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宮城県知事臨時記者会見(平成25年4月10日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年4月11日更新

知事臨時記者会見

水産業復興特区に係る復興推進計画の認定申請について

村井知事

 石巻市桃浦地区における水産業復興特区に係る復興推進計画の認定申請を本日(10日)、午前11時に宮城復興局にいたしました。先週4日に開催された(桃浦地区水産業復興特区)地域協議会において、桃浦かき生産者合同会社、仙台水産及び宮城県漁協の代表の方々から、それぞれの立場でご意見をいただきました。県といたしましては、これらを総合的に検討した結果、桃浦地区におけるカキ養殖漁場において、桃浦かき生産者合同会社に直接、特定区画漁業権の免許をいたしましても、「地元漁民のなりわいの維持」と「特区適用漁場の属する水面の総合的利用」に支障を及ぼすことはなく、この取り組みによって漁業生産の増大や地元漁業者の雇用確保などにより復興が推進されると判断し、本日、申請を行ったものでございます。
 宮城県漁協の皆さまにおかれましては、特区の制度自体に反対ということでありますが、特区はこれまで桃浦でカキ養殖を営んでいた漁場内に設定するものでありまして、桃浦や周辺の漁業者はこれまで同様の操業を継続でき、これに支障を及ぼすものではありません。これを前提として、法で認められた制度を活用して復興を図ろうとするものであることをぜひご理解いただきたいと思います。
 また、宮城県漁協は我が県の沿岸漁業の復旧・復興に重要な役割を担っていることは言うまでもなく、県としては、今後とも県漁協の皆さまと密接に連携して、漁業や養殖業の復興に一丸となって取り組んでまいる所存でございます。 

 最初の国への提案からおよそ2年になるが、このタイミングでの申請ということについて所感を伺う。

村井知事

 (漁業権の)免許の切り替えが今年の9月でございます。震災があって壊滅的な被害を受けたとはいえ、今年の9月までは漁業権がしっかりと漁協に属するものとなっておりました。それを無理やり奪い取るわけにはいかないということでございましたので、当初から、この法案が通ったならば、平成25年の9月の漁業権切り替えの時期にやろうと考えていたということでございます。
 漁協の皆さま、また一部の漁民の皆さまから非常に強い反発もございましたので、できるだけ丁寧にその趣旨等の説明をさせていただき、相互調整をさせていただいたということでございます。その結果、この時期になったということでございます。われわれといたしましては、できる限りの誠意を尽くした対応をしたということでございます。

 今回、計画の区域が桃浦に限定されているが、特区の理念、目的から考えると、例えば沿岸全ての地区を対象にするという考え方もあると思う。桃浦に限定したのは、ある意味では県漁協に対する配慮を示す狙いもあるのか。

村井知事

 いいえ、桃浦が「特区をやりたい」とおっしゃったからであります。沿岸部の全ての漁民の皆さんが特区をやりたいということになれば、もちろんそれを前提にいろいろ協議をさせていただきましたけれども、桃浦の人たちがやりたいと、そして民間企業で桃浦ならお手伝いをしてもいいという企業が出てきたというマッチングがうまくいったということでございます。私どもとしては、1カ所になるのか2カ所になるのかゼロになるのか、当初全く分からなかったのですが、結果として1カ所になったということでございます。

 今回の水産特区は日本の漁業全体に影響を与えるということで注目されているところがあるが、知事自身はこの特区がどのような影響を与えると考えるか。

村井知事

 宮城県(の漁業)が抱えている就労者不足、そして高齢化の問題というのは、これはもう日本の沿岸漁業全てに当てはまる問題であります。たまたまこの大震災でいったん何もかも失ってしまいましたけれども、この状態が20年30年、じわりじわり進んでいくということです。従って、今後はますますこの高齢化、そして就労者不足に拍車がかかってまいりますので、浜単位で全く人がいなくなってくるということが出てまいります。これはもう、日本全国いろいろなところで出てくるということですね。そういったときにどうすればいいのかという一つのモデルになると私は思います。

