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宮城県知事記者会見(平成25年4月8日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年4月9日更新

知事定例記者会見

水産業復興特区地域協議会について

 先週(4日)、桃浦地区水産業復興特区地域協議会が開かれていろいろ反対の意見も出たが、あらためてこの会議について知事の受け止めを伺う。

村井知事

 県漁協さんからは反対のご意見がございました。また、関係者であります桃浦のLLC(合同会社)の皆さまからは、特区について賛成のご意見があったということでございます。県は従来どおりの考え方を説明させていただきました。だいたい議論は出尽くしたのではないかという印象を受けております。われわれが一番危惧をしておりました地元漁民のなりわいの維持ができるかどうか、また特区適用漁場の属する水面の総合的利用に支障を及ぼすかどうか、この点が非常に心配をされている部分でございましたが、その点についての問題点は特に指摘をされなかったと認識をしております。

 今後の手続について、申請に向けて知事はどういうお考えで臨む方針か。

村井知事

 地域協議会の中で、漁協からご質問やあるいは要望もございましたので、現在そのことも含め総合的に検討中であります。

 具体的な申請の時期等のめどは立っているか。

村井知事

 その点について、現在総合的に検討中だということでございます。もう少し付言いたしますと、なるべく早い時期に判断をしたいと考えております。

 協議会の中での漁協の認識としては、県の実地調査のあり方に何か心配があるのではないかという点と、水面の総合的利用に支障を来すかどうかという点については漁協との間の認識で物別れだったようだが、その点についてあらためて伺う。

村井知事

 今回の区割りは、県が現地調査に赴き、各浜の支部長等から養殖実態を調査いたしました。また、洋上での調査を行った上で確認をしたということでございます。具体的には、各浜のカキ養殖の漁場は従来から固定化して利用されているということで、毎回区割りの問題が出たときに、桃浦と隣の浜が入ったり出ていったりといったようなことは今までなかったと、区割りはきっちりされたままで、ここは桃浦の浜だというのは誰もが認識をされていたということは、誰に聞いても異論はなかったということです。そういうことが地区間で確認されたということです。そういうことも含めて、各浜の間の漁場の境界を洋上により確認をしたということでございます。従って、はんこを押したか押さなかったかということよりも、もう慣例的に「ここが境界になっていたんでしょうね」、「そうです」ということで十分だろうと判断したということです。
 支障があると言われたことにつきましては、縷々(るる(こまごまと))ありましたが、基本的には法律に基づいてわれわれは行動しなければなりません。その法律にうたってある先ほど言った地元漁民のなりわいの維持に問題があるのかどうか、それから水面の総合的利用について支障があるのかどうか。これについては特に大きな問題点は指摘されなかったということで、法律上、そういった(申請に)踏み込めないご指摘はなかったという捉え方をしております。

 今後のスケジュールについて、なるべく早い時期に判断したいと話されたが、その判断の基準となるものは何か。

村井知事

 基本的には、繰り返しになりますけれども、特区法等に基づく認定要件、特に地元漁民のなりわいの維持と、特区適用漁場の属する水面の総合的利用に支障を及ぼさないことが判断基準だと考えております。

 先般「月内にも申請へ」と書いている報道機関があったが、その部分についてはいかがか。

村井知事

 それはあくまでも観測記事というふうにわれわれは捉えておりまして、記者さんの会社の責任において独自で取材をされてそう判断されたのだと思っております。その点について私どもは何ら責任を負えるものではないと思っております。時期については、先ほど言ったように漁協の皆さんからいろいろなご質問やあるいは要望もございましたので、それについてどう対応するのかということを今検討中でございますので、もう少しお時間をいただきたいと思います。

 県として行うべき手続はだいぶ終わりに近づいてきたかと思うが、あらためてこの水産業復興特区が、全国の今の日本の水産業を踏まえた上で、どういう意味を持つ施策なのかという認識をもう一度伺いたい。

