれども、県民は恐らくみんな佐藤真海さんに対して感謝をしていると思いますので、その県民のお気持ちを一つにして、感謝状という形でお渡しできればよろしいのではないかなと思い、指示を出しました。

知事選挙について

 先週末(21日)、弁護士の佐藤正明さんが出馬を正式に表明されて、TPP(環太平洋連携協定)に関して村井知事は賛成なのか反対なのか明確にするべきだという話もあったが、知事選に向けてマニフェストなどに盛り込む考えはあるか。

村井知事

 ありません。やはり知事としてTPPを賛成だ、反対だと言ってやめさせる、あるいは前に進めるということができるものではありませんので、こういったものを争点にすべきではないと考えております。自分の責任で、県が全てやることのみを書くわけではありませんが、やはり自分の責任でやろうとしていること、宮城県に関してやろうとしていること、東北全体に対してやろうとしていること、こういうことならいいのですが、TPPはもう北海道から沖縄まで全て当てはまることですので、これをマニフェストに入れるというのは、私はナンセンスではないかと考えております。

 今回、連合(日本労働組合総連合会宮城県連合会)への支援を要請しているということだが、その真意、狙いを伺う。

村井知事

 今、時間が空いたときはいろいろな団体に電話をかけたり、顔を出したりして応援の要請をしている(ということで)、これはもう候補者として当たり前のことです。前回までは連合さんは別の候補者を応援されておられましたが、今回は民主党系の候補者が出ないということでありますので、ぜひ応援をしてほしいというお願い(をし)に行ったということでございます。特に連合だけ特別お願いに行ったということではなくて、いろいろな団体にお願いに行っている中に、前回まで行かなかった連合さんにもごあいさつに行ったということでございます。
 「連合というまとまりで支援することはなかなか難しいかも分かりませんけれども、それぞれ個別に組合組織がございますから、それは応援する、しないというのは、組織ごと、単組ごと判断をさせていただきます」というお話でございました。今、どの組合が応援をしてくださるのかということの返事を待っているということでございます。

 今までは村井知事は比較的自民党色が強いと言われてきたが、震災復興もある中で民主党の対応が自主投票になり、より県民色というか、特に党派という色を薄めていこうとされているように見えるが、その辺はどういうお考えか。

村井知事

 これは前回も実は同じなのです。私は前回も同じように全ての県民の皆さんに対して応援をしてもらいたいと思っているということを言って(おります)。言っていることは何も変わっていないのですが、選挙の構図として、前回は民主党推薦の候補者が出たということがありました。共産党(推薦)の方が今回も出まして、前回も出ましたけれども、ただ、私は当選したからといって応援してくださる方のためだけに仕事をするというようなことは、この8年間ずっとやってきませんでしたし、仮に当選したら次の4年間も共産党の支持者の方のことは一切何もしないということではなくて、平等に、私に投票されなかったと思われる方に対しましても、やれることは全力でやっていかなければならないと思っています。そういう意味では、やはり自治体の首長というのは、選挙は選挙、仕事は仕事で分けるべきだと思っておりますから、あまり今回の選挙を意識して、県民党だというのを表に出そうと考えているということは決してありません。
 とにかく今回、投票率が下がるという懸念がございます。私としては私に(票を)入れる、入れないに関係なく、私に対して批判的な方もぜひ投票所に足を運んで(いただきたいということです)。佐藤さんか、別に(候補者が)出ればその人でもよく、(票を)入れる人間がいないということで白票を投じていただくという選択肢もございます。その白票というのも、この中には自分が意図する人は誰もいないという明確な意思表示でございますから、白票でも結構でございますので、県民の皆さん約190万人の有権者がいますので、全員投票に行っていただきたい(ということです)。そして、A候補でもB候補でも白票でも結構ですから、必ず権利は行使していただきたいと思っています。
 そういう意味からも、連合に行ってあいさつの中で申し上げました。「前回応援した民主党候補がいないから、今回は自主投票で投票に行かないといったようなことにはぜひしないでもらいたいのです」と、「私はそれが一番つらいことなので、皆さん応援をしていただきたいし、投票所に行くように言っていただきたい」というお願いをいたしました。

 投票へ行ってもらうためには、一候補者としてどんな姿勢をアピールすればよいのか、どんな政策の訴え方をすればよいのかというのはあるか。

村井知事

 現職ですので、特に選挙だからといって取り立てて変わった新たなものをドーンと出すというのはほとんどありません。基本的に今やろうとしていて、まだ途中で進行形というものもたくさんございますので、復興関係は残り8年でこれをぜひ成就をしたいのです、それ以外にも宮城県を豊かにするためにこういうことをしたいのです、福祉でもこういう施策をしたいのです、これを成就したいのですということを、知事になってから8年になっていますが、プラス4年の12年間でやりたいことをまずは明確に訴えようと思っています。従って、佐藤さんが言ったことに対して反論だけするということではなくて、もちろん聞かれたら反論もしますけれども、そこにこだわるのではなく、やはりもっと大きな、宮城県全体の将来の絵というもの、復興をやり遂げながら夢のある宮城県を作っていきたいのだというようなことを、具体的な政策で訴えていきたいなと思っています。
 マスコミの皆さんがそれをどう料理するかということで、皆さま方が白けた選挙だというようなことを言わないように、材料は私のほうでどんどん提供しますので、よろしくお願い申し上げます。頑張ります。