 今回、4日に地域協議会を一度開催しての申請となったが、今後漁協とのやりとりというのは継続していく考えか。

村井知事

 この特区の問題については、今回申請を出しましたので、国が恐らく是か非か結論を出すと思いますので、その結果を見て対応は考えていきたいと思っております。われわれとしては、法律にのっとった手順をしっかり取ったつもりでございますので、恐らく認められるだろうと思っております。そうなりましたら、次の段階としてしっかりとこの制度にのっとって9月に向けて準備を進めていくということになります。

 県漁協としては依然として反対の姿勢を崩していないようだ。この特区制度導入について国への申請の手続は踏んだが、漁協側の理解を求めることについては、県としてどのように考えているか。

村井知事

 これは、やるということはもう決まったわけでございますので、今後は漁協が心配されていたような問題が起こらないように、われわれもしっかりとケアをしていく(考えです)。そして、実際9月から動き出したならば、漁協が心配されていたことは杞憂(きゆう)であったという形に持っていくことによって、理解を深めていくことになろうかと思います。従って、ここで特区が認められた後に、また振り出しに戻るというようなことはもうあり得ないだろうと思います。

 基本的には、理解を求めていくことや、漁協側が心配しているような課題が起こらないようにしていく努力を今後も継続していくということか。

村井知事

 当然そうですね。決してこれは漁協とけんかをするためではなく、最初のコメントでも申し上げたとおり、漁協の存在意義というのは十分認識しておりますし、漁協と県が協力をしなければ、漁業者の皆さまにとって決してプラスになることはないというふうに思っておりますので、漁協とは今後もずっと緊密な連携を取り続けようと思っています。
 また、今回いろいろもめているようですけれども、この特区の問題を除けば、その他の問題については非常にうまくフィット(一致)しながら事業を前に進めております。決してけんかだけをしているわけではなくて、この部分だけが意見がかみ合っていないということでございます。この特区の問題につきましても、「村井知事の思い入れがこうあって、その結果、桃浦がこう変わってきて、これも一つの方法だな」と分かってもらえるように努めてまいりたいと思います。
 残念ながら、これは9月からスタートしてしばらく時間がたたないと分からないことだというふうに思います。皆さん方にとっても判断しづらいのではないでしょうか。

 桃浦の合同会社にどういう活動を期待するか。

村井知事

 これは、今までの漁協の下に漁師さん方がそれぞれぶら下がっているだけではできないような新たな取り組み、6次産業化であったり、あるいは新技術の投入であったり、大きな資本の投入であったり、漁業権を民間企業が獲得したからこそできる、そういった事業を思い切ってやっていただきたいと期待しております。付加価値の高いものを作って、作るだけではなくて加工して販売をする、こういったようなルートをしっかりと築いて、できるだけ利益の上がる構造をつくってもらいたいと思います。
 同時に、根本的な問題は、先ほど申し上げたとおり就労者の高齢化と就労者不足でございますので、そういったようなものを大きな一つの会社としてどのようにして補っていくのかというモデルを示していただきたいというふうに私は思っています。会社を作ったはいいけれども、就労者がどんどん減っていって、結果的につぶれてしまったということでは意味がありません。このモデルを作ったことによって、新たな人たちがどんどん会社に入ってきて、海に入って(漁業をして)、桃浦が消滅することなくよみがえったという形にしていかなければならないと思っております。そこが非常に大きいかもしれませんね。

 先日(8日)の知事記者会見で、知事はウイン・ウインの関係(双方に利益がある関係)という言葉を使ったと思うが、今回、結果的に漁業権を失う形になった漁協側にとって、ウイン・ウインの関係という意味ではどういうメリットがあるのか。

村井知事

 海は漁協のためにあるのではないのです。海は国民のためにあり、そして漁民のためにあるのです。私が言っているウイン・ウインというのは、周りの漁民の皆さまにとってもプラス、われわれにとってもプラス、周りの漁民の皆さんがプラスになれば漁協にとってもプラスだということです。従って、漁協がプラスになって、そのほかの人たちがマイナスということはあり得ないと思いますので、漁業者の皆さんが全体的に元気になることによって、その結果、漁協がプラスになるという形を目指していきたいと考えているということですね。ですから、漁協ありきでは決してなく、まずは国家・国民があって、そのうえで漁民があって、そのうえに漁協があるということです。