村井知事

 つい数年前までは漁業をやりたいという人たちが次々出てきて、それによって区割りを誰かが調整をしなければならなかった。国もできない、行政もなかなか海のことは細かいところは分からないということで、それについては全て「では漁協にお任せしましょう」ということで、漁協がその区割りを担っていたということであります。今までのように漁師さん方が、右肩上がりで増え続けるような状態、あるいは少なくとも同じような数で維持するという状況が続くならば、こういったものは必要ないと思います。しかし、数年前を境にして激減し始めました。しかも、平均年齢が65歳を超えているという状況でございます。私が大変心配しておりますのは、あと2、30年するともう浜に漁師さん方がいなくなってしまうという事態が起こるのではないかということを危惧したということであります。そうなってから手を打とうとしても、実際の担い手がいなくなってしまいますので、今高齢者の方たちが中心とはいえ担い手の方がおられるうちに、やはり新しいやり方にもチャレンジをしていく必要があるだろうと考えております。
 水産業復興特区は、一言で言うと漁業権を民間に開放するということであります。それによって、決められたものしか作れませんけれども、漁協の制約から解き放たれて自分たちで海の与えられたエリアを自由に、工夫しながら質の高いもの、あるいはたくさんの量をどうやって作ればいいのか、また作ったものをいかにして加工して付加価値の高いものにするのか、どういう販売ルートを作ればいいのかということを、漁師さん方ができなかった領域を企業がそれを支えて、みんなでウイン・ウイン(双方に利益がある関係)に繁栄できる、そういう仕組みを作るというものであります。
 これが成功すれば、今後次々と出てくる、桃浦のように漁師さん方がほとんどいなくなってしまって、あと数年のうちには誰もいなくなってしまう可能性のある浜が、そういった制度を活用して、民間とタイアップすることによってまたよみがえる、そういうモデルを作ることができるのではないかと私は考えているということであります。私は非常に大きな意義があると思います。今の状況では、(漁協の)組合員でなければ海に入ることができません。しかし、特区が認められた後は、地元の漁師さん中心の会社ではありますけれども、漁協の組合員でない方も海の中に入って仕事をすることができるようになるということでありますので、そういった意味でも大変画期的な制度だと思います。

 現状において、その合同会社は組合員でありながら一部流通業者に出荷していることを始めたわけだが、こういった形態で漁業権を付与しないで合同会社という形でやっていくことでは不十分なのか。
 また、特区の構想も終盤に差しかかっているが、これまでの経過を振り返って、提案の仕方も含めて、県のやり方として漁協の心情を害するやり方ではなかったかという点を伺う。

