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宮城県知事記者会見(平成25年7月16日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年7月17日更新

知事定例記者会見

参議院議員選挙について

 参議院議員選挙投開票の21日まで今日(16日)を含めて残り6日となったが、現在、期日前投票が前回より約3割多い状況だ。当初、投票率が下がるのではないかと心配する声も上がっていたが、現状をどう考えるか。また、知事自身は既に投票に行ったのか。

村井知事

 期日前投票が非常に順調であります。宮城県の場合、前回と比較して14日現在で1.28倍ということでございまして、3割程度多くの方が(期日前)投票に行かれたということであります。投票日当日、急に用事ができる場合もありますし、体調がすぐれないということもあるでしょうから、そういった意味では早めに投票されるということは非常に良いことだと思います。せっかくの貴重な権利でありますので、しっかりと行使していただきたいと思います。引き続き期日前投票についても働きかけをいたしまして、投票率の向上に努めてまいりたいと思います。
 私はまだ行っておりません。当日行きたいと思います。全ての状況を見て、一番素晴らしいと思う方に投票したいと思います。今日(16日)、庁議の席でも「誰に投票するかは自由ですけれども、県職員は全員必ず投票に行くように」と指示は出しました。

 知事が投票する際に、重視する争点について教えてほしい。

村井知事

 一つの問題で投票するということでは決してございません。全体を見て投票させていただこうと思っておりますが、一番重要なのは道州制といった地方分権であったり、あるいは憲法の問題であったりといったところです。

 先週(10日)、知事は岩手県に自民党新人候補の応援に行かれたが、その感想を伺う。また、(応援の)理由が「ILC(国際リニアコライダー)誘致には政権与党の力が必要だ」という話だったが、手応えはどうだったか。

村井知事

 まず感想ですが、奥州市で3カ所、盛岡市で1カ所マイクを持ちました。私は候補者の田中(真一)さんに初めてお会いしたのですけれども、非常にガッツのある元気な方でありまして、非常に素晴らしい若者だなという印象を受けました。
 ILCですけれども、特にあのときにはいろいろお話をいたしましたが、その後(政府では)何ら動きはございませんので、やはり選挙が終わってちょっと落ち着いてからでなければ、次のステップには進まないのではないかなと思います。その際には田中さんの(参議院選挙の)当落とは関係なく、「私はこういうことを岩手県に行ってお話しをしてきた。ぜひ東北、宮城県にも一部かかりますけれども岩手県に決定をしていただきたい」ということは、引き続き自公政権であればそちらのほうに強く働きかけをしていきたいと思います。

 その後、達増(拓也 岩手県)知事とお会いする機会はあったか。

村井知事

 ないです。電話もないですね。達増さんとは仲が良いので、心配要りません。(応援演説の際、)達増さんのことは一言も言いませんでしたし。 

放射性物質汚染稲わらの一時保管期間の延長について

 県議会の6月定例会で指定廃棄物の最終処分場に関連して発言があったが、今のところ処分場の次の協議の日程についての見通しがつかない状況にある。以前から問題になっていた登米市で仮置きしている稲わらについて、県が一時保管期間延長の措置を求めたが、その後、どういう状況になっているのか。農家からどういう返答が来ているのか。

村井知事

 6月13日に農林水産部長名で関係する市長さん、町長さん宛てに「放射性物質汚染稲わらの一時保管期間の延長について」という通知文書を出しました。その後、現在のところあらためての動きはないという報告が来ております。中には、8月に住民説明を開催する予定であるというお話は情報として伝わってきておりますけれども、それ以上の詳しい話は何も届いておりません。県として協力できることは、できるだけ協力させていただきたいと思っております。

 「これ以上保管したくない」と言う農家が出てくる可能性もあるが、その場合、何か別の対処方法があるか。また、今後の延長について、直接農家との交渉や延長依頼を、県が市町村に引き継ぐ可能性はあるか。

村井知事

 まず1つ目、農家さんが「これ以上保管してくれるな」と言うような場合は、努めて引き続き保管をしていただけるように、市町村と一緒になって協力の要請をしていかざるを得ないと思っております。どこに持っていっても、喜ばれるようなものではございませんので、まずは今の場所は安全に保管できるという担保がありますので、そこで保管していただくことがベストだと思います。そのため、引き続き保管をお願いしていかなければならないと思っております。
 それから、延長の手続については、これはやはり市町村が一義的には、主体的にやっていただくことになるだろうと思っています。