 今回、申請に当たって、漁協の幹部の方と個別に知事が連絡をとったり、接触してあらためて説明したりはしたのか。

村井知事

 いいえ、直接電話をかけたりというのはありません。やはり漁協という組織とやっておりますので、個別にやるとかえって混乱をしたり、ご迷惑をおかけすることになろうかと思います。そういうことはせずに、県という組織と漁協という組織と、あとはLLC(合同会社)という組織と、その組織単位で個別に調整をしていったということでございます。

 漁協は制度そのものに反対していると同時に、例えば区割りといった具体的なことでの反対もあるようだが、そういったことを今後の認定までの間に修正協議することはあり得るか。

村井知事

 いいえ、もう全て書類はでき上がり、1枚ではなくてかなりの分量で出しておりますから、これを今から変えることはないということですね。今日出した書類は復興局・復興庁から手直しを求められない限りは、私のほうから手直しを求めることはありません。

 国から求められればそういうことはあり得るか。

村井知事

 それはもう申請を受け付けないということですので(あり得ると思います)。ただ、ここまで相当細かい調整をしてきていますので、私はそういうことはないだろうとは思っております。

 もし今回の特区申請の適用がなされた場合に、特区が成功したと言える浜の姿というのを教えてほしい。

村井知事

 これは、先ほどのお答えと重複するのですけれども、まず、人の減少、また高齢化という浜の衰退がどのように変わったのか、そして桃浦全体の利益がどう変わったのか、また浜全体にどういう活気がよみがえったのか、客観的な数字で出せるものと出せないものがあろうかと思いますけれども、こういったようなものを見て分かるような形になればというふうに思っております。少なくとも、皆さんが数年後に桃浦に行って、「ああ、桃浦は相当変わったな」と思ってもらえるようにすることが何よりも肝心ではないかと思います。私は変わるのではないかと期待しております。
 経営は個人個人の漁師さん方と桃浦の会社というのがあり別ですけれども、結果的に桃浦の皆さんと周りの浜が一緒になって、「みんなで協力してやっていこうじゃないか」、また「漁協も一緒になってやっていこうじゃないか」という形になる可能性は十分あるというふうに私は思います。このままずっと平行線でけんかするだけではなくて(協力する関係になっていく)、それにはちょっと時間を必要とするのではないかと思っていますけれども。

 今回、1回目の協議会だけではなくて、2回目の協議会という可能性はなかったのか。このタイミングでの申請というのが、9月の漁業権切り替え時期を考えたタイムリミットだからということなのか。それとも、今後協議を重ねてもなかなか進展が見られないのではないかと判断されたのか。

村井知事

 3月21日に、県漁協の方々約40人に対しまして事前に説明をいたしました。十分な時間をとって(4日に)協議会を開催いたしまして、協議会におきましても十分な議論をいただいたということでございました。従って、議論は出尽くしたと(思いますし)、恐らく同じ会議をやっても、ずっと同じ議論の繰り返しになってしまいますので、ここはこれで十分だと判断したということでございます。
 また、協議会において、県漁協から書面による回答を求められたものにつきましては、8日に(協議会の)議事録と共に県の考え方を丁寧にまとめて回答をさせていただきました。

 特区に認定された場合に、その後に県ができ得る支援についてはどのように考えるか。

村井知事

 民間企業ですので、これは基本的には自分たちで努力をしていただくということになると思います。ただ、漁協が心配されているように、周りの浜と何らかの形でいざこざが起こって、間に誰かが入らなければいけないと(なった場合)、漁協はその役割を果たす気はないということになれば、われわれも当然間に入って、両方の意見を聞いて仲裁役を果たすということもあるかもしれません。われわれとして桃浦だけに肩入れをするつもりも全くないし、桃浦も一つの会社、一人の漁師さん方も大切な漁師さんということで、当然、対応は全く同じだということであります。これ以上の支援は特にないというふうに思います。