国の経済対策に関して

 安倍(晋三)首相が、法人税率の引き下げなど経済対策を打ち出している。増税を見据えた経済対策、今打ち出されている経済対策への評価を伺う。

村井知事

 基本的に民間の活力を使って景気をよくしたい、税金をただただじゃぶじゃぶ使うだけではなくて、もちろん税金も使いますけれども、それだけではなくやはり民間の活力をもって景気をよくしていかなければならないという方向性が大きく出ていると思っております。そういう意味で、カンフル剤として法人税を一部下げようという努力もしておりまして、私は方向としては正しい方向だと思います。

 付け加えて、被災地の知事として、こういう政策をさらにお願いしたいというものはあるか。

村井知事

 非常にありがたい補助金で、被災地の沿岸部、津波の被害を受けたところに企業立地の補助金を用意してくれています。好評でございまして、おかげさまで相当程度沿岸部に企業が張りついております。今回第1弾で企業名等ももう公表になっておりますので、ぜひ国のホームページ等で確認していただきたいのですけれども、かなりの企業が張りついてくれるようになっています。ただ、もうその財源も期限がありますし、また財源に限りがありまして、まだまだ張りつくためにはインセンティブ(奨励)が必要でございますので、そういった財源を確保していただくと大変ありがたいと思います。恐らく復興住宅等は今の財源の中で十分建設が可能だと思いますし、土地のかさ上げ等もできるかと思いますから、今後は被災者の皆さんの雇用の確保ですね、ここに最優先で力を注いでいかなければなりませんので、そういった財源を確保していただくということは非常に重要だと私は思います。

 経済対策の中で、復興特別法人税の1年前倒し(の廃止)と首相はおっしゃっていると思うが、消費増税するために復興法人税を前倒し(して廃止)するのは非常に違和感を感じるが、この点はどのようにお考えか。

村井知事

 (復興財源の)総枠を確保すると総理はおっしゃっておりますので、被災地としてはお金に色はついておりませんから、どのような形であったとしても必要な財源、まずは25兆円と言われているその財源を確保していただければ、それはもう問題はないと思っております。

 その財源の部分は確保するとは言っているが、裏づけになる、どこからお金を持ってくるかというのは全く白紙の状態だ。そうすると、復興法人税を上げなくてもよかったのではないかという話にもなりかねないが、その辺はいかがか。

村井知事

 それは社会全体の景気が今よくなっていますので、そういった形での財源が確保できる見通しもある程度立っていると思いますし、消費税が上がることによって財源の見通しもある程度立ってきたと(いうことだと思います)。当時は、消費税が上がるということは全く俎上(そじょう)に上がっておりませんでしたので、当時とはかなり状況が変わっている、環境が変わってきているということだと思います。従って、その批判はあまり当てはまらないのではないかと私は思います。

ゼネコン汚職から20年たって

 27日でゼネコン汚職から20年になる。これまで宮城県は入札基準については一時期よりはかなり厳しくしたが、震災で緩和されていろいろ指摘もされている。職員の意識の問題の風化が懸念されるという話も出ているが、知事はこの20年をどのように総括して、今後どのように維持していこうとお考えか。

村井知事

 20年前、私はまだ政治家になっておりませんでした。平成5年ですので、(松下)政経塾にいるころでした。神奈川にいるときだったのですけれども、大変大きなニュースで、神奈川でも驚いてニュースを見たことを今でもよく覚えております。その後、浅野知事のもとで12年間、本当にいろいろな改革に積極的に取り組まれました。特に情報公開を積極的に進め、また入札制度も相当程度変えまして、透明性のある入札制度に変えました。私は非常に評価をしておりまして、できる限りそれを維持しなければならない(と思い)、やるだけやったという形で私にバトンタッチされましたので、維持するようにやってまいりました。そこで東日本大震災が起こり、それ(震災前の入札・契約制度)を維持しようとすると残念ながらもう仕事を請け負うことができないという状態になってしまったために、舵を切ったということでございます。
 そういう意味ではこの20年間というのは、ゼネコン汚職が宮城県に、県政に与えた影響というのは極めて大きかったと私は思っております。また、改めるべきところを改めるために、大変大きなショック療法になったのではないかと思っております。恐らくあのゼネコン汚職がなければ、ここまで情報公開も進まなかったと私は思います。そういった意味で、私は必要なことをやる大きなショックを与えてくれた、そういう事件であったというふうな捉え方をしております。
 今後は、どのようにしてこういったモラルを維持していくのかということであります。私だけではなくて、副知事も部長も常に言っておりますことは、こういう(時期に)特に気持ちが緩んでしまって、また来た道に戻るということをやはり一番懸念をしておりまして、こういうときだからこそ1円たりともお金を無駄に使わないという気構えで、しっかりとした対応をするようにということをはっきりと職員に、何度も繰り返し言っているということでございます。やはり意識が緩んでいくということが、一番心配されることであります。特に20年間で職員も相当入れ替わりまして、平成6年以降に入庁した職員もたくさんおりますので、そういった職員は20年前の出来事をあまり知らないわけでございますから、若い職員にも20年前のあの苦しみ、県職員でいるということが大変恥ずかしかった、つらかったというあのときのことを忘れないように伝えていくということは、私どもの重要な仕事の一つだと思っております。