 2年間という形で保管してもらっていたが、2年の根拠は何だったのか。

村井知事

 国が2年間でしっかりとした処分場等の設置を考えるという話があったということであります。

仙台空港の民営化について

 本日(16日)、空港民営化に関連して初めてのサポーター会議(仙台空港600万人・5万トン実現サポーター会議)が開かれるが、空港民営化の実現に向けて知事はこの会議にどのような役割を期待されているかを伺う。

村井知事

 空港民営化をすれば、すぐに利用者が増えるということでは決してありません。外からお客さんを迎え入れるというのも大切ですけれども、やはり宮城県民が、あるいは東北のいろいろな方たちが仙台空港を利用しようという意識を持っていただかなければ、なかなか利用者増にはつながらないだろうと思っております。そういった意味で、今日お集まりいただく方は、空港の民営化の応援団の皆さんでございますから、いろいろな形で空港の民営化のメリット、あるいは必要なことといったことをどんどん発信していただければと思っております。まさに今日はそのキックオフのイベントだと考えております。

 受託に色気を示している新関西国際空港株式会社(以下、新関空会社)も今回サポーターのメンバーに入っていると聞いている。以前にも伺ったが、国が100%株式を持っている関空(新関空会社)のような会社が候補として手を挙げているということについて、知事の所感をあらためて伺う。

村井知事

 今回は、仙台空港を民営化させることによって活性化させようという思いを共有している人たちが集まっているサポーターの会議でございますから、ここ(サポーター会議)に入ったから仕事が受注できるとか、できないという問題とは全然違う、別次元だということであります。従って、仙台空港はLCC(格安航空会社)が就航して、もう既に関空(関西国際空港)とつながっておりますので、そういった意味からも関空(関西国際空港)の関係者の方がサポーターとして入っていただくことは大変望ましいことで、ウェルカムでございます。
 ただ、私は仙台空港の民営化については、一つのモデルとして完全な民間企業による空港運営を実験的にやる場所だと思っております。仙台空港だけではなくて、高松(空港)、広島(空港)なんかも調査費等がついて順次空港の民営化をやりますので、関空(新関空会社)さんがそういったところを受託されるのは大いに結構かもしれません。しかし、民間企業といえども国が100%出資して、実質的には国がコントロールしている企業でございますので、それが仙台空港を受託するということは、当初目指していたものでは決してないと私は思っております。その点については、国のほうにははっきりと申し上げておりまして、どうしても国が譲れないということであれば、仙台空港は(民営化の)手を下ろしてもいいのではないかと思っています。

 タイへ定期便が12月に就航するという話が出ているが、こちらに関しての知事の所感を伺う。

村井知事

 実現すれば大変素晴らしいことでありますが、実は詳しい情報が県のほうに入っておりません。今、情報収集に努めております。

 先ほど国が100%出資しているような新関空会社は望ましくなく、完全な民間会社による運営を目指していると言っていたが、空港運営のノウハウを持つ民間会社はあまり思いつかない。どういった担い手を想定しているのか。例えば、民間会社を母体として、ノウハウを持つ方を引き入れてまた別の企業体を作るということなのかどうか。

村井知事

 日本では(空港民営化の)経験がないのですけれども、海外ではそういった空港の民営化というのはもうかなり進んでいますね。そういったところに参画をしているような力のある企業は複数あります。そういったところは、みんなで協力をし合って、一つのモデルとしてやっていくというのも良いのではないかと私は思っています。決して関空(新関空会社)方式が悪いというわけではないのですよ。関空方式は関空方式で一つの方法なのですけれども、これはやはり国が出資した会社であって、相当国等の関与がありますので、全ての日本の空港をそういう形にするのであるならば、私は今のやり方とそんなに大きな差が出てこないのではないかと(思います)。そういう意味では、仙台空港というのはちょうど規模的にもいいので、やはり実験的に民間に1回思い切って任せてみて、それ(民営化)は売却ではなくコンセッション方式(運営権を与える事業方式)ですから、だめならば数十年してまた(運営権を)返してもらえばいいわけです。まずは1回実験的にやってみて、その結果、お互い競い合って、もちろん規模が違いますけれども、関空(関西国際空港)のほうが良くなるのか、あるいはこちら(仙台空港)のほうが良くなるのか、その辺を客観的に分析してみたら良いのではないかと私は思っています。そのほうが、競争原理が働いてこの国のためになり、よりよいサービスをするようになるのではないかと思っているということですね。