村井知事

 今までのやり方も一つのやり方だと思いますけれども、私はこの特区というのは非常に意義のあることだと考えております。少なくとも新会社は何かやるときに、漁協に相談をしないでいろいろなことにチャレンジできます。カキを作るときに、周りの浜と調整せずに、自分たちがこういった付加価値の高いものを出荷時期をずらす、あるいは大きくなってから出荷をする、こういったことを自分たちで判断できる。また、カキをむかずにそのまま出荷するということもできる。要は、漁協の制約から全く解き放たれるという意味では、非常に意義のあることだと思います。
 また、先ほども言ったように、組合員以外は海に入ってはならぬということからも解放されるということであります。会社として社員の人たちを雇って、ローテーションで、あるときは生産に、あるときは加工に、あるときは販売にという形で人材を育てることも可能になってくると思います。そういった意味で、やはり今までのやり方とは相当形が変わってくると思います。今、賛成か反対かで議論しておりますが、恐らく20年30年したらこのやり方が正しかったということが証明されるのではないかと思います。これがきっかけとなって、そういった動きが全国に広がっていくことを期待しております。
 それから、振り返って県のやり方がどうだったのかということですが、これは当初から(県漁協は)大変強く反対をされておられました。昨年私自身、3回県漁協の関係者と話をさせていただき、丁寧に説明をいたしました。また、私以外の職員も10回以上漁協に出向いて説明をいたしました。また、周りの浜にも行って説明をさせていただいたということでございます。本当に足しげく通ったと思っております。
 水産特区制度は、復興特別区域法によって法的制度として認められたものでございます。従って、現時点において特区について反対だというのは、これはやはり時期を間違えているのではないかと私は思います。現在はもう法律として定められたものでありますので、われわれはその法律にのっとって淡々粛々とやっているということです。岩手県でも福島県でもやろうと思えばできる制度だということです。もちろん私が提案したから私に批判が集まるのもやむを得ないと思いますけれども、これは法律として国が国会を通して、国会の議決をもって定められた法律でございますので、それにのっとって県が粛々と進めているということでございますので、ご理解をいただきたいと思います。恐らく漁業生産の増大、それから雇用の創出、こういったものも図られるだろうと思いますので、結果的に今、県漁協とこの点だけはうまくかみ合っておりませんけれども、いずれこれがうまくいってきて私は漁協と協力しながらやっていける体制が作れるものと思っております。漁協は非常に大きな組織ですし、漁協なしに宮城の水産業というのは成り立たないと思っておりますので、いつまでも反目するのではなくて、いずれこれが動き出したならば、お互い協力し合って、助け合ってやっていけるようなウイン・ウインの関係になるように、私は努力をしてまいりたいと思っております。

中国で発生している鳥インフルエンザを踏まえた県の対応について

 中国で発生している鳥インフルエンザは感染者21名となったが、今後の県の対応について何かあればお話しいただきたい。

村井知事

 現在、内閣官房、そして厚生労働省から、随時情報提供を受けている状況でございます。国からの通知を受けまして、4月4日に県の医師会を通じて各医療機関に対して、鳥インフルエンザの疑いのある患者を診察した際の情報提供をまず依頼しております。県内で疑いのある患者が発生した場合に備えまして、県内の6つの感染症指定医療機関、ベッド数は34床でございますが、そこへの受け入れ体制も確認をしております。ヒト-ヒト感染が見られるなど、政府の対策本部が立ち上がった段階で、県の新型インフルエンザ等対策本部を開催することになります。現段階では、庁内や関係機関との情報共有や連絡体制の構築を図っているところでございます。情報提供を政府から受けまして、順次整備を進めているということであります。前回のパンデミック(世界的大流行)対策で体制の整備はできておりますので、またそれを動かしたということでございます。出ないことを祈っております。

選挙の1票の格差問題について

 衆議院選挙の1票の格差問題について、宮城県第5区が震災の影響で1万4千人減り、区割り改定案でも格差が2倍を超えていた。新たな区割り変更の議論の対象になる可能性もある。被災地の声が国に届きにくくなるのではないかと懸念されているが、知事の見解を伺う。

村井知事

 今回の改正案は、衆議院議員選挙区画定審議会設置法という法律に基づいて直近の国勢調査等による人口に基づいて決定されたものであります。私としては意見を求められましたので、人口が震災被害による住居移動や今後の復興まちづくりのため、当分の間は不安定な実情にあるということを意見として申し上げました。今回の区割り案は、緊急是正法(衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律)が人口格差の緊急的な是正を目的としておりますことから、種々の課題が残っていると私も受け止めております。今後は抜本的な選挙制度改革がやはり必要であろうというふうに思います。各種裁判でいろいろ問題提起をされておりますので、やはりどのような場合でも2倍以内に収まるようにするべきだと、私は思います。

 2倍にする結果、石巻を中心とする声が届きにくくなるとか、そういう懸念はないか。

村井知事

 ありますね。従って、そのこと自体もいろいろ細かい調整になりますので、もっと抜本的な選挙制度の全体の見直しも含めて考えていくべきだということであります。恐らく2(倍以内)という数字にこだわれば、どうしても今言ったような議論になってしまって、被災者の皆さんの声がなかなか届きづらくなってしまうということにもなりかねませんので、そういったことを踏まえて、もう少し大きな選挙制度全体の見直しといったようなものまで踏み込んで考えるべきではないかと思います。