 おっしゃった「こういう特に気持ちが緩むとき」というのは、「復興事業で予算が膨大になっているとき」ということか。

村井知事

 そういうことです。

 若い職員にその恥ずかしさを忘れないようにするために、何か考えていることはあるか。

村井知事

 これはやはり先輩が後輩にしっかりと伝えていくということが重要だと、私は思います。あのときの苦労した職員、そうした職員が県民から非常に厳しい批判を受けたわけですから、あのときの苦しみをしっかりと下の者に伝えていくということが重要だと思います。

入札不調が起きるという状況が一段落したら、どんな入札改革をお考えか。

村井知事

 これはもう当然にだんだん元に戻っていくと思います。あるべき姿に収斂(しゅうれん)していくということですね。今は特別(な状態の時期)ですので、需要と供給のバランスが当然次第にとれてくると思いますので、復興が終わったらというよりも、復興の需要の様子を見ながら、供給のバランスというものをしっかりとっていくことになろうと思います。最後は元(震災前の入札・契約制度)に戻るのだと思います。

中国国際航空の定期便運休について

 仙台空港の件で、中国の定期便が10月末で運休になるが、県として今後どういう対応をとっていくお考えか。

村井知事

 これは政治的な要因によるものが非常に大きくて、しかも宮城県だけの問題ではなくて、日本全体の問題でございますから、政府として中国政府との話し合いを進めていく中で、お互いの交流がまたもとに戻るように、まずは力を注いでいただくことが重要だと思います。その上でわれわれとしてできること、地方政府間での協力であったり、航空会社に対するアプローチであったり、対応を考えていこうと思います。今の時点で残念ながら中国の地方政府や、あるいは航空会社にアプローチをしても、なかなか打開策というものは見いだせないだろうと思っておりますので、もう少し事態の推移を静観したほうが賢明ではないかと思います。
 他県がやったように、何らかの形でインセンティブを与えて旅行客を(誘致する)といったようなことをしても、恐らく一時的なものだと思いますから、もう少し時間をかけて静観をしながら、日中関係というのはお互い共存共栄で成り立っております関係でございますから、いつまでもこういう関係が続くということは、日本にとってもマイナスですが、中国政府にとっても必ずマイナスになりますので、必ずどこかでまた動き出すだろうと思っておりますから、そのタイミングを早めに先取りして動き出したいと思っています。

指定廃棄物の最終処分場について

 指定廃棄物の最終処分場の件だが、登米市の稲わらの保管が明日で残り1カ月という状況になる。今のところ新たな首長会合の予定など見受けられないが、今のこの問題の状況について、知事のお考えと今後の対応をどうしていくべきだとお感じになっているか伺う。

村井知事

 考え方ですけれども、県内1カ所ということまでは、私も含めて県内の首長の合意は得られていると私は思っております。問題はこの先どのような形でそれを絞り込んでいくのかということだと思います。どういうふうにすべきか、このボールは今、(宮城県から)国に投げておりますので、国から会合をやりたいから日程調整をというような形で話が来ない限りは動けません。県からは環境省のほうに、早めに次の会合をやるべきではないかというお話はさせていただいております。

 今のところ環境省のほうから特にいつごろという、年内にできるのかどうかを含めて特に何も来ていない状況か。

村井知事

 今回、関係しております五つの県の中では、宮城県が頭一つ出ておりまして、宮城県だけどんどん先に行くというよりも、ある程度足並みをそろえながら、前に進めていきたいと国は考えておられるのではないかと推測しております。そういった意味で、ほかの県がまだ県内1カ所といったようなことがなかなかまとまっておりませんので、その辺ちょっと慎重にされているのかなという思いは持っております。ただ宮城県の知事としては、今登米(市)の話がありましたけれども、保管をしていただいている方に大変な迷惑をかけておりますから、一日も早く、恐らく相当反対の声は上がるかと思いますけれども、県内1カ所ということで前に進んだほうが、私は長い目で見ると宮城県民のためになると思っております。


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