 すると、知事の頭の中には具体的な企業名も浮かんでいるのか。

村井知事

 いや、そんなにはないです。ただ、何もかも関空(新関空会社)に(仕事を)振らせなければいけないというのは大反対ですね。それなら全く意味がなく、たくさん天下り先を作るだけです。そのためにやるのだったら、私はもう絶対やりたくないです。仙台空港は手を下ろします。他のところでどうぞやっていただければと思います。

 海外では空港民営化がかなり進んでいるという話だが、海外に参入している企業は海外に所属している企業が多く、地方の仙台空港が民営化を目指していることのアピールがまだまだではないかと思う。国も協力するのだと思うが、例えばこれから海外に売り込んでいくとか、知事としてこれからできることはどのように考えているか。

村井知事

 私も知事になって8年間、いろいろな海外にも出向いていって、一生懸命宮城のPRをいたしました。残念ながら誰が考えてもお分かりだと思いますけれども、やはりこれくらいの規模の自治体のトップが出ていってトップセールスをしたところで、それによって仙台空港の利用者あるいは観光客が急激に増えるということはやはりなかなか難しいのです。そういった意味で、民間の持っているネットワークを最大限活用して、政府の持っている力を借り、そういう形で仙台空港というものの知名度を上げていくのが重要ではないか(と思います)。
 今回の民営化の一つの大きな狙いは、やはりネットワークです。そういった企業間のネットワークといったものをできる限り活用できるような仕組みを私は作りたい(と考えており)、全国で初めて実験的にやってみたいと思っているということであります。私は今日(サポーター会議の中で)も話しますが、実際イギリスに行って見てきましたけれども、コンセッション方式で非常にうまくいっているところもありました。それはやはり細かい口出しをしないで、思い切って(民間に)任せたからではないかと思います。

仙台・宮城デスティネーションキャンペーン(DC)の経済効果について

 先日(12日)、七十七銀行がDCについて、経済効果が100億円以上あるという試算をまとめたが、DCの県への経済効果をどう捉えているか。また、あらためてDCを振り返っていかがか。

村井知事

 民間の企業の方がご自身のシンクタンクを使って試算をされたということでございます。非常に大きな経済効果があったことは間違いございません。実際、私もいろいろなところのホテルや旅館の関係者の方とお話をしておりますけれども、「この3カ月間は非常に好調であった」という声ばかりでございますので、あの数値はそれほど過大評価をしたものでは決してないと思っております。間違いなく観光は地域に大きな経済効果をもたらすということが、あらためて認識されたと思っておりまして、これを一過性のものにすることなく、持続させていかなければならないと意を強くしているところであります。
 振り返ってということでありますが、大きなイベントをやると、当然その後1回落ち込んでしまうということもあるのですけれども、全ての宮城県の県民あるいは関係者や関係者以外の方も含めて、とにかく一時期にベクトルを同じ方向にぐっと向ける必要があると私は思っております。特に観光は、誰も反対するものではございませんので、「この時期に絞って、とにかくみんなでこの方向を向いて進もう」ということをやらなければならないと、知事になる前からずっと思っておりました。そういう旗振り役をやるのは、やはり宮城県、あるいは私が最適任でございますので、この8年間の間にもう二度もDCをやったということでございます。空港の民営化ということになりますと、今度は空港を使って、九州も含めて関西以西、あるいは海外からもお客さんを呼び込むことができることになりますので、JRさんはもちろん軸足でありますけれども、JRさんと空港とうまくマッチングさせながら、より多くのお客様に来ていただけるように工夫していきたいと思っております。
 ただ、このDCというのは、やはり圧倒的に人口が多い地域である首都圏のお客様がメーンのターゲットでございまして、引き続き継続的に行いたいという思いは持っております。

TPP(環太平洋連携協定)交渉について

 昨日(15日)からマレーシアでTPPの交渉が始まった。3月のTPP交渉参加表明に際して、知事は「国に対しては被災地に十分配慮するよう引き続き働きかけを行う」というコメントを出したが、この間、TPPの議論には被災地が全く出ていないと思う。この3カ月、知事は国に対して何をしてきたのか伺う。