 この1票の格差の問題をめぐっては自民党と民主党で今意見がまとまっているわけだが、知事として応急的な是正措置をとりあえず是とした上で、その後抜本的な解決を目指していくべきと考えているのか。それとも緊急的な是正措置はもうやめて、抜本的な改革に取り組むべきと考えているのか。

村井知事

 緊急的な是正措置を是としております。

県内の景気の状況に対する印象について

 マーケットで円安が進み株が高くなっているが、県内経済への影響は。また、中小企業金融円滑化法の期限が切れたが、これがどのように影響しているか。県内の景況感について伺いたい。

村井知事

 金融円滑化法が切れたことによる影響というのは、まだ私のところには届いておりません。少なからず影響はあろうかと思いますので、この点につきましては国とよく調整をしながら対応をいろいろ考えていきたいと思っております。
 円安、それから株高については、今のところ輸入品等に影響は出ており、ガソリンの値上がり等もあります。しかし全体としてはプラスに働いているような気がいたします。少なくともマーケットはそれを非常に好感しております。宮城県は雇用を生み出さないと被災者の皆さんがますます外に出ていってしまう状況ですので、そういった意味ではいい方向に向かっているのではないかと思って高く評価をしております。

格安航空会社ピーチの新規就航について

 今週の金曜日(12日)に格安航空会社ピーチが仙台空港に就航するが、県としてどのような効果を期待されているか。

村井知事

 ピーチは関西(国際)空港からフライトされます。実は観光客を分析いたしますと、大部分が県内、東北、関東圏のお客さんで90%ぐらいを占めるのですね。従って、国内においては西のお客様、また海外のお客様をどうやって呼び込むのかということが一番重要で、そういった意味では、5千円前後で関西のほうからこちらに飛んでこられる、または関空を使って海外からお客様を呼び込めるということでございます。非常に伸びしろがあるのではないかと期待をしているということでございます。

 仙台空港民営化も絡め旅客数600万人という目標を掲げているが、震災からの復興への後押しとなるとお考えか。

村井知事

 はい。間違いなく後押しになると思います。民営化をする最大の目的は、やはりお客様の数を増やしたいということです。民間の発想、資金、こういったものを使って仙台空港を活性化させるということでございます。その際に、やはりキーワードは、LCC(格安航空会社)ですね。LCCでなくては、お客さんを増やすことは難しいと思います。そうしないと、既存のお客さんの奪い合いになってしまいます。(LCCは)今まで飛行機をご利用なさっていなかった若い人たち、そういう人たちが気軽に使ってもらえる乗り物でありますので、新しい需要を開拓できると思っております。空港の民営化に手を挙げたいという企業がございますが、どの企業に聞きましても、やはりLCCを増やしていく、またビジネスジェットをどうやって増やしていくのかということが非常に重要だとおっしゃっていますので、その点について、まずピーチがその成功例を作っていただければと思います。

県内のがれき処理について

 今日(8日)の午後、東京の猪瀬直樹知事にお会いすると思うが、あらためて県内のがれき処理の状況について伺う。環境省でも可燃物の広域処理については目途が立ったとしていると思うが、平成26年3月までという目標で進めてきたがれきの処理完了は達成できると考えているか。

村井知事

 可燃性がれきについては、(平成)25年度内に処理ができるという見込みが立ちました。これはやはり広域処理にご協力いただいた自治体があったからこそでありまして、感謝をしております。不燃性のがれきの処理につきましては、現在まだ一部調整中でございます。もう少しお時間をいただきたいと思います。

 平成25年度末までの目標達成はどういう見込みか。

村井知事

 やはり目標は目標でございますので、最後まで追求をしていきたいと思っております。