村井知事

 政府要望等で「TPPの交渉については被災地に十分配慮してほしい」ということをお願いしてまいりました。また、多くの国会議員にお会いする機会があり、その際にTPPの話題になることもありますから、「被災地は大変心配をしております。特に農業と水産業、林業を含めて1次産業が特に大きな関心を持っておりますので、選挙のあるなしに関係なく、これには十分配慮していただきたい」ということはお願いしてまいりました。

 配慮とは、具体的にどういうことを指すのか。

村井知事

 それは今後のことではないでしょうか。「こうしなければ配慮とならない」というわけではないと思います。農業にしても水産業にしても大変大きな被害を受けておりますので、さらに復興を早めるための施策であっても、それも一つの配慮であろうかと思います。具体的にTPPの議論が進んでまいりますと、どこにどういうしわ寄せが出るのかということが見えてきますから、その際に特に被災地に影響が出るようであれば、それに対する財政的な支援であったり、あるいは技術的な支援であったりといったことを考えていくべきではないかと思います。今は「配慮」という大ぐくりな言い方でよろしいのではないかと思います。

道州制について

 先日(9日)の全国知事会で、道州制について結局(結論を)先送りしたと思う。参議院選挙の公約で自民、公明党は「これ(道州制)に当たっては有識者の国民会議を新設して考えましょう」という話をしているが、これについてどう思うか。また、道州制そのものについて具体的にどういうイメージを知事は持っているのか。

村井知事

 (全国)知事会(がまとめた意見書)は決して先送りではなく、与党案に対して「こういう部分が足りないのだ」、「これ(与党案)ならばわれわれは『分かった』とは言えませんよ」ということです。従って、反対という意思表示をしたわけではなく、といって賛成でもなく、つまり問題点を列挙したということです。今後、選挙結果を見て、具体的な動きが出てくると思いますので、その際にはその問題点をさらに舌鋒(ぜっぽう)鋭く指摘をしながら、われわれの納得するような道州制の方向に持っていこうという形にしているわけであります。残念ながら、私は議会の(日程の)関係で出席できなかったのですけれども、出席した職員の報告では、もちろん反対という人もいますけれども、全体の雰囲気としては、「入り口論でいつまでも立ち止まっていたらいい」ということからは前に進もうという、道州制に一歩進んだような手応えを受け取ってきたということでございますので、それはそれで一つ大きな成果ではなかったかと思います。
 「(道州制)国民会議」についてですが、これは法律の中の書き方次第ですけれども、(道州制推進)基本法ができた後に、有識者の国民会議の中で3年、5年かけて具体的な制度設計をしていこうという話です。従って、あくまでも最初は、「道州制を何年にするのだ」ということをしっかりと明示した上で、いろいろな知恵をかりて具体的な制度設計をしていくというので私はよろしいのではないかと思っております。
 私の道州制についてのイメージは、「復興に命をかける」という本に詳しく書いてございますので、1400円(税込み1470円)でお買い求めいただいて(※印税の受け取りは辞退しています)、ぜひお読みいただきたいと思っております。まだ本屋にあると思いますので、よろしくお願いします。

 地方分権の話の中で、いつも「地域間格差の是正をしろ」という意見と「地方分権を進めよ」という意見の、矛盾する考えが一緒に出てくるが、その辺の折り合いはどうつけるのか。

村井知事

 今の都道府県の枠組みでは分権をしようとしても、東京のような自治体と力のない県とでは、どうしてもなかなか格差が是正できない、それがどんどん広がっていってしまうという問題があります。道州制というのは、その枠をもっと広くいたします。東北で言うと、仮に東北6県あるいは新潟県まで入れて7県だと、力のある県や過疎化が急速に進んでいる県などいろいろございますから、それを「それぞれ地域の中で創意工夫して、バランスを自分たちで是正するように努力をしなさい」ということでございます。そのためにも、しっかりとした権限と財源を(道州に)与えるようにするということですので、私は道州制にまで踏み込んだならば、分権を行いながら地域間格差を自分たちで考えさせることによって是正していくことは可能だろうと思います。今のこの都道府県の制度、中央集権的なやり方では、小さな自治体までどうやって面倒を見るのかということをやはり全部国が制度設計をしていかなければならないというところに、どうしても時間がかかってしまい、より必要な財源が出てきてしまう要因があるのではないかと私は